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2021-01-28 (Thu) 14:54

陰摩羅鬼の瑕/京極 夏彦


京極夏彦さんの「陰摩羅鬼の瑕」を読み終えました。

この本は先に読んだ「邪魅の雫」以前に起きた事件を描いたものです。「邪魅の雫」を読んでいる時、記憶にない登場人物がいたので不思議に思ったら、この本を読み忘れていたのでした。(^^;

今回の事件は、元華族で鳥の城と呼ばれる屋敷で起きた殺人事件です。屋敷の当主・由良昂允は、これまでに4回花嫁を迎えていました。ところが、その4回とも新婚初夜の翌日に、花嫁が不可解な死を遂げていたのです。警察の捜索にも関わらず、ついに犯人はみつかりませんでした。

そんな由良伯爵が、5回目の花嫁を迎えようとしていました。花嫁を守るために、探偵・榎木津が屋敷に呼ばれましたが、榎木津は視力を失っていて、その介添えとして小説家の関口が同行しました。

先に呼んだ「邪魅の雫」では、関口の出番が少なかったですが、この作品では物語の主要な語り手の1人です。今回特に面白かったのは、出版社を訪問しようとした関口が途中で横溝正史と出会い、会話を交わす場面があったことです!

いつものように、物語はあちらこちらへと飛びながら、事件の不可解さが深まってゆきます。最終的には京極堂が現れて、いつものように事件の真相を解き明かします。でもそれまでに、ハイデガーの存在論にまつわるエピソードがあったり、日本の生活の深いところに儒学が根づくのに林羅山の影響が示されたりと、事件以外の部分のやり取りも面白かったです。

最終更新日 : 2022-10-30

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