「サッカーのオランダ、エールディビジで、FW平山相太が所属するヘラクレスは1日、オランダ・アルメロでスパルタに1―0で勝った。平山は1点リードの後半36分から出場したが、得点には絡めなかった。(共同)」
この記事は間違ってはいない。しかし、その場の雰囲気や状況を全く表現することができていない、さびしい記事だ。アルメロでは、ピッチ上の全ての選手がが死に物狂いで戦って、そして、ヘラクレスが残留に向けて大きな勝ち点3を獲得した。
この試合は、前半42分に、相手キーパーのファンブルからクワンサーが決めて先制。後半は、スパルタが何度となく決定的なチャンスを迎えたが、フィニッシュの精度を著しく欠き、同点ゴールは奪えなかった。この勝ち点3で、ヘラクレスは一部残留をほぼ確実にした。
決勝点を決めたクワンサーは、この1年間、常にファンやメディアから批判を浴びてきた選手である。貴重な外国人枠を使って獲得してきた選手にもかかわらず、ミスが多く、開幕当初のCFから、トップ下、ボランチと徐々にポジションが下がってきて、中盤以降は、スタメンを外れることも多かった。そして迎えた大一番で、今シーズン一番苦労した選手が、最高の結果を残すという、感動的なシーンが用意されていた。
クワンサーの他にも、スラウターも今シーズン最高のプレーを見せた。
最後の10分に登場した平山は、1点のリードを守りきろうと、懸命に体を張って前線で奮闘した。体の切れは、相変わらずないが、持てる力を振り絞って、勝利に貢献したと思う。
ヘラクレスと平山に関しては、シーズン終了後に、思いっきり感想を書きたいと思うので、そのときに。
最後に、シーズン序盤のあまりのチームメートの下手さに驚いた前半戦 → 平山がスタメンに定着してゴールを重ねて言った中盤戦 → 残留に向けてチーム全員で動き回っても勝てない日々が続いてイライラした後半戦と、ヘラクレスというチームを半年間追いかけてきたが、なかなか面白かった。こんなに思い入れをもって試合を見たのは、(日本代表を除くと、)クーマン監督のときのアヤックス以来だった。
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