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【J2】 2020年シーズンの再・戦力分析 (ヴァンフォーレ甲府編) | | |　

ヴァンフォーレ甲府

→　J2に降格して3年目となる甲府はアウェイで町田と開幕戦を戦ったがスコアレスドローに終わった。前半21分にMF泉澤が抜け出してキーパーと1対1の決定機を迎えたが決められず。最大のチャンスを逃した。相手のシュートをわずか5本に抑えたが甲府の放ったシュートは4本のみ。どちらもあまり見せ場を作れなかった。引き分けスタートになったがJ2の開幕戦で引き分けに終わったのはこのカードのみだった。

2017年以来のJ1復帰を目指すがオフにベテラン選手がたくさん抜けた。MF小椋とMF松橋優が現役を引退してDFエデル・リマとMF横谷とDF武岡とFW佐藤洸とMF田中佑は退団。DF小出やMF佐藤和やMF曽根田も抜けたので選手は大幅に入れ替わった。新たに4バックを採用しているがクラブとしての転換期を迎えている。新型コロナの影響でじっくりとチームを作ることが出来るようになったのはプラスに働くだろう。

ポゼッションサッカーを得意とする伊藤彰監督の元、再スタートを図るが、町田との開幕戦でスタメン起用されたのは以下の11人だった。久しぶりにJリーグに戻ってきた元・大宮のFWラファエルを1トップの位置で起用したが持ち味は出せなかった。3月26日(木)に加入が決まった元・エースのFWハーフナー・マイクにかかる期待は大きいがここ数年は結果を残せていない。コンディション面が気になるところである。

　GK　岡西　宏祐
　DF　藤田　優人
　DF　今津　佑太
　DF　中塩　大貴
　DF　内田　健太
　MF　山本　英臣
　MF　野澤　英之
　MF　松田　力
　MF　ドゥドゥ
　MF　泉澤　仁
　FW　ラファエル

3バックの中央でプレーする機会がほとんどだった大ベテランのMF山本英をボランチで起用しているのが目につく。オーソドックスな「4-2-3-1」を取り入れたが上位進出ならびに自動昇格のためには攻撃陣の頑張りが不可欠である。FWハーフナー・マイクとFWラファエルの2トップを採用する機会も多くなると思うがともに190センチオーバーの2人が全盛期に近いプレーを見せてくれるようだと甲府への期待感は膨らむ。

再開後のJ2は過密日程になることが確実視されるのでターンオーバーを採用する試合が多くなると思うが2019年の甲府の平均年齢は30.37歳だった。これはJ1ならびにJ2のクラブの中では横浜FCに次いで2番目に高かった。過去5年間の平均年齢は29.61歳。これは横浜FCの29.49才を上回って最年長になる。先のとおり、ベテラン選手がたくさん抜けているので「どこまで平均年齢が下がるか？」が注目点になる。

ただ、間もなく40才の大台に達するMF山本英、もうすぐ37歳のFWラファエル、33歳になったFWハーフナー・マイク、34歳になった右SBのDF藤田優が主力として起用されるようだとそこまで平均年齢は下がらないだろう。過密日程になるとベテラン選手を使い続けるのは無理なのでうまく休ませながら起用しないといけないが完全ターンオーバーを採用したときのスタメン11人を予想すると以下のような顔ぶれになる。

　GK　河田　晃兵
　DF　橋爪　勇樹
　DF　小柳　達司　
　DF　新井　涼平　　
　DF　小林　岩魚
　MF　山田　陸
　MF　武田　将平　
　MF　宮崎　純真　
　MF　ジュニオール　バホス　
　FW　金園　英学　
　FW　ハーフナー　マイク

他には高卒2年目でパリ世代のMF中山陸、ユーティリティーなMF入間川などもいるが、こうして控え組の顔ぶれを並べると選手層がそこまで厚くないことが分かる。もちろん、MF宮崎純やMF山田陸やMF中山陸などの若手にはさらなる成長が期待できるが何人か若手がブレイクしないと伊藤彰監督はやり繰りで相当に苦労するだろう。新型コロナの影響で過密日程になることは甲府にとってはポジティブには考えにくい。

我慢のシーズンになる可能性もあるがオフにベテランがたくさん抜けてシステムとスタイルを変えて戦うことを決断しているので「割り切って土台作りの1年にする」というのも悪くない。甲府の戦力を考えると下位に低迷することは考えにくいのでJ3への降格が無くなったことはあまり関係ないと思うが目先の勝利にこだわり過ぎることなく若い選手をたくさん抜擢した方が将来的なJ1昇格の確率は高まるだろう。

若手にとってはチャンスのシーズンになると思うがパリ世代のMF中山陸はブレイク候補に挙げられる。いきなり伝統の「7番」を託されるなど大きな期待を受けているが高卒1年目の2019年はJ2では出場機会なしに終わった。即戦力の期待がかかった中、期待を裏切る結果に終わったが年代別代表では中心として活躍している選手なので能力は高い。ポゼッションサッカーに移行することは彼にはプラスと言える。

大卒1年目のDF中塩はCBの位置で開幕スタメンを飾った。左利きでフィード力の高い選手なので攻撃の起点になれる。「左利きでパスの精度の高いCB」は貴重。1年目から主力級の活躍を見せても不思議はない。ボランチのMF山田陸は大宮からの期限付き移籍になる。大宮の下部組織のときに伊藤彰監督の指導を受けている秘蔵っ子である。中盤でゲームを作ることが出来るのでブレイクの期待がかかる。

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