時々の記録

コンピュータとアニメ感想etc.のブログです。 ☆ゆるゆるっと更新中です☆

Top Page › 読書 › 栗本 薫 › モンゴールの復活/栗本 薫
2009-08-22 (Sat) 07:42

モンゴールの復活/栗本 薫

モンゴールの復活―グイン・サーガ(33) (ハヤカワ文庫JA)グイン・サーガ第33巻、「モンゴールの復活」を読み終えました。

トーラス城内でのメンティウスの反逆、そしてトーラス市民の蜂起により、トーラスは一気に陥落へと向かいました。それに動揺したタルー軍は、勢いに乗ったモンゴール軍に圧倒されるのでした。ついに潰走したタルー軍でしたが、その行く手には新たな援軍が立ちはだかりました。タルー王子のアムネリス追撃は、ここに完全な失敗を遂げたのでした。

そして勝利したアムネリス軍は、トーラス城内へと凱旋しました。それを市民の歓呼の声が迎えます。
また、アリの計らいにより、イシュトヴァーンの情報もトーラスへと伝えられていました。人々はアムネリスの名と共に、ヴァラキア生まれの勇者イシュトヴァーンも熱狂的に称えたのでした。

金蠍宮へとたどり着いたアムネリスは、王宮前に集まった市民に向けて、モンゴール復活を高らかに宣言したのでした。そして、ついに自らの光の公女を見いだしたイシュトヴァーンは、アムネリスと結ばれたのでした。
しかし、その後でイシュトヴァーンは、自分の愛したリンダとアムネリス、その両方にナリスがいることに気づいて慄然となるのでした。

そして翌日、並み居る群臣の中でイシュトヴァーンは左府将軍に任命されたのでした。さらに、囚われの身となったクムの公子タルーの謁見が行われることになりました。ところが、今後の交渉に利用するために自分を殺すことはできないと踏んだタルーは、アムネリスの前へ引き出されても傲岸不遜な態度を取ります。そんなタルーに剣を突きつけたのは、王宮で行われる茶番に嫌気が刺していたイシュトヴァーンだったのでした。

イシュトヴァーンが本当に自分を殺す気なのを見て取ったタルーは、それまでとはうって変わって狼狽するのでした。マルス伯爵の仲裁でその場はおさまったものの、本当に一歩間違えればタルーはイシュトヴァーンに殺されるところだったのでした。

さらにモンゴール王宮に、新たな客人が到着しました。アムネリスと姉妹の誓いを交わしたアレン・ドルフュスがやって来たのです。彼女は金蠍宮に到着早々、イシュトヴァーンとアリが王座を狙っていることを知ってしまいました。
アムネリスがイシュトヴァーンに心惹かれていることを知ったアレンは、密かにイシュトヴァーンについて調べることに決めたのでした。

そして荒れ果てたトーラスの都は、復興に向けて動き始めました。そこで手腕を発揮したのは、庶民の心の機微を知り尽くしていたアリでした。それと平行して、イシュトヴァーンの評判を高めるというアリの作戦もぬかりなく進行していたのでした。

ところが、肝心のイシュトヴァーンは宮廷での生活に飽き飽きしていました。生まれてこの方、自由気ままに生きてきたイシュトヴァーンには、宮廷での暮らしは窮屈でならなかったのです。そして、イシュトヴァーンはとうとうアムネリスに、モンゴールから去るとさえ言い出しました。
イシュトヴァーンに夢中なアムネリスは、泣きわめいてイシュトヴァーンを思いとどまらせました。今やアムネリスは、完全にイシュトヴァーンに夢中なのでした。

しかし、平和な日々は長くは続きませんでした。クムとモンゴールの国境に、クム軍が現れたとの報告がトーラスへもたらされたのです。それを迎え撃つために、トーラスからはイシュトヴァーンを将軍とする討伐軍が派遣されることになりました。
いつもイシュトヴァーンに寄り添っているアリですが、今回の戦いではトーラスに残ると言い出しました。トーラスに残ったアリは、これまでイシュトヴァーンに仕えてきた盗賊たちを追い出しにかかったのでした。

そればかりか、アリは今後の災いとならないように、密かに追っ手を差し向けて、盗賊たちを皆殺しにしてしまったのでした。煙とパイプ亭のダンの友人カロンは、偶然その現場を目撃してしまうことになりました。
いよいよ玉座へと手をかけたイシュトヴァーンですが、その前にはかなり陰惨な運命が待っていそうですね。

最終更新日 : 2022-10-30

Comment