■ J1の第2節J1の第2節。開幕戦はアウェイで鳥栖と対戦して前半早々に先制ゴールを奪ったものの、1対2と逆転負けを喫したアルビレックス新潟がホームのデンカビッグスワンスタジアムで清水エスパルスと対戦した。清水は開幕戦は終盤に2ゴールを奪って優勝候補の一角の鹿島を3対1で下して白星スタートを切った。エースのMF大前が2ゴールで、MF村田和が2アシストと攻撃的なポジションの選手の活躍が目立った。
ホームの新潟は「4-2-2-2」。GK守田。DF小泉慶、大井、大野、コルテース。MF小林裕、レオ・シルバ、平松、山本康。FW田中達、ラファエル・シルバ。鳥栖戦(A)で怪我をして途中交代となったDF舞行龍ジェームズは欠場で、左利きのDF大野がスタメンで起用された。その他は開幕戦と全く同じメンバーで、U-22ミャンマー戦に出場した五輪代表のDF松原健とFW鈴木武蔵の2人はベンチスタートとなった。
対するアウェーの清水は「4-2-3-1」。GK櫛引。DF三浦弦、ヤコヴィッチ、平岡、犬飼。MF本田拓、八反田、村田和、大前、竹内涼。FW長沢駿。こちらは開幕の鹿島戦(H)と全く同じスタメンとなった。五輪代表のGK櫛引は2試合連続スタメンとなった。ナイジェリア代表歴のあるFWピーター・ウタカ、オーストラリア代表歴のあるMFミッチェル・デュークの2人はこの日もベンチスタートとなった。
■ ゴールは生まれずスコアレスドロー試合の前半はほぼ互角の展開となる。新潟は開幕戦で先制ゴールを決めたFWラファエル・シルバが絡むとビッグチャンスにつながっていく。2トップを組んだFW田中達も効果的なプレーを見せる。一方の清水は右サイドのMF村田和のところからチャンスを作っていく。MF村田和の突破からファーサイドのMF大前が決定的なヘディングシュートを放った場面があったが、シュートを枠に飛ばすことができない。
後半になると新潟が優勢となる。左SBのDFコルテースがいい形で攻撃に絡めるようになる。清水は後半開始からMF大前に代わって投入されたFWピーター・ウタカが存在感を発揮。強烈なヘディングシュートがバーに直撃するシーンなど元ナイジェリア代表の実力の片鱗を見せる。先制ゴールの欲しい新潟は後半24分にFW山崎亮を投入すると、彼がいくつかチャンスに絡むがゴールを奪うことはできない。
結局、最後まで両チームが攻め合う好ゲームとなったが、ともにゴールネットは揺らせず。試合は0対0で終了してともに勝ち点「1」を獲得した。ホームの新潟はこれで0勝1敗1分けとなった。次の3節もホームゲームでACLに出場している好調の柏と対戦する。一方の清水は1勝1分けとなった。清水は次の第3節はホームのIAIスタジアム日本平で昇格組の1つの松本山雅と対戦する。
■ 質の高いプレーを見せたFWピーター・ウタカゴールは生まれなかったが、攻守の切り替えが早くて、ともに自分たちの良さをある程度は出すことが出来た。決定機も少なくなかったので、なかなか見どころの多い試合になった。清水はアウェイの新潟戦を苦手にしており、なかなか勝てていなかったので、悪くない結果と言える。ニューイヤーカップの結果と内容があまり良くなかったのでチーム状態が不安視されていたが、1勝1分けとまずまずのスタートを切った。
この日はMF大前が怪我の影響なのか前半だけで交代となった。開幕からFW長沢駿とMF大前とMF村田和のトライアングルが機能しているので大きなマイナスに思えたが、代わりに入って来たFWピーター・ウタカのパフォーマンスはかなり良かった。ミュージシャンあるいは格闘技の選手のような風貌で、Jリーガーの中ではかなり異質であり、目に留まりやすい風貌をしているが、プレーでも存在感があった。
公称は178センチで79キロなので、かなりがっちりした体格である。見るからに身体能力が高そうな選手なので、自分の武器となるパワーやスピードを前面に押し出した「いかにもアフリカ出身の選手」というプレースタイルかと想像していたが、クレバーなところが印象に残った。周りが良く見えており、パスの精度も高くて、プレーが丁寧な選手である。チャンスメークもできそうな選手と言える。
2月になって清水は元ナイジェリア代表のFWピーター・ウタカと元オーストラリア代表のMFミッチェル・デュークの2人を獲得した。名古屋に移籍したFWノヴァコヴィッチの穴を埋めることが期待されていたが、1トップの位置のFW長沢駿が存在感を発揮している。なので、両助っ人はベンチスタートが続いているが、ともに途中出場で能力の高さを見せている。今後は「2人をどうやって使うのか?」が注目される。
2試合連続で左サイドハーフで起用されたMF竹内涼の出来はこの試合はまずまずだったが、助っ人コンビをスタメンで起用するとなると、MF竹内涼の代わりとなるだろう。MFミッチェル・デュークはそのまま左サイドハーフの位置でもプレーできるかが、FWピーター・ウタカはサイドハーフではあまり生きないと思われる。「4-2-2-2」でも面白そうで、どちらかがスタメンに定着するようだとさらに攻撃力がアップする。
■ 注目を集める元ブラジル代表のDFコルテース一方の新潟も出来としてはまずまず良かった。1節の鳥栖戦(A)は早い時間帯に先制ゴールを奪ったが、そのあとはなかなかいい形を作れなかった。新潟にとってはかなり不本意な内容と言えたが、ホーム開幕戦のパフォーマンスはまずまずで、それなりに形は作った。当然のことながら、早い段階で今シーズンの初勝利を手に入れたいが、チーム状態が悪いわけではないので、慌てる必要はない。
ゴールにはつながらなかったが、攻撃的なポジションの選手はそろって持ち味を発揮した。この日はFW田中達の精力的な動きが特に目立ったが、左サイドハーフのMF山本康もチャンスシーンに顔を出す場面が多かった。そして、FWラファエル・シルバもいくつか自分の良さを見せた。2試合連続スタメンとなった大卒ルーキーのMF平松はあまり目立たなかったが、途中出場のMF山崎亮は存在感があった。
どの選手もそれなりのパフォーマンスを見せたが、「攻撃力」を期待されて左SBで起用されている新外国人のDFコルテースの出来もまずまずだった。「元ブラジル代表」という肩書きをもっており、年俸は5,000万円という話である。かなりの大金を使って獲得した選手なので、新潟サポーターならずともDFコルテースがどんな選手なのか?そして、どんなプレーができるのか?に注目しているサッカーファンは多い。
言うまでもなく、左SBは人材が不足気味である。日本だけではなく他国も同じ状況と言えるが、だからこそ、差が付きやすいポジションである。左SBにいい選手を抱えているチームは上位に来る可能性が高くて、特に攻撃力のある優秀な左SBがいるチームは多彩な攻撃が可能となる。そこそこの人材はすぐに見つかる他のポジションと比べると左SBは大きなプラスアルファが生まれやすいポジションである。
■ 元セレソンのDFコルテースの実力は・・・。新潟は昨シーズンの途中に韓国代表のDFキム・ジンスがドイツのホッフェンハイムに移籍した。終盤は高卒ルーキーのDF小泉慶を左SBで起用していたが、左SBが一番の補強ポイントになっていた。鹿島のDF前野を獲得して、さらにDFコルテースを獲得したのはウイークポイントを補う効果的な補強と言えたが、ブラジル人のSB、特に、攻撃力がウリとなるブラジル人のSBはハズレのケースも少なくなかった。
過去の例では守備の不安が大きくて「SBとして起用するのは難しい。」というケースが目立った。ハズレ率はかなり高かったので、DFコルテースについても「本当にSBで使えるのか?」と疑問に感じていたが、この日はまずまず良かった。プレシーズンマッチの岡山戦(中立)、開幕の鳥栖戦(A)に続いてフルで観るのは3試合目だったが、徐々に慣れてきたのか、この日のプレーがもっとも質が高かった。
選手名鑑等には「ドリブルやクロスが武器の選手」と紹介されることが多いが、今のところ、もっともいいのは左足の正確なフィードで、際どいところを通すことができる。また、この日は「Jリーグでも有数のサイドアタッカー」と言えるMF村田和とマッチアップすることになったが、簡単には突破を許さなかった。心配された守備に関しても「一定以上の守備力はあると考えても良さそうだ。」という印象を持った。
まだ本調子ではないのか、周りに気を使っているのか、攻撃参加は控えるように監督から指示されているのか、理由は定かではないが、攻撃に参加する回数はそれほど多くない。ただ、運動量やスタミナの部分が問題になりそうな雰囲気は無いので、暖かくなってくると攻撃においても存在感を発揮するようになるのではないか。新潟は攻撃力が高いとは言えないチームなので、DFコルテースにかかる期待も大きい。
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