時々の記録

オクジーが再び、ノヴァクと戦うことになるお話でした。

ヨレンタが帰った後、ノヴァクは再びオクジーとバデーニの前に現れました。その理由は、この街で暗号化された文書が見つかり、それを解読した結果、異端の研究をする者がここにいると判明したからでした。

その手始めとして、ノヴァクは２人の研究内容を見せて欲しいと頼みました。オクジーは慌てますが、バデーニは動揺した様子もなく研究をしていた小屋にノヴァクを案内しました。そこに置かれていた資料にノヴァクは目を通しますが、それはどれも異端とされるものではありませんでした。バデーニは事前に、問題がありそうな資料を別の場所に隠していたのです。

これで一件落着かと思いきや、帰り際にノヴァクは異端者が身につけていたペンダントがあるのを見つけてしまいました。しかし、それを見てもノヴァクは特に反応しませんでした。オクジーはノヴァクがペンダントのことを忘れてしまったのだと安心しますが、バデーニはすぐにここから引き払えとオクジーに命じました。

小屋を引き払う前に、バデーニは残された資料を燃やしていました。そんなバデーニに、オクジーはついに自分の気持ちを伝えました。バデーニがしているように、資料を焼いてしまうのは後に続く者たちのためにならないと考えたのです。
今、バデーニが地動説にたどり着くことができたのも、天動説を完成させるためにピャスト伯が努力を注いできた成果があったからです。第三者の批判や訂正を許さない研究は、そのあり方として間違っていると訴えました。

そんなオクジーの言葉を聞いても、バデーニは資料を焼き続けます。その時、オクジーは遠くから異端審問官の馬車が近づいているのを見つけました。ノヴァクはペンダントのことを忘れておらず、すぐさま仲間を引き連れてオクジーとバデーニを捕まえに来ていたのです！

その素早さは、バデーニの予想を超えたものでした。バデーニは当初のプランを変更して、すぐに逃げろとオクジーに命じます。しかしオクジーは、バデーニに必要な時間がどれくらいなのか尋ねました。オクジーはバデーニを逃がすために、自分が犠牲になる覚悟を決めたのです。

それはオクジーが、地動説という信仰を得たからです。それまでの彼は、教会の教える天国に行くことしか考えていませんでした。しかし地動説を知る中で、オクジーは教会が間違っていることに気づいたのです。そんな彼が信じて、命を賭けても守りたいもの。それが地動説でした。

異端審問官を乗せた馬車の前に現れたオクジーは、優れた視力を活かしてあっという間にノヴァク以外の審問官を倒してしまいました。今回の任務でノヴァクに同行したのは、新米の審問官ばかりでした。彼らには異端者を殺す決意はあっても、殺される覚悟はありませんでした。

そしてオクジーは、ノヴァクと対峙しました。かってノヴァクと対峙した時は、その場から逃げ出したオクジーですが、今の彼には死んでも守りたいものがあります。２人の戦いの行方が気になります。

今回はオクジーの成長に感動しました。ヨレンタから読み書きを教わったことで、オクジーは精神的に成長していました。彼は本格的に学問を学んだわけではありませんが、バデーニに以上に学問の意味や意義を理解していました。それだけに、オクジーにはここでノヴァクに殺されずに、生き延びて欲しいと思いました。