■ 不本意なシーズンFC東京に所属するFW平山相太は、今シーズンも怪我に泣かされて、4試合の出場にとどまった。2011年も開幕戦に出場しただけで、1試合の出場にとどまっており、2年連続で不本意なシーズンとなった。(もっと、正確に言うと、2010年も不本意なシーズンだったので、3年連続ということになるが・・・。)
留任が決まったポポヴィッチ監督の評価は低くて、怪我が治って戦列に復帰した後も、リーグ戦は最終節に使われただけで、2012年は、結局、トータルでも19分の出場にとどまった。ということで、いくつかのクラブが獲得に興味を示しており、城福監督のいるヴァンフォーレ甲府、地元のギラヴァンツ北九州、フォワードを探しているファジアーノ岡山の3チームが、今のところ、候補に挙がっている。
こういう状況なので、FC東京に残ったとしても、チャンスは少ないだろう。FC東京との契約は残っている模様で、「レンタル移籍」という形になりそうだが、現状を打破するには、移籍という道を選択せざる得ない状況で、移籍先が注目される。
■ 移籍先の候補は?可能性が高そうなのは、J1の甲府である。城福監督はFW平山のことを評価しており、2009年や2010年はフォワードの軸として起用し続けた。彼のいいところも悪いところも良く分かっていて、大黒柱のFWダヴィの退団が確実になっていて、フォワードを探しているというチーム事情を考えると、獲得に乗り出す可能性はある。
「すでに、交渉の席にも付いた。」と報道されたJ2の岡山も候補の1つである。FW川又の退団が決まって、このチームもフォワードを探している。FW平山にとって必要な「得点力を磨く」という観点から考えると、パサーの多い岡山というのは、悪くない選択と言えるだろう。J2でプレーすることになるが、そういうことを言っていられない状況である。
ネームバリューのある選手なので、興行的なことを考えても、岡山にとっては、魅力的な選手だと思うが、18ゴールを挙げたFW川又の穴を埋められるかというと、現状では、厳しいだろう。ただ、器用な選手なので、2列目の選手を生かすプレーはできるはずで、「1トップ+2シャドー」の1トップのレギュラーとして期待できる。
地元の北九州という選択肢も考えられるが、現時点では、可能性は低いと思われる。ネックになるのは、期限付き移籍になることと、J1ライセンスを取得できていないことで、今後の数年間は、レンタル選手に頼らないチームを作っていくはずなので、チームの方針には合っていない。
■ 正念場のシーズンいずれにしても、過去2年間、ほとんど試合に出場していないので、FW平山にとって、2013年というのは、今後のキャリアを大きく左右する正念場のシーズンと言えるだろう。国見高校時代から、将来を嘱望されてきた大型ストライカーであるが、ここ数年は、その片りんを見せていない。
ただ、「終わってしまった選手」にカテゴライズされる選手かというと、そういうわけでもないだろう。27歳になったが、大型ストライカーの場合、普通の選手よりもピークが来るのは遅いので、ここから伸びていく選手もたくさんいる。
現時点では、どのチームでプレーすることになるか分からないが、大事なのは、どういうタイプの選手になるのか、どういうタイプを目指すのか、はっきりさせることである。ゴールゲッターになるのか、チャンスメーカーになるのか。見かけによらず、器用なところがあって、スルーパスを出すときも、センスを感じさせるが、これまでは、起用なところが大成を阻んできたところがある。
個人的には、もっとゴールへの意識を高めて、点の獲れる選手になってほしいと思う。高さがあるのはもちろんのこと、左右両足で強烈なシュートを放つことができるので、言うまでもなく、点取り屋としての資質を持っている。
そう考えると、中途半端にJ1でプレーするよりは、少しレベルの落ちるJ2でプレーした方が、彼にとっては、いいのではないかと思う。したがって、候補に挙がっている3チーム(甲府・岡山・北九州)の中では、岡山がベストではないかと思うが、とにかく、甘さは捨てて、死にもの狂いでサッカーに打ち込む必要がある。まだまだ、彼に期待している人というのは、たくさんいるので、そういう人たちを喜ばせるプレーを見せて欲しいと思う。
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