■ 最終節昨年の8月に開幕したブンデスリーガも最終節を迎えた。4月30日のニュルンベルク戦に2対0と勝利して9年ぶりの優勝を決めたボルシア・ドルトムントはホームのシグナル・イドゥナ・パークで17位のフランクフルトと対戦。フランクフルトは負けると降格が決定。引き分け以上でも他会場の結果次第で降格が決定する。
ドルトムントは<4-2-3-1>。GKヴァイデンフェラー。DFピズチェク、フメルス、サンタナ、シュメルツァー。MFダ・シウヴァ、ゲッツェ、ブラスチコフスキ、レワンドフスキ、グロスクロイツ。FWバリオス。ようやく怪我が治ったMF香川が久々のベンチ入り。出場すれば、1月のアジアカップの準決勝の韓国戦以来となる。レアル・マドリーへの移籍が決定したMFサヒンは怪我のため欠場。
■ ボルシア・ドルトムントが3対1で勝利試合は立ち上がりからドルトムントが優勢。前半8分にMFブラスチコフスキが倒されてPKを獲得する。しかし、FWバリオスが失敗して先制ならず。その後もMFレワンドフスキらがチャンスを迎えるが決められず。前半は0対0で折り返す。
後半開始早々にフランクフルトは左サイドからのクロスをFWゲカスが折り返して、ゴール前のMFローデが決めて先制する。しかし、ドルトムントは後半23分にDFピズチェクがドリブルで切れ込んでヒールでラストパスを送ると、FWバリオスが決めて同点に追いつく。さらに後半27分にもDFフメルスのオーバーラップを起点に相手のオウンゴールを誘って逆転に成功する。
ドルトムントは後半28分に今シーズン限りでの退団が決定しているDFデデを投入。後半35分にはDFシュメルツァーが倒されてまたしてもPKを獲得し、そのDFデデがキッカーに指名されてPKを蹴るが失敗し、追加点はならず。
そして、後半42分にMF香川が登場。いきなりDFデデのパスを受けてDFラインの裏に飛び出すがオフサイド。その直後にも、MFフォイルナーのパスを受けて、DFをかわしてシュートを狙うが、またしてもオフサイドの判定でゴールならず。
しかし、終了間際にMF香川がMFレワンドフスキのパスを受けてためてから裏にスルーパス。サイドでボールを受けたMFレワンドフスキがゴール前にクロスを上げると、FWバリオスがヘッドで決めてダメ押しの3点目。FWバリオスは今シーズン18ゴールでフィニッシュ。結局、3対1でドルトムントが勝利し、有終の美を飾った。
■ ドルトムントがマイスター・シャーレ獲得すでに優勝を決めているボルシア・ドルトムントと、降格の危機にあるフランクフルトという対照的な両チームの対戦となったが、ボルシア・ドルトムントがラストを勝利で飾り、フランクフルトは17位で二部への降格が決定した。試合終了後には、優勝セレモニーも行われて、ドルトムントにサポーターにとっては、最高の一日になった。
MFサヒン、MFベンダー、DFスボティッチを欠いているドルトムントは、前半のチャンスに決められずに苦戦となったが、後半に地力の差を見せつけた。ドルトムントが得た2つのPKシーンは、フランクフルトにとっては厳しい判定であり、レッドカードも必要なかったと思うが、判定もホームのドルトムントに味方した。
■ MF香川は4か月ぶりのピッチベンチ入りは決定していたが、ピッチに立つ可能性は低いと思われていたMF香川だったが、ラスト3分でピッチに登場。その前から、ドルトムント・サポーターはMF香川のチャントを歌ってMF香川の登場を待っていたが、そのチャントに後押しされたかどうかは分からないが、クロップ監督もMF香川投入を決断。短い時間であったが、3つのプレーに絡んで、最後のFWバリオスのゴールの起点にもなった。
相手は10人になっており、戦意も喪失気味だったので、参考にはしにくい状況ではあったが、久々のプレーということを感じさせないくらい普通に動けており、「いきなりゴールか。」というようなシーンも作った。5月17日に行われるドルトムントと日本選抜とのチャリティーマッチに出場して、今シーズンを締めくくることになるが、シーズンが終わってしまうのはもったいないと思うほど、軽快に動いていた。
同じように、試合に出場しないと思われていたベテランのDFデデも後半に登場し、PKキッカーまで任されたが、MF香川も無理をして試合に出場させる必要はなったが、DFデデも、MF香川も功労者で、このあたりの気遣いもクロップ監督らしいところである。
■ 1年目でリーグ制覇これでブンデスリーガのシーズンは終了。怪我で後半戦を棒に振ったのは残念だったが、それでも18試合に出場して8ゴールをマーク。MF香川がスタメンで出場した前半の17試合は14勝2敗1分け。39得点10失点と驚異的な成績を残した。逆にスタメンで出場しなかった後半の17試合は9勝3敗5分け。28得点12失点だったので、MF香川の欠けた影響は小さくはなかった。半分しか出場していないが、前半戦のチームの首位独走に大きく貢献し、素晴らしいシーズンだったといえる。
ちょうど1年前のヴィッセル神戸戦が日本でのラストゲームとなった。この試合、FKから惜別のゴールを決めたが、たった1年でメガクラブからも注目される存在になるとは、想像できなかった。技術的には何の不安もなかったが、フィジカル面で少し苦労するかと思ったが、全くそういったことはなく、すぐにチームに順応した。怪我なく、コンディションさえ整えば、ブンデスリーガであろうと、CLであろうと、普通に活躍できる実力は備わっているので、オフはしっかりと休んで、次のシーズンに備えてほしいところである。
■ 次はCLこれでドルトムントはドイツ王者としてCLに出場することになった。チームとしては、来シーズン、ブンデスリーガで連覇することと並んで、CLで上位に進出することも大きな目標となる。すでに、CSKAモスクワがCL出場を決めており、インテルの出場の濃厚。今シーズンは、DF内田とDF長友の対決が話題を集めたが、来シーズンはさらに楽しみが増えそうだ。
心配なのは選手の流出であり、怪我もあったのでMF香川が移籍する可能性は低いが、ドルトムントはすでにMFサヒンが引き抜かれており、他にも、MFゲッツェ、FWバリオス、DFフメルス、DFシュメルツァーら主力のほとんどにメガクラブが興味を示しているといわれている。移籍市場は全く先が見えないので、どういうメンバーが揃うかは分からないが、このメンバーで出場できれば上位進出も十分に可能と思われるので、どんな動きがあるかも注目していきたいところである。
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