■ 準々決勝の2ndレグ ルヴァン杯の準々決勝の2ndレグ。鹿島アントラーズと名古屋グランパスの試合は9月5日(日)に県立カシマサッカースタジアムで行われた。豊田スタジアムで行われた1stレグは2対0で名古屋が勝利したので名古屋は大きなアドバンテージを持ってアウェイに乗り込んできた。追い込まれた鹿島は「90分の戦いで3点差以上で勝利する。」 or 「90分の戦いを2対0で制して延長戦に持ち込む。」のどちらかが必要となる。
ホームの鹿島は「4-2-3-1」。GK沖。DF常本、林尚輝、犬飼、永戸。MF三竿健、ディエゴ・ピトゥカ、土居聖、荒木遼、和泉。FW上田。東京五輪代表のCBのDF町田はベンチ外。代わって大卒ルーキーのDF林尚輝がスタメンで起用された。FWエヴェラウド、MFアルトゥール・カイキ、MFレオ・シルバはベンチスタート。夏に復帰したSBのDF安西もベンチスタートとなった。DF常本とDF林尚輝は大卒1年目になる。
アウェイの名古屋は「4-1-2-3」。GKランゲラック。DF宮原、中谷進、キム・ミンテ、吉田豊。MF木本、稲垣、長澤。FW前田直、柿谷、マテウス。『1点差負けでも勝ち抜け』となる名古屋はトリプルボランチ気味の布陣を採用した。MF木本がアンカーの位置で起用された。現役のポーランド代表のFWシュヴィルツォクはベンチスタート。J1の25節の福岡戦(H)で見事なミドルシュートを決めて1対0の勝利に貢献した。
■ 名古屋がアウェイ戦でも2対0で勝利 試合は「少なくとも2ゴール」が必要な鹿島が攻め込む展開になった。チームの顔に成長したトップ下のMF荒木遼がチャンスに絡んだ。鹿島が優勢だったが前半22分にMFマテウスのクロスからMF稲垣が得意のミドルシュートを決めて名古屋が先制に成功する。名古屋にとっては大きなアウェイゴールとなった。これで延長戦に突入する可能性は消滅した。鹿島は勝ち抜けのためには「4ゴール以上」が必要となった。
名古屋は前半25分にFW柿谷が負傷交代。代わってFWシュヴィルツォクが投入される。1対0で迎えた後半7分に名古屋はMF木本とMF長澤を下げてMF森下龍とMF米本を投入。3バックに変更する。さらに守備を固めると後半12分にMF前田直のクロスからFWシュヴィルツォクが決めてダメ押しの2点目を奪った。これで鹿島は5ゴールが必要となったがこの時にDF犬飼が足を痛めて途中交代となるアクシデントが発生した。
とにかくゴールが必要な鹿島はMF荒木遼を起点に何度もチャンスを作った。15本のシュートを放ったが決定力を欠いて最後までゴールを奪うことは出来なかった。ホーム戦に続いてアウェイ戦でも2対0で勝利した名古屋が10年ぶりのベスト4進出を決めた。意外にも名古屋はベスト4が最高。ナビスコ杯と呼ばれていた頃から一度も決勝進出は果たせていない。初の決勝進出を賭けて準決勝はFC東京と対戦する。
■ 先制ゴールの意味は大きい。 ルヴァン杯も準々決勝が終了した。優勝候補だった鹿島と川崎Fが揃ってベスト8で敗れてFC東京 vs 名古屋、浦和 vs C大阪という準決勝の顔合わせになった。準決勝は10月6日(水)と10月10日(日)に行われるが名古屋は初優勝の大きなチャンスを迎えている。連覇を目指すFC東京は 2004年・2009年・2020年と3度もルヴァン杯を制覇しており、浦和は2003年と2016年、C大阪は2017年のルヴァン杯を制覇した。
どこが優勝しても全くおかしくないが名古屋はかつては鬼門と言われた県立カシマサッカースタジアムで会心の勝利を手にした。Jリーグが始まってからずっとアウェイの鹿島戦で勝てなかった。1993年のJリーグの開幕戦では同スタジアムで0対5で大敗するなど「嫌な思い出しかない。」というサポーターは少なくないと思うが初戦で得たアドバンテージをしっかりと生かした。危ないシーンもあったが無失点で抑えた。
今大会はアウェイゴール方式なので先制ゴールの意味は大きい。名古屋の守備力を考えると「4失点」というのは考えにくい。前半22分にMF稲垣のゴールが決まって名古屋が先制した時点で「勝負あり」だった。価値ある先制ゴールを奪ったMF稲垣は今シーズンはJ1のリーグ戦でもゴールを量産しており、3月末に行われた日本代表の試合でも2つのミドルシュートをゲットした。ミドルシューターとして覚醒している。
もともと甲府時代からミドルシュートの評価は高かったが年々精度が向上している。「MF稲垣にミドルを打たせると危険」というのはすでに知れ渡っているが高確率でしっかりと抑えたシュートを打つことが出来る。2点目を奪ったのは途中出場したFWシュヴィルツォクだったが前線で起点になるプレーも多くて出色の出来だった。怪我で戦列を離れていたが彼が1トップの位置で固定されると得点力も上がってくるだろう。
■ 2015年以来のルヴァン杯制覇はならず・・・。 鹿島はホームで逆転を目指したが前半22分に先制ゴールを許して「4ゴールが必要」になった時点で準決勝進出の可能性は限りなくゼロになった。「複数のゴールを奪わないといけないがアウェイゴールを許すと大変なことになる。」という状況は鹿島と言えども難しい。1失点目は一時的に試合が止まって再開直後のプレーで右サイドを抜け出されたがいきなり試合が再開されたのか、鹿島側は準備不足だった。
鹿島は2018年にアジア制覇を達成したが国内タイトルは2016年が最後になる。2017年以降は国内タイトルを逃し続けている。名門の鹿島が長い期間、国内タイトルから遠ざかるのは2003年~2006年以来になる。もちろん、今シーズンのリーグ戦や天皇杯でタイトルを獲得するチャンスは残っているが「常勝軍団」と言われるチームなので今シーズンも無冠に終わるようだと相馬監督に対する声も厳しくなるだろう。
ルヴァン杯制覇の可能性はなくなってリーグ戦に集中できる環境になったことをプラスに考えたいがこの日は守備が不安定だった。MF荒木遼とMFディエゴ・ピトゥカを中心とした攻撃陣は沢山のチャンスを作ったので悪くはなかったがDF林尚輝が起用された最終ラインは安定感を欠いた。大阪体育大出身で大卒1年目のDF林尚輝はここまでは安定したプレーを見せていたが準決勝がかかった大事な試合で力を出し切れず。
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