はてなキーワード: 新装とは
悪鬼のウイルス。
いやまじで。このタイトルでこんなつまんないことあるんだ? と思うなどしました。
予告とかなにも見ずに気になったタイトル、時間帯の合う映画を映画館にこもって一日中観るということをしていた昨日、最初に観たものが上記タイトルのものとなります。
ちなみに絶対に観ようと思っていたのがセブンIMAX上映で、こちらも色々考えさせられるものだったし、実際のものを見たわけではないのに納得してしまうあの演技、そう、そうあったのならあなたはきっとそうやって取り乱すだろうという懇切丁寧に築かれた信頼を浴びれて最高でした。いやセブンの話をしたいわけじゃない。閑話休題。
わたしは結構本屋を意味もなくウロウロするのが好きで、よく彷徨っている本屋は映像化作品を並べている棚があって、そこでタイトルを見ていた記憶があります。新装版の方ではなく真っ黒な表紙に赤文字でタイトルが書かれているほう。
気になるなあと思っていたから、朝イチ公開で時間が丁度よかったにのもあって観ました。
あの。あのですね。正直な感想は「なにを観たんだ?」です。こんな感想抱くの初めてかもしれない。なにを観たんだわたしは。
途中までは面白かったんですよね。特に撮影した動画様の映像が没入感あって好きでした。画像映えを求めて撮られたものじゃなく、乱雑にあるものを取り敢えず画として残そうとする感じ、生々しささえ覚えました。ああいうものが編集されて、切り取られて、整えられてわたしたちの目に届くんだなあと思うと、へえ、すごい、と思いました。
わたしは画面酔いするタイプの人間ではないので楽しかったのかもしれない。
で、鬼とは? みたいな話のくだりくらいまでは好きでした。大人とは? のあたりとか。
あの環境下でなにもしらないひとたちがそういう行為に勤しむのはまあ、理解できるよなあ、みたいな。
大人と子どもの認識があれだったので、わたしはあの環境は飼育するための箱庭かと思ったんですよね。
性欲を知ってはならない。なぜならそれを知ると他者に腕を伸ばすので。性を捉えられない間、子どもたちは誰からもそういう搾取を受けないけれど、性を知ったらいつかそれは子どもに向くものだと思う。あんな閉鎖された環境なら。だって男性は若い女の子が好きでしょう。
わたしは女であるし、もうとっくのとうに若い女の子でなくなっているからふわっとした認知だけれども。それはほとんど、獣性に近いと思う。まあ本能的には正しいんじゃないかな。わたしたち生物は種の繁栄を望む。そういう本能を持ってる。どれだけ理性的に御そうとしても、無理な時は無理。ああいう閉鎖された空間、声を出しても黙殺できる場所では特に。子どもと大人。制するのは簡単だね。捩じ伏せてしまえる。
だからそういう暗喩なのかなと思った。途中そうかもなって思ってからしか確認してないけど、管理されてる大人側の人間は大半が男性だったようにも見えたし、子どもたちには女の子が多いようにも見えた。男の子もいたようだけど。姿は見えたかな。声は男の子っぽかったね。
だからまあ、そういうものなのかなって。鬼。子どもを害するもの。もしかするとそう至るかもしれない未来。そういう話なのかなと思った。
自分の身を守るために子どもたちが身を寄せ合って、大人を隔離している。新月云々はなんだろうなあと思いつつ、この映画に蔓延ってるものはそういう概念なのかなと思った。子どもたちが反旗を翻す話。大人の魔の手から逃れようとする話。
違った。なんだったんだあれ。途中までは面白かった。まじで。緊張感もまああったし、納得もできた。途中から全部意味わからんくなった。あの神父なに。てか誰。
このタイトルとあの表紙でこんなことある? となった。映画観たあと面白かった! 原作読みたい! じゃない意味で本屋に走ったのは初めてだった。原作を買った。こんなもんじゃないはずだった。絶対に違う。
こんな面白そうなタイトルで、あんなに面白そうな表紙で、こんな、こんなはずない。
ちなみにその日二本目に観る予定の映画はガンダムだった。大体1時間後に上映だった。初代を観たことないのに。TLが楽しそうだったからわたしも話をしてみたかった。ちなみにこれと同じ理由で観たトワイライト・ウォリアーズははちゃめちゃに面白かったです。チケットも買ってある。本屋に行くより昼食をとった方がいい。わかっている。
でもあんなはずないから、あんなものなはずがないから、本屋に行った。映像化コーナーに本はあった。700円程度だった。大体映画代の半分くらいだった。うそ。ハッピーマンデーだったので1100円で観た。でも正直先にこっち読んでたら良かったと思った。気になってたのに。どうして先に読まなかったんだろう、わたし。
積読が多いからです。映画で観て、好きなら読めばいいと思っていました。好きじゃないのに読みました。このタイトルを、この表紙を、こんなに雑に消化して消化した気になってはならないと思ったし、なんらかの改変があってああなったのだと思いたかった。読んだ。積読がいっぱいあるのに、何よりも早くに読んだ。全然違った。わたしが観たかったものがそこにあった。
鬼の存在に納得することができた。そうだよな、と思った。かつて子どもだったわたしは納得したし、今は大人であるわたしも納得した。たった一度、嘘を吐いただけで人生が崩れ落ちる話。その嘘が、保身的なものだったか自己犠牲的なものだったか、大体想像できる気がするけど黙っておくことにする。
ところでわたしはオタクである。しかも文字を書くタイプのオタクで、普通に二次創作をしている。公式さんが甘やかしてくれるのをいいことに、様々な妄想を形にしている。そういうオタクは、わたしの周りにも沢山いるけれど、オタクには様々な種類があると思っている。光のオタクとか闇のオタクとか。よくそういう分別をしているのを見るけれど、わたしはもっと根本的な部分で隔たれていると思っている。
二本目の映画はガンダムだった。重ねて言うが、わたしは初代を知らない。だからシャアがどうのと言われても、アムロがどうと言われても、はて? となる。なんとなく父親が好きだったなあ、とかその程度だ。でも、ガンダムの映画を観て初代も観ようと思った。そういう熱量を浴びた。きっと初代を観たあとにもう一度観たら楽しいんだろう、と思った。
リスペクトがあるってそういうことではないだろうか。ガンダムの映画は壮大なifで、二次創作みたいなものだよ、と聞いた。普通に面白かったし、見ようと思った。きっとこれを作ったひとたちは、この作品が好きなのだろうと思ったし、だからこうして形にしたのだろうと思ったし、好きだと思ったからいつかのわたしはガンダムを観るだろう。
ところがこっちはどうだ。使いたい設定だけを借りてきて、それっぽい形をつくって、名乗るだけ名乗って。リスペクトを感じられなかったのはわたしだけだろか。
わたしがオタクなので、表紙を見たことがあったので、わたしは本屋に救いを求めたが、なんというか、品もなければリスペクトもない二次創作に1100円支払っただけのような心地がして悲しい。
でも原作小説は面白かったです。積読を放置して良かった。本屋に走って良かった。この作品を表面だけ撫でて、知った気になって、嫌わないで良かった。
わたしはなんの話をしているのか。
二次創作にリスペクトは必要不可欠で、作品の良し悪しに関わらずその有無はなんとなくわかるかもしれない、という話だったのかもしれない。
悪鬼のウイルス。
いやまじで。このタイトルでこんなつまんないことあるんだ? と思うなどしました。
予告とかなにも見ずに気になったタイトル、時間帯の合う映画を映画館にこもって一日中観るということをしていた昨日、最初に観たものが上記タイトルのものとなります。
ちなみに絶対に観ようと思っていたのがセブンIMAX上映で、こちらも色々考えさせられるものだったし、実際のものを見たわけではないのに納得してしまうあの演技、そう、そうあったのならあなたはきっとそうやって取り乱すだろうという懇切丁寧に築かれた信頼を浴びれて最高でした。いやセブンの話をしたいわけじゃない。閑話休題。
わたしは結構本屋を意味もなくウロウロするのが好きで、よく彷徨っている本屋は映像化作品を並べている棚があって、そこでタイトルを見ていた記憶があります。新装版の方ではなく真っ黒な表紙に赤文字でタイトルが書かれているほう。
気になるなあと思っていたから、朝イチ公開で時間が丁度よかったにのもあって観ました。
あの。あのですね。正直な感想は「なにを観たんだ?」です。こんな感想抱くの初めてかもしれない。なにを観たんだわたしは。
途中までは面白かったんですよね。特に撮影した動画様の映像が没入感あって好きでした。画像映えを求めて撮られたものじゃなく、乱雑にあるものを取り敢えず画として残そうとする感じ、生々しささえ覚えました。ああいうものが編集されて、切り取られて、整えられてわたしたちの目に届くんだなあと思うと、へえ、すごい、と思いました。
わたしは画面酔いするタイプの人間ではないので楽しかったのかもしれない。
で、鬼とは? みたいな話のくだりくらいまでは好きでした。大人とは? のあたりとか。
あの環境下でなにもしらないひとたちがそういう行為に勤しむのはまあ、理解できるよなあ、みたいな。
大人と子どもの認識があれだったので、わたしはあの環境は飼育するための箱庭かと思ったんですよね。
性欲を知ってはならない。なぜならそれを知ると他者に腕を伸ばすので。性を捉えられない間、子どもたちは誰からもそういう搾取を受けないけれど、性を知ったらいつかそれは子どもに向くものだと思う。あんな閉鎖された環境なら。だって男性は若い女の子が好きでしょう。
わたしは女であるし、もうとっくのとうに若い女の子でなくなっているからふわっとした認知だけれども。それはほとんど、獣性に近いと思う。まあ本能的には正しいんじゃないかな。わたしたち生物は種の繁栄を望む。そういう本能を持ってる。どれだけ理性的に御そうとしても、無理な時は無理。ああいう閉鎖された空間、声を出しても黙殺できる場所では特に。子どもと大人。制するのは簡単だね。捩じ伏せてしまえる。
だからそういう暗喩なのかなと思った。途中そうかもなって思ってからしか確認してないけど、管理されてる大人側の人間は大半が男性だったようにも見えたし、子どもたちには女の子が多いようにも見えた。男の子もいたようだけど。姿は見えたかな。声は男の子っぽかったね。
だからまあ、そういうものなのかなって。鬼。子どもを害するもの。もしかするとそう至るかもしれない未来。そういう話なのかなと思った。
自分の身を守るために子どもたちが身を寄せ合って、大人を隔離している。新月云々はなんだろうなあと思いつつ、この映画に蔓延ってるものはそういう概念なのかなと思った。子どもたちが反旗を翻す話。大人の魔の手から逃れようとする話。
違った。なんだったんだあれ。途中までは面白かった。まじで。緊張感もまああったし、納得もできた。途中から全部意味わからんくなった。あの神父なに。てか誰。
このタイトルとあの表紙でこんなことある? となった。映画観たあと面白かった! 原作読みたい! じゃない意味で本屋に走ったのは初めてだった。原作を買った。こんなもんじゃないはずだった。絶対に違う。
こんな面白そうなタイトルで、あんなに面白そうな表紙で、こんな、こんなはずない。
ちなみにその日二本目に観る予定の映画はガンダムだった。大体1時間後に上映だった。初代を観たことないのに。TLが楽しそうだったからわたしも話をしてみたかった。ちなみにこれと同じ理由で観たトワイライト・ウォリアーズははちゃめちゃに面白かったです。チケットも買ってある。本屋に行くより昼食をとった方がいい。わかっている。
でもあんなはずないから、あんなものなはずがないから、本屋に行った。映像化コーナーに本はあった。700円程度だった。大体映画代の半分くらいだった。うそ。ハッピーマンデーだったので1100円で観た。でも正直先にこっち読んでたら良かったと思った。気になってたのに。どうして先に読まなかったんだろう、わたし。
積読が多いからです。映画で観て、好きなら読めばいいと思っていました。好きじゃないのに読みました。このタイトルを、この表紙を、こんなに雑に消化して消化した気になってはならないと思ったし、なんらかの改変があってああなったのだと思いたかった。読んだ。積読がいっぱいあるのに、何よりも早くに読んだ。全然違った。わたしが観たかったものがそこにあった。
鬼の存在に納得することができた。そうだよな、と思った。かつて子どもだったわたしは納得したし、今は大人であるわたしも納得した。たった一度、嘘を吐いただけで人生が崩れ落ちる話。その嘘が、保身的なものだったか自己犠牲的なものだったか、大体想像できる気がするけど黙っておくことにする。
ところでわたしはオタクである。しかも文字を書くタイプのオタクで、普通に二次創作をしている。公式さんが甘やかしてくれるのをいいことに、様々な妄想を形にしている。そういうオタクは、わたしの周りにも沢山いるけれど、オタクには様々な種類があると思っている。光のオタクとか闇のオタクとか。よくそういう分別をしているのを見るけれど、わたしはもっと根本的な部分で隔たれていると思っている。
二本目の映画はガンダムだった。重ねて言うが、わたしは初代を知らない。だからシャアがどうのと言われても、アムロがどうと言われても、はて? となる。なんとなく父親が好きだったなあ、とかその程度だ。でも、ガンダムの映画を観て初代も観ようと思った。そういう熱量を浴びた。きっと初代を観たあとにもう一度観たら楽しいんだろう、と思った。
リスペクトがあるってそういうことではないだろうか。ガンダムの映画は壮大なifで、二次創作みたいなものだよ、と聞いた。普通に面白かったし、見ようと思った。きっとこれを作ったひとたちは、この作品が好きなのだろうと思ったし、だからこうして形にしたのだろうと思ったし、好きだと思ったからいつかのわたしはガンダムを観るだろう。
ところがこっちはどうだ。使いたい設定だけを借りてきて、それっぽい形をつくって、名乗るだけ名乗って。リスペクトを感じられなかったのはわたしだけだろか。
わたしがオタクなので、表紙を見たことがあったので、わたしは本屋に救いを求めたが、なんというか、品もなければリスペクトもない二次創作に1100円支払っただけのような心地がして悲しい。
でも原作小説は面白かったです。積読を放置して良かった。本屋に走って良かった。この作品を表面だけ撫でて、知った気になって、嫌わないで良かった。
わたしはなんの話をしているのか。
二次創作にリスペクトは必要不可欠で、作品の良し悪しに関わらずその有無はなんとなくわかるかもしれない、という話だったのかもしれない。
グレッグ・ベア「鏖戦/凍月」。
室井光広「おどるでく」
エリザベス・キューブラー・ロス、デヴィッド・ケスラー「ライフ・レッスン」★★★
福永文夫「日本占領史1945-1952 - 東京・ワシントン・沖縄」★
平子達也、五十嵐陽介、トマ・ペラール 「日本語・琉球諸語による 歴史比較言語学」★★
しみけん「SHIMIKEN’s BEST SEX 最高のセックス集中講義」
中野京子「怖い絵 泣く女篇」
荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ 1」
荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ 2」
1000decillion「Morals under a pagoda -Rome-」(同人誌)
荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ 3」
「カルダー:そよぐ、感じる、日本」於・麻布台ヒルズ ギャラリー
「夏の優品展 一味爽涼」於・五島美術館
ジェイムズ・ポスケット「科学文明の起源: 近代世界を生んだグローバルな科学の歴史」
大石力「英語の発音と綴り-なぜwalkがウォークで、workがワークなのか」★★
ビル・ブライソン「人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか」
鶴見香織 (著), 尾崎正明 (監修)「もっと知りたい東山魁夷 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)」
荒木健太郎「雲の中では何が起こっているのか」
小谷賢「日本インテリジェンス史-旧日本軍から公安、内調、NSCまで」
荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ 4」
柊タイガー「よんこま十三機兵防衛圏!! こちらセクターX 3」
「感覚する構造 – 法隆寺から宇宙まで –」於・WHAT MUSEUM。
「内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙」於・国立西洋美術館。
塚﨑朝子「新薬に挑んだ日本人科学者たち 世界の患者を救った創薬の物語」★
保坂直紀「地球規模の気象学 大気の大循環から理解する新しい気象学」
古川武彦・大木勇人「図解 気象学入門 改訂版 原理からわかる 雲・雨・気温・風・天気図」
小川晶子「アート・ビギナーズ もっと知りたい竹久夢二 生涯と作品」
古川武彦、大木勇人「図解・天気予報入門 ゲリラ豪雨や巨大台風をどう予測するのか」
老川慶喜「日本鉄道史 幕末・明治篇 蒸気車模型から鉄道国有化まで」★★
肋骨凹介「宙に参る」一巻~四巻
「丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展 ―追憶のオルソン・ハウス」於・アサヒグループ大山崎山荘美術館。
山本紀夫、稲村哲也・編集「ヒマラヤの環境誌 山岳地域の自然とシェルパの世界」★★★。
坪木和久「激甚気象はなぜ起こる」
老川慶喜「日本鉄道史 大正・昭和戦前篇 日露戦争後から敗戦まで」
羽田正 「増補 モスクが語るイスラム史: 建築と政治権力」★★
老川慶喜「日本鉄道史 昭和戦後・平成篇 国鉄の誕生からJR7社体制へ」
細田亜津子「雲の上の哲学者たち - トラジャ族が語りかけるもの」
小和田哲男「戦国武将の手紙を読む: 浮かびあがる人間模様」★
「異常気象と気候変動についてわかっていることいないこと (BERET SCIENCE) 」
1000decillion「Morals under a pagoda -China-」(同人誌)
1000decillion「Morals under a pagoda -Medieval Europe-」(同人誌)
挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」於・国立博物館
桝屋友子「すぐわかるイスラームの美術 建築・写本芸術・工芸」
ニック・カルーソ、ダニー・ラバイオッティ「動物学者による世界初の生き物屁事典 ヘビってオナラするの?」
1000decillion「Morals under a pagoda -Islam- イスラム」(同人誌)
「平安文学、いとをかし 国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」と王朝美のあゆみ」於・静嘉堂文庫美術館
朝倉文夫没後60年特別展「ワンダフル猫ライフ 朝倉文夫と猫、ときどき犬」於・朝倉彫塑館
「建築知識24年7月号 新石器・古代王朝から清朝まで 中国の建物と街並み詳説絵巻」
山崎晴雄、久保純子「日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語」(再読)。
山本高穂、大野智「東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム」★★
藤岡換太郎「三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち」
溝口優司「[新装版]アフリカで誕生した人類が日本人になるまで」
藤岡換太郎「フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体」
黒田泰三「もっと知りたい長谷川等伯 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) 」
荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ 5」
いがらしみきお「ぼのぼの人生相談 ひととくらべちゃダメなのさ」
特別展「文永の役750年 Part2 絵詞に探るモンゴル襲来―『蒙古襲来絵詞』の世界―」於・國學院大学博物館
良い一年だった。
https://x.com/mwbunko/status/1870439077755187668
https://pbs.twimg.com/media/GfTT4InbYAAEFbi.jpg
Missingの旧→新は、新の人には悪いが新はよくあるキレイ系の絵柄で、別に嫌いではないのだが、偏執的な髪の書き込みや凝ったデザインの旧に比べると見劣りした
断章のグリムは旧が少女漫画的キレイ系、新はざっくり厚塗りゴシックって感じで系統が違うので優劣はつかない感じ
ヒロインの雪乃さん、旧イラストでは灰色っぽい髪色だったが新だと髪の毛真っ黒なんだ
一見メンヘラリスカゴスロリ少女のように見えるけど、能力特性(痛みをトリガーにした発火能力者なので腕を切り刻みながら戦う)なだけで作中で一番常識人な雪乃さん・・・
新しい絵師も良い感じではあるが
でも変わるの悲しい気持ちもある、出版社変わると仕方ないのかな
Missingが新装版で絵師変わったのは、そもそも旧絵師が上手いが書き込み多すぎる繊細な絵柄で工程も多いのでかなり遅筆で
ついには絵師がMissingして絵抜きで発売にまで至ったという事情があった
でもノロワレは違う出版社で続編出した時も絵師は続行してたんだよなあ
ヒロインは片腕がリスカ痕だらけで腕中を血の滲んだ包帯で常に覆っているやべえメンヘラのように見えるのだが
実は彼女は痛みをトリガーにした発火能力者であり、人々を守る戦いの中で、敵を燃やして殺すために自分の腕を切り刻むのでそうなっている
戦闘の主翼であるヒロインは毎回バトルの中でリスカしまくっており、腱が切れてもう指が動かないなど描写がとても痛い
戦いの後には治癒能力者がある程度治してくれるので日常生活できる程度には戻るが、完全に治すことはできず常に腕が傷まみれのやべえ人になっている
事件解決後の遺体処理班には、大量のゴキブリを召喚して全部食わせて消す能力者とかもいる
彼らの能力は過去のトラウマが影響しており、ヒロインは火災事故の生き残りで、ゴキブリの人もゴキブリにまつわるトラウマを持つ
友達が、親戚の中学生の子(♀️)に推理小説をプレゼントしたいが、どんなのをあげたらいいだろうか、と言っていたのでオタク特有のおせっかい精神でプレゼンした。プレゼンを見るのが数人だけというのは増田の自己顕示欲が我慢できなかったのでここに放流しておく。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆ |
それぞれ〈古典部〉シリーズと〈小市民〉シリーズの第一作。特に前者はもともとラノベっぽい感じで出てたので、中学生の子にも読みやすいと思う。すごくすごいオススメ。もしも未読ならこの機会に読もう(提案)。ただ、このレベルの有名作だと別に大人が買い与えずとも勝手に触れるだろうから、お前としてはもうちょいマニアックな作品のオススメに徹した方がいいという戦略的判断も成り立つので難しいところ(あげる意義が低いというのはそういう意味)。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ |
裏染天馬シリーズの第一作。自堕落アニオタの高校生が殺人事件の謎をロジカルに解決していく作品で、親戚ちゃんがクリスティ読んだならいけるはず。たぶん。読者への挑戦が挟まるタイプの作品です。既刊は長編3冊+短編集1冊で、人気はあるはずなんだが続きが出ないんだよな……
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ |
〈図書委員〉シリーズ第一作。ビターな青春学園ミステリ。〈古典部〉や〈小市民〉と同じく日常の謎ものではあるんだけどもビターさは本作の方が上。親戚ちゃんにBLの素質があるならハマれると思う。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ |
1巻からリアタイで読んでたシリーズ(完結済み)の第一作。高校を舞台にした学園ミステリで、何というか特徴的な文体と叙述トリックに定評がある作家さんです。個人的には結構好きだが、割と人を選ぶ方だと思うので、親戚ちゃんにハマるかどうかは不明。似鳥鶏、当たり外れが激しくてな……。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆ | ☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
文学少女シリーズ第一作。俺ら世代にとっては超懐かしいやつで、ここから往年の名作ラノベ沼に沈めよう(提案)。なお電子では普通に買えるんだが物理で手に入るかは不明。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ |
リアル中学生にこれ読ませるの、人生ねじまげ罪とか何かそんな感じの犯罪になるんじゃないだろうか。積極的にねじまげていきましょう(木亥火暴)。親戚ちゃんが西尾維新語録で喋るようになったときの責任は負えません(予防線)。ま、戯言だけどね。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ |
美波の事件簿シリーズの第一作。もともとラノベレーベルから出てたので読みやすいと思う。アルバイトに明け暮れる女子高生の主人公が殺人事件とかに遭遇して江戸っ子&お嬢様という親友2人+ほのかに思いを寄せる口が悪い探偵役の男の子といっしょに事件に向き合っていくやつで、キャラ読みのポテンシャルは高い。既刊は3冊だけど、エタったのか打ち切りなのか……という感じ。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆ | ☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
リリカルな青春ミステリ。中高生には刺さるのでは……と思うのだけれどこれはオッサンの妄想かもしれん。同じ作者の『春待ちの姫君たち』も傑作なんだけど物理本だと手に入れにくいのよな~~~~~。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ |
華文ミステリの傑作。中国の高校で起きた殺人事件を女子高生がロジカルに解決していく、タイトル通りの切なさに満ちた良い青春ミステリです。やっぱこのへんの(中学生にとっては)高くて買いづらいところを買い与えてミステリ沼にハマっていただくというのがですね……
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ |
〈館四重奏〉シリーズの第一作。みんな大好き洋館クローズドサークルが次々と味わえてお得。『黄土館の殺人』は察しの悪いワイでも途中で「あっこの犯人と◯◯って△△なんだな」って気づけたんだけど探偵役がそこに気づかなかったのはちょっと「おい!w」となった。個人的には『蒼海館の殺人』がいちばん好き。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆ |
今度アニメ化するやつ。キャラが立ってる医療ミステリで面白いよ!
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆ |
古本屋の女店主が古書にまつわる謎を解決していくやつで、面白いんだけどメインヒロインがメガネ巨乳黒髪ロング人見知りという男の妄想を煮詰めた感じのキャラ(最高)なので親戚ちゃんに刺さるかどうかはわからないですね……ちな、いったん完結したけども、いまは主人公とメインヒロインの娘が主人公の新シリーズが始まってます。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆ |
江神二郎シリーズ第一作。ここから『孤島パズル』『双頭の悪魔』『女王国の城』と続きます。大学の新入生有栖川有栖(♂️)がサークルの先輩の江神二郎といっしょに巻き込まれた事件を解き明かしていくやつで、本格ミステリとしての完成度がめちゃめちゃ高い。このシリーズはマジでオススメなので親戚ちゃん抜きにしても読んでほしい。『双頭の悪魔』が最高傑作です。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆ |
火村英生シリーズ第一作。この作品自体は(もちろん面白いとはいえ)そこまで超傑作! ってわけじゃないんだけど、ここからはじまる火村シリーズ(長編だけで12作、ほかに短編集いろいろ)は34歳の大学助教授火村英生とミステリ作家有栖川有栖(♂️)がタッグを組んで事件を解決していく人気シリーズなので、ミステリ界の話題にキャッチアップできるという意味でつよい。江神シリーズと違ってミステリとしての当たり外れは激しいんだけどキャラ読みできる度ではこっちの方が上です。親戚ちゃんにBLの素質があるならハマれると思う。たしか角川ビーンズ文庫から新装版で出てたのでそっちをプレゼントするのもいいかも。ちな名探偵コナンとか金田一少年みたいに登場人物の年齢は変わってないけど時代背景が移り変わるやつな(江神シリーズの方は1990年頃で固定なんだけど)。
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆ |
よねぽの長編だとこのへんが面白くてオススメです。ミステリとしての完成度は『折れた竜骨』がいちばん上なんだけど、リリカルさ・切なさでいうと『さよなら妖精』。『折れた竜骨』『インシテミル』『犬はどこだ』は単品だけど、『さよなら妖精』は〈ベルーフ〉シリーズ(『王とサーカス』『真実の10メートル手前』)の前日譚になってる(もちろん単体でもじゅうぶんに読めます)。『さよなら妖精』『折れた竜骨』はヨーロッパの歴史についての勉強にもなるよ!(学校の成績が良くなるとは言ってない)
面白さ | 入手の容易さ | 中学生向け | あげる意義 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆ |
日本ミステリ史上非常に重要な作品で、あの伝説の一行から新本格が始まった衝撃を親戚ちゃんにもぜひ味わってほしいなぁというお気持ち。
※続き
オーナーも店長もドン引きした。だが、当店は新装開店以来(それよりずっと前からだが)重度の人手不足だったので、就職が決まったら辞める気満々のAさんを追い出すという選択はオーナーにはなかった。Aさんは大丈夫だと胸を張って言った。
「規定通り、1ヶ月前には辞めるって言いますので、安心してください!」
当たり前体操~♪
ということがあってから何だかんだ1ヶ月半くらいAさんは当店にいただろうか。Aさんは当店に勤めていた数年間に試験さえ受ければ取れる資格を取れるだけ取っていたのだが、中でもお気に入りの資格を活用出来る仕事に就くことに拘っていた。
その資格はどちらかといえば女性の取得者が多い。子育てが一段落した女性が、割りのいいパートをする為に取りがちな資格だ。一方男性がその職に就く場合は正社員としてだし、大学で専門的な勉強をし、もっと上位の資格を持っている場合が多く、つまりその人は優秀である。
だから、高卒で職歴もほぼバイトしかないAさんが資格を生かしてパート・アルバイトではなく正社員になるというのは難しそうだったのだが、数社受けて落ちたあとで妥協の最低ライン上の企業に採用された。その時は適性検査でありのままの自分を表現しなかったらしい。
二週間ほど前に、ちょうど〆日の日にAさんはバイトを辞めた。誰も引き留めはしなかった。それはそうだ。いくら今の時代は売り手市場とはいっても、三十路の男がいつまでもフリーターを続けていれば後が無いのだから、じゃあねー! もう帰ってくんなよ~w とバイバイするのが情けというもの。
Aさんのことが話題に上るたび、私どもバイト仲間達は「どうなんでしょうね~」と口々に言うものの、その後が続かない。
店長までもが、
「どう思うよ、増田さん?」
と言う。
どうって、心配している風に私達は言うけど、本心からAさんを心配なんか誰がするだろうか。
Aさんは、辞める前に散々イキり倒していった。新しい仕事も俺は長く続けるつもりはないんですよなんて言って。そんな思うほど上手くいくかよと思っている。人生がそんなヌルゲーだったら、私達だって今頃ここにはいないだろう。
っていうか、Aさんには散々振り回されたから、一度外の世界に出て痛い目見て来いよと内心思っている。偉そうにしてた奴の鼻っ柱が折れるところを我々は見たい。それ以外に望むことってあるだろうか?
と思うから、
長らく一緒に働いたバイト仲間のAさんがついに辞めた。某企業に中途採用で就職出来たというまっとうな理由での退職だったのだが、そうなる前が色々まっとうじゃなかったので、当店のオーナーと店長、そして私ども従業達にとっては、「はぁー(クソデカ溜め息)」という事案だったのだ。
当店は、この春にオーナー交替による新装オープンをした。その際に前オーナーのはからいにより、従業員全員が従前通りの条件で新オーナーのもと再雇用されることになった。勿論、前オーナーの下じゃなければ働きたくないとか、これを機にコンビニを辞めて他で働きたいということで去った人もいる。
Aさんも当店に残ることを選び、新オーナーとの面談の際は長く働きたいと熱烈にアピールまでした。だが、Aさんは端から辞める気でいて、しかし期限ギリギリまで就活はしなかった。それで、1ヶ月間就活に専念しつつ、収入が途絶えないよう当店で働き続けることにしたのだ。
ということを、自分の心の中に留めて置けばいいものを、Aさんは自らバイト仲間達に吹聴してまわり、自分がどんなに上手いことやっているかと自慢しまくった。
かといってバイト仲間達はAさんがそんな事を言ってるだなんて誰もオーナーと店長に告げ口はしなかったので、二人は裏切られるギリギリまでその事を知らなかった。
新装オープンから一ヶ月ほどの間は、多忙だったが悪くない労働の日々が過ぎた。Aさんだけが終始不機嫌で、この世の終わりみたいな顔をしていた。
Aさんは変な奴で、バイト仲間の私どもはAさんの変人ぶりには慣れていたし、そもそも人生の落伍者みたいな者どもの多い職場だから、同病相憐れむみたいな感じで上手くやっていた。
ところが店長がわりかしまともな人間だったことがAさんにだけ禍となってしまった。Aさん以外の私ども従業員達にとっては、店長がわりかしまともな人間だったことは、理不尽に怒られなくていい職場だな~、のびのび働けていいわ~という感じで、前より忙しいものの快適な労働環境になりありがたかった。しかし、Aさんは今まで誰からも言われなかったような事で店長から小言を言われることが大いに不満だったらしい。
Aさんが店長から言われる小言の類いは、たとえばレジ周りを散らかしながら仕事をするなとか、お客様には見えない所の掃除を堂々とサボるなとかいうことだ。Aさんの視野が極端に狭いとか、人に迷惑をかけても気づかないとか、すごく忘れっぽくてあちこちに物を置き忘れるとかいうことに、長く一緒に働いてきた我々は慣れすぎていた。言って治るもんじゃないし自らが人の事を言えるほどデキた人間じゃないので、まあしょうがないよね、気づかないのは、気づいた人がフォローすればいいでしょ、と暗黙の了解のもと、細々とAさんのやりっ放しや出しっぱなしの片付けをしたり、ちょっとのサボりには目を瞑ってきたのだ。
やたら弁がたち一見しっかりしているAさんがこういう人だと店長は思わなかったらしく、Aさんの仕事が超速いとか度胸があってカスハラに屈しないとかの美点よりも細かい所のダメさのほうが気になってしまい、一々を注意して直させようとした。
店長はパワハラしない主義で話せば解るはずと信じていて、従業員に何か頼んだり注意したりと丁寧に関わろうとする。ところがAさんは相手にブチギレられて初めて悪さをする手を止めるタイプで、しかも自分は何かやっただろうか? と疑う前に「何かこいつ今日は機嫌が悪いみたいだな」と思いがちだ。更に酷いことに悪い意味で「話せば解る」というか、「話せば許してもらえる」と素で思っていた。
そんな彼らが衝突するとどうなるのかというと、店長がちょっとここは直して欲しいなとAさんに指摘すると、Aさんは超長大な言い訳を怒濤の如くに浴びせて店長が口を挟む隙を与えない。ほんの小さな事を直して欲しかっただけなのにすごい時間を取られ、しかもやってくれるのかくれないかよくわからないがやるつもりはないっぽいらしいという曖昧な感じの話を延々聞かされるので、店長はイライラしやがて爆発する。
店長はパワハラする気はないがすごく気が強い上に短気なので、はっきりしない相手には普通にキレる。するとAさんはキレてる奴=ダメ、冷静な人=いい人、という価値観なので、正しい自分がしっかりしててあげないとと思ってより解りやすく諭すように自分の言い分を述べようとして火に油ぐ。
というわけで、まもなく店長はAさんの事を「使えるけどヤベェ奴」と思うようになり、Aさんは辞めたみを強めていった。
だが、辞めたいというわりにAさんの就活は捗らなかった。Aさんはジョブホッパーになりたくて、まだ就職が決まらないうちから「次」の仕事の糧になるような踏み台を求め、転職エージェントからおすすめされた企業を値踏みし、ろくな会社がないといって選り好みした。
私どもバイト仲間達がAさんの就活は所詮口だけだったんだなと思った事すら忘れかけた頃になって、Aさんはとある企業に応募したら書類審査が通ってトントン拍子で最終面接を受けるところまで行った。
二次面接で手応えを感じたAさんはオーナーに1ヶ月後に入社予定なので辞めると伝えた。その時初めて、Aさんはオーナーに対して自分はコンビニ店員で終わるつもりはないと打ち明けた。
ところで、Aさんが採用の手応えを感じたのはどこなのかというと、二次面接の後に抜き打ちで受けさせられた適性検査だった。
Aさんは適性検査を受ける時、「いい機会だから自分という人間の全てをわかってもらおうと思って」ありのままに回答した。その結果、某企業の求める人材のイメージ像とありのままのAさんが完全に一致した、というわけではなかった。
サイコ野郎がありのままの自分を適性検査にぶつけたところ、当たり前にとってもサイコパスな結果が出た。それを見た面接官は怒り出した。
「こんなのダメに決まっているだろう。君、今からもう一度テストを受けなさい。そして私の言う通りに問題に答えること」
ということで、ありのままのサイコパスAを余すところなく表現したテストは白紙に戻されて、面接官公認のカンニングによりAさんは二次面接を無事突破した。
そこまでして、某企業の面接官はAさんを欲しがった。という可能性はなきもあらずだが、それより馬鹿過ぎる子が来ちゃったのを面接官は憐れに思って模範解答を示し、次の機会にはこのようにやりなさいと諭したつもりだった、という可能性が高いですよと私はAさんに言ったのだが。
Aさんはボサボサの頭で最終面接に行き、たっぷり2週間待たされたあとでご活躍をお祈りされた。
そんなこととは露知らず、ある日私がレジ接客をしているとAさんが威風堂々たる歩みで来店したから、Aさんはついに就職が決まって当店を辞めるとオーナーに言いに来たのかと思いきや、「大事なお話があります」とオーナーと店長呼び出しておいて、「採用試験落ちたので、もう少しの間ここで働かせて下さい」と頭を下げた。