【WEEKEND PLUS】(572) 安全を脅かすJALの拡大路線…定時運航率低下の陰で“機材不足”の指摘
航空機の運航便数がコロナ禍前の水準に戻る中で、『日本航空(JAL)』の運航体制について不安を指摘する声が出ている。航空会社が運航の目標にするのは“定時運航率100%”。実際には不可能だが、乗務員のみならず、整備や陸上作業員を含めて、オンタイムでの離陸を目指している。
月単位で集計されるJALの定時出発率は、コロナ禍前の2019年までは国内線、国際線共に90%に近く、80%台後半を維持することが多かった。しかし今年は、軒並み80%台前半にとどまるケースが増加。JALの関係者は「一因は、機材をギリギリで回している為」と指摘する。実際、「機材故障や修理で代替機がなく、遅延するケースが増えている」(JALの操縦士)との声も聞こえる。
JALは新たな機材導入計画を進めているが、一方で運航路線や便数も増やす為、機材の余力が乏しい状況が続く。当然、整備現場の負担も増え続けている。「今の強引な拡大路線にブレーキをかけなければ、無理が祟って安全を脅かしかねない」(前出の関係者)との声も出ている。
2024年12月号掲載