綾辻行人さんの館シリーズ第7弾、「暗黒館の殺人(上)」を読み終えました。
ようやく半分を読み終えたのですが、ノベルサイズで二段組みの上に600ページ以上の分量があったので、(上)を読み終えるだけで相当の日数を費やしてしまいました。(^^;
今回の物語では、明治の頃に建造されたという通称・暗黒館と呼ばれる4つの館からなる邸宅を舞台にした物語です。館シリーズでお馴染みの中村青司は、そのうちの北館が焼失したために、その再建に関わったという設定です。
母の四十九日を終えた江南は、そこで親戚から中村青司が関わった暗黒館なる建物があることを聞かされました。過去に何度も中村青司の館と関わっている江南は、その実物の見るために九州の山奥にあるという館を訪れてみました。しかし、そこで十角塔に昇った江南は、そこから転落してしまいました。幸い、大きなケガを負わずにすみましたが、それが原因で記憶喪失になってしまったのでした。
その後、物語は江南の視点を離れて、館の住人・浦登玄児と事故がきっかけで知り合った中也と呼ばれる青年の視点から物語が語られます。中也は事故をきっかけに、記憶を失ってしまいました。そこで玄児の暮らしていた東京の屋敷に同居させてもらうことになったのでした。
そこで暮らすうちに中也は、自分が地方から上京した建築科の学生だということを思い出しました。それと共に、中也は本当の名前を思い出しました。しかし、中也の容貌が詩人の中原中也に似ていたことから、玄児は引き続き彼のことを中也と呼び続けていたのでした。
中也は玄児に誘われて、玄児の生まれ故郷である暗黒館に招待されました。そこで中也は、屋敷の人々がダリヤの日と呼ぶ特別な宴に参加することになってしまいました。
物語の2/3くらいは、中也の暗黒館での生活ぶりと、そこで出会う様々な奇妙な人々との出会いが描かれました。シャム双生児の姉妹、早老症の男の子、精神に異常をきたした女性たち。屋敷の住人は、家人も使用人もどこか一癖あるような者ばかりです。
ミステリーのはずなのに、ちっとも事件が起こらないなあと思っていたら、湖に浮かぶ島にある屋敷と往復するための船の管理を任されていた男が、何者かに殺害されてしまいました。彼は船を桟橋に激突させて、重傷を負い風前の灯火の命だったのに、誰が何の目的で彼を殺害したのでしょうか!?
そして、第2の犠牲者が出ました。早老症の男の子の母親が、アトリエにこもっていたところを何者かに殺害されたのです。その時、中也と玄児は屋敷の中で怪しい人影を見つけます。それは近所の村に住む一朗という少年でした。一朗は、村で敬遠されている暗黒館をひと目みようとやって来て、いつの間にか島に取り残されてしまったのです。
嵐の中、島との連絡手段である船は壊れてしまい、島の裏手にあった老朽化した橋も一朗が渡ったことで壊れてしまいました。さらに雷雨が原因なのか、外部へも電話が繋がりません。
屋敷は湖の中に、完全に孤立してしまったのです。その島で、この先どんな事件が起きるのでしょうか!? そして、既に起きた殺人事件の犯人は一体誰なのでしょうか!?
とりあえず、上巻だけ読み終えたところでは、推理小説というより、怪奇と幻想小説といった感じでした。おどろおどろしい屋敷と人々の描写が、なんとも無気味でした。
ただ、その中でちょっとうれしかったのは、これまでの館シリーズに登場した人物や屋敷の名前が、時折顔を見せてくれることでした。さらに、これまでのシリーズには登場しない、瀬戸内海にあるという中村青司の館の存在も明らかになっています。その館を舞台にした物語が、別のシリーズとして書かれるのでしょうか!? それとも、その屋敷はこの暗黒館と深い関わりがあるのでしょうか!?
ようやく半分を読み終えたのですが、ノベルサイズで二段組みの上に600ページ以上の分量があったので、(上)を読み終えるだけで相当の日数を費やしてしまいました。(^^;
今回の物語では、明治の頃に建造されたという通称・暗黒館と呼ばれる4つの館からなる邸宅を舞台にした物語です。館シリーズでお馴染みの中村青司は、そのうちの北館が焼失したために、その再建に関わったという設定です。
母の四十九日を終えた江南は、そこで親戚から中村青司が関わった暗黒館なる建物があることを聞かされました。過去に何度も中村青司の館と関わっている江南は、その実物の見るために九州の山奥にあるという館を訪れてみました。しかし、そこで十角塔に昇った江南は、そこから転落してしまいました。幸い、大きなケガを負わずにすみましたが、それが原因で記憶喪失になってしまったのでした。
その後、物語は江南の視点を離れて、館の住人・浦登玄児と事故がきっかけで知り合った中也と呼ばれる青年の視点から物語が語られます。中也は事故をきっかけに、記憶を失ってしまいました。そこで玄児の暮らしていた東京の屋敷に同居させてもらうことになったのでした。
そこで暮らすうちに中也は、自分が地方から上京した建築科の学生だということを思い出しました。それと共に、中也は本当の名前を思い出しました。しかし、中也の容貌が詩人の中原中也に似ていたことから、玄児は引き続き彼のことを中也と呼び続けていたのでした。
中也は玄児に誘われて、玄児の生まれ故郷である暗黒館に招待されました。そこで中也は、屋敷の人々がダリヤの日と呼ぶ特別な宴に参加することになってしまいました。
物語の2/3くらいは、中也の暗黒館での生活ぶりと、そこで出会う様々な奇妙な人々との出会いが描かれました。シャム双生児の姉妹、早老症の男の子、精神に異常をきたした女性たち。屋敷の住人は、家人も使用人もどこか一癖あるような者ばかりです。
ミステリーのはずなのに、ちっとも事件が起こらないなあと思っていたら、湖に浮かぶ島にある屋敷と往復するための船の管理を任されていた男が、何者かに殺害されてしまいました。彼は船を桟橋に激突させて、重傷を負い風前の灯火の命だったのに、誰が何の目的で彼を殺害したのでしょうか!?
そして、第2の犠牲者が出ました。早老症の男の子の母親が、アトリエにこもっていたところを何者かに殺害されたのです。その時、中也と玄児は屋敷の中で怪しい人影を見つけます。それは近所の村に住む一朗という少年でした。一朗は、村で敬遠されている暗黒館をひと目みようとやって来て、いつの間にか島に取り残されてしまったのです。
嵐の中、島との連絡手段である船は壊れてしまい、島の裏手にあった老朽化した橋も一朗が渡ったことで壊れてしまいました。さらに雷雨が原因なのか、外部へも電話が繋がりません。
屋敷は湖の中に、完全に孤立してしまったのです。その島で、この先どんな事件が起きるのでしょうか!? そして、既に起きた殺人事件の犯人は一体誰なのでしょうか!?
とりあえず、上巻だけ読み終えたところでは、推理小説というより、怪奇と幻想小説といった感じでした。おどろおどろしい屋敷と人々の描写が、なんとも無気味でした。
ただ、その中でちょっとうれしかったのは、これまでの館シリーズに登場した人物や屋敷の名前が、時折顔を見せてくれることでした。さらに、これまでのシリーズには登場しない、瀬戸内海にあるという中村青司の館の存在も明らかになっています。その館を舞台にした物語が、別のシリーズとして書かれるのでしょうか!? それとも、その屋敷はこの暗黒館と深い関わりがあるのでしょうか!?
最終更新日 : 2022-10-30