スコッティ・ピッペンが裁判で勝ったとの記事。

ピッペンは昔、NBAシカゴ・ブルズに所属したプレイヤー。実にクリエイティブなプレイを見せる選手で、90年代シカゴ・ブルズ全盛時代には、マイケル・ジョーダンとの二枚看板でチームに貢献。

1996年頃、ブルズが後期の３連覇（スリーピート）を成し遂げた時期にちょうど地元シカゴに住んでたから、実に懐かしい名前。

今回の裁判は、2002年にピッペンが4百万ドル（およそ4億円）で購入したガルフ・ストリームジェット機に関するもの。購入したはよいが、直後にあと百万ドル払ってエンジンを修理しないとこの飛行機が飛べないことが判明。ずっとそのまま地上に置いてあり、一度も飛んだことがない。ピッペンはこの件で、契約に携わった自分の弁護士を訴え、今回２百万ドルを支払わせることに成功したとのニュース。

Wikiのピッペンに関する項目によると、ピッペンは、ブルズと1991年から当時としては破格の200万ドルの年俸で7年契約を締結。しかしこの時期は、ちょうどNBAの人気が爆発し、プレイヤーの年俸が倍倍ゲームで高騰している最中。

ブルズのフロントからも、この時期の長期契約は止めておけと注意されたのだが、ピッペンは聞き入れず。結局この時点で年収を固定してしまったため、年々リーグでの年俸ランキングが落ち、7年後にはトッププレイヤーなのにリーグ平均以下に。この契約を巡っては、チームのフロントとずっと大揉めに揉めていたのだという。

貧乏な生まれで、お金に対する執着があり、故障によって選手生命が絶たれる不安があって長期契約に固執したのだが、実にタイミングが悪かった。お金に関しては、だいぶ不必要な損をしてる訳で、ちょっと気の毒だな。

ピッペンは引退後、数々のビジネスに金を投じたがことごとく失敗。ずいぶんお金を失ってしまったらしい。

まあ、バスケットでは素晴らしいプレイヤーだったが、引退して世間に出れば、持ってる金を毟り取るためにロクでもない輩がわんさか群がってくる。世に疎い運動選手を騙す事など、赤子の手をひねるより簡単。ボクシングのマイク・タイソンも、一頃はプロスポーツ選手トップの年収があったのだが、今やスッカラカン。スポーツにおけるかつての名プレイヤーの没落は、実に気の毒な話でもある。

そして記事の最後はこんな風なジョークで終わる。

I think we've all learned a valuable lesson here. Whenever you spend $4 million on a jet, make sure it works first. （この件の貴重な教訓は、4百万ドルでジェット買う時は、まず動くかどうかちゃんと確かめないといけないということ）

確かにその通り。普通の人間には4百万ドルの買い物する余裕など、どこにもないけどねえ。

ピッペンは、この判決に涙を流して喜んだのだそうだ。それにしても差し引きではまだ2百万ドル損してる訳だが。