サッカーコラム J3 Plus+　

ベガルタ仙台 vs 川崎フロンターレ (ユアテックスタジアム仙台)

→　7勝8敗2分けで10位の仙台と11勝1敗5分けで2位の川崎Fの試合は3対0でアウェイの川崎Fが完勝。幸先のいいスタートを切った。前半17分にMF小林悠の折り返したボールをFW大塚が押し込んで先制に成功すると前半21分にはMF中村憲のクロスからMF小林悠がヘディングシュートを決めて2点目を挙げる。さらに後半42分には途中出場したMF三好がJリーグ初ゴールを決めて決定的な3点目のゴールを挙げた。1stステージを制した鹿島が開幕節でG大阪に敗れたので川崎Fは年間順位で首位に浮上した。

「悲願の初タイトル」を狙う川崎Fはいいスタートを切った。腰痛のため初優勝がかかった大事な福岡戦(A)に出場できなかったMF中村憲がこの日も活躍。MF小林悠とMF三好のゴールをアシストした。ここに来てFW大塚が台頭してきたので復帰してからは左サイドハーフでプレーしているが自由にポジションを取るので相手にとってはマークするのが難しい状態になっている。トップ下やボランチでプレーするときは「何となくのプレーエリア」は決まってくるがSHになると誰がケアすればいいのか？が曖昧になる。

川崎Fはユース出身で期待のアタッカーのMF三好がJ1初ゴールを記録した。後半の終盤に途中出場したがそれまではミスが目立った。MF中村憲へのパスが丁寧ではなくてミスとなる場面が続いたので試合に入り切れていない印象だったが得意のドリブルから左足でコース隅に初ゴールを記録した。「ミヨッシ」という愛称が付けられているほどドリブルに定評があるがドリブルからシュートまでがスムーズで「点を取る形」を持っている選手と言える。東京世代なので年代別代表に絡んでくることが期待される。

一方の仙台は2連敗となった。昨シーズンは波が激しくて1stステージの終盤は好成績を残していい感じで2ndステージに突入したが一転して2ndステージは序盤から苦戦を強いられた。ズルズルいきたくないところである。この日は川崎Fのパスワークについていくことが出来ずに苦戦を強いられた。MF大島僚やMF中村憲らの対角線のミドルパスの精度が高くて逆サイドに出てくるボールに対する守備が後手後手に回った。決して状態が悪くない攻撃陣も川崎Fの守護神のGKチョン・ソンリョンを脅かすことはできなかった。

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ヴァンフォーレ甲府 vs ヴィッセル神戸(山梨中銀スタジアム)

→　3勝8敗6分けで17位の甲府と5勝7敗5分けで12位の神戸の試合は3対0でアウェイの神戸が完勝。8試合ぶりに勝ち点「3」を獲得した。前半7分にDF高橋峻のロングパスから裏に抜け出したFWレアンドロが決めて先制に成功すると前半10分にもFWペドロ・ジュニオールのパスからFWレアンドロが決めて2点目を挙げる。勢いに乗る神戸は前半24分にもFWレアンドロのパスからMF渡邉千が決めて3点目。前半24分の時点で3対0と大量リードを奪った。エースのFWレアンドロは2ゴール1アシストの大活躍だった。

神戸は1stステージのラストは7試合勝ちなし。順位は12位まで降下した。残留争いが気になるポジションだったが降格圏の甲府に勝利したことでひとまず安全圏に突入した。この日は攻撃陣が爆発したが1点目も2点目もロングフィードがきっかけだった。DF高橋峻とGKキム・スンギュの縦へのパスの精度が非常に高かったが2トップの裏に抜け出すタイミングも良かった。甲府側の立場に立つと「GK河田は処理することが出来なかったのか？」と思ってしまう。特に1失点目は躊躇しなかったらクリアできた可能性がある。

一方、17位で1stステージを終えた甲府は残留争いの真っ只中にいるがMFクリスティアーノが柏に完全移籍。FWダヴィやMFドゥドゥの加入が噂されているが開幕節には間に合わなかった。この日はFWチュカの1トップ、シャドーにMF稲垣とMF田中佑を起用してきたが迫力不足は否めず。0対3になった後の前半33分に2トップに変更したが大きな変化は生まれなかった。後半途中にテクニシャンのMF吉野峻を投入するとやや流れが良くなったがゴールは奪えなかった。助っ人2人が加入するまでは我慢の時期と言える。

今節は15位の鳥栖を除くと下位チームはすべて敗れた。今シーズンのJ1は川崎Fや鹿島や浦和などはほとんど取りこぼすことなく勝ち点を積みあげているので残留ラインは大きく下がりそうだ。例年は勝ち点「38」が目安とされているが、今の感じで行くと勝ち点「35」くらいで残留するチームが出てくるのではないかと思われる。甲府は1stステージは17試合で勝ち点「15」。勝ち点「35」をターゲットの1つと考えると残り16試合で6勝8敗2分けが必要となる。決して無理な数字ではないと思うがハードルはそれなりに高い。


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◆　まとめ

　#1407 【J1】 全9試合のレビュー (2ndステージの第1節) (後編) (2016/7/11)

→　7月2日(土)に行われたJ1の1stステージの開幕節の全9試合のレビューの(後編)です。甲府 vs 神戸はFWレアンドロが2ゴール1アシストの大活躍を見せたアウェイの神戸が3対0で圧勝。久しぶりとなる勝ち点「3」を獲得しました。17位と残留争いに巻き込まれている甲府は移籍したMFクリスティアーノの穴を埋めることが出来ず。攻撃の迫力不足は如何ともしがたいレベルでした。MFドゥドゥらの早期の加入が待たれます。


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