レオの昔なじみのお客と、アルテが交渉することになるお話でした。
レオの工房では金曜日は断食の日と決められていて、その日はアルテは空腹を抱えています。アルテが市場から帰宅すると、お客さんが仕事の依頼に来ていました。ウベルティーノというその客は、レオとは腐れ縁の間柄でした。
ウベルティーノは高額の注文をしていきましたが、アルテが中身を見ると材料費も高額になるため、ほとんど工房の利益にはなりません。そのためレオは、改めてウベルティーノのところに交渉に行くつもりでした。
しかしウベルティーノとレオは、顔を合わせればいがみ合う間柄です。そんなレオを見て、アルテは自分がウベルティーノのところに交渉に行くと言い出しました。将来的にアルテが工房を持つようになったら、こういった交渉も必要になるからと考えたからです。
こうしてアルテは、ウベルティーノと交渉することになりました。ところが、ウベルティーノの押しの強さに、アルテはあっさり撃沈されました。しかしアルテは、それでも引き下がりませんでした。レオにお願いして、再びウベルティーノと交渉する許可をもらいました。
とはいえ考えなしに交渉すれば、前回の二の舞です。そこでアルテは、ヴェロニカに相談しました。高級娼婦のヴェロニカなら、自分の有利なように物事を進めるコツを知っていると思ったからです。
そんなアルテに、ヴェロニカはいろいろとアドバイスをしてくれました。ゆったりとした動作で、自信があると感じさせること。そして仕事に対する心構えです。それまでのアルテは、仕事をもらえるだけでありがたいと思っていました。しかし、それでは相手に安く見られてしまいます。自分の仕事には、高額な報酬を支払う価値があると思わせなければ、これから自分の工房を持つことなど不可能なのです。
下準備をしたアルテは、再びウベルティーノのところに赴きました。そこでアルテは、ウベルティーノの見積りより高額な代金を請求しました。作業に必要な道具以上の価値が、レオの作り出す作品にはあると訴えたのです意外にも、ウベルティーノはそれをあっさり聞き入れました。
そしてアルテは、ウベルティーノがレオの親方のパトロンでもあったことを知りました。さらにアルテは、物乞いだったレオがアルテと同じように工房を回って、親方に認められたことを知りました。工房に入ってからも、レオは努力を続けましたが、周囲の不真面目な者たちからは妬まれました。
不思議なことに、親方はレオには厳しいけれど、不真面目な者たちには甘い態度でした。当時のレオはそれが不満でしたが、親方は努力する者には将来のために厳しく、そうでない者には何も教えていなかったのです。そして努力が実り、レオは自分の工房を持つことができました。
そんなレオのことを、ウベルティーノが気にかけるのは、親方が亡くなる時にレオのことをウベルティーノに託したからでした。そんな2人は、実は似た者同士でした。ウベルティーノは、絵を商品としてしか考えていません。なので彼の私室には、仕事をするのに十分なものしかありません。一方、レオが断食の日を決めているのは、お金を節約してよい道具を揃えるためでした。
いがみ合っているレオとウベルティーノが、実はお互いに深い絆で結ばれていたという、よいエピソードでした。(^^)
そしてヴェロニカがアルテに教えた、仕事に対する心構えも勉強になりました。自分の腕や技術に自信があるなら、それに見合った対価を請求する。そういう考え方は、たしかに大切ですね。
レオの工房では金曜日は断食の日と決められていて、その日はアルテは空腹を抱えています。アルテが市場から帰宅すると、お客さんが仕事の依頼に来ていました。ウベルティーノというその客は、レオとは腐れ縁の間柄でした。
ウベルティーノは高額の注文をしていきましたが、アルテが中身を見ると材料費も高額になるため、ほとんど工房の利益にはなりません。そのためレオは、改めてウベルティーノのところに交渉に行くつもりでした。
しかしウベルティーノとレオは、顔を合わせればいがみ合う間柄です。そんなレオを見て、アルテは自分がウベルティーノのところに交渉に行くと言い出しました。将来的にアルテが工房を持つようになったら、こういった交渉も必要になるからと考えたからです。
こうしてアルテは、ウベルティーノと交渉することになりました。ところが、ウベルティーノの押しの強さに、アルテはあっさり撃沈されました。しかしアルテは、それでも引き下がりませんでした。レオにお願いして、再びウベルティーノと交渉する許可をもらいました。
とはいえ考えなしに交渉すれば、前回の二の舞です。そこでアルテは、ヴェロニカに相談しました。高級娼婦のヴェロニカなら、自分の有利なように物事を進めるコツを知っていると思ったからです。
そんなアルテに、ヴェロニカはいろいろとアドバイスをしてくれました。ゆったりとした動作で、自信があると感じさせること。そして仕事に対する心構えです。それまでのアルテは、仕事をもらえるだけでありがたいと思っていました。しかし、それでは相手に安く見られてしまいます。自分の仕事には、高額な報酬を支払う価値があると思わせなければ、これから自分の工房を持つことなど不可能なのです。
下準備をしたアルテは、再びウベルティーノのところに赴きました。そこでアルテは、ウベルティーノの見積りより高額な代金を請求しました。作業に必要な道具以上の価値が、レオの作り出す作品にはあると訴えたのです意外にも、ウベルティーノはそれをあっさり聞き入れました。
そしてアルテは、ウベルティーノがレオの親方のパトロンでもあったことを知りました。さらにアルテは、物乞いだったレオがアルテと同じように工房を回って、親方に認められたことを知りました。工房に入ってからも、レオは努力を続けましたが、周囲の不真面目な者たちからは妬まれました。
不思議なことに、親方はレオには厳しいけれど、不真面目な者たちには甘い態度でした。当時のレオはそれが不満でしたが、親方は努力する者には将来のために厳しく、そうでない者には何も教えていなかったのです。そして努力が実り、レオは自分の工房を持つことができました。
そんなレオのことを、ウベルティーノが気にかけるのは、親方が亡くなる時にレオのことをウベルティーノに託したからでした。そんな2人は、実は似た者同士でした。ウベルティーノは、絵を商品としてしか考えていません。なので彼の私室には、仕事をするのに十分なものしかありません。一方、レオが断食の日を決めているのは、お金を節約してよい道具を揃えるためでした。
いがみ合っているレオとウベルティーノが、実はお互いに深い絆で結ばれていたという、よいエピソードでした。(^^)
そしてヴェロニカがアルテに教えた、仕事に対する心構えも勉強になりました。自分の腕や技術に自信があるなら、それに見合った対価を請求する。そういう考え方は、たしかに大切ですね。
最終更新日 : 2022-10-30
第5話 腐れ縁 16世紀のフィレンツェ、絵の具は薬屋が扱っていた。工房では独自の調合で絵の具を作っていた。金曜日は断食をするレオ、なのでアルても空腹。お使いから帰ると仕事の依頼、お客と言い争うレオ。古くからのお客だが指示が細かく儲からない。再交渉しないといけないが、やる気がない。そこでアルテが代わりに交渉しようといい出す。アルテの気持ちは分かるが無理だろうと止める。でも女性なら交渉可能かもと... …
2020/05/06 02:33 ぬるーくまったりと 3rd