■ 開幕前は11番手評価だったが・・・。ファジアーノ岡山の前評判は決して高くなかった。開幕前に募集した順位予想バトル(J2編)の平均予想順位は11.49位。11番手評価だった。山形や京都と同程度の評価だったが6節を終えた時点で5勝1分けの勝ち点「16」。2位の町田に「4差」を付けて首位を快走している。J2は年間で42試合なのでちょうど1/7を終えた段階になるが岡山が頭半分ほど抜け出す形になっており、最高のスタートを切ったと言える。
ここまでの6試合で8得点/1失点。シンプルに失点の少なさが目立つ。当然、J2の22クラブの中で最少失点となるが、表1のとおり、30mライン進入回数は「-18.50」。J2ではブッチギリでワーストの数字となる。つまり、相手ゴールに迫る回数よりも相手に攻め込まれる回数がはるかに多くなるがわずか1失点。GK一森とDF後藤圭を中心とした守備陣が最後のところで踏ん張っていることが数字からも想像できる。
表1. 30mライン進入回数 (6節終了時点)
チーム名 | ± | 自チーム | 相手チーム |
(回) | 順位 | (回) | 順位 |
徳島ヴォルティス | 32.17 | 56.50 | 1 | 24.33 | 1 |
FC岐阜 | 4.50 | 39.00 | 4 | 34.50 | 8 |
ジェフ千葉 | 4.33 | 38.00 | 5 | 33.67 | 5 |
ツエーゲン金沢 | 3.83 | 34.00 | 15 | 30.17 | 3 |
栃木SC | 3.67 | 37.50 | 7 | 33.83 | 6 |
モンテディオ山形 | 3.67 | 34.67 | 13 | 31.00 | 4 |
水戸ホーリーホック | 2.67 | 36.67 | 11 | 34.00 | 7 |
松本山雅 | 2.00 | 37.50 | 7 | 35.50 | 10 |
町田ゼルビア | 1.33 | 30.17 | 20 | 28.83 | 2 |
アビスパ福岡 | 0.83 | 37.83 | 6 | 37.00 | 13 |
ヴァンフォーレ甲府 | -0.17 | 36.83 | 10 | 37.00 | 13 |
愛媛FC | -1.83 | 34.33 | 14 | 36.17 | 12 |
大宮アルディージャ | -2.33 | 37.50 | 7 | 39.83 | 16 |
アルビレックス新潟 | -2.33 | 33.67 | 16 | 36.00 | 11 |
大分トリニータ | -4.17 | 41.50 | 2 | 45.67 | 20 |
東京ヴェルディ | -4.50 | 41.17 | 3 | 45.67 | 20 |
京都サンガ | -4.50 | 30.00 | 21 | 34.50 | 8 |
ロアッソ熊本 | -5.00 | 35.83 | 12 | 40.83 | 18 |
レノファ山口 | -6.17 | 32.67 | 18 | 38.83 | 15 |
横浜FC | -7.50 | 33.67 | 16 | 41.17 | 19 |
カマタマーレ讃岐 | -8.00 | 32.33 | 19 | 40.33 | 17 |
ファジアーノ岡山 | -18.50 | 29.83 | 22 | 48.33 | 22 |
■ 相手チームの枠内シュート率がJ2最低言うまでもなく、30mライン進入回数の数字はプラスの方に大きいほど好ましい。当然、プラスの数字が大きいチームが上位争いをして、マイナスの数値が大きいチームが下位に低迷することが多い。なので「-18.50」とJ2の22クラブの中でワーストの数字でありながら6節終了時点で5勝1分け。首位を快走する今シーズンの岡山は極めてイレギュラーなチームである。普通では考えにくい状況になっている。
「忍耐力の強いチーム」と表現することができるが、これだけ攻め込まれているにも関わらず、5勝1分けと負けなしで来ている理由がどこかにあるはずである。いろいろと探してみたが1つの答えは「相手チームの枠内シュート率の低さ」になる。表2のとおり、22.6%の岡山はJ2でもっとも低くなる。被シュート数自体は少なくないが枠に飛ばされる確率が極めて低い。6試合でわずか1失点の大きな理由と言える。
ちなみにみ枠内シュート率のJ2全体の平均値は31.3%になる。21番目は愛媛FCで42.7%、22番目は讃岐で44.8%なので、岡山の2倍程度になる。岡山の1位だけでなく、愛媛FCの21位、讃岐の22位というのも6節終了時点でのJ2の順位表と同じになる。その他のチームも「相手チームの枠内シュート率の順位と今の順位が近いチーム」が結構多い。相手チームの枠内シュート率はJ2で結果を出すためには重要な数値である。
表2. 相手チームの枠内シュート率 (6節終了時点)
順位 | クラブ名 | シュート数 | 枠内シュート数 | 枠内シュート率 |
1 | 岡山 | 14.00 | 3.17 | 22.6% |
2 | 水戸 | 12.00 | 2.83 | 23.6% |
3 | 横浜FC | 11.67 | 3.00 | 25.7% |
4 | 大分 | 12.83 | 3.33 | 26.0% |
5 | 東京V | 12.83 | 3.33 | 26.0% |
6 | 甲府 | 12.50 | 3.33 | 26.7% |
7 | 町田 | 13.00 | 3.50 | 26.9% |
8 | 千葉 | 14.00 | 4.00 | 28.6% |
9 | 新潟 | 10.67 | 3.17 | 29.7% |
10 | 大宮 | 11.17 | 3.33 | 29.9% |
11 | 徳島 | 10.33 | 3.17 | 30.6% |
12 | 山口 | 13.00 | 4.00 | 30.8% |
13 | 松本山雅 | 14.33 | 4.50 | 31.4% |
14 | 金沢 | 11.83 | 3.83 | 32.4% |
15 | 山形 | 12.17 | 4.00 | 32.9% |
16 | 熊本 | 16.50 | 5.50 | 33.3% |
17 | 福岡 | 9.67 | 3.33 | 34.5% |
18 | 京都 | 12.50 | 4.50 | 36.0% |
19 | 栃木SC | 12.50 | 4.67 | 37.3% |
20 | FC岐阜 | 13.83 | 5.17 | 37.3% |
21 | 愛媛FC | 14.83 | 6.33 | 42.7% |
22 | 讃岐 | 14.50 | 6.50 | 44.8% |
■ エリア内にはなかなか侵入されない。他には表3のとおり、「ペナルティエリア進入回数/30mライン進入回数」が30.0%で22クラブの中で最小となる点も目に付く。すでに触れた通り、30mライン進入回数はJ2最多の48.33回。一定のエリアまでボールを運ばれる回数は非常に多いがさらに先の「ペナルティエリア内」まで侵入される確率は極めて低い。この点が30mライン進入回数が多いにもかかわらず、失点が「1」のみという大きな理由と考えられる。
一方、攻撃に関するスタッツで際立つものは見つからなかった。2014年以来の復帰となるMF上田康(岡山)のプレイスキックは最大の得点源になっているが直接FKの数は9.50回でJ2最少。ドリブル数は11.00回でワースト5位なのでドリブルで仕掛ける回数を増やしていい位置でFKを獲得したい。CK獲得本数も5.00回で9位タイ。結局、セットプレーの機会はあまり多くないが少ないチャンスを確実に生かしている。
また、パス数は362.00回でワースト3位、ボール支配率は42.2%でワースト1位となる。下位グループに巻き込まれているチームが残すようなスタッツになっている項目が多いのでここまで快進撃を見せているが歯車が狂っていきなり勝てなくなることは十分に考えられる。その一方で現時点での課題は「今よりも良くなる余地を残している。」と表現することもできる。この先の岡山がどうなっていくのか?は予想しにくい。
表3. 「ペナルティエリア進入回数/30mライン進入回数」のランキング
順位 | クラブ名 | 30mライン進入 | ペナルティエリア進入 | (%) |
1 | 岡山 | 48.33 | 14.50 | 30.0% |
2 | 新潟 | 36.00 | 11.00 | 30.6% |
3 | 福岡 | 37.00 | 11.50 | 31.1% |
4 | 栃木SC | 33.83 | 10.83 | 32.0% |
5 | 横浜FC | 41.17 | 13.33 | 32.4% |
6 | 大分 | 45.67 | 14.83 | 32.5% |
7 | 東京V | 45.67 | 14.83 | 32.5% |
8 | 大宮 | 39.83 | 14.17 | 35.6% |
9 | 金沢 | 30.17 | 11.17 | 37.0% |
10 | 讃岐 | 40.33 | 15.00 | 37.2% |
11 | 京都 | 34.50 | 12.83 | 37.2% |
12 | 山形 | 31.00 | 11.83 | 38.2% |
13 | 山口 | 38.83 | 14.83 | 38.2% |
14 | 甲府 | 37.00 | 14.33 | 38.7% |
15 | 愛媛FC | 36.17 | 14.50 | 40.1% |
16 | 松本山雅 | 35.50 | 15.00 | 42.3% |
17 | 千葉 | 33.67 | 14.50 | 43.1% |
18 | 徳島 | 24.33 | 10.67 | 43.8% |
19 | 水戸 | 34.00 | 15.50 | 45.6% |
20 | FC岐阜 | 34.50 | 16.33 | 47.3% |
21 | 町田 | 28.83 | 13.67 | 47.4% |
22 | 熊本 | 40.83 | 20.00 | 49.0% |
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