■ J2がいよいよ開幕J2もいよいよ開幕した。オフにMF岩尾やGK上福元など主力がたくさん抜けた徳島ヴォルティスはホームの鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムでツエーゲン金沢と対戦した。徳島はメンバーが大きく入れ替わったがポヤトス監督は続投となった。残留争いに巻き込まれながら何とか生き残った金沢は柳下監督になって6年目。昨シーズンは群馬で監督を務めた久藤氏がヘッドコーチに就任した。
ホームの徳島は「4-1-2-3」。GK長谷川徹。DF藤田征、内田航、安部崇、新井直。MF櫻井、白井永、渡井。FW浜下、藤尾、西谷和。新加入選手でスタメン出場したのはDF新井直、MF櫻井、MF白井永、FW藤尾の4人のみ。DF安部崇はレンタルバックとなるが昨シーズンも徳島でプレーした選手が中心のスタメンになった。DFカカ、FWムシャガ・バケンガなどはベンチスタート。GKホセ・スアレスは未合流となる。
アウェイの金沢は「4-2-2-2」。GK白井。DF松田陸、松本大、庄司、毛利。MF藤村、松本大、嶋田慎、平松昇。FW豊田、林誠道。地元・石川に戻って来た元・日本代表のFW豊田に大きな注目が集まっているが2トップの一角でスタメン出場。山形から移籍したFW林誠道と2トップを組む。FW豊田はJ1通算では98ゴールを挙げている。左SBのDF毛利は2年半ぶりの金沢復帰となる。湘南では出番に恵まれなかった。
■ 静かな展開になった。試合は静かな展開になった。徳島は新加入でアンカーの位置でプレーしたMF櫻井がボール回しの中心になった。キレのある動きを見せたのは左ウイングのFW西谷和だった。DF松田陸とのマッチアップは圧倒的に優勢。FW西谷和の突破からチャンスを作った。前半39分にFW藤尾とFW浜下に決定機が訪れたが決められず。金沢も前半44分にFW林誠道が抜け出してビッグチャンスを迎えたが決められなかった。
0対0で迎えた後半23分に徳島は3トップの中央で起用されたFW藤尾に代えてFWムシャガ・バケンガを投入。テコ入れを図ったが中央で起点になるプレーは出来ず。ゴールが欲しい徳島は後半30分にMF渡井が中央をドリブルで突破してチャンスになりかけたがシュートは打てず。後半33分にMF渡井を下げて高卒ルーキーのMFオリオラ・サンデーを投入。サイドからの仕掛けや突破に期待がかかった。
後半47分にMFオリオラ・サンデーのクロスからFW西谷和がチャンスを迎えたが決められず。アウェイなので勝ち点「1」でも悪くない金沢はGK白井を中心に何とかしのいでスコアレスドロー。金沢は貴重な勝ち点「1」を獲得した。徳島の放ったシュートは7本のみ。金沢のシュートは3本だけだったのでピンチはあまりなかったがアグレッシブな守備を見せた金沢の守備ブロックを崩し切る場面は限られた。
■ 前評判はあまり高くない。主力がたくさん抜けた徳島の前評判は高くない。10位前後と予想する人が多くなっている。J1からJ2に降格した4チームの中では最も低い評価になるが「チーム作りの最中」と言える。2020年や2021年に見せたパスワークからチャンスを作る場面はあまりなかった。FW西谷和のドリブルは特に前半は威力を発揮したがさすがに後半になると金沢もしっかりと対応。前半ほどはドリブルでチャンスを作れなかった。
メンバーが大きく入れ替わった割には新戦力の抜擢は少なかった。MF長谷川雄志はベンチスタート、古巣対決となるDF石尾はベンチ外だった。既存の選手に対するポヤトス監督の信頼の高さを感じるスタメンになったがスタメンで起用された4人の新戦力の中で持ち味を出せたのはC大阪からの期限付き移籍となる左SBのDF新井直だった。守備だけでなく攻撃面でも貢献。いきなり大きな存在感を発揮した。
C大阪では怪我の影響もあって6試合の出場のみ。ほとんど試合に絡めなかったが2019年と2020年は新潟でプレーしているのでプロ2年目の2020年にアルベル監督のサッカーを経験している。この点は非常に大きいと言える。右SBのDF岸本、左SBのDFジエゴが抜けたので両SBとも手薄になっているので最終ラインであればどこでもこなすDF新井直は貴重な戦力になる可能性は高い。これは非常に良い補強と言える。
期待が集まったのはFW藤尾とMF櫻井の2人だったが3トップの中央でプレーしたFW藤尾は精彩を欠いた。守備面では奮闘したがボールが収まらず。中央で潰される場面が多かった。大事なアンカーの位置でプレーしたMF櫻井の出来はまずまずだったがMF岩尾やMF鈴木徳やMF藤田譲瑠チマなどと比較されることになるので周囲の要求レベルは高い。もっとボールをたくさん受けて攻撃の起点になりたい。
選手層が薄くなったので「若手の台頭はJ1復帰のための必須の条件」と言えるが福知山成美高から加入した高卒ルーキーのMFオリオラ・サンデーは期待感を抱かせるプレーを見せた。ナイジェリア出身で留学生として3年前に来日しているがスピードがあってパワーもある。スペイン流のサッカーへの戸惑いは大きいと思うが独力で仕掛けてチャンスを生み出せそうなアタッカーである。要注目の選手と言える。
■ CBとボランチのレギュラーは誰になるのか?徳島ほどではないが金沢もオフの入れ替えはまずまず激しかった。GK後藤雅、MF大橋尚、FW瀬沼などが退団したが開幕戦では新加入選手が一定以上の存在感を発揮した。「完全移籍に切り替わったDF庄司の相方が誰になるのか?」は注目ポイントの1つだったが鳥栖から期限付き移籍のDF松本大がスタメン出場。鳥栖では2試合の出場にとどまったが持ち前のフィジカルを生かして無失点に大きく貢献した。
ボランチも「MF藤村の相方が誰になるのか?」が注目点に挙げられる。近年はほぼ「MF藤村とMF大橋尚のWボランチ」だったので久々に激しい競争が始まったが広島からの期限付き移籍となるMF松本大がスタメン出場。まずまずのプレーを見せた。CBのDF松本大は183センチ、ボランチのMF松本大は180センチ。DF庄司も187センチで、MF藤村も182センチなので「中央の高さ」は今年も金沢の武器になるだろう。
注目のFW豊田は空中戦でさすがのプレーを見せるシーンはあったがそこまでボールが入ってこなかったので見せ場は少なかった。フォワードはベンチ外になったFW丹羽もいるが山形で結果を残したFW林誠道も加入して昨シーズンと比べると駒は増えた。スピードのあるFW大谷駿は今シーズンもフォワードでの起用になると思うがFW豊田、FW林誠道、FW丹羽はCF系の選手になる。FW瀬沼は抜けたが厚みは増した。
▼ 動画の投稿日 (2022年2月8日~10日) ・・・ 100名分のまとめ
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