■ J2の第2節J2の第2節。開幕戦はアウェイで山口と対戦して1対1のドローに終わったロアッソ熊本はホームのえがお健康スタジアムでモンテディオ山形と対戦した。熊本にとっては待望のホーム開幕戦となる。上位候補に挙げられる山形は開幕戦はアウェイで群馬と対戦したが0対1で敗れて黒星発進となった。今シーズンも山形は開幕からの4試合はいずれもアウェイ戦になる。3月20日(日)の仙台戦(H)がホーム開幕戦となる。
ホームの熊本は「3-4-3」。GK佐藤優。DF黒木晃、菅田、阿部海。MF河原創、上村周、竹本、坂本亘。FWターレス、高橋利、杉山直。スタメン11人は開幕戦と全く同じ。昨シーズンは2トップを採用するケースが多かったが今シーズンは大卒2年目のMF坂本亘をトップ下に置く新しいやり方を採用している。大卒ルーキーのFW土信田、MF東山、MF藤田一はベンチスタート。FW高橋利は開幕戦で同点弾を決めている。
対するアウェイの山形は「4-2-2-2」。GK後藤雅。DF半田、山崎浩、木村誠、吉田朋。MF藤田息、南、横山塁、加藤大。FW藤本佳、山田康。開幕戦はベンチスタートだったFW藤本佳が初スタメン。2021年はJ2の愛媛FCで10ゴール5アシストを記録した。大卒ルーキーのMF横山塁は2試合連続でスタメン出場。期限付き移籍から完全移籍に切り替わったFW山田康が今シーズンは10番を背負うことになった。
■ 山形が3ゴールを奪って今シーズン初勝利試合は前半9分に中盤でボールを奪った山形がショートカウンターを繰り出す。右サイドに流れたFW藤本佳がサイドの奥からグラウンダーのクロスを入れるとクリアをしようとしたDF黒木晃がスリップをしてMF加藤大がドフリーになった。MF加藤大が右足で決めてアウェイの山形が先制に成功する。さらに前半45分にはFW山田康の鋭いクロスが相手のオウンゴールを誘って前半の終了間際に追加点を奪った。
2対0で迎えた後半はオープンな展開になった。どちらもスピーディなカウンターからチャンスを作ったが後半29分に山形は波状攻撃を仕掛けると最後はDF山田拓のシュートのこぼれ球を途中出場したMF國分伸が左足で押し込んで試合を決める3点目のゴールを奪った。3点を追う展開になった熊本は後半32分にFWターレスの突破からMF坂本亘にビッグチャンスが訪れたが右足のシュートはクロスバーに直撃する。
熊本は右ウイングのFWターレスを中心に少なくない数のチャンスを作ったがこの日は最後の精度を欠いて最後までゴールを奪うことは出来なかった。3対0で大勝した山形が今シーズン初勝利を挙げた。山形は1勝1敗となった。敗れた熊本は0勝1敗1分けとなった。シュート数は熊本が13本、山形は5本のみ。山形はそこまで多くのシュートチャンスを作れなかったが厚みのある攻撃を見せてしっかりとゴールを奪った。
■ 初スタメンで攻守に貢献したFW藤本佳希ともに鋭いカウンターを武器にしているが山形は相手のミスにもアシストされて完勝した。大きかったのは前半45分の2点目になる。クリアしにくいボールが入ってきたが戻ってきたMF竹本はクリアミス。思い切り足を振ったが運悪くゴール方向に飛んでしまった。そこまで切羽詰まった状況ではなかったのでCKにはしたくない状況。「スローインにしたい。」という考えだったと思うがそのことが裏目に出てしまった。
開幕戦は群馬の守備をこじ開けられなかった山形だったが熊本のサッカーとの相性は良かった。熊本は3バックを採用しているがSBやWBがいるわけではないかなり特殊な布陣である。サイドを担当する右サイドのMF上村周、左サイドのMF竹本の位置は相当に高いのでボールを奪った直後はサイドに広大なスペースがある。両方のサイドに快速アタッカーを擁する山形はしっかりと熊本の薄いエリアを的確に突いた。
開幕戦はベンチスタートだったFW藤本佳が移籍後初スタメンとなったが大きな存在感を発揮した。愛媛FCでは安定してゴールを決めたが「より規模の大きいクラブである山形でどんな活躍が出来るのか?」は大きな注目点だった。FWヴィニシウス・アラウージョ(→町田)との残留交渉がうまくいかずに退団したのでFW藤本佳にかかる負担ならびに期待は一気に増したが「攻守に素晴らしい出来だった。」と言える。
FW藤本佳はオールラウンドなストライカーであり、オールラウンドなフォワードである。何でもこなす選手と言える。いろいろな形でチームに貢献できていろいろな形からゴールを奪うことが出来る。スピードもあるのでカウンターになったときはFWヴィニシウス・アラウージョよりも大きな貢献が出来る。献身的な守備も高く評価されているので「今の山形のサッカーに合った理想的な選手を獲得できた。」と言える。
■ FWターレスは圧巻のプレーを見せた。熊本はホーム開幕戦だったがミスから失点をした。人数をかけて攻め込むタイプのチームなので先制されると苦しい。失点して前がかりになった裏を突かれることはある程度は覚悟をしていたと思うが山形のスピードに乗ったカウンターは想像以上の威力だったのだろう。サイドの枚数が少ない熊本にとってはカウンターならびにサイドアタックが武器となる山形のサッカーは相性的には相当に良くないと言える。
両チームが次に顔を合わせるのは7月10日(日)になる。NDソフトスタジアム山形で対戦するが次の機会の時はしっかりと対策を立ててくるだろう。次の機会に大木監督がどんな手を打つのか?は注目したいところである。1失点目も2失点目もクリアしきれずに失点となったが1失点目はかなりアンラッキーだった。DF黒木晃がスリップしなかった場合でもクリアできたか?は分からないが痛いゴール前での転倒だった。
攻撃陣は先のとおりでたくさんのシュートを放った。山形のゴールを脅かすシーンはたくさん作ったので一定の手ごたえは感じていると思うがラストのクロスやラストのシュートの精度が不足していた。後半のどこかのタイミングで1点を返して1対2になっていたら試合は面白くなったと思うが追撃のゴールを奪うことは出来なかった。トップ下のMF坂本亘はいい動きを見せたがシュートがバーに当たったのは残念だった。
早く初勝利を手にしたいが高卒2年目のFWターレスは圧巻のプレーを見せた。相手の左SBのDF吉田朋ならびにDF山田拓とマッチアップしたがパワーとスピードを生かしたサイドアタックは強烈だった。昨シーズンはインサイドハーフでプレーする機会が多かったが今シーズンは3トップの右。より高い位置で、かつ、タッチライン際でプレーすることになったがボールを持って仕掛けたときの迫力は凄まじいものがある。
インサイドハーフの時とはまた違ったプレーを見せているが高卒2年目とはとても思えない。すでに今オフの時点でJ1の名古屋が完全移籍で獲得しているので保有権を持っているのは名古屋になるがJ1で戦う名古屋のサイドハーフ陣に何かしらのアクシデントが発生した場合はシーズン途中でも呼び戻されるのでは?と思うほどの圧巻のプレーを見せている。運動量が多くて守備で貢献できるのも大きな魅力と言える。
▼ 動画の投稿日 (2022年2月10日)
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