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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
第五福竜丸保存館
ふとしたことから、Webで、夢の島に「第五福竜丸保存館」なるものがあることを知って、月曜祝日に新木場まで。昭和29年、ビキニ環礁で行われたアメリカ軍の水爆実験で被災し、「死の灰」を浴びたマグロ漁船。

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もともと焼津の漁船だったらしいが、今は夢の島公演にある東京都の施設に収まっている。入場無料。それにしても、当時は、こんな小さな木造船で赤道近くまでマグロを獲りに行ってたとは。

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第五福竜丸の経路図。それにしても、ずいぶん長い距離を移動してるもんだ。

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第五福竜丸が死の灰を浴び、全員がβ線被曝による火傷病状を示し、乗組員一名が放射能症により死亡した事により、当時の日本は一種の放射能恐怖で覆われる。遠洋漁業で獲ったマグロは「原爆マグロ」「原子マグロ」と呼ばれて忌避され、新聞には連日放射能関連記事が踊った。

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1945年7月に人類史上初の核実験。原爆が兵器として実用化され、広島、長崎で実際に人類に対して使われてからも、2,000回以上の核実験が行われている。まさしくアトミック・エイジ。実験の半分はアメリカ。ソ連が715回。中国が45回。核実験が一番多く行われたのが1961年。地球環境は核実験によって汚染され続けてきた。

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農水省がビキニ環礁放射能調査に派遣した船に詰まれた日本最初のシンチレーション検査機。当時の放射線報道は、すべて「cpm」のカウント数で行われている。福一事故後の新聞報道をまるで彷彿とさせる報道が、60年も前も同様に行われていた。しかし、血を吐いてバタバタ倒れたり、次々奇形児が生まれたりせず、我々はちゃんと生き延びている。人間は割と強くできてるなあとの感慨あり。

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第五福竜丸は、その後改造されてまた使われるもやがて退役。しかし貴重品であったエンジンは外されてべつの船に搭載され、遭難で海底に沈む事に。その後、第五福竜丸関連記念物保存の機運により海底から引き上げられたのだとか。数奇な運命を辿ったエンジンは、鉄の塊と化して、まるで古代遺跡のような奇怪が姿をさらしている。「ナウシカ」に似たような古代宇宙船の遺跡が出てきたよなあ(笑)