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【J2】 2017年シーズンの残留争いの展望 (28節終了時点) | | |　

■　FWレオナルド・ラモスが救世主になるのか？

J2はプレーオフ争いが混沌とした状態になっているが、残留争いも熾烈を極める。17節から12試合未勝利の群馬は勝ち点「14」。残留争いから取り残されつつあるが、20位の讃岐が勝ち点「23」で、21位の山口が勝ち点「22」。今シーズンから下位2チームが自動降格となるルールに変更されたがわずか「1差」の争いになっている。得失点差も20位の讃岐が「-13」で、21位の山口が「-12」なので同じくらいになる。

讃岐と山口がデッドヒートを繰り広げているがここに来て讃岐が3連勝。残留争いに巻き込まれている状況での3連勝というのは極めて大きい。19節～25節までは7試合未勝利だったので「監督交代」を求める声も大きくなっていたがひとまず落ち着いた。山口は4連敗の後、22位の群馬との直接対決に勝利して連敗をストップさせた。前半にPKで先制ゴールを許す難しい展開になったが見事な逆転勝利を飾った。

山口にとってポジティブなニュースは新加入のFWレオナルド・ラモスになる。4試合で4ゴールと期待通りの活躍を見せている。スピードやテクニックなど際立つ特徴は見当たらないがポジショニングが正確でボールもまずまず収まる。前線で時間を作ることができるのは大きい。今シーズンの山口は1トップを固定できなくて得点力不足に苦しんでいたのでFWレオナルド・ラモスを獲得できたのは非常に良かった。

■　厳しい状況になっているザスパクサツ群馬

現時点では讃岐と山口がシビアなバトルを繰り広げているが、18位の金沢、19位の熊本の2チームも決して油断はできない。18位の金沢と21位の山口の差は「7」、19位の熊本と21位の山口の差は「5」。金沢は2試合では逆転されない勝ち点差になっているが、金沢は得失点差がリーグワースト2位となる「-22」。熊本と讃岐は「-13」で、山口は「-12」なので残留争いのライバルたちと比べると大きな差がある。

降格圏に位置するチームが危機感を募らせて一気に勝ち点を積み上げるケースは多々あるので、今後、金沢・熊本・讃岐・山口の4チームによる残留争いに発展する可能性はあるが、当面のターゲットとなる20位の讃岐との差が「9」まで広がっている群馬は何かを変えないとこのままズルズルと行きそうな気配である。「森下仁志監督の解任」を求める声は非常に大きくなっているが監督交代は1つの方法である。

一方、17位のFC岐阜は勝ち点「31」。21位の山口との差は「9」となる。同様に決して油断の出来ない勝ち点差であるが現段階では「残留争いに巻き込まれている。」とは言えない。残り14試合で「9差」を逆転するというのは相当に難しい話である。FC岐阜は思うように結果を残すことが出来ていないが22節の京都戦(H)の勝利と25節の群馬戦(H)の勝利は非常に多かった。下ではなくて上のチームを見ながら戦いたい。

■　ここからは下位との対戦が多くなるツエーゲン金沢

J2は残り14節となったが全22チームの残り試合の対戦相手の平均順位を出してみると表1のようになる。「29節～42節までの平均値」が左側の数字、「29節から34節までの平均値」が真ん中の数字、「35節から42節までの平均値」が右側の数字になるが、残留争いに巻き込まれている群馬・山口・讃岐はいずれも上位との対戦が多く残っている。特に群馬は全体の平均値が8.86位。相当に厳しい日程になっている。

21位の山口は9.14位で22チーム中で2番目となるので同様にハードな日程になるが、詳しく見ていくと28節を終えた時点で1位の湘南から8位の松本山雅までの「上位8チーム」との試合を全て残している。デッドヒートを繰り広げている20位の讃岐も10.43位で6番目。結局、下位3チームはここから上位陣との対戦が多いので讃岐も山口も群馬も思うようには勝ち点を伸ばすことはできないのでは？と考えられる。

熊本も10.57位で8番目なので決して楽な日程ではないが下位3チームよりは少しだけマシである。注目したいのは金沢である。19節から4連勝を飾ったが、ここ6試合勝ちなし。21位の山口との差は「7」まで縮まったが、後半戦は福岡→岡山→千葉→松本山雅→東京V→山形→徳島とタフな日程だった。ここから下位との対戦が多くなるので「金沢が残留争いに巻き込まれる可能性はあまり高くない。」と考えられる。

表1. 残り14試合の対戦相手の平均順位

クラブ名	平均順位	29節-34節	35節-42節
ザスパクサツ群馬	8.86	9.29	8.43
レノファ山口	9.14	8.57	9.71
FC岐阜	9.93	11.00	8.86
水戸ホーリーホック	10.29	10.14	10.43
ファジアーノ岡山	10.36	13.00	7.71
カマタマーレ讃岐	10.43	10.29	10.57
ジェフ千葉	10.43	12.29	8.57
ロアッソ熊本	10.57	10.86	10.29
横浜FC	11.21	10.14	12.29
アビスパ福岡	11.29	14.43	8.14
東京ヴェルディ	11.36	9.14	13.57
町田ゼルビア	11.36	10.71	12.00
名古屋グランパス	11.50	10.14	12.86
モンテディオ山形	11.79	11.43	12.14
大分トリニータ	12.07	13.71	10.43
京都サンガ	12.71	10.86	14.57
ツエーゲン金沢	12.93	10.29	15.57
松本山雅	13.00	12.29	13.71
愛媛FC	13.07	12.00	14.14
V・ファーレン長崎	13.29	11.29	15.29
徳島ヴォルティス	13.57	13.29	13.86
湘南ベルマーレ	13.86	17.86	9.86