■ 自動昇格圏となる2位J3は9節が終了した。6勝1敗1分けで勝ち点「19」の沼津が首位に立っている。オフに攻撃の中心だったFW薗田(徳島)とMF中村亮(秋田)が流出。難しいシーズンになる可能性があったが開幕4連勝。好スタートを切った。ここまでの8試合でわずか3失点。群馬時代は失点に絡むミスが多かった新加入のGK牲川が守護神として後方からチームを支えている。3失点というのは当然のことながらJ3では最少失点になる。
2位に位置するのはC大阪U-23で5勝1敗2分け。勝ち点「17」を稼いでいる。首位の沼津との差は「2」なので優勝争いに絡んでいる。2016年は8勝14敗8分けで12位、2017年は8勝13敗11分けで13位。2年連続でJ3の下位に位置するなど苦しいシーズンを過ごしたが加入3年目の今シーズンは快進撃を見せている。開幕戦こそ優勝候補の筆頭と言われた秋田に0対1で敗れたが3節以降は7試合負けなしと突っ走っている。
8試合で14得点/7失点。失点の少なさがC大阪U-23の強みと言える。無失点に抑えたのは5節のFC東京戦(H)のみ。なかなかクリーンシートを達成することは出来ないが複数失点は未だにゼロ。結局、8試合のうち7試合は1失点。無得点に終わったのは開幕の秋田戦(H)のみ。安定した戦いを続けている。鳥取や福島などもスタートダッシュに成功したがC大阪U-23の活躍は最大のサプライズの1つに挙げられる。
■ J2に昇格する権利はない。1試合消化が少ない中、自動昇格圏となる2位に付けているが、気になるのは「このままの順位をキープしたらJ2に昇格できるのか?」である。過去2年間はU-23の3チーム(FC東京・G大阪・C大阪)が上位争いに参加することはなかったのであまり気になるポイントではなかったが現時点で自動昇格圏に位置するので「昇格に関してどういうレギュレーションになっているのか?」は大いに気になるところである。
結論から述べると「2位以内に入ってもJ2に昇格することは出来ない。」となる。U-23の3チームのいずれか(or 2チーム)が2位以内に入った時は「U-23を除いたそれ以外のチームの年間順位の上位2チーム」が昇格資格を得ることになる。つまり、1位がC大阪U-23、2位がG大阪U-23、3位が秋田、4位が沼津だった場合は「3位の秋田と4位の沼津が昇格の資格を得ることになる。」という決まりになっている。
ということで、C大阪U-23がJ3で好成績を残したとしてもJ2に昇格することは出来ないがそれでも各選手はモチベーション高くプレーし続けている。U-23の3チーム(FC東京・G大阪・C大阪)がJ3でなかなか結果を出せずに下位に低迷していると「存在意義」や「存在理由」を問われかねないがようやく上位争いに参加するチームが出てきた。この快進撃がどこまで続くのか?は興味深いところである。
■ 躍進の理由を挙げると・・・。開幕前の評価は決して高くはなかったことを考えると「驚きの躍進」と言えるが躍進の理由としては
・核となる選手が固定されている点。
・もともと能力的に高い選手が多い点。
・J3での戦いに個人としてもチームとしても慣れてきた点。
・トップチームの層が厚いので駆り出されるケースが少ない点。
あたりになる。ACLのGLでタイと中国に遠征した時は普段はU-23でプレーしている選手が大量に招集されたが大半のU-23の試合は「ベストメンバーに近い陣容」で挑むことが出来ている。DF沖野、DF森下怜、DF石尾、DF舩木翔、MF斧澤、FW米澤、FW山田寛などがレギュラーを確保しており、キーパーもGK茂木秀か、GK永石のどちらか。メンバーがほぼ固定されているので試合を重ねるごとに熟成されてくる。
U-23はオーバーエイジの使用が認められているがここまではDF藤本康とMFオスマルがそれぞれ1試合に出場しただけ。オーバーエイジの選手をほとんど使わずにこれだけの成績を残している点も称賛に値する。C大阪のトップチームはロンドン世代に主力が集中しており、年齢的にピークの時期を迎えている選手が多いが、次代のC大阪を担う若手はしっかりとU-23やJ2のクラブで出場機会を得て力を蓄えている。
■ 個々の選手で目立つのは・・・。MF山口蛍、MF清武、FW柿谷、MF山村和、DF丸橋などが30才を超える2・3年後というのはC大阪にとっては危険な時期になる。同じようなタイミングで主力を担ってきた選手がベテランと言われる年齢に突入することになる。今の時点ではこの点がクラブの最大の心配事になるが、先のとおり、次代を担う選手が育ちつつある。U-23を発足させて育成に力を入れてきたことが危機を乗り越える原動力になるだろう。
個々の選手に注目すると4ゴールのFW米澤が得点源となってチームを引っ張っている。キープ力も高い選手なので欠かせない選手である。J2の山口では力を出し切れなかったがJ2でも十分に活躍できそうな選手である。守備陣ではDF森下怜が要になっている。180センチなので現代のCBとしては小柄な選手になるが安定感があって堅実なプレーを見せる。ケガをしない頑丈さも大きな武器になっている。
東京世代の左SBのDF舩木翔の活躍も目立っている。ここまで3アシストを記録しているが精度の高い左足のキックはC大阪U-23の大きな武器になっている。J3の中では有数のプレイスキッカーと言える。サプライズというと高校3年生のDF石尾になる。そもそもとしてU-23の対象となるCBはDF森下怜しかいないのでユースの選手を借りる必要があるがここまで素晴らしい活躍を見せて躍進に大貢献している。
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