■ 2019年の年俸は8億1,500万円昨夏、鳥栖に加入したFWフェルナンド・トーレスだったが、2018年は17試合で3ゴールのみ。今シーズンは11試合でノーゴールと結果を出せなかった。J1では28試合で3ゴールのみ。ルヴァン杯では2試合で1ゴール。合計すると30試合で4ゴールと寂しい数字になるが退団や移籍の噂も流れる中、今シーズン限りで現役を引退することを発表した。1984年生まれなので35才という年齢でピッチを去ることが確定した。
昨夏は神戸にFWイニエスタが加入して、鳥栖にFWフェルナンド・トーレスが加入。昨オフには神戸にFWダビド・ビジャが加入したので、スペイン代表として活躍した攻撃的なポジションのスーパースターの来日が相次いだが、FWフェルナンド・トーレスは十分な結果を残すことはできなかった。いろいろな情報が流れているが8月23日(金)に行われる24節の神戸戦(H)あたりが「引退試合」になる可能性が高まっている。
Jリーグにやって来る大物助っ人が期待通りに活躍してくれないのは「草創期と比べると日本人選手やJリーグのレベルが上がっている証拠」とも言えるのでポジティブに考えることも出来るが、期待された超・ビッグネームが期待通りの活躍をしてくれないと「ビッグネームブーム」は一過性のもので終わってしまう。彼らが期待通りに活躍してくれるとJリーグは盛り上がると思うがなかなかうまくいかないのが現状である。
2019年のFWフェルナンド・トーレスの年俸については諸説あるが、今年のサッカーダイジェストの選手名鑑には8億1,500万円と記載されている。これは32億5,000万円という異次元の年俸のMFイニエスタ(神戸)に次いでJリーグ史上2番目の高額年俸者だと思われるが、年俸に見合った結果を残せなかった。(ちなみにFWポドルスキ(神戸)は6億4,000万円、FWダビド・ビジャ(神戸)は3億3,000万円になる。)
■ シュート精度を欠く場面が目立った。いずれにしても莫大な額を投資して鳥栖はFWフェルナンド・トーレスを獲得したがチーム成績も上がらなかった。昨シーズンは辛うじてJ1に残留することができたが今シーズンは15節を終えた時点で最下位。クラブ史上初となるJ2降格の危機を迎えている。チームの総年俸の約半分ほどがFWフェルナンド・トーレスの年俸になるが「取るべき人」のゴールがなかなか生まれないとチームの雰囲気は悪くなっていく。
「Jリーグ屈指のハズレ助っ人」と言われている元イングランド代表のFWリネカー(名古屋)はJリーグでは18試合で4ゴールだった。1年目の1993年が7試合で1ゴールのみ、2年目の1994年は11試合で3ゴール。期待通りの活躍は出来ずに終わったが、FWフェルナンド・トーレスの場合、ゴール前のチャンスは少なくなかった。「嗅覚はさすが」と言えたが、最後のフィニッシュが決まらないケースが多かった。
よく言われるのは「鳥栖にはFWフェルナンド・トーレスに良いパスを供給できる選手がいなかった。」という点になる。アトレティコ・マドリーやリバプールやスペイン代表などと比べるとパサー役となる選手のクオリティは低かったと思うが、決定機には絡めている。もちろん、周りのレベルが上がれば決定機の数というのは確実に増えるが、フィニッシュで決められるのか?決められないのか?は本人次第である。
当然、なかなかいいパスが出てこなくて孤立する試合もあったが、それなりの確率でシュートを決めることが出来ていたら見栄えのいい成績になったはずである。「フィニッシュの正確さ」や「たくさんのシュートチャンスに絡める点」を鳥栖は評価してFWフェルナンド・トーレスの獲得に動いていると思うが、フィニッシュの精度についてはかなり物足りなかった。元スペイン代表の片鱗すら見せられなかった。
■ どのくらい観客動員数が増えたのか?一方、これだけのビッグネームなので「集客力」にも大いに期待したと思うが、下の表は2018年と2019年の鳥栖のホーム戦の観客動員数になる。「2018年の加入前」と「2018年の加入後」と「2019年」の3つの期間に分けて平均値を出しているが、「2018年の加入前」は12,452人だったのに対して、「2018年の加入後」は17,265人。平均で約5,000人ほど増えているので「トーレス効果は大きかった。」と言える。
ただ、スタメンから外れたり、ベンチからも外れる試合が目立った「2019年」は14,536人。昨シーズンほどの集客力はなかった。ちなみにFWフェルナンド・トーレスが加入する前年の2017年は14,194人。この数字と今シーズンの数字はよく似ている。開幕の名古屋戦(H)は18,382人を集客したが、それ以外は全て1万5,000人未満。安定して1万4,000人くらいは動員できているが、大観衆が集まる試合はなかった。
改めて各試合の動員数を見ていくと「満員になった試合が意外と少ない。」ということが分かる。MFイニエスタが加入した神戸のホーム戦はソールドアウトになるケースが多くなっているがトーレス加入後に2万人を超えたのは2018年のG大阪戦(H)と長崎戦(H)の2試合のみ。長崎戦(H)の2万2,669人というのは鳥栖スタジアムのMAXに近い数字になると思うが、「お客さんでいっぱい」という試合は意外と少なかった。
番号 | 分類 | 節 | 日付 | 対戦相手 | 入場者数 | 期間平均 |
1 | 加入前(2018年) | 第1節 | 2月23日 | 神戸 | 19,633 | 12,452 |
2 | 第4節 | 3月18日 | 鹿島 | 17,757 |
3 | 第5節 | 3月31日 | 名古屋 | 12,957 |
4 | 第7節 | 4月11日 | 柏 | 7,138 |
5 | 第10節 | 4月25日 | 川崎F | 8,490 |
6 | 第12節 | 5月2日 | 札幌 | 7,377 |
7 | 第13節 | 5月6日 | 清水 | 14,103 |
8 | 第15節 | 5月20日 | FC東京 | 12,163 |
9 | 加入後(2018年) | 第17節 | 7月22日 | 仙台 | 17,537 | 17,265 |
10 | 第18節 | 7月28日 | 磐田 | 14,333 |
11 | 第20節 | 8月5日 | C大阪 | 14,463 |
12 | 第21節 | 8月11日 | 浦和 | 19,681 |
13 | 第24節 | 8月26日 | G大阪 | 20,060 |
14 | 第26節 | 9月15日 | 広島 | 15,899 |
15 | 第29節 | 10月6日 | 湘南 | 11,557 |
16 | 第31節 | 11月4日 | 長崎 | 22,669 |
17 | 第33節 | 11月24日 | 横浜FM | 19,187 |
18 | 加入後(2019年) | 第1節 | 2月23日 | 名古屋 | 18,382 | 14,536 |
19 | 第4節 | 3月17日 | 磐田 | 14,624 |
20 | 第7節 | 4月14日 | 川崎F | 14,463 |
21 | 第9節 | 4月28日 | 湘南 | 13,280 |
22 | 第11節 | 5月11日 | G大阪 | 14,789 |
23 | 第13節 | 5月26日 | 鹿島 | 14,130 |
24 | 第14節 | 6月1日 | C大阪 | 12,083 |
■ ビッグネーム補強の難しさそこまで大きなスタジアムではないノエビアスタジアムをホームに戦う神戸にも似たようなことが言えるが、キャパシティの大きなスタジアムでないとビッグネームを獲得しても動員数は劇的には増えない。鹿島やFC東京や横浜FMやG大阪やC大阪や札幌や新潟や大分のような巨大スタジアムをホームに戦うチームだと劇的なプラスが期待できるが、神戸や鳥栖クラスのスタジアムだと早い段階で限界が来る。
トーレス効果でスポンサーの数は増えているとは思うが、収益の基本となるチケット収入を大きく伸ばすことが難しい環境だと「ビッグネームを獲得した効果」も薄れてしまう。期待されたような活躍が出来ない場合はなおさらである。過去にもJリーグのクラブは何度かビッグネームに手を出したものの思ったほどの効果が得られずに不発に終わっているが改めてビッグネーム補強の難しさを痛感する。
また、FWリネカーやFWベベトのようにJリーグを舐めてほとんど活躍できなかったパターンであれば躊躇することなく批判することができるが、FWフェルナンド・トーレスは真面目な性格なので手を抜いた様子は感じられなかった。そのあたりはプロフェッショナルだったが「いい人過ぎた点」が逆に鳥栖での仕事を難しくしたのかもしれない。クラブも、サポーターも、丁寧に、そして、大事に扱い過ぎたように感じる。
・2019/04/28 【平成限定】 独断と偏見で選んだ「がっかり外国人Jリーガー」 (11位-20位)
・2019/04/29 【平成限定】 独断と偏見で選んだ「偉大な外国人Jリーガー」 (11位-20位)
・2019/04/29 【平成限定】 独断と偏見で選んだ「偉大な外国人Jリーガー」 (1位-10位)
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