2014/05/18
【J2限定】 日本代表チーム23名を考える。 (2014年版) (前編)
攻撃的MF (2列目) → 最初に選んだのは、MF山田大(磐田)である。「J2で圧倒的な存在感を示している。」というわけではないが、2013年はザックジャパンにも選出された総合力の高い選手である。背番号「10」を背負っていて、技術が高くて、創造性もあるが、派手さや華やかさはあまり感じられない。そのギャップが面白いところであるが、「J2版:日本代表」のエース候補の1人である。
次に選んだのは、MF岩上(松本山雅)である。何と言っても、ロングスローが武器である。同じくロングスローで名を馳せたMF藤田直(鳥栖)と比べると、射程距離ではやや劣るが、ボールのスピードは上である。ロングスローの使い手としては、日本屈指である。さらに、運動量が多くて、献身的なプレーができる点も魅力である。湘南のスカウト力の高さは驚きである。
3人目はMF奥埜(長崎)とする。基本技術も高いが、非常に頭のいい選手である。攻撃的なポジションの選手で、試合中にこれほどクレバーさを感じさせる選手はなかなかいない。しかも、運動量が多くて、走行距離に関しては、J2の中でトップレベルだという。動きの量も多いが、動きの質も高くて、2列目の選手としては、理想的である。得点力が上がってくれば、言うことなしである。
4人目は若手の有望株であるMF前田直(東京V)を選出したい。チームはなかなか結果が出なくて、苦しんでいるが、ユースからは続々と希望の星が出てくる。その中でも、もっとも期待されている選手で、五輪代表にも選出されている。左利きであるが、右サイドでボールを持ったときの打開力はかなりのものがある。若い頃のDF槙野(浦和)によく似た顔をしている。
5人目はMF石津(福岡)を選択する。プシュニク監督はメンバーを入れ替えるタイプであり、スタメンを固定しないタイプなので、常時、スタメンというわけではないが、スタメンで出場したときも、途中から出場するときも、存在感がある。キレがあって、スピードがあって、なおかつ、パンチ力のある右足を持っている。2013年は39試合で11ゴールを記録したが、相当な逸材である。
MF石津は切り札になれる選手であり、試合の流れを変えることができる選手であるが、頭に浮かんだものの、最終的に外したのは、MF駒井(京都)とMF石原(岡山)の2人である。ドリブラーとしてはJ2では屈指で、テクニックで相手を抜き去ることもできるし、単純にスピードで相手を抜き去ることもできる。ともに大ブレークが期待されるが、まだブレークには至っていない。
MF駒井は2012年の終盤戦の重要な局面でいくつかゴールを決めた。オフに大黒柱のMF中村充がJ1の鹿島に移籍したので、京都のエースになれる大チャンスだったが、MF山瀬功やMF横谷の加入もあって、機を逃してしまった。一方のMF石原は運動量が多くて、バイタルエリアでボールを持ったときの打開力はJ2で有数と言えるが、得点力という意味ではかなり物足りない。
MF 山田大記 (ジュビロ磐田)
MF 岩上祐三 (松本山雅)
MF 奥埜博亮 (V・ファーレン長崎)
MF 石津大介 (アビスパ福岡)
MF 前田直輝 (東京ヴェルディ)
フォワード → 単純に「J2の得点ランキングで上位に位置するから。」という理由ではないが、13節を終えた段階でJ2の得点ランキングで1位のFW大黒(京都)と、2位のFW船山(松本山雅)と、5位タイのFW瀬沼(栃木SC)の3人を選んだ。8ゴールを挙げているFW前田(磐田)に関しては、「3人枠」の関係でメンバーに選ぶことはできなかったが、コンスタントにゴールを決めている。
J1の得点ランキングで上位に位置する日本人選手が日本代表に選出されないケースは珍しくない。そういうとき、いつの時代も、「なぜ、○○を呼ばないのか?」と話題になるが、いろいろな要素が絡んでくるものなので、得点数(もっと言うと、得点ランキング)だけを見て、選手の優劣であったり、選手のパフォーマンスを判断することは出来ないし、それは非常に浅い見方となる。
もちろん、得点数や得点ランキングは重要な参考データの1つであるが、あくまでも、参考データである。プレーをきちんと見ることなく、絶対基準にするのは問題だと思うが、選んだ3人については、ゴールを奪うところ以外での貢献度も高くて、「点を獲るだけの選手ではないところ」も評価できる。仮にここまでゴール数が伸びていなかったとしても、選ばれる価値がある。
FW大黒は13試合で11ゴールを記録している。京都のチーム状態はそこまでいいわけではないが、大事なところでFW大黒がゴールを奪って、チームに勝ち点をもたらしてきた。FW船山やFW瀬沼と比べると、それ以外の部分での貢献度はちょっと劣るが、ゴール前にいるだけで相手の脅威となるタイプである。間違いなく、J2でもっとも危険なストライカーと言えるだろう。
FW船山は2トップの一角でプレーすることもあるし、下がり目の2シャドーの位置でプレーすることもある。このあたりは流動的であるが、今シーズンは13試合で9ゴールと量産している。シュート力があって、キックの精度も高いが、運動量が多くて、守備における貢献度も高いので、点を取るタイプの選手では珍しいほど、非利己的なプレーヤーである。わがままなプレーはほとんど無い。
ここまでのFW瀬沼の活躍というのは、センセーショナルである。資金難の影響で外国人トリオなど、有力選手の多くがチームを離れた栃木SCは「下位に低迷するだろう。」という予想が多かったが、ここまで7位と健闘している。個人プレーに走る選手がいなくなって、非常に組織的ないいサッカーをしているが、13試合で7ゴールを挙げているFW瀬沼がチームを引っ張っている。
出場時間は多くなかったが、清水でもいいプレーを見せていた。なので、「栃木SCでも、ある程度はできる。」と思っていたが、ここまでやるとは予想外である。点を獲るだけでなく、ポストプレーもできて、運動量も多くて、守備もサボらずにこなして、意外にパスセンスもある。ドリブルでボールを運ぶこともできるので、185センチの大型選手としては、ちょっとありないほど多彩な選手である。
FW 大黒将志 (京都サンガ)
FW 船山貴之 (松本山雅)
FW 瀬沼優司 (栃木SC)
まとめ → ということで、メンバーは以下の23人となった。結局、14チームからメンバーが選出されて、磐田と湘南と千葉と松本山雅の4チームはMaxの3人を選出した。「3人枠」がなかったとしたら、湘南の場合、GK秋元とDF丸山とMF菊池大の3人は確実に選んでいて、MF菊池大も可能性があった。ということで、湘南から7人程度が選出から可能性があったと言える。
大枠は固まっていて、「誰が監督になっても、ほぼ確実にメンバーに入ってくる。」と言える選手が10人程度いる制限なしの日本代表(=フル代表)と比べると、自由度は高くて、メンバーを選んでいく面白さはある。一応、
投稿用フォームを用意したので、興味のある方は、J2版の日本代表メンバー23人を選出して、投稿してみてください。記事下にアップします。
GK 本間幸司 (水戸ホーリーホック)
GK 岡本昌弘 (ジェフ千葉)
GK 中林洋次 (ファジアーノ岡山)
DF 駒野友一 (ジュビロ磐田)
DF 山口貴弘 (V・ファーレン長崎)
DF 飯田真輝 (松本山雅)
DF 伊野波雅彦 (ジュビロ磐田)
DF 大岩一貴 (ジェフ千葉)
DF 中村太亮 (ジェフ千葉)
DF 三竿雄斗 (湘南ベルマーレ)
DF 遠藤航 (湘南ベルマーレ)
MF 河合竜二 (コンサドーレ札幌)
MF 末吉隼也 (大分トリニータ)
MF 永木亮太 (湘南ベルマーレ)
MF 原川力 (愛媛FC)
MF 山田大記 (ジュビロ磐田)
MF 岩上祐三 (松本山雅)
MF 奥埜博亮 (V・ファーレン長崎)
MF 石津大介 (アビスパ福岡)
MF 前田直輝 (東京ヴェルディ)
FW 大黒将志 (京都サンガ)
FW 船山貴之 (松本山雅)
FW 瀬沼優司 (栃木SC)
#1 J2ファンさん
【 ハンドル名 】:J2ファン
【 年 代 】:20〜29歳
【 性 別 】:男性
【 地 域 】:東海
【 J2版の日本代表メンバー23人を選出してください。 】:
私も1チームから最大で3人までの選考である「3人枠」の条件で選出しました。
リーグ断トツの首位である湘南ベルマーレに敬意を表して、「3-4-2-1」のシステムを採用したいところですが、ご掲載記事とかなり似たメンバーになりそうなので、ザックジャパンと同じく「4-2-3-1」をメインで採用することを想定し、選出しました。
GK 金山隼樹(コンサドーレ札幌)
GK 中林洋次(ファジアーノ岡山)
GK 大久保択生(V・ファーレン長崎)
DF 山口貴弘(V・ファーレン長崎)
DF 伊野波雅彦(ジュビロ磐田)
DF 飯田真輝(松本山雅FC)
DF 井林章(東京ヴェルディ)
DF 石櫃洋祐(京都サンガF.C.)
DF 櫻内渚(ジュビロ磐田)
DF 三竿雄斗(湘南ベルマーレ)
DF 田所諒(ファジアーノ岡山)
MF 永木亮太(湘南ベルマーレ)
MF 黒木聖仁(V・ファーレン長崎)
MF 宮阪政樹(モンテディオ山形)
MF 岩間雄大(松本山雅FC)
MF 船山貴之(松本山雅FC)
MF 山田大記(ジュビロ磐田)
FW 瀬沼優司(栃木SC)
FW 大黒将志(京都サンガF.C.)
FW 岡田翔平(湘南ベルマーレ)
FW 城後寿(アビスパ福岡)
FW 中島翔哉(カターレ富山)
FW 池元友樹(ギラヴァンツ北九州)
【 選考理由ならびに熟考した点を簡潔に記述してください。 】:
【GK】
昨季のJ2最小失点に大きく貢献した金山(札幌)を正GKに据える。
長崎から札幌に移籍した今季は定位置確保に至っていないが、反応の鋭さや
足元の技術など総合力は高い。クラブでの守護神奪回を期待。
2人目はここ数シーズンJ2屈指のGKとして君臨する中林(岡山)。
3人目は経験豊富な南(横浜FC)も気になったが、24歳とGKとしては若く、まだまだ伸びしろがあり、190cmの大型で好素材の大久保(長崎)を選出。
【DF(センターバック)】
最終ラインの要として安定したパフォーマンスを見せる山口(長崎)、伊野波(磐田)。攻守で高さが武器になる飯田(松本)。
CBとしては小型ながら、高さと強さを兼ね備える井林(東京V)を選出。
今季のJ2のDFで最も輝いている遠藤(湘南)は3バックのストッパーが最もマッチするという仮定と「3人枠」の関係で落選。
【DF(サイドバック)】
右SBは攻撃力のある石櫃(京都)と安定した守備を見せ、クラブでは左もこなす櫻内(磐田)。
左SBの2人はともにレフティーを選出。素晴らしい活躍を続ける大卒ルーキーの三竿(湘南)と無尽蔵のスタミナと守備力が魅力の田所(岡山)。
【MF(ボランチ)】
湘南の永木が文句なしの軸に。他の3名は以下の通り。
高精度のFKやパスが魅力で粘り強い守備も兼ね備える宮阪(山形)、
180cmと大型で前への推進力がある黒木(長崎)、守備力の高い岩間(松本)。
【MF(トップ下)】
得点力の高さと攻守に献身的な船山(松本)をトップ下のファースト・チョイスとしてMFで選出。
一昨年のJ1でのプレー時のようなキレキレなカットインが見られないのは気がかりだが、守備にも身体を張れる山田(磐田)も選出。
寺田紳一(横浜FC)の高い技術も魅力的だが、得点力が少し不足してる感が否めないので落選。
【FW(サイドアタッカー)】
右にはスピードと献身的な守備が魅力の岡田(湘南)。湘南には他にも魅力的なアタッカーがいるが、「3人枠」の関係で最も縦へのスピードのある(であろう)岡田を選出。
前線から中盤まで複数のポジションをこなす城後(福岡)が2人目。
左にはU-21日本代表の中島(富山)。レンタル先の富山では苦戦気味だが、
技術の高さは際立っている。
トップ下で選出した船山(松本)、山田(磐田)は左サイドも兼任。
【FW(ワントップ)】
単独突破や守備など様々な魅力を発揮し、万能ストライカーとして開花しつつある大型CF瀬沼(栃木)と経験豊富で決定力が高く、点取り屋としての嗅覚に衰えは見られない大黒(京都)を選出。
ジョーカーはJ2屈指のドリブラー、池元(北九州)。
フィニッシャーとしても、チャンスメーカーとしても機能するので、攻撃のバリエーションを増やせる。個人的にはJ1でも通用するFWに成長したのでは?と思う。
【 当落線上で落とした選手は誰ですか?その理由と合わせて記述してください。 】:
横浜FCのDF野上結貴とMF寺田紳一は何度か現地観戦し、能力の高い選手だと惚れ込んでましたが、今季はクラブが大きく低迷しているので選出しませんでした。
湘南、松本、長崎などのクラブの選手を「3人枠」に絞り込むのに悩みました。
【 23人を選び終えて、感想等があればお書きください。(省略可) 】:
大変面白い企画だと思います。「落選ジャパン」も楽しく拝見致しました。
自分好みの選手を多く選出したので、メンバー選考は楽しかったです。
今季のJ2は圧倒的なまでに湘南ベルマーレが強いということで、現実的に最強のJ2版日本代表は湘南の「3-4-2-1」で、CFウェリントンの代わりに、同じく献身的な大型CFである瀬沼(栃木)を加えたメンバーかなと思いました。
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