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【大宮アルディージャ】高木琢也監督の解任はあり得るのか？ | | |　

■　新型コロナの影響で延期

8月2日(日)に行われる予定だった大宮 vs 福岡(@NACK5スタジアム)は新型コロナの影響で試合開始の約2時間ほど前に中止になった。「その翌日にMF前寛之がPCR検査で陽性と診断された。」というのは衝撃的なニュースだったが幸いにしてMF前寛之は無症状だった。約1か月後となる9月5日(土)の山口戦(H)からMF前寛之は戦列に復帰しているが山口戦(H)から3連勝中。出遅れていた福岡が浮上してきた。

19節を終えた時点で、1試合消化が少ない中、8勝6敗4分けで勝ち点「28」。8位に位置する。2位の長崎との差は「10」。2位以内を狙えるところまで浮上してきたが9月16日(水)に延期になっていたアウェイの大宮戦が開催された。当日に行われたJ2の試合はこのカードのみ。どちらにとっても上位との差を縮める絶好のチャンスだったが後半20分にFWフアンマ・デルガドがゴールを決めて福岡が先制に成功する。

アシストをしたのはボランチのMF前寛之だった。このゴールが決勝点となって1対0で福岡が勝利した。勝った福岡は4連勝。9勝6敗4分けで勝ち点「31」となった。勝ち点「30」の京都、勝ち点「29」の磐田ならびに新潟を抜いて福岡は5位まで浮上した。2位の長崎との差は「7」。いよいよ長崎の背中がはっきりと見えてきた。9月27日(日)に行われる22節がアウェイの長崎戦。福岡にとっては大一番となる。

さらに10月4日(日)に行われる24節はホームの北九州戦になる。このまま福岡が好調を維持できると福岡ダービーは史上初とも言える「上位同士の福岡ダービー」になる。かつてないほどの盛り上がりになると思うがGKランゲラックやFW金崎などと同様でMF前寛之も新型コロナに感染して離脱していた影響はほとんど感じられない。キャプテンのMF前寛之が復帰してからチームは4連勝なので影響力は絶大である。

■　優勝候補に挙げられていたが・・・。

希望の光が差してきた福岡に対して大宮は7勝8敗4分けとなった。大差で福岡に勝利した場合は8位に浮上することが出来たが13位のまま。2位の長崎との差は「13」となる。3位の徳島との差も「12」と大きく広がっていることを考えると「2017年以来のJ1復帰はかなり難しくなった。」と言える。今後、開幕から快調に勝ち点を積み上げてきた「3強(長崎・北九州・徳島)」のうちの2つが大崩れすることは考えにくい。

今シーズンの大宮は波の激しいシーズンになっている。内容的には決して良くなかったが開幕4連勝。最高のスタートを切った。長崎とともにスタートダッシュに成功したが5節以降は15試合で3勝8敗4分けとなる。ここ11試合では1勝6敗4分けになるがJ2ではほとんどのシーズンで上位争いに参加してきた大宮がこれほどJ2のリーグ戦で苦労するのは珍しい。「J2での最低順位は6位」なので異常事態と言える。

8月26日(水)に電撃加入したFWイバの獲得も起爆剤にならなかった。17節の岡山戦(H)で移籍後初ゴールを記録するなど一定の存在感を発揮しているが6試合で1ゴールのみ。後半25分あたりでベンチに下がるケースが多い。福岡戦(A)は今シーズン4回目のスタメンだったがほとんど見せ場はなかった。昨シーズンまで大宮でプレーしたFWフアンマ・デルガドが決勝ゴールを挙げたのとは対照的に目立たなかった。

J2はあと2節で折り返し地点を迎えるが自動昇格争いから脱落しつつある or 脱落してしまったチームがたくさん出てきた。大宮も自動昇格争いから脱落しつつあるが今シーズンのJ2はプレーオフが無いので2位との差が大きく広がってしまったチームはモチベーションを保つのが難しくなる。6位の京都との差は「5」なので手の届く範囲にいるが今シーズンは上位3強(長崎・北九州・徳島)が突っ走っている。

■　有望な若手が多いのはポジティブな要素

磐田と並んで「優勝候補の一角」と言われながら13位と低迷しているので当然のことながら「高木琢也監督の解任論」を唱える人は増えている。9月9日(水)に行われたFC琉球とのアウェイ戦で0対5で大敗した後、解任論を唱える人は一気に増えた印象になるが、極めて判断の難しい状況になっている。2位との差がここまで広がってしまうと「今、監督を交代させても自動昇格を果たすのは難しい。」と言える。

今後、超・ハイペースで勝ち点を積み重ねないと無理なほどの勝ち点差になっており、「何が何でも2位以内に入るために監督を代えるべき。」という段階ではなくなった。「J1昇格」が至上命題となるクラブなので「ギブアップ」を宣言することはあり得ないが2位以内が現実的ではなくなりつつあることを考えると「思い切ってたくさんの若手を起用して来シーズン以降に備えるべき段階に突入している。」と言える。

高木琢也監督は大宮の監督に就任して2年目。2019年は自動昇格を逃して3位だったがプレーオフの1回戦で山形に敗れてJ1復帰を逃した。「昇格候補の大宮を率いて2年連続でJ1昇格に失敗する。」となると厳しい評価が下されるのは間違いないが過去の実績や監督に就任した経緯などを考えると2021年も大宮の監督を任される可能性は高い。2021年が背水の陣で挑むシーズンになる可能性は高い。

幸いにして今の大宮は有望な若手は多い。もちろん、「J1昇格」を逃した段階で何人かの選手はJ1のクラブなどに引き抜かれると思うがMF小野雅、MF小島幹、MF黒川、MF奥抜、MF高田などユースから有望な選手が続々と出てきており、大卒1年目のCBもDF西村慧も有望な選手である。長崎時代は「いいシーズン」と「悪いシーズン」に極端に分かれたが長期的な視点でチームを作るのは上手なタイプの監督である。