サッカーコラム J3 Plus+　

■　まさかの首位に立つ東京ヴェルディ

J2は第6節が終了した。全42試合のリーグ戦なのでちょうど全日程の1/7を終えた段階になるが、5勝1敗の東京Vが勝ち点「15」で首位を走るという意外なスタートになった。もちろん、スペインで実績のあるロティーナ監督を招聘したことや経験豊富なCBのDF永田充を獲得したことはポジティブな要素に挙げられていたので東京Vに対する期待値は開幕前から非常に高かったがロケットスタートに成功したと言える。6試合を終えて9得点/1失点。2節の大分戦(H)から5試合連続完封勝利中と素晴らしい戦いを見せている。

ロティーナ監督はスペイン時代から現実的なサッカーを志向する監督として知られていた。言うまでもなく東京Vの伝統はショートパスを主体としたブラジルスタイルである。両者が上手く融合して化学反応を生み出すのか？しっくりこなくて大変な事態になるのか？は始まって見ないと分からない部分だったが今の時点ではプラスに作用している。6試合で1失点のみというのは当然のことながらリーグ最少。「守備の堅いチームは大崩れしない。」というのがサッカー界の常識と言えるがこの勢いはどこまで続くだろうか。

2位の名古屋、3位の長崎、4位の湘南の3チームが4勝1敗1分けとなる。「チームが出来上がるまでに時間がかかるだろう。」というのが名古屋に対する一般的な見方だったが6試合で勝ち点「13」というのは申し分ない。3節の千葉戦(A)は0対2の敗戦。今シーズン初黒星を喫したが大きかったのは5節の松本山雅戦(A)の逆転勝利である。前半は攻守両面で松本山雅に圧倒されたが後半に相手のオウンゴールで2つで大きな逆転勝利を手にした。6節の熊本戦(H)は5対1の大勝だったが名古屋は波に乗り始めている。

6節の熊本戦(H)で荒稼ぎしたこともあって6試合で12ゴール。得点数はJ2の中では最多となる。FWシモビッチ、FW永井龍、FW佐藤寿、FW玉田、MF押谷、MFフェリペ・ガルシアと点の取れる選手がたくさんいるのは今シーズンの名古屋の最大の強みと言える。6試合で計6失点なので失点数自体は決して少なくないが守備に関する不安を隠すことが出来るほどの攻撃陣を擁している。最終的には得失点差の勝負にもつれ込む可能性が高いことを考えるとリーグ屈指の得点力を誇る点は名古屋の大きな強みと言える。

■　サプライズを起こしているV・ファーレン長崎

オフに経営面の問題が表面化した長崎が4勝1敗1分けで3位に位置するのは最大級のサプライズと言える。強い逆風が吹く中で開幕を迎えたが群馬にホームで4対0と大勝できたことがとにかく大きかった。開幕節の4ゴールはいずれも相手のミス絡みだったので「運に味方された末の勝利」だったのは確かであるが、どういう形であれ開幕戦でゴールラッシュを見せて勝ち点「3」を獲得できると勢いに乗ることができる。期待のストライカーのFWファンマがゴールを量産し始めているのも長崎にとってはいいニュースである。

「1年でのJ1復帰」を目指す湘南もここまで4勝1敗1分け。開幕から5試合負けなしだったが6節はアウェイで讃岐に0対3の完敗。今シーズン初黒星を喫した。驚異的な強さでJ2を独走してJ2優勝を果たした2014年を思い起こさせる戦いを見せていたので独走しそうな雰囲気もあったがひとまず小休止となった。3節は金沢を相手にスコアレスドローだったので下位候補のチームを相手に取りこぼしている点は気になるがそれでも今の時点ではもっとも強さを感じさせる戦いを見せている。湘南が上位争いの中心になるだろう。


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◆　まとめ

　#1622 【J2】 2017年シーズンの序盤戦の雑感 (上) (2017/4/8)

　・まさかの首位に立つ東京ヴェルディ
　・サプライズを起こしているV・ファーレン長崎
　・まだエンジンがかかっていない松本山雅

→　J2は全日程の1/7に相当する6節が終了しましたが5勝1敗の東京Vが首位に立つという意外な展開になっています。2節から5試合連続完封勝利中。ロティーナ監督は手堅いチームを作ることに長けた指導者という前評判でしたがその通りで堅いサッカーを見せて着実に勝ち点「3」が積み上げています。その他ではV・ファーレン長崎の調子の良さも目立っています。FWファンマが期待通りに力を示しています。


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