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【Jリーグ】「サポーターの平均年齢の低いクラブはどこか？」を調べてみた。～1位は横浜Fマリノス、2位は鹿島アントラーズ、3位はアビスパ福岡～ | | |　

■　2016年の最年少は横浜Fマリノス

2016年のJリーグのスタジアム観戦者調査の平均年齢に着目したとき、2016年にJ1あるいはJ2で活動した40クラブの中で最少となるのは横浜FMで37.0才だった。「若いサポーターの多いチーム」というイメージはあまりないことを考えるとやや意外な結果と言えるが、横浜FMは2010年と2012年にも平均年齢が一番下だったので珍しいことではない。2番目の鹿島が37.7才なので、横浜FMと鹿島の差は「0.7才」となる。

3番目は福岡で38.4才、4番目は鳥栖で38.9才となる。福岡と鳥栖も「平均年齢ランキング」の上位の常連クラブである。福岡は2011年に1位に輝いており、鳥栖は2013年と2015年は2位だった。福岡と鳥栖は距離的にも非常に近くて同じ文化圏に入ると思われる。「地方のクラブである福岡と鳥栖の2チームのホーム戦の観客の平均年齢が低い。」というのは興味深い話であるが、明確な理由は分からない。

5番目はC大阪で39.2才。C大阪はここに来て若いサポーターが増えてきた模様。2013年に10位に入ると、2014年は2位、2015年は4位に顔を出している。「セレ女フィーバー」と言われたときに集まって来た若いサポーターが一定の確率でコアなサポーターとしてチームにとどまっている点が平均年齢を押し下げている最大の要因だと考えられる。フィーバーの期間は限定的だったが、プラスの要素は大きかったと言える。

■　大都市で活動するクラブは平均年齢が低め

6番目は金沢で40.1才、7番目はFC東京とG大阪で40.2才、9番目は柏で40.3才、10番目は名古屋と東京Vで40.6才となる。ベスト10の顔ぶれを見ると東京・大阪・名古屋・横浜・福岡といった日本屈指の大都市で活動するクラブは軒並み平均年齢が非常に低いことが分かる。大都市で生活する若者の方がアクティブでアグレッシブ。恋人同士や友達同士でサッカー観戦に行く頻度が非常に高いことが推測できる。

ちなみにその他の大都市で活動するクラブの平均年齢を書き出すと横浜FCは41.9才で19番目、神戸は42.5才で21番目、広島は43.1才で22番目、京都は43.9才で26番目となる。広島や京都の平均年齢はやや高めとなる。こうしてみると4位にランクされる鳥栖、6位にランクされる金沢はやや異質と言える。地方の小中規模都市で活動するクラブの平均年齢は高めなので「金沢が6位」というのは興味深いデータと言える。

「40クラブの平均年齢を平均値」を出すと42.6才となる。これは下の表1にあるとおり、年々、数字は上がっている。「Jリーグのサポーターは高齢化している。」と言われることが多いが、スタジアム観戦者調査を見ると「サポーターの高齢化は事実」と言わざる得ない。ちなみにスタジアム観戦者調査が始まった2004年は35.1才だったのでこの12年ほどで7.2才ほど平均年齢が上がっている。高齢化は顕著と言える。

■　平均年齢の増加が顕著な浦和レッズ

今度の表1は2004年～2016年までの各クラブのホーム戦の平均年齢の平均値を小さいクラブから順番に並べたものである。すでに触れたとおり、初期の頃の方がJリーグ全体の平均年齢が低かったので最近になってJリーグに昇格して来たクラブはかなり不利であるが、1位はG大阪で35.63才、2位は横浜FMで36.34才、3位は福岡で36.62才、4位は鹿島で36.63才、5位は柏で36.89才、6位はC大阪で37.08才となる。

7位は浦和で37.09才、8位は千葉で37.11才、9位は鳥栖で37.28才、10位は東京Vで37.38才と続いていくが、注目したいのは浦和である。圧倒的な人気を誇るJリーグの名門であるが2012年は36.1才、2013年は40.5才、2014年は36.0才、2015年は40.7才、2016年は44.5才。高齢化が顕著である。ちょっと前までは若いサポーターの多いクラブだったが、逆に年配のサポーターが多いクラブになっている。

年配のサポーターが増えると平均年齢は上がるので「年配のサポーターにも興味を持ってもらえるクラブになっている。」という見方もできる。「高齢化」はネガティブに捉えられるが、プロスポーツとしての歴史が浅いJリーグの場合、(これまでほとんどサッカーに興味を持っていなかった)年配の人に興味を持ってもらうことは極めて重要なことであるが、最近の浦和は若者を取り込めていないのでは？という気もする。

表1. ホーム戦の観戦者の平均年齢 (2004年-2016年)

順位	クラブ名	平均年齢(歳)	2004年	2005年	2006年	2007年	2008年	2009年	2010年	2011年	2012年	2013年	2014年	2015年	2016年
順位	クラブ名	平均年齢(歳)	35.1	35.9	36.3	36.9	37.9	37.9	38.5	39.1	39.5	40.2	41.2	41.9	42.3
1	G大阪	35.63	32.0	31.0	33.8	32.1	36.5	34.5	35.4	36.2	37.7	37.1	37.0	39.7	40.2
2	横浜FM	36.34	32.9	33.0	35.3	35.2	36.5	38.5	34.7	37.1	35.2	38.5	38.7	39.8	37.0
3	福岡	36.62	34.7	36.1	33.6	33.6	36.2	35.6	35.8	34.7	37.5	39.1	39.1	41.6	38.4
4	鹿島	36.63	31.1	35.0	35.6	35.3	36.5	36.4	37.7	36.8	39.6	37.9	39.9	36.7	37.7
5	柏	36.89	33.3	36.2	32.4	35.3	34.8	35.3	36.5	37.7	35.8	39.8	41.2	41.0	40.3
6	C大阪	37.08	32.6	34.1	33.5	36.6	37.4	38.0	38.3	38.6	38.7	38.9	36.9	39.3	39.2
7	浦和	37.09	32.1	33.3	35.0	34.8	35.5	36.5	38.8	38.4	36.1	40.5	36.0	40.7	44.5
8	千葉	37.11	32.6	33.9	34.3	33.9	35.2	36.1	35.9	38.9	37.8	40.2	41.7	40.1	41.8
9	鳥栖	37.28	36.1	36.6	35.3	37.3	38.5	38.0	37.1	38.7	37.3	35.9	37.9	37.0	38.9
10	東京V	37.38	30.7	32.4	34.8	35.0	36.3	38.9	39.9	39.3	38.9	37.3	41.0	40.8	40.6
11	FC東京	37.52	32.5	31.7	35.1	34.0	37.5	38.1	38.8	37.6	37.2	39.8	43.1	42.2	40.2
12	名古屋	37.62	35.5	38.0	37.3	37.2	35.4	36.3	35.1	37.4	38.8	37.3	40.5	39.7	40.6
13	川崎F	37.77	36.8	35.9	37.3	35.4	35.8	37.7	37.5	37.4	37.9	38.8	40.1	39.7	40.7
14	鳥取	37.83	-	-	-	-	-	-	-	38.0	39.7	35.8	-	-	-
15	神戸	37.99	34.2	34.8	35.8	36.4	36.0	35.5	38.5	38.3	39.8	40.3	40.1	41.7	42.5
16	広島	38.18	34.9	34.8	34.5	36.1	37.9	34.8	37.7	39.2	38.4	39.7	40.6	44.7	43.1
17	山形	38.36	31.9	35.0	36.6	35.7	37.1	34.7	37.2	39.5	41.3	40.7	42.1	42.8	44.1
18	水戸	38.45	37.5	31.4	38.0	36.2	38.3	37.5	39.0	40.0	38.8	40.4	37.5	41.3	43.9
19	横浜FC	38.80	35.4	37.4	33.8	36.1	37.1	39.7	37.4	40.3	39.6	40.1	41.7	43.9	41.9
20	甲府	38.99	36.4	39.1	36.1	36.6	37.7	38.9	40.1	39.6	39.2	39.5	41.6	40.3	41.8
21	群馬	39.08	-	35.2	34.2	36.0	36.8	38.2	38.1	38.1	41.3	43.0	42.6	43.9	41.5
22	磐田	39.13	38.3	38.1	40.2	39.9	40.1	38.2	39.9	39.3	38.0	37.5	39.0	39.0	41.2
23	京都	39.32	35.8	38.0	36.8	37.4	36.8	37.0	40.1	39.7	41.2	41.7	40.9	41.8	43.9
24	栃木SC	39.49	-	-	-	-	-	37.1	38.7	38.3	38.7	39.9	42.1	41.6	-
25	FC岐阜	39.77	-	-	-	-	38.3	37.2	36.2	39.9	38.3	41.3	40.8	42.7	43.2
26	仙台	39.98	37.0	36.7	38.5	39.2	37.9	41.2	38.4	39.9	39.1	41.5	41.5	44.3	44.5
27	徳島	40.19	-	36.9	37.1	34.9	41.1	38.8	39.2	41.6	40.2	43.1	43.2	41.4	44.8
28	富山	40.22	-	-	-	-	-	38.3	40.3	39.1	40.2	42.3	41.1	-	-
29	大宮	40.31	36.1	36.0	36.6	38.5	38.8	42.0	40.4	41.2	40.6	40.6	43.7	44.6	44.9
30	愛媛FC	40.32	-	-	35.5	38.6	40.0	40.1	39.3	40.5	41.3	40.3	43.0	41.3	43.6
31	岡山	40.34	-	-	-	-	-	37.4	37.0	36.9	40.4	41.3	41.2	43.1	45.4
32	熊本	40.47	-	-	-	-	41.4	36.5	38.1	36.0	39.4	39.7	43.8	43.7	45.6
33	清水	40.58	40.2	39.9	40.9	40.7	42.4	39.8	40.2	37.5	37.6	40.4	43.6	41.1	43.3
34	松本山雅	40.78	-	-	-	-	-	-	-	-	39.3	39.4	39.8	40.6	44.8
35	大分	41.06	36.4	39.0	40.0	40.5	36.7	36.9	41.6	42.1	45.0	41.5	46.4	46.6	-
36	金沢	41.35	-	-	-	-	-	-	-	-	-	-	-	42.6	40.1
37	湘南	41.39	39.4	39.9	40.1	40.9	38.0	39.6	40.5	40.9	42.1	43.0	43.5	46.1	44.1
38	讃岐	41.47	-	-	-	-	-	-	-	-	-	-	41.8	40.7	41.9
39	山口	41.50	-	-	-	-	-	-	-	-	-	-	-	-	41.5
40	長崎	41.65	-	-	-	-	-	-	-	-	-	40.7	41.7	42.6	41.6
41	新潟	42.37	36.1	36.6	37.0	40.0	42.3	42.0	43.5	45.1	44.8	45.6	45.4	47.1	45.3
42	町田	42.45	-	-	-	-	-	-	-	-	40.6	-	-	-	44.3
43	札幌	43.44	40.0	39.5	41.0	43.3	44.0	41.3	44.3	45.8	45.2	45.8	43.5	44.5	46.5
44	北九州	43.61	-	-	-	-	-	-	42.5	42.6	43.7	43.5	44.7	43.2	45.1