■ 最後までもつれる可能性大J1は20節が終了した。ACLの日程の関係で延期になっていた広島 vs 川崎F、浦和 vs 鹿島の2試合がミッドウイークに開催されたので全18チームの消化試合数が「20」で並んだので分かりやすくなったが残留争いは今年も大混戦になっている。ほぼ毎年、残留争いは最終節までもつれて各地でドラマが起こる。2018年は最終節の終了間際に磐田が逆転ゴールを食らって敗戦。参入決定戦に回ることになった。
最後の数分の攻防でクラブの未来が大きく変わることも珍しくない。当然、「リーグタイトルを獲得できるのか?否か?」、「ACLの出場権を獲得できるのか?否か?」でもクラブの未来は大きく変わってくるが、仮に惜しいところでリーグタイトルを逃したり、惜しいところでACLの出場権獲得を逃したとしてもそこまで大きな実害はないが、J2に落ちてしまうとクラブにとって致命的なダメージを食らう可能性が高まる。
千葉や京都のように「J2に落ちたままでJ1に昇格できなくなったチーム」も出てきていることを考えると「J2降格」というのは何としてでも避けないといけない。近年のJ2は巨大戦力と言われたチームが軒並み苦戦を強いられており、簡単にはJ1に復帰できなくなっているのでなおさらであるが、今年の残留争いの中心になっているのは松本山雅・磐田・鳥栖の3チームになる。現時点では松本山雅が入替戦圏内に位置する。
■ 9位の浦和までは大丈夫だろう。2018年はいろいろな意味でイレギュラーなシーズンになった。勝ち点「41」で横浜FM・湘南・鳥栖・名古屋・磐田の5チームが並ぶ形になって最終的には得失点差で磐田が16位になったが『勝ち点「41」で残留が確定しない。』というのは相当にレアな話である。『J1残留のために必要な勝ち点は「38」』というのがJ1における常識になっているが松本山雅・磐田・鳥栖の3チームは今の勝ち点ペースのままだと届かない。
逆にすでに勝ち点「38」をクリアしているのはFC東京・横浜FM・鹿島・川崎Fの4チームになる。勝ち点「32」の広島と大分、勝ち点「31」のC大阪と札幌については、ここから超・大型連敗でもしない限りは余裕で勝ち点「38」に到達するだろう。上位8チームに関しては残留争いとはほぼ無縁と言える。勝ち点「28」で9位の浦和も問題はないだろう。残留争いに関係しているのは10位の名古屋以下と言える。
名古屋は9試合勝ちなし中になる。風間監督の解任論を唱える人も増えてきたが21節が浦和戦(A)、22節が川崎F戦(H)。未勝利記録が伸びる可能性がある。11位のG大阪は勝ち点「24」となる。ここ最近は上り調子なのでおそらくは大丈夫だと思うがまだ16位の松本山雅との差は「7」なので油断はできない。12位の湘南と13位の仙台は勝ち点「23」、14位の清水は勝ち点「22」、15位の神戸は勝ち点「21」になる。
■ 注目度の高いヴィッセル神戸湘南・清水・仙台・神戸の4チームも「残留争いに巻き込まれている。」と言えるが、やはり、注目が集まるのは神戸になる。「Jリーグの銀河系軍団」と言われて開幕前から特大級の注目と期待を集めたが6勝11敗3分け。大きく負け越している。トルステン・フィンク監督になってからも2勝3敗1分け。18節から3連敗中とまたしても結果が出なくなってきた。17位の磐田ならびに18位の鳥栖との差は「3」のみとなる。
過去を振り返ってみても神戸のように注目度の高いチームが残留争いに巻き込まれると周囲は騒がしくなってきて、あること・ないこと様々な噂がメディアを通じて流される。ただでさえ、選手の入れ替えが激しくて、かつ、多国籍軍団なので、一丸となって戦うのは難しい状況だと思うが、思うように結果が出ないと足を引っ張ろうとする人がたくさん出てくる。極めて危険な状況になっているのは確かである。
今シーズンも神戸の試合はホーム戦もアウェイ戦も大盛況である。特にアウェイ戦の観客動員数の多さは尋常ではないレベルなので「神戸がJ2に降格して2020年のJ2を盛り上げてほしい。」と考えるとJ2のサポーターも少なくないと思うが日程を見ると最終節が磐田戦(H)になる。最終節まで双方ともに残留や降格が決まっていないようだと大変な試合になる。良くも悪くも今シーズンは神戸が話題の中心である。
■ 最も苦しいのは松本山雅だが・・・。2度目のJ1昇格を果たした松本山雅は20試合で4勝10敗6分けで勝ち点「18」。20節の広島戦(H)はほぼラストプレーでMFパウリーニョのミドルシュートが決まって勝ち点「1」をゲット。順位を1つ上げて16位に浮上したがJ1ワーストの12得点のみ。攻撃陣が足を引っ張る形になっている。FW阪野(山形)とDF高木利(柏)を獲得したが絶対的な武器だったFW前田大(CSマリティモ)が流出。夏の移籍市場も苦戦している。
磐田は鈴木秀人監督になってから1勝2敗。19節の松本山雅戦(A)は劇的な勝利を飾ったが苦しい戦いが続いている。ただ、今夏は積極的な動きを見せており、MF今野(G大阪)、FWルキアン(チョンブリFC)、MFエベシリオ(レッドスター)、DF秋山陽(名古屋)の獲得に成功した。J1の18クラブの中でも屈指の充実した補強が出来ているので、新戦力の4人がどこまで貢献できるか。特にFWルキアンにかかる期待は大きい。
最下位の鳥栖は11節から3連勝を達成したが14節以降は1勝5敗1分けとなる。一時と比べると勢いが落ちてきている。こちらもFWチアゴ・アウベス(全北現代)とMF金森(鹿島)とDFパク・ジョンス(柏)を獲得するなど積極的な動きを見せている。J1経験のあるクラブの中で「J2に降格した経験がない。」というのは鹿島と横浜FMと鳥栖の3チームのみ。過去は全て「J1残留」を果たしているが今回はどうなるだろうか?
例年どおりで最終節まで残留争いはもつれると思うが、やはり、今の時点で最も厳しい立ち位置なのは松本山雅になる。清水・神戸・磐田・鳥栖という残留争いのライバルクラブは夏の移籍市場で積極的な動きを見せているのに対して松本山雅の戦力収支は今のところはマイナスである。とにかくコンスタントに点を取れる選手が必要なので新・エース候補のFW阪野が久々のJ1でどれくらいやれるか?がポイントになる。
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