東京VのFW森本貴幸(18)が、セリエAのカターニャから正式なオファーを受けた。まだ、Jリーグでもそれほどの実績のない選手に対して異例とも言える今回のオファーだが、それだけ、森本のタレント性を評価しているのだろう。ヴェルディとしては、森本の将来も考えて、レンタル移籍であれば容認する方向で、18歳のセリエAプレーヤー誕生の可能性は高い。
15歳での衝撃的なJリーグデビューから2年半がたっているが、去年、今年と思うような出場機会を得られていない。それでも、考えてみるとまだ高校3年生である。これだけのポテンシャルをもった高校生フォワードは、稀である。
カターニャというチームについてはよく分からないが、もし、森本をちゃんと戦力として考えていて、それなりに、出場機会を与えてくれるのであれば、きっと素晴らしい経験になるだろう。一般的に、セリエAに昇格したばかりのチームは、4バックとダブルボランチと両サイドハーフの8人でしっかり守って、あとは2トップにお任せというカウンター主体のサッカーを展開する。味方とパス交換をして得点機会に絡むというチャンスメーカータイプのフォワードにとってはつらいリーグだが、森本のように、ドリブルで突破する能力のある選手にとっては、味方のサポートが少なくても、何とかなるのではないかと思う。
ワールドカップを見ても分かるように、イタリア代表のフォワードには、世界でもトップクラスの選手が揃っている。イタリアには、ジラルディーノやインザーギのように、とにかく得点さえ取れれば他の仕事は少々できなくてもOK、というような文化がある。フォワードにとって厳しい環境だが、森本のような才能のある若手フォワードがステップアップするには、最高に近い環境ではないかと思う。
移籍をするのであれば、出来るだけいい条件を引き出してほしい。ジャパンマネーでも、放送権料でも、何でもいいので、使えるネタは全て使って、交渉にのぞんでほしい。
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