■ 折り返し地点を過ぎた。J3は19節が終了。早くも後半戦に突入しているが6位のC大阪U-23と7位のG大阪U-23の勝ち点差が「4」。6位と7位の差が広がったので「上位6チームの優勝争いになっている。」と言える。首位の藤枝MYFCが勝ち点「37」、2位の熊本が勝ち点「34」、3位の群馬が勝ち点「32」、4位の北九州と5位の鳥取が勝ち点「31」、6位のC大阪U-23が勝ち点「30」となる。得失点差は群馬が「+16」で最多となる。
熾烈な優勝争いの中心になっているのは藤枝MYFCになる。元・日本代表のFW森島康は18試合で12得点。絶好調のチームを牽引している。2017年は九州サッカーリーグ、2018年は関東サッカーリーグの1部で得点王に輝いて3年ぶりにJリーグに復帰してきたが31才の大型ストライカーが今シーズンのJ3の主役の1人になっている。大事なところでゴールを決める今シーズンのFW森島康の勝負強さは神がかり的である。
昨シーズンは16位とブービーだった藤枝MYFCの躍進は大サプライズと言えるが目下の注目点はJ2ライセンスを取得できるのか?になる。6月の地元紙の記事を読むと「最大の障壁になっていたホームスタジアムの照明の問題」はクリアできそうな状況になったと報じられている。J2ライセンス取得に大きく前進したがそれ以外にも「固定席の数の問題」や「屋根の問題」や「大型ビジョンの問題」なども抱えている。
さらに「ドーピング検査室」を設置する必要もあって、さらには「選手育成体制の強化」と「健全な財務体制の構築」も求められる。「固定席の数の問題」や「屋根の問題」や「大型ビジョンの問題」の3つについては『特例措置として整備が3年間猶予される。』と報じられているがいずれにしても解決しないといけない問題をたくさん抱えており、無事にJ2ライセンスが取得できるのか?は何とも言えない状況である。
■ 上位6チームの優勝争いになっているが・・・。数年前にJ3で上位争いをしていた鹿児島がスタジアムの問題でJ2ライセンスを取得できずに秋の時点でJ2昇格の可能性が消滅したことがあったが予断を許さない状況である。「どちらに転んでも不思議はない。」と言えるが仮に藤枝MYFCがJ2ライセンスを取得できなくて、かつ、2位以内に入った場合は2017年のブラウブリッツ秋田のときと同じ。J2からの降格枠が1つ減ることになるので大きな話になってくる。
26節が終了したJ2は愛媛FC・FC琉球・町田・福岡・鹿児島・栃木SC・FC岐阜あたりが残留争いに巻き込まれており、「どこが自動降格になってもおかしくない。」と言えるほど予想の難しい残留争いが繰り広げられているが降格枠が「2」から「1」に減るようだと各チームにかかるプレッシャーは一気に軽減される。藤枝MYFCの成績ならびにJ2ライセンスの問題に注目しているのは藤枝MYFCのサポーターだけではない。
藤枝MYFCが今シーズンのJ3の中心になっているが現時点での上位6チームの調子は好対照である。ここ10試合で7勝1敗2分けの群馬は絶好調。4連勝中の藤枝MYFCも絶好調。ここ6試合で5勝1分けの鳥取も絶好調と言える。その一方でここ5試合は1勝2敗2分けの熊本は低調。5試合勝ちなしの北九州も低調と言える。C大阪U-23は勝ったり負けたりを繰り返しているがここに来て失点数が急激に増えている。
厳しいのはC大阪U-23だろう。FW山田寛やFW安藤瑞やMF中島元といった高卒2年目の選手が中心となる攻撃陣はJ3屈指の破壊力を持つが高校3年生が中心となる最終ラインは安定感を欠いている。残留争いに巻き込まれているプレミアリーグWESTの方にも力を注がないといけない状況になっていること、ならびに、夏の移籍市場でMF山根永(→金沢)が抜けたことを考えると上位争いに踏みとどまるのは難しそうだ。
■ 7位以下のチームで急浮上する可能性があるのは?最近の不安定な戦いぶりを考えると「早い段階でC大阪U-23が脱落して上位5チームの優勝争いになる可能性が高い。」と言えるが攻守に充実しているのは群馬になる。MF青木翔とFW高澤が8ゴール、FW加藤潤も6ゴールを挙げるなどいろいろなところから点が取れるのは魅力。「+16」という得失点差はアドバンテージになるだろう。首位の藤枝MYFCとの勝ち点差は「5」になるが群馬が優勝に最も近いチームである。
序盤戦は出遅れた熊本は大卒ルーキーのFW北村が神がかり的な活躍を見せてチームを牽引したがここに来て5試合連続でノーゴール中と息切れしている。依然として2位と自動昇格圏内に位置するが群馬と鳥取が猛烈に追い上げてきて危うくなってきた。開幕4連勝を達成した北九州もここに来て勢いが止まっている。チーム最多の7ゴールを挙げている大卒ルーキーのFWディサロ・燦・シルヴァーノにかかる期待は大きい。
鳥取は出遅れていたMFフェルナンジーニョが戻って来たのが大きい。38才になったが14試合で5ゴール4アシストの活躍を見せている。7位以下のチームもノーチャンスではないが9位の讃岐、10位の富山、12位の秋田あたりは本気でJ2昇格を狙っているチームなので意地を見せたい。この3チームの中で優勝争いに絡む可能性があるのは富山だろう。攻撃に関するスタッツは軒並み優秀。フォワード陣の復帰に期待したい。
夏の移籍市場でFW平松(新潟)とMF安永(横浜FC)を獲得するなどJ3のクラブとして珍しいほど積極的な動きを見せている。FW田中智は8試合で4ゴールを挙げているので高確率で結果を残しているが今シーズンもCFのところで苦労している。FW平松はハードワークの出来る長身フォワードになるがこういう選手が下のカテゴリーにやってきていきなり得点力を開花させるケースはある。彼の覚醒に期待したい。
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