■ 「戦犯探し」が行われている。 E組は2節が終了。日本 vs コスタリカは1対0でコスタリカが勝利して、スペイン vs ドイツは1対1の引き分けだった。これでスペインは1勝1分け、日本とコスタリカが1勝1敗、ドイツは0勝1敗1分けとなった。次の3節は日本 vs スペイン、ドイツ vs コスタリカとなるが2節を終えた時点でGL突破が決まったチームも敗退が決まったチームがゼロ。第3者的な立場から見ると「非常に面白い展開になっている。」と言える。
初戦でドイツに勝利して勝ち点「3」を獲得した日本にとってコスタリカ戦の敗戦は痛恨というしかない。引き分けでもGL突破に前進することが出来たが敗れたことで黄色信号が灯った。2位をキープしているが3戦目は「優勝候補の一角」に挙げられるスペインとの対戦になる。負けるとGL敗退となるが数字上は引き分けでもGLを突破できるチャンスはある。次の3戦目は日本サッカー界の未来を賭けた大勝負になる。
コスタリカ戦の後、まだあまり時間が経過していないこともあって「戦犯探し」が行われている。「戦犯探し」がトレンドワードになっているほどである。当然、「戦犯探し」という行為を批判する人も多いが、「出来が良くなかった選手」、「本来のプレーが出来なかった選手」、「適切な選手起用や采配が出来なかった監督やコーチ」などが名指しで批判をされるのはある程度は仕方がない。むしろ、健全なことである。
■ W杯のデビュー戦は緊張しがち。 様々な問題が起こった末の敗戦なので「原因や理由を考えること」は大切なことだと思うがプレーした16人の中で特にいいプレーが出来なかったのはFW上田、MF鎌田、DF伊藤洋あたり。失点シーンに絡んだDF吉田、MF守田、DF伊藤洋、GK権田なども批判の対象になっているがこの中でFW上田、MF守田、DF伊藤洋の3人はW杯のデビュー戦だった。プレッシャーや緊張で本来のプレーが出来なかった可能性はある。
過去のW杯を振り返ってみても「W杯未経験者がGLの初戦でW杯デビューを果たしたものの、力を出せずに終わる。」というケースは多かった。今回の森保JAPANは「経験」よりも「若さや将来性」を重視したメンバー構成になっているので「W杯経験のない選手がプレッシャーに負けてしまうこと」はある程度は想定していたと思うがFW上田やDF伊藤洋などは本来のプレーが出来ず。ずっとフワフワした感じだった。
選手起用や選手交代に関しては「こうした方が良かったのではないか?」、「あの選手を使った方が良かったのでは?」と言ってもすべて結果論になってしまうがターンオーバーを採用するのであればMF鎌田よりもゴール前で仕事ができるMF南野であったり、MF守田よりも決定的なパスを出せるMF柴崎岳であったり、DF伊藤洋よりも経験と安定感のあるDF谷口彰の方が良かったのでは?と思うところはある。
■ 森保監督の選手起用は裏目裏目に・・・。 ドイツ戦ではほぼ選手起用が当たった森保監督だったが一転して今回のコスタリカ戦はことごとく裏目に出た。失点シーンについては自分たちのミスから生まれており、ポジショニングや技術的なミスや判断のミスを含めると「ちょっとしたミス」が4つほど重なってしまった。失点シーンに関して森保監督を責めるのは酷だと思うがコスタリカ戦については「森保監督の選手起用が批判されるのは当然」と言える。
もちろん、監督や選手の人格を否定するような批判の仕方は良くない。節度を持った批判でないといけないのは言うまでもないがコスタリカ戦の後、気になっているのはDF伊藤洋に対する批判の声である。すでに触れたとおり、後半開始から登場して出来は悪かったがその理由としては「W杯のデビュー戦で緊張していた。」という点がまず挙げられる。0対0の状況だったので大きなプレッシャーがかかる。
後半途中で切り札のMF三笘が投入されて「さあ、いくぞ!」という雰囲気になったがMF三笘のところを上手く活用できなかった。2つほどMF三笘がボールを持ってドリブルで仕掛けて大チャンスを作ったが「仕掛けるシーン」はもちろん、「MF三笘がボールを持つシーン」が極めて少なかった。まさしく宝の持ち腐れである。MF三笘の後ろでプレーするDF伊藤洋がうまくMF三笘を生かせなかったのは間違いないところ。
■ スラムダンクでそういう描写はあったが・・・。 その理由についてもいくつか考えられるが「後半開始すぐにDF伊藤洋が2つほどロングボールを蹴ったものの、いずれも味方に全く合わず相手ボールになったことが原因でDF伊藤洋がミスをすることを怖がるようになってしまったこと」が挙げられる。その後はほぼ安全なパス(プレー)しか選択しなくなった。プレーが極端に消極的になったことは対峙していたコスタリカの選手もすぐに分かったはずである。
DF伊藤洋の本来のポジションはボランチである。大型ボランチとして将来を嘱望されていた選手である。左足キックの精度は高くて効果的なパスをバンバン出せる選手である。コスタリカは引いて守るサッカーを選択したので「DF伊藤洋のパス能力」に期待したと思われる。パス出しに関する能力はDF長友と比較しても段違いに高いがほとんど効果的なパスは出せず。むしろ、左からの組み立てはスムーズさを失った。
驚いたのは「DF伊藤洋はMF三笘のことを嫌っているのでパスを出さないのだ!」と憤慨する人が少なくない点である。スポーツをやったことがない人の意見だと思うが「極めて低次元な考え方(批判の仕方)」である。人気バスケ漫画のスラムダンクでは「主人公の桜木花道が(一方的にライバル視している)流川楓のことが大嫌いなのでパスを出さない。」という描写があったがこれはあくまでも漫画の世界の話である。
■ MF三笘を上手く使えなかった理由は・・・。 スラムダンクでは「流川にパスを出さない。」という描写が最後の最後の山王戦の劇的な逆転勝利(逆転シュート)をさらに引き立たせる要素になっているが今回のDF伊藤洋に対する「DF伊藤洋はMF三笘のことを嫌っているのでパスを出さないのだ!」という形の批判は「本気でスポーツをやった経験のある人」、「漫画やアニメと現実は違うということを認識できる人」には、到底、思い浮かばないストーリーである。
DF伊藤洋が左WBのMF三笘を上手く使えなかった理由は
・序盤に続けてミスをしたことで極端にミスを恐がるようになってしまったこと(精神的な問題)。
・DF伊藤洋のポジショニングの問題。(立ち位置の悪さ。)
・DF伊藤洋の技術的な問題。(右足をほぼ使えない点。)
・コスタリカが完全に引いたのでスペースがほとんどなかった点。
・MF三笘に対する相手の強い警戒。(要警戒でフリーにならない。)
・中央のエリアでFW浅野拓やMF鎌田が起点になれなかったこと。
など。いくつも考えられる。そういう理由があるにも関わらず、「好き/嫌い」というあまりにも低次元なレベルで批判をする人が少なくないのは極めて残念である。小学生のサッカーチームでも「あの子のことは嫌いなのでパスを出さない。」、「あの子は気に食わないのでパスを出さない。」ということはまずない。同じ批判をするにしても「陰謀論的な批判」をする人がいることに何とも言えないやりきれなさを感じる。
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