■ U-20W杯のGLの初戦ポーランドで開催されるU-20W杯がいよいよ開幕した。昨秋に行われたU-19アジア選手権でベスト4に入って本大会出場を決めた影山JAPANは初戦で南米のエクアドルと対戦した。2戦目はメキシコ、3戦目はイタリアと対戦する予定になっているので、日本としては初戦で勝ち点「3」を獲得したい。同じことはエクアドルにも言える。2戦目がイタリア戦、3戦目がメキシコ戦になることを考えると勝ちたい試合になる。
日本は「4-2-2-2」。GK若原(京都)。DF菅原(名古屋)、DF瀬古(C大阪)、DF小林友(神戸)、DF東俊希(広島)。MF齊藤未(湘南)、MF伊藤洋(名古屋)、MF郷家(神戸)、MF山田康(横浜FM)。FW斉藤光(横浜FC)、FW田川(FC東京)。飛び級での選出となったFW斉藤光が2トップの一角でスタメン出場となった。湘南のMF齊藤未が10番でキャプテンを任されている。2列目は右にMF郷家、左にMF山田康が起用された。
ベンチスタートになったのはGK茂木秀(C大阪)、GK鈴木彩(浦和ユース)、DF三國ケネディエブス(福岡)、DF鈴木冬(湘南)、MF喜田陽(福岡)、MF藤本寛(東京V)、MF中村敬(G大阪)、FW原大智(FC東京)、FW西川潤(桐光学園高)、FW宮代(川崎F)の10人。当初はMF滝(清水)が選出されていたが怪我のため辞退。長身フォワードのFW原大智が追加招集された。GK鈴木彩とFW西川潤も飛び級での選出になる。
■ 攻め込まれたが何とかドロー発進試合は立ち上がりからエクアドルがボールを保持する展開になった。日本はなかなかいい形でボールを奪えない。守る展開になったが前半21分に右SBのDF菅原が裏のスペースに出したパスを相手CBが処理ミス。上手く入れ替わったFW斉藤光がキーパーと1対1に近い決定機を迎えたがループシュートは飛び出してきたキーパーに当たってしまう。前半の中では最大のチャンスを生かせなかった。
0対0でハーフタイムに突入しそうな流れだったが前半44分で右サイドのFKを献上するとGK若原がパンチングではじいたボールがゴール前にいたFW田川に当たってゴールイン。オウンゴールでエクアドルが先制に成功する。後半開始からFW斉藤光を下げてFW宮代を投入した日本だったが後半5分にCKからMF郷家のハンドでPKを献上。絶体絶命のピンチを迎えたがGK若原がビッグセーブで防いだ。
後半21分にはMF郷家に代えて高校3年生のMF西川潤を投入。すると後半23分に前の選手が上手く絡んで分厚い攻撃を見せると最後はこぼれ球をMF山田康が押し込んで1対1の同点に追いついた。横浜FMのMF山田康がチームを救う同点ゴールを決めて1対1のドロー。苦しみながらも何とか勝ち点「1」を獲得した。「3位でもGLを突破できる可能性があること」を考えると大きな勝ち点「1」になったと言える。
■ GK若原のPKセーブに助けられる。今回の影山JAPANは主力数名を欠いている。U-19アジア選手権のときに主力を担ったMF久保建(FC東京)、MF安部裕(鹿島)、GK谷(G大阪)、DF橋岡(浦和)が招集できず。いずれもチームの軸だった選手なので戦力ダウンは否めない。ベストメンバーでU-20W杯に挑むことが出来なかったのは残念に感じるが怪我のGK谷に代わってスタメンのチャンスを得たGK若原が会心のPKセーブを見せてチームを救った。
前半の失点はGK若原がパンチングしたボールが味方に当たって決まったゴールだった。ロシアW杯のGLの2戦目のセネガル戦の1失点目と似たような感じの失点になったがPKセーブで挽回した。試合展開を考えるとここでPKを決められて0対2になったら勝ち点を奪うのはかなり難しかっただろう。初戦で敗れるとGL敗退の可能性が一気に高まることを考えるとGK若原のPKセーブはとてつもなく大きな意味を持つ。
エクアドルにボールを持たれる展開になったが守備陣は粘り強く戦った。失点シーンはFKで、PK献上の場面もCK。エクアドルがチャンスになりかけたのはセットプレーか、日本の選手の不用意なパスミスが起点となったカウンターのどちらか。GK若原、DF瀬古、DF小林友を中心とした守備陣は奮闘したが、右のDF菅原、左のDF東俊希という左右のSBの的確な対応も光った。守備的なポジションの選手は頑張った。
■ チームを救ったのはMF山田康太(横浜Fマリノス)難しい試合展開の中、値千金の同点ゴールを決めたのはMF山田康だった。左SHで起用されたがなかなかチャンスに絡めず。サイドで起点となる働きは出来ていなかったので「早い段階で下げられても仕方がない。」というパフォーマンスだったが終盤まで引っ込めなかった影山監督の期待に応えた。しばらくの間、ゴールなのか?ノーゴールなのか?がはっきりしなかったが無事に同点ゴールと記録された。
メキシコ戦とイタリア戦が控えていることを考えると「勝ちたい試合」だったが、内容を考えると勝ち点「1」を獲得できただけでも良しとしないといけない。前半の日本のボール支配率はわずか32%。技術レベルで大きな差があるとは思えないエクアドルにボールを回される展開になった。相手のPKをGK若原がセーブしたおかげでドローに持ち込むことが出来たが2点差や3点差で負けていても不思議はなかった。
ボールの落ち着きどころがほとんどなかったのが大きな問題と言える。右のMF郷家、左のMF山田康のところで時間が作れた場面はほとんどなくて、FW田川のところで時間が作れることもほぼなかった。ただ、後半開始からFW宮代を投入。彼のところではいくつかタメが作れた。同点ゴールにつながった場面もそもそもは中盤でFW宮代がボールを受けて左サイドに展開したプレーがきっかけになっている。
課題や問題点が噴出した試合になるが、おそらく、2戦目はメンバーを半数ほど入れ替えてくるだろう。スタメンとサブの実力差があまり大きくない点が今回の影山JAPANの特徴の1つになる。当然、メキシコの攻撃は今回のエクアドルよりもはるかに多彩で、はるかに鋭いだろう。自分たちがボールを保持して攻め込む時間を長くしないと失点は増えていくだろう。影山監督の選手起用が注目点の1つになる。
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