■ 第23節プレミアリーグの第23節。12勝6敗4分けで勝ち点「40」のトッテナムと、18勝3敗1分けで勝ち点「55」のマンチェスターUがホワイト・ハート・レーンで対戦した。22節を終えた時点で、首位のマンチェスターUと2位のマンチェスターCの差は「7」に広がって、マンチェスターUは独走態勢に入っている。
ホームのトッテナムは「4-2-3-1」。GKロリス。DFウォーカー、ドーソン、コーカー、ノートン。MFパーカー、デンベレ、レノン、デンプシー、ベイル。FWデフォー。イングランド代表のFWデフォーは22試合で10ゴール、ウェールズ代表のMFベイルは18試合で9ゴールを挙げている。
対するアウェーのマンチェスターUは「4-2-3-1」。GKデ・ヘア。DFラファエル、ファーディナンド、ヴィディッチ、エヴラ。MFフィル・ジョーンズ、キャリック、ウェルベック、香川真司、クレバリー。FWファン・ペルシー。怪我から戻ってきたFWルーニーはベンチスタートで、MF香川はトップ下で先発出場となった。FWファン・ペルシーは22試合で17ゴールを挙げている。
■ 1対1のドロー試合前から雪が降っており、選手にとっては、キツイ条件だったが、好調なチーム同士の対戦ということもあって、序盤から見ごたえのあるシーンが続いていく。そんな中で先制したのはアウェーのマンチェスターUで、前半25分にMF香川が中盤でボールを受けて局面を打開すると、最後は右サイドのMFクレバリーのクロスをFWファン・ペルシーがヘディングで決めてリードを奪う。
1対0で迎えた後半はホームのトッテナムが優勢となる。22節のリバプール戦に続いて、後半にペースダウンしたマンチェスターUは、後半17分にMF香川に代えてFWルーニーを投入。FWルーニーを起点にカウンターから何度かチャンスを作るが、試合を流れを変えることはできず、終盤はトッテナムに攻め込まれる。
すると、後半ロスタイムにGKデ・ヘアがパンチングしたボールを拾ったMFレノンの折り返しをアメリカ代表のMFデンプシーが押し込んで、土壇場で1対1の同点に追いつく。結局、試合は1対1で終了。マンチェスターUは目前に迫っていた勝ち点「3」を逃して、2位のマンチェスターCとの差は「5」に縮まった。一方のトッテナムは、CL圏内の4位をキープした。
■ 脅威になった両サイドヴィラス・ボアス監督を迎えたトッテナムは、オールド・トラフォードで行われた試合もマンチェスターUに3対2で勝利しており、今シーズンは、1勝1分けと勝ち越した。前半から多くの決定機を作ったのは、ホームのトッテナムだったが、GKデ・ヘアが、再三、ビッグセーブを見せて、0対1のままで後半のロスタイムに突入したが、最後にMFデンプシーが決めて、1対1のドローに持ち込んだ。
首位のマンチェスターUは勝ち点「56」で抜け出しており、2位のマンチェスターCも勝ち点「51」と差が開いているが、3位のチェルシーは勝ち点「45」で、4位のトッテナムは勝ち点「41」。その下で1試合消化の少ない5位のエバートンも勝ち点「37」を挙げており、CL出場権争いも熾烈になっているが、首位のマンチェスターUが相手だったことを考えると、トッテナムにとって、大きな勝ち点「1」と言える。
力を発揮したのは、サイドの2人である。右サイドのMFレノンも、左サイドのMFベイルも、1対1になると止められないので、マンチェスターUも、かなり神経を使っていた。MF香川がサイドではなくて、トップ下に入ったのも、MF香川とMFレノンがマッチアップする形になると、不利になることが関係していると思うが、2人に囲まれても、何とかできる能力を持っているので、マンチェスターUにとっては、脅威となった。
■ MF香川はトップ下で先発FWルーニーが戦列に復帰してきて、MF香川は正念場を迎えているが、先日のリバプール戦に続いて先発出場を飾った。MFジョーンズ、MFキャリック、MFクレバリーとボランチ的な選手が3人もスタメンに名を連ねたため、試合前の予想フォーメーションでは、「4-1-4-1」の左サイドだったが、結局、MFクレバリーがサイドに回って、オーソドックスな「4-2-3-1」でスタートして、トップ下でプレーすることになった。
2試合連続スタメンとなったが、出来としては、かなり良かった。1点目のFWファン・ペルシーのゴールは、中盤でボールを受けたMF香川のダイレクトパスが攻撃のスイッチとなったが、MF香川のプレーで局面が大きく変わって、縦の推進力が生まれた。今の段階では、こういうプレーを、一番、期待されていると思うので、ファーガソン監督の期待に応える仕事ができたと言える。
いいプレーでゴールに絡むことができたのが、自信になったのか、先制ゴールが入った後は、中盤でボールを受ける回数が増えて、存在感が増した。こういう気象条件で、さらに、FWルーニーがベンチに控えていたこともあって、後半17分という早い段階で交代することになったが、調子は上がってきている。リーグ戦に限定すると、復帰後、3試合目のスタメンとなったが、もっともパフォーマンスは良かった。
■ ウェルベックとの関係残念だったのは、「香川に通れば決定機」という味方からのパスがもう少しのところでMF香川のところまで届かず、相手にクリアされるシーンが何度かあったことである。特に、MFウェルベックがチャンスメークして、MF香川がゴール前のいいところにポジションを取っていて、「いいパスが来ればゴールできる。」という場面が、2度・3度と見られたが、MFウェルベックの判断が的確でないことが多くて、ゴールに結びつかなかった。
プレミアリーグのようなレベルの高いリーグになると、1人で点を獲るというのは、難しいので、周囲の協力が必要になってくるが、MFウェルベックやFWファン・ペルシーとの関係は、スムーズとは言えない。中盤のMFクレバリーやMFキャリックとは意思疎通ができていて、DFラファエルやDFエブラとの関係もまずまずと言えるが、アタッカー陣との関係は改善の余地がある。
呼吸が合う・合わないというのは、デリケートな話なので、時間が経っても、一向に良くならないケースも多々見られる。よって、「時間がすべてを解決してくれる。」とは言いきれないが、長い時間、一緒にプレーすることで、互いの理解が深まって、関係が良くなることもある。特に、MFウェルベックとMF香川の連携が取れてくると、チームとしても大きいので、2人の関係がどうなっていくのか、注目したいところである。
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