■ 鳥肌の立つ試合きっと、「鳥肌が立つ試合とはこういう試合のことをいうのだろうな」と思う。そして、「この試合をライブで確認できなかったことを、ずっと後悔することになるんだろうなと思う。Jリーグ入れ替え戦第2戦で甲府が6-2で柏に圧勝し、初のJ1昇格を決めた。
ボクは、ヴァンフォーレ甲府の実力の高さはある程度は知っていたし、柏レイソル相手でも十分に戦いが出来ることは知っていた。その予想は、古瀬での初戦の戦いで証明されたが、それでも、柏サッカースタジアムでは苦しい戦いとなるだろうと考えていた。前半を2対0で折り返したという、ケイタイからの情報を得た後でも、まだ甲府を信じ切れていなかった。そして、そんな予想は、ものの見事に外された。痛快なくらいに。
■ 生ける伝説となったバレーFWバレーの6得点はとにかく圧巻の一言。190cmの高さに規格外のスピードをもちながら、どこかつめが甘く、チャンスを確実に決められないもどかしさの残った有能な若手FWは、入れ替え戦の2試合を終えて、甲府の生きる伝説となった。それにしても、土屋相手にあれほどのプレーを出来る選手がJリーグで他にいるのだろうか?インタビューで見せた涙も印象的。
この2試合を見て、オシム監督に代表される「走るサッカー」について、いろいろと考えさせられた。かつて、グランパスにベンゲル監督がいたころ、名古屋の選手は口々にこういっていた。「サボっているとベンゲルに怒られるから、走りまくる」と。
多くの監督がムービングサッカーを志して、挫折することになるが、これら平凡な監督と、オシムやベンゲル、そして大木といった優れた監督の違いはどこにあるのでしょうかね。
■ 「J2に落ちてもいい」というコメントさて、今度は来シーズンのJ1の舞台に立つ甲府について考えてみたいと思う。まずは、海野社長のコメントを。
「大企業の支えがなくてもやれた。仮に1年でJ2に落ちたっていい。もっと経営を安定させてからJ1定着を目指す」
このコメントを聞いてとても安心した。地方のスモールクラブがトップリーグに上がると、残留を目指した戦いをはじめるわけだが、そのために経験豊富なベテランをそろえたり、身の丈に合わない戦力補強をして、チームのアイデンティティを失ってしまったというチームを多く見てきた。その心配をしていたのだが、甲府については、問題なさそうだ。
純粋に戦力だけ見ると、やはり苦しい戦いとなるだろう。それでも今年見せた、吹っ切れた攻撃的サッカーができれば、残留も見えてくると思う。これからも見守っていきたい。
■ 負けるべくして負けた柏一方の柏レイソルだが、負けるべくして負けたという印象だ。確かにエースのFW玉田を故障で欠くという不運な面もあるが、この敗戦は真摯に受け止める必要があると思う。
確かに敗戦の原因のひとつとして、監督の能力不足という要因が挙げられなくもないが、「早野ヤメロ」、「早野謝れ!」、「早野解任!」とかサポーターが言っている間は、チームは浮上出来ないだろう。J2は、”世界一過酷なリーグ”である。簡単に昇格できるとは思わない。
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