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【岩手×秋田】「Jリーグ最速」と言っても過言ではないFW齋藤恵太のスピード | | |　

■　2020年のJ3がいよいよ開幕

J3は3月7日(土)に開幕する予定だったが延期された。約3か月半遅れで6月27日(土)に開幕を迎えたが再開初戦は近隣のクラブ同士の対戦が多かった。6月27日(土)に開催された試合の中では岩手 vs 秋田、福島 vs 八戸の2試合が15時キックオフになった。この2試合が最も早い時間帯にキックオフされたので「コロナ後のJリーグの幕開けの試合」になった。岩手と秋田の試合は「北東北ダービー」と呼ばれている。

ホームの岩手は「4-2-2-2」。GK鈴木智。DF有永、平川元、下畠、中村太。MF石井圭、脇本、佐々木祐太、小谷光。FW岸田、大垣。2019年はJ3で最下位に終わったが昨秋に英会話スクールで有名な「NOVA」が経営権を取得。「J3優勝を狙える戦力にする。」と公言した通りでオフの移籍市場では積極的な動きを見せた。11人のうち、8人が新加入選手になる。元・日本代表の秋田監督の手腕に注目が集まっている。

対するアウェイの秋田は「4-2-2-2」。GK田中雄。DF鈴木準、千田、韓浩康、鎌田。MF山田尚、江口、沖野、久富賢。FW中村亮、齋藤恵。こちらはオフに沼津で結果を残した吉田謙監督の招聘に成功した。GK田中雄、DF輪笠、DF鈴木準を獲得するなど「他のJ3のクラブで活躍した若手～中堅世代の選手中心の補強」になった。エースのFW中村亮は沼津時代も吉田謙監督の指導を受けている教え子になる。

■　圧巻のゴールラッシュを見せた。

試合は立ち上がりこそ互角の展開になったが秋田がスピードを生かした攻撃でチャンスを作っていく。前半27分には左サイドに流れたFW中村亮のクロスからFW齋藤恵がうまく頭で合わせてアウェイの秋田が先制に成功する。さらに前半34分には自陣からFW中村亮が前のスペースに蹴ったボールに反応したFW齋藤恵が持ち前のスピードで相手をぶっちぎってゴール。FW齋藤恵の驚異のスピードが発揮された。

0対2になった岩手は前半40分に新加入のMF佐々木祐太を下げて新外国人のMFブレンネルを投入。これで少し持ち直したが後半14分に相手のパスミスを拾ったFW中村亮がキーパーとの1対1を確実に決めて3点目を奪うと後半23分にはFW中村亮のシュート性のクロスをゴール前にいた大卒ルーキーのFW井上直が合わせてダメ押しの4点目を奪った。びわこ成蹊スポーツ大出身のFW井上直はJ3初ゴールとなった。

意地を見せたい岩手だったが放ったシュートはわずか2本のみ。攻撃も守備もいいところはほとんど出せなかった。4対0で大勝した秋田は最高のスタートを切った。吉田謙監督は新天地の初陣を勝利で飾った。敗れた岩手の秋田監督は初陣を飾ることは出来なかった。2019年の岩手は14試合勝ちなしでフィニッシュしているので昨シーズンから続く未勝利記録は「15」となった。最後に勝利したのは2019年の8月になる。

■　秋田監督は大敗スタート

元・日本代表の秋田監督を招聘した岩手は「2020年のJ3の注目クラブ」に挙げられる。昇格1年目のFC今治と並んで大きな注目が集まっているがまさかの完敗スタートになった。良く知られている通り、岩手県は未だに新型コロナの感染者数がゼロ人になる。一時的にクラブの活動は停止になったが「最も影響が少なかったJリーグのクラブの1つ」に挙げられるので準備万端だったと思うがショッキングな敗戦になった。

先のとおり、スタメン11人のうち、8人が新加入選手になる。CBでスタメン起用されたDF平川元も昨シーズンまではCBだった選手である。「どんなサッカーを見せるのか？どんな試合になるのか？」を予想するのは難しかったが秋田のスピーディーなサッカーに全く太刀打ちできなかった。185センチのDF平川元は不慣れなポジションでポテンシャルの高さを示したが相手の2トップは強烈すぎた。気の毒な試合になった。

寄せ集めのチームなので「ここからどのようにしてチームを作っていくのか？」に注目が集まるが実績のある指導者ではないので不安は大きい。日本人もいい選手をたくさん獲得しているが、やはり、核にならないといけないのは外国人選手である。MFヴァンデルソンが電撃退団したのは残念だったが「FWモライス、MFブレンネル、MFモレラトの3人が初挑戦となるJリーグでどこまでやれるか？」にかかっている。

■　驚異の快足で2ゴール

秋田の前評判は高くなかった。6番手～8番手あたりに秋田を置く人が多かったが前の4人はいずれもスピードのある選手である。吉田謙監督というと堅いサッカーをするタイプの監督になるが沼津時代は「先制した後はしっかり守ってカウンター。それでも2点目や3点目や4点目を奪って終わってみると大勝だった。」という試合が多かった。秋田での最初の試合から得意とするパターンに持ち込むことが出来た。

これだけ攻撃陣にスピードのある選手を揃えているチームはJリーグでは珍しい。「横浜FMに対抗できる唯一のチーム」と言えるほどである。中でも脅威になったのはFW齋藤恵だった。2015年にJ3の福島でブレイクして、その後、熊本や水戸や長野でもプレーしたがなかなか結果を残せず。伸び悩んでいたが再開初戦で強烈なインパクトを残した。秋田のサポーターのほとんどが驚異のスピードに驚いただろう。

福島時代から「とんでもないスピードを持った選手」として評判だったがなかなかきっかけをつかめなかった。2トップを組んだFW中村亮は1ゴール3アシストの活躍だったがアシスト能力も高い選手である。ボランチのMF江口もキックの精度の高い選手なので、自身の快足を生かしてくれそうな選手は何人かいる。2016年に熊本に移籍してから自分の良さを出し切れずに苦しんできたが殻を破るきっかけにしたい。

　→　2015/12/18 　新4大・「福島ユナイテッドのFW齋藤恵太の日本人離れしたド迫力で衝撃的なプレー」

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