サッカーコラム J3 Plus+　

サガン鳥栖 vs 横浜Fマリノス (ベストアメニティスタジアム)

→　11勝12敗9分けで12位の鳥栖と13勝9敗10分けで7位の横浜FMの試合は2対2のドローに終わった。前半22分にこの日がホーム最終戦となるMF金民友のゴールで鳥栖が先制にすると後半6分にはカウンターからFW富山のゴールが決まって追加点を奪った。しかし、後半9分に横浜FMはセットプレーの流れからDF中澤のヘディングシュートで1点差に迫ると後半24分にはMF齋藤学が華麗なドリブルから決めて2対2の同点に追いついた。引き分けたことで横浜FMは6位以下が確定。4位でのACLの可能性は消滅した。

鳥栖は7年間プレーしたキャプテンのMF金民友が今シーズン限りで退団することが正式に決まっており、この日がホーム最終戦となった。厳密に言うと11月12日(土)に行われる天皇杯の4回戦の広島戦はベアスタでの試合となるので実際にはベアスタでプレーするチャンスはあるがJ1のリーグ戦ではこの日が最後。試合後にはセレモニーが予定されていたが前半22分に自ら惜別のゴールを記録した。クロスなのか、シュートを狙ったのか、かなり微妙な軌道だったが、FW豊田が飛び込んできたことがゴールにつながった。

「兵役の問題で今シーズン限りで日本を去る可能性がある。」ということは開幕前から報じられていたのでニュースを聞いたときは「やっぱりそうなのか・・・。」と感じたくらいで驚きはなかったが、ずっと10番としてチームを支えてきた選手なので鳥栖にとっては特別な選手である。サイドアタッカーとしての評価は高かったのでここ2年ほどはG大阪やKリーグのクラブなどが具体的な移籍先候補として名前が挙がっていたが最終的には鳥栖に残った。当然のことながら、「鳥栖の一時代を築いた選手」と言っても過言ではない。

横浜FMは試合前の時点では年間4位の可能性が残っていたが消滅した。2対2の同点に追いついた後は横浜FMが圧倒的に優勢。MFマルティノスを中心としてカウンターからチャンスを作ったが仕留めることは出来ず。途中出場のMFマルティノスは相当な脅威になったがGK林彰洋の活躍もあって逆転までもっていくことは出来なかった。それにしても後半24分のMF齋藤学のドリブルからのゴールは鮮やかだった。これで自身初となる10ゴール目。余裕があるのでずっと課題とされていたフィニッシュの時も落ち着いている。

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柏レイソル vs 大宮アルディージャ (日立柏サッカー場)

→　14勝9敗9分けで6位の柏と14勝7敗11分けで4位の大宮の試合は2対1でアウェイの大宮が勝利した。前半16分にクイックリスタートからFW家長の浮き球のパスを受けたMF江坂が決めてアウェイの大宮が先制に成功すると前半18分にはFWムルジャが倒されてPKを獲得。これをFW家長が決めて2点目を奪った。柏は後半21分にFW伊東純のクロスが相手のオウンゴールを誘って1点差に迫ったが同点に追いつくことは出来なかった。大黒柱のFW家長は今シーズン11ゴール目。キャリアハイのゴール数に並んだ。

8位に転落した柏は「4位の可能性」が消滅したのに対して大宮は年間3位の鹿島が敗れたのでついに鹿島との差が「3」になった。もちろん、得失点差は鹿島が「+20」で、大宮は「+6」なので得失点差の違いは大きい。逆転での3位ならびにCS出場というのは現実的ではないがこれで5位以内が確定。少なくとも「年間3位ならびにCS出場の可能性」を持った状態で最終節を迎えることになる。これは快挙と言える。「(天皇杯の結果次第で)4位でのACL出場」が見えてきたので最終節のFC東京戦(H)は大きな試合となる。

後半は柏が攻め込んで1点差になった後は危ないシーンがいくつかあったので冷や冷やの勝利と言えるが4位争いをするライバルを下したこの勝利は価値がある。FW家長は1ゴール1アシストの活躍で、FWムルジャやMF江坂やMF泉澤なども持ち味を発揮した。J1で力を出し切れていなかったMF泉澤やFWムルジャがここに来て調子を上げてきたのは好材料で、MF江坂は相変わらず勝負強い。今シーズンの大宮は(J2時代とは違って)守備陣の頑張りが目立っているが顔ぶれを見ると攻撃陣もタレントが豊富。力がある。

敗れた柏は6位以下が確定した。DFラインの裏を突かれて2失点。この日もU-19アジア選手権に参加しているDF中山雄が不在だったが代わりに出場したDF鎌田がブレーキになった。フィードのミスも多くて精彩を欠いたと言える。最近の流れでは年代別代表への召集を拒むことは(基本的には)出来ないので仕方がないところもあるがDF中谷&DF中山雄のコンビ以外のときは明らかに失点の数が増えている。東京世代のDF中山雄は今後も代表招集で定期的に抜けることが予想されるのでCBのバックアッパーは必要である。


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◆　まとめ

　#1499 【J1】 全9試合のレビュー (2ndステージの第16節) (後編) (2016/11/2)

→　10月16日(日)に行われたJ1の2ndステージの第16節の全9試合のレビューの(後編)です。退団が確定したMF金民友のホームラストマッチとなった鳥栖 vs 横浜FMは見応えのある展開になりましたが2対2のドローに終わりました。鳥栖が2点をリードしましたが横浜FMがMF齋藤学を中心に猛反撃。逆転ゴールを奪っていても全くおかしくない流れでした。MF齋藤学の同点ゴールは鮮やかだったと言えます。


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