時々の記録

オクジーとバデーニが、ノヴァクに捕まるお話でした。

かってノヴァクを前にした時は、その場から逃げ出したオクジーでしたが、今回はノヴァクに立ち向かいました。オクジーは剣を折られて勝負に敗れたかと思いきや、なんとノヴァクの剣を腕で受け止めて、折れた剣でノヴァクを倒そうとしました。

これでオクジーの勝利かと思いきや、後続の異端審問官たちが到着してオクジーに矢を放ちました。そのおかげで、ノヴァクは生き延びることができました。そして矢を受けたオクジーも、絶命したのかと思いきやまだ息がありました。情報を聞き出すために、ノヴァクはオクジーを治療するように命じました。

そしてオクジーは、不思議な夢を見ていました。天に届こうかという高い塔で、オクジーは講義を受けていたようです。しかし、その途中で彼は眠ってしまったようです。講義をしていた老教師は、オクジーが地動説を研究していることを知っていました。慌ててそれを否定するオクジーに、その教師は発表されなければ研究が正しいか間違っているか検証することはできないと教えます。

さらに教師は、何のためにオクジーがそれを研究しているのか問いました。しかしオクジーは、それに答えることができませんでした。オクジーは教師に答えを求めますが、それはオクジーが見つけ出さねばならないことでした。

オクジーが目を覚ますと、そこは異端審問所の医療施設でした。かなりの重傷を負いながらも、オクジーは生き延びたのです。そんなオクジーからノヴァクは、情報を引き出そうとしました。しかし命がけで立ち向かってきたオクジーが、口を割らないことも確信していました。それでもノヴァクがオクジーを生かしておいたのは、別の目的のためでした。

オクジーを捕らえる一方で、ノヴァクはバデーニの捕獲にも成功していたのです。そしてバデーニから情報を引き出すために、協力者であるオクジーを痛めつけるつもりだったのです。ノヴァクはオクジーを痛めつけつつ、バデーニから情報を引き出そうとします。しかしバデーニは、理路整然と残された資料がないことを伝えただけでした。

なんとバデーニは、石箱の中に残された資料をすべて焼却しただけでなく、オクジーが書き上げた作品さえも燃やしていたのです。自分の物語を焼かれたオクジーは、バデーニに尋ねました。すべての資料を燃やしてしまったら、拷問に耐えかねた時にどうしたらいいのかと。するとバデーニは、それを受け入れるしかないと冷たく答えたのでした。

バデーニの話を聞いても、ノヴァクは納得しませんでした。自分の愛する娘が、彼らと関わる結果を招いたことに怒りを感じていました。今のところヨレンタが研究に関わったことは明かされていませんが、もしノヴァクがそれを知ったらどうするのか気になります。

今回はオクジーの夢と、そこから得た答えが哲学的でした。押しつけられた真理を、何の疑いもなく受け入れるのは楽ではあるけれど、それを検討することさえ許されないところに、確かに自由はないですね。
どんな考えでも、それを公表して他者から批評される自由があることは、何かについての考えを深めてゆくために不可欠なことなんだなあと思いました。