■ 0対2の状況から2ゴールを奪って2対2のドロー「Jリーグの銀河系軍団」と言われて開幕前から特大級の注目と期待を集めた神戸だったが20節を終えた時点では6勝11敗3分けで勝ち点「21」。15位と低迷している。21節はフライデーナイトJリーグでG大阪とのホーム戦だったが0対2の状況から2ゴールを奪って2対2のドロー。何とか勝ち点「1」を獲得した。同点に追いついた後の後半49分にはFW田中順がバー直撃のシュートを放つなど勝てるチャンスもあった。
後半34分と後半39分に連続ゴールを奪って同点に追いつくことができたので押せ押せの展開。流れに乗って3点目を奪って3対2で勝利していたら劇的だったが無情にもクロスバーに直撃して同点ゴールとはならなかった。ただ、何とか追いついて勝ち点「1」を獲得したことで14位だった清水を上回って順位を1つだけ上げることに成功した。試合前の時点では残留圏ギリギリの15位だったが14位に浮上することになった。
もちろん、週末に行われる川崎F vs 松本山雅、仙台 vs 磐田、鳥栖 vs 大分の結果次第では降格圏との差が縮まって射程圏内に捉えられる可能性もあるので予断を許さない状況になっているが「2点を追う展開になったにもかかわらず、負けなかったこと」はポジティブに考えられる。逆に2対0とリードを奪いながら後半の終盤に連続失点して2対2のドローに終わったG大阪にとっては悔いの残る試合になった。
■ 痛み分けのドローに終わった。注目が集まった神阪ダービーは痛み分けのドローだったが試合前にフィーチャーされたのはオフにG大阪から神戸に完全移籍したDF初瀬(神戸)だった。夏の移籍市場で神戸は左SBでもプレーできるDFジョアン・オマリ(アル・ナスル)とDFフェルマーレン(バルセロナ)を獲得しているのでトルステン・フィンク監督に存在をアピールをしたい試合だったがこの日も守備の部分で粗が目立った。失点にも絡んでしまった。
前半8分の1失点目はDF初瀬のポジショニングが良くなかった。もちろん、MF矢島慎のミドルパスとMF倉田のトラップ&シュートは素晴らしかったが目の前にいるMF倉田に対するDF初瀬のケアは甘かった。さらに後半8分のFWパトリックのゴールの場面も「DF初瀬の戻りの遅さ」が失点の原因の1つになった。セットプレーで両CBが上がっていたのでイレギュラーな状態だったがもっと早く戻ってこないといけない。
DF初瀬はスピードのある選手ではない。G大阪のFWパトリックあたりとスピード勝負になったらほぼノーチャンスである。もっと賢くプレーしないといけないシーンだったが「急いで戻らないと大変なことになる。」ということに気が付いていたのか?否か?すら分からないほどゆっくりと戻って来た。MFイニエスタの戻りも遅かったので2失点目はDF初瀬だけの責任ではないが「幾分かの責任」は間違いなくある。
■ 攻撃で目立っているとも言えず・・・。DF初瀬はこの日も2失点に絡んでしまったが今シーズンは直接的にあるいは間接的にDF初瀬が失点に絡む場面が目立つ。もともと守備の得意な選手ではないので「一定の頻度で失点あるいは相手の決定機に絡んでしまうこと」は織り込み済みだと思うがそれにしてもその回数が多い。今シーズンの神戸は21試合で38失点を喫しているが「DF初瀬のいる左サイド」は相手にとっては狙い目の1つになっている。
また、守備のミスを攻撃面でカバーしてくれると「使っている甲斐がある。」と言えるが、武器と言われている攻撃の部分で目立つシーンはあまり多くない。開幕当初のリージョ監督の頃はパスをつなぐ意識が非常に高かったので「キックの精度が高いDF初瀬も良さが出せているようだ。」と感じていたが、その後、怪我をしてしばらくの間は戦線を離脱。復帰後は監督が代わった影響もあって良さは出にくくなった。
「攻撃的な良さはあまり出せておらず、守備の部分では穴になっていて、チームとしても結果が出ていない。」となるとDF初瀬がスタメンから外れても何ら不思議はないが15節のFC東京戦(A)から8試合連続でスタメンフル出場中。トルステン・フィンク監督になってからはすべての試合でフルタイム出場を続けている。「何故にDF初瀬を使い続けるのか?」と不思議に思っている人は少なくないだろう。
■ 外国人監督からの評価は高い???そもそもとして今シーズンの神戸は左SBでプレーできる選手が少ない。今夏、ユーティリティー性のあるMF三原雅(→柏)が抜けたことでさらに左SBは手薄になった。元・日本代表のDF酒井高(ハンブルガーSV)の獲得に乗り出していると報じられており、左SBでもプレーできるDFジョアン・オマリやDFフェルマーレンを獲得しているので「左SBは補強ポイント」とフロントは考えていると推測できるが・・・。
「DFジョアン・オマリやDFフェルマーレンのコンディションが整ったときにどういう起用法になるのか?」というのは注目点になるがどちらも本職はCBである。引き続いてDF初瀬が左SBが起用される可能性の方が現時点では高い。ハリルホジッチ監督も、在任当時、DF初瀬に期待していたので、リージョ監督といい、トルステン・フィンク監督といい、リージョ監督といい、外国人指導者からの評価は総じて高い。
「左右両足でしっかりとボールを蹴ることが出来る。」というDF初瀬の一番の武器となる部分を外国人の指導者は重視して選手を評価するケースが多い点が関係しているのだろうか?個人的にはこれほどの高頻度で相手のゴールや決定機に絡んでしまう選手を起用し続けるというのは理解に苦しむところもあるが百戦錬磨の指導者たちはDF初瀬という選手から「何か光るもの」を感じるのだろうと想像する。
「左右両足でプレイスキックが蹴れる。」というのは彼の大きな武器の1つになるが神戸にはMFイニエスタを筆頭に精度の高いボールを蹴ることができるキッカーは何人もいるのでDF初瀬がいなくてもキッカーの部分で困ることはないだろう。身体的な能力があまり高くないので「使い続けたら化ける」という感じもあまりない。「DF初瀬を使い続けていること」は今シーズンのJリーグの七不思議の1つに挙げられる。
→ 2018/12/03 【移籍市場】 「お断りされた回数」のランキング ~4位はC大阪、2位は浦和と横浜FM、1位は・・・。~
→ 2018/12/12 DF初瀬亮(ガンバ大阪→ヴィッセル神戸?)は過大評価されているのでは?と思う。
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