■ J2の第2節J2の第2節。五輪代表候補のMF井出が前半16分に決勝ゴールを決めてアウェイで長崎に1対0と勝利して好スタートを切ったジェフ千葉がホームのフクアリで水戸ホーリーホックと対戦した。開幕戦はホームで熊本と対戦した水戸は惜しいシーンをたくさん作ったがゴールは奪えずにスコアレスドローだった。水戸は2010年から2014年までの5年間で「1節・2節の通算が8勝2分け」と凄まじい成績を残している。
ホームの千葉は「4-2-3-1」。GK高木駿。DF金井、キム・ヒョヌン、大岩、中村太。MFパウリーニョ、佐藤勇、ネイツ・ペチュニク、井出、谷澤。FW森本。1対0で勝利した長崎戦(A)と全く同じスタメンとなった。DF金井とMFパウリーニョとMFネイツ・ペチュニクの3人が新戦力となる。189センチのMFネイツ・ペチュニクはスロベニア代表で、千葉では右サイドハーフで起用されている。1トップにはFW森本が入った。
対するアウェイの水戸は「4-2-2-2」。GK笠原。DF田向、金聖基、今瀬、田中雄。MF岩尾、新里、吉田眞、鈴木雄。FW馬場、宮市剛。熊本との開幕戦で怪我をしたDF細川とMF内田航がスタメンから外れて、190センチのDF金聖基と大卒2年目のDF田向がスタメンで起用された。DF新里は開幕戦はCBでプレーしたが、この日はボランチの位置に入った。国士舘大出身のDF今瀬は2試合連続スタメンとなった。
■ 2対0でジェフ千葉が快勝試合はホームの千葉ペースで進んでいく。何度か惜しいシーンを逃した後の前半29分に中盤でボールをつないだMFパウリーニョのプレーを起点に左サイドをフリーで駆け上がった左SBのDF中村太が得意の左足でファーサイドに高精度のクロスを上げると、これを189センチのMFネイツ・ペチュニクが頭できれいに合わせて千葉が先制する。注目の新戦力のMFネイツ・ペチュニクはJリーグ初ゴールとなった。
さらに前半36分にもFKからチャンスをつかむと、最後は右SBのDF金井が押し込んで2対0とリードを広げる。その前に千葉のDFキム・ヒョヌンがワンタッチをしているように思える場面だったので、「オフサイドだったのでは???」と思うシーンだったが、主審と副審が協議した上でゴールが認められた。鳥栖から加入したDF金井はJ2でプレーするのは今シーズンが初めてなので、2試合目でJ2初ゴールとなった。
0対2で迎えた後半開始から水戸はFW宮市剛に代えてFW三島康を投入。FW三島康の高さと強さを有効に活用して後半は水戸にもいくつかチャンスシーンが訪れた。後半途中に投入されたMFパク・カンイルのクロスも効果的だったが、いくつかあった決定機を生かせず。そのまま2対0でホームの千葉が勝利して開幕2連勝となった。千葉は第3節はアウェイで栃木SCと対戦して、水戸もアウェイで東京Vと対戦する。
■ 新戦力のMFネイツ・ペチュニクが先制ゴール近年は1節・2節に無類の強さを発揮している水戸を下した千葉は好スタートを切った。相手をリスペクトしすぎたことが原因なのか、水戸の選手の動きが重くてイージーなミスが目立った前半に千葉が効率的に2ゴールを奪った。後半は危ないシーンがいくつかあったが、2対0というスコアだったので、かなり余裕を持った戦いができた。開幕の長崎戦(A)に続いてどちらかというと楽な試合展開に持ち込むことが出来た。
先制ゴールを決めたのはMFネイツ・ペチュニクだったが、鮮やかなヘディングシュートだった。中盤でうまくボールをつないで左サイドでフリーになったDF中村太にボールが渡ったが、あれだけフリーの状態であれば高確率で良質なボールが入って来る。FW森本がいることもあってMFネイツ・ペチュニクは右サイドハーフで起用されているが、DF中村太→MFネイツ・ペチュニクのラインは得点源のなりそうだ。
マッチアップしていたのは水戸の左SBのDF田中雄だったが、身長の差は20センチもある。ポジション的にはDF田中雄がマークするしかないので、こういうマッチアップになるのは仕方がないが、これだけ身長の差があると余裕を持ってヘディングでゴールを狙うことが出来る。左SBにサイズの無い選手を置いているチームと対戦するときはMFネイツ・ペチュニクの高さを生かした攻撃は極めて有効だと言える。
■ 絶大な存在感を発揮したMFパウリーニョ千葉はいい形で2連勝することが出来たが、この日はMFパウリーニョの存在感が絶大だった。1点目のFWネイツ・ペチュニクのゴールも中盤で球際の強さを発揮したMFパウリーニョの泥臭いプレーがきっかけになっており、持ち味である力強いボール奪取を見せてカウンターの起点となるシーンがたくさんあった。2点目のゴールにも絡んでおり、この日は新加入のMFパウリーニョがMOMと言えるだろう。
昨シーズンは川崎Fでプレーしたが、思うような活躍はできなかった。不本意なシーズンになったが、カウンター型のチームを作ることに長けた関塚監督とMFパウリーニョの相性はかなりいいと思われる。新加入選手で、なおかつ、外国籍選手であるにもかかわらず、キャプテンを任されていることからも信頼の高さがうかがえるが、ホームのフクアリでサポーターに自身の実力を披露することができた。
当然のことながら、千葉にとっては大きな補強と言える。ベテランのMF佐藤勇との関係性もこれまでのところは非常にいいと言えるが、唯一にして、最大の心配材料は怪我である。絶対的なボランチの主力だった栃木SCでは2011年が22試合で、2012年は29試合で、2013年は23試合の出場にとどまっている。(※ 途中加入した2010年は17試合で、川崎Fでプレーした2014年は14試合だった。)
接触プレーを厭わない選手なので仕方がないところもあるが、怪我で離脱することの多い選手である。「頻繁に怪我をする。」というよりは「長期離脱につながる大きな怪我をすることが多い。」という選手で、フルシーズン元気にプレーすることは想像しにくい。試合中の怪我は避けらない部分もあるが、「MFパウリーニョが長期離脱しない。」というのが今シーズンの千葉の昇格条件の1つになるのは間違いない。
■ アンラッキーだった2失点目のジャッジ一方の水戸は前半の出来はあまり良くなかった。イージーなミスが続いて、危険な位置でファールを冒してセットプレーの機会を与えることが多かった。2つのゴールシーン以外にも危ないシーンはいくつかあったので、0対2というスコアは妥当と言える。FW三島康とMFパク・カンイルが投入されてからは攻撃が活性化したが、これで2試合連続ノーゴール。早く今シーズンの初ゴールが欲しいところである。
2失点目は水戸にとってはアンラッキーだった。リプレーを見るとDF金井の位置は明らかにオフサイドポジションで、千葉のDFキム・ヒョヌンがボールに触って軌道を変えている。「オフサイドの可能性が高い。」と言えるプレーだったが、DF金井のゴールが認められた。水戸の選手が触った or 誰も触らなかったという判断の下、ゴールが認められたと思うが、水戸の選手には納得しがたいジャッジだった。
リプレーを何度か見ると「DFキム・ヒョヌンが触っている。」ということが分かるが、そうはいっても、一見で判別するのはなかなか難しい。ミスジャッジだと思うが、主審あるいは副審を責めるのは酷である。「このエリアでこういうプレーが起こる。」ということを分かった上でリプレーを見るのと、まっさらな状態で他の選手達の攻防にも目を配りながら瞬時に判断を下す立場の審判員とは条件が違いすぎる。
不運な形で2点目を失ったが、後半の出来は悪くなかった。やはり、FW三島康がゴール前にいると相手の脅威になる。また、後半11分にDF田向に代えてMFパク・カンイルを投入したが、この交代も効果的だった。MFパク・カンイルは何度もいいクロスをゴール前に供給した。U-19日本代表のDF広瀬が徳島に移籍して右サイドが悩みの種になっているので、MFパク・カンイルの活躍というのは明るいニュースと言える。
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