10年以上ぶりに、京極夏彦さんの京極堂シリーズを読み終えました。最初は文庫で読もうと思ったのですが、このシリーズはレンガのようなノベルズ版でないとこれじゃない感があったので、図書館でノベルズ版を借りて読みました。(^^;
物語は青酸カリによる連続毒殺事件と、薔薇十字探偵社の見習い(?)益田が榎木津の縁談が破談になる理由を調べることになるところから始まります。その過程で毒殺事件に使われた青酸カリは、特殊なものであることがわかります。そして益田も榎木津の縁談相手を調べるうちに、毒殺事件に関わることになりました。
例によってボリュームのある作品でしたが、語り口の上手さもあって引き込まれました。作中で過去の事件が何度も言及されますが、さすがに10年以上前に読んだ作品の詳細まで覚えていませんでした。そんな事件もあったかな〜くらいの認識で読み進めましたが、それでも普通に楽しむことができました。
今回ちょっと残念だったのは、事件の核心らしきものにお話の中盤あたりで気づいてしまったことです。登場人物は事件に右往左往していますが、なかなか核心に迫ってくれなくて少しイライラしました。
またノベルズ版の第1刷を読んだせいもあるのでしょうが、登場人物の名前が途中で誤表記されていたのも残念でした。長い物語ですが、一度通読すればわかるレベルの確認さえせずに出版したのかと、テンションが下がりました。
というわけで、物語としては面白かったですが、シリーズ中でのクオリティは少し低く感じました。
最終更新日 : 2022-10-30