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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 軍事ライターの文谷です
 コミケでは隅田金属ででています。評論情報です。

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2010.10
29
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21:24
Category : コミケ
当籤しました。
隅田金属ぼるじひ社は 金曜日(3日目) 東地区 "Q" ブロック 52b です。

新刊は 『国後島はソ連の限界 日本に攻め込む余裕はない』 を出す予定です。
余裕があれば、水中翼船本かコンテナ本か港湾本かなにかも出せればよいかと。
2010.10
29
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21:23
Category : 有職故実
 フランスで、その年の最後の麦、一番最後に残った麦を一束刈り取るときにお祈りをするらしい。『狼と香辛料』にあったアレなのだが、それと全く同じ習慣がオーストリア・チロル地方にもある。『季刊民族学』バックナンバー中、たまたま読んだチロル地方にある山村生活を紹介する記事で発見した。全く同じことをやっている。たぶん、凡ヨーロッパ的な習慣なんだろうね。
 収穫と信仰の関係では、脱穀した麦を保存箱に入れ、蓋をする前に小麦の天端を均したあとに十字を描く。どこの国でも、百姓は神様を大事にしている。ただし、近代化されると神様が軽んじられることも万国共通らしい。チロルの百姓のせがれは最後に残った一束を刈り取る際にお祈りはせず、麦をしまう時も十字は描かない。残念なことだけれども。
 このレポートでは、チロル地方の山村がかつて経済的に厳しかったことを色々示している。

● 1904年まで、豚は飼育できなかった。
 ・ 農地に余力がなく、豚用飼料を生産できなかったため。

● 家畜はあくまでも役畜、あるいは毛や乳製品を得るために飼育していた。
 ・ 家畜も食肉用に潰すことはほとんどなかった。
  → 農民は肉をほとんど口にできなかった。

● 靴は高級品であり、厳冬期だけ、あるいは訪問するときだけ、履くものであった。
 ・ 戦後になっても、靴は日常的に履けるものではなかった。
  (普段はサボかなにかを履くのだろう)
 ・ 厳冬期は、「Rがつく月だけ」
 ・ 訪問先が近くなってから、靴は履く

● 戦前には、出稼ぎと奉公があった。

 ヨーロッパであっても、同じ時期の日本の農村部と大してかわらない様子。これに加えて、ヨーロッパ先進地帯※にある農村と比較できれば相当面白くなるのだがね。

※ ヨーロッパ先進地帯については、なんとなく、低地諸国、もしくはパリ-ロンドン-アムステルダムを結ぶ三角形の周辺部ではないかと。
2010.10
24
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23:01
Category : ミリタリー
『日本戦争経済の崩壊』の巻末資料より。
 TNT生産に関する項目だが、アメリカの生産性は日本の27倍高いことになっている。
 逆に見れば、日本がアメリカよりも27倍ほど割の合わない生産をしていたということになる。細部を見ても、原材料歩留、生産時間、ラインあたり生産量の全てにおいて日本はアメリカに劣る。これは科学技術の水準よりも、非効率な、非科学的で硬直した生産体制を漫然と放置した結果ではないか。

 日本では日華事変期より、生産量を確保が最優先だった。このため旧式の生産設備を廃止せず、原始的な設備に強制して集めた徴用工をあてがい生産させていた。経済性で立ち行かない分にも、国は補助を出し、或いは人件費を負担して生産させる。
 このような環境では、努力しなくても儲かる。このため経営者はなにも努力しない。

 石橋湛山が指摘しているとおり、軍国主義・全体主義下の日本では、経営者がアニマルスピリットを喪失している。経営者は、ただノルマだけを達成することを考える。あるいは、官僚機構から受注を取ることだけに努力する。
 製品の質は問われないから、歩留まりなんて関係ない。生産に必要な資源は労働力まで国家が融通してくれるし、買取価格も原価計算だから、コスト削減について何も努力しない。労働者にも、「非常時」という言葉を押し付ければ何でも言うことを聞くはずだから、そのモチベーションも待遇も何も考えない。

 これはソ連計画経済の失敗と同じ構図ではないか。生産上の隘路も、経済構造そのものの偏りも一杯あったのだろうが、なによりも特に生産意欲が全然刺激されていない。
 日本の低労働生産性は、ソ連末期の労働意欲低下と同根だろう。日本の徴用工もソ連の国営工場労働者も、ノルマをこなしたところで報償も達成感もない。だからモチベーションが湧かない。
 なによりも経営者が問題視しないところが癌なのだろう。低労働生産性が改善されないまま、非効率な生産体制が存続してしまうのだろう。

(MIXI日記2009年01月07日より)

2010.10
20
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20:05
Category : ミリタリー
 兵力とか装備とかではなくって、タフネスさについて。

 韓国軍って精強とか言われているじゃない。なんのためか分からないけどシゴキとかもやっている。強面にもなるだろうね。対して台湾軍って「まあ、適当に」とノホホンとしていると聞く。鈴木謙介氏のラジオからの伝聞だと、兵隊も「大陸と戦争! それ本気かね?」という感じらしい。
 韓国軍の方が強いというイメージになる。

 しかし、韓国軍の体質が旧日本軍(シゴキ・イジメ)の継承だとしたら、案外脆いのではないのか。シゴキ・イジメ主義で軍隊のタガが締まっていれば精鋭かもしれないけれども、何かの拍子でそのタガが外れると、フィリピンやニューギニアでの日本軍隊がそうなってしまったように軍隊そのものの体を為さなくなるんじゃないのか。さらに、日本軍隊の欠点、柔軟性がない、単純な教条主義、過度の精神主義といった点もそのまま引き継いでいるのではないか。

 対して台湾軍の正体は中華民国陸軍、文字通り民国軍である。傘を差すとか鍋釜を背負ってくるとか天秤担いでやって来る兵隊というイメージがある。けれども、その戦いぶりは「中国兵は世界最強の歩兵」(日本軍の評)とも言われていた。「下がるけど負けない」とか、「なんだかんだいって退却に成功する」とか、そういう意味でタフネスではないかと。

 普段からシャチホコ張ってイニシエーションに一生懸命な軍隊と、普段はヘダラだけれども芯が通った伝統がある軍隊なのではないかね。両者を較べると、真に困難な状況では後者の方が強いのではないかと。
 韓国軍の戦争経験には、朝鮮戦争とベトナム戦争がある。特にベトナム戦争では精強といわれたかもしれないけれども、強力な米軍支援の下での「精強」なのではないかと。朝鮮戦争初期を除けば、真に困難な状況に行き当たっていない。そして朝鮮戦争初期の、真に困難な状況では、あまり精強とはいえない。
 対して、台湾軍は単独(八路とか新四もいたけど)で日帝と戦いぬいている。米軍航空部隊等の支援もあったが、それほど強力でもない。金門も馬祖も直接的な米軍支援なしで、自軍だけで耐え切っている。
 こう考えると、台湾軍侮りがたしではないかな。
2010.10
16
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01:28
Category : ミリタリー
 沿岸防衛に使われるミサイル艇だが、フリゲートや駆逐艦(以降、大型艦)に勝つことは難しいのではないか。
 ミサイル艇が勝利(一方的な勝利ね)を収めるためには、先制し、ミサイルが相手の防空網を突破し、反撃不能な損害を与えなければならない。
 しかし、最初に先制する段階からして難しい。ミサイル艇のレーダは低い。レーダをより高い位置に設置できる大型艦に対して不利である。レーダの探知距離からすれば、大型艦がミサイル艇を先に見つけるだろう。また大型艦の多くは艦載ヘリを持っている。ミサイル艇が大型艦を先に見つけることは容易ではない。
 また、ミサイル艇側からすれば、発射したミサイルが大型艦の防空網を突破できるかどうかも問題になる。規模や役割によるが、フリゲート以上であれば、少なくとも自艦防空ミサイルや両用砲、CIWSを備えている。ミサイル艇側の攻撃は、これらの対艦ミサイル防御に防がれる可能性が高い。
 さらに、仮に当たったとしても、それで相手が反撃不能になるかどうか。船体規模にもよるが、1発2発が命中したところで、大型艦の継戦能力を奪えるどうかは分からない。
 ミサイル艇が勝つことは相当難しい。

 そして、以上3点をサカサマにすると、ミサイル艇が生き残れる可能性はずいぶん低い。そのように見える。
 まず、大型艦とその艦載ヘリが先にミサイル艇を発見する可能性が高い。ミサイル艇側はむしろ先制攻撃を受ける側になるだろう。また、ミサイル艇側は有効な対艦ミサイル防御を持っていない。ミサイル艇側は、発射されたミサイルに対してCIWS程度の対空兵器しかもっていない。加えたとしても限定されたソフト・キルだけだ。そして、ミサイル艇は小型であるので容易に撃破されてしまう。ミサイル艇を撃破するためには小型の対艦ミサイルでも充分である。
 ミサイル艇が大型艦に勝つことは難しいが、大型艦は容易にミサイル艇に勝つことができるということだ。あるいは、ミサイル艇はよくて両者共倒れ。大型水上艦は完全試合を期待できるといってもよい。

 当たり前といえば、当たり前の話である。今のミサイル艇は魚雷艇の子孫であり、大型艦は駆逐艦の子孫である。今の大型艦の先祖は駆逐艦(DD)であり、さらにその先祖は水雷駆逐艦(TBD)、つまりトーピード・ボート・デストロイヤーである。魚雷艇の類は勝ち目は薄い。前の戦争中も、MBTやMASやPTの類は、概ね駆逐艦に駆逐されている。
 対艦ミサイル登場の黎明期、一時的に小型艇側だけが対艦ミサイルを持っていた時期であれば、ミサイル艇が大型艦に勝てたかもしれない。だが、大型艦側が対艦ミサイルを装備した後には、ミサイル艇は駆逐される存在に戻っているといってよい。
 結局、ミサイル艇では大型艦に勝てないのである。
2010.10
12
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02:48
Category : 昭和の新聞
 昭和58年に報道されたクーデター未遂事件について。
 もちろん空中楼閣である。クーデター未遂事件は、空自の幹部を称する人間が東京新聞にタレこんだ形になっている。その内容は悉く荒唐無稽なのだが、中でも一番不自然なのが「海自の人間が憤っている」という、その憤りの内容である。

「(海自の同志がいうには)シーレーンを守れということは、公海上で敵艦を撃沈しろということですよ。アメリカは必ずそれをやります。冗談じゃない、日本の山河を守るためには死んでもよいが…」(自称「空自幹部」)

 ここについて、海自が「公海で戦うことを忌避している」とする所が不自然。海自がどこで戦うかだが、戦時に領海だけを守る、領海に限定して戦うなんて考えはない。自称「空自幹部」は、実際の海上作戦の様態を全然知らずに、専守防衛という言葉にひきづられている。 昭和40年代の国会答弁「海からの侵攻に対処するのが海上自衛隊」と同じくらいピントが外れている。

 この陳述を見る限り、少なくとも海の関係者はいない……まあ、そもそも空中楼閣なんだけどね。
2010.10
12
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02:01
Category : 有職故実
 海軍兵学校、機関学校、経理学校の生徒を総称して海軍生徒と呼ぶ。海軍予備士官制度との兼ね合いから高等商船も海軍生徒としての取り扱いを受ける。この海軍生徒の募集記事を昔の官報で見つけた。
 学歴は問わない。ただし既婚者はだめ。そういった内容であるが、身体検査の基準もある。デブやチビ、虚弱者、既往症のあるものは駄目、これは分かる。しかし「極度に腋臭(わきが)の強いもの」(大意)も駄目というのは気の毒。

 実際には、麝香腺がついているんじゃないかというほとスゴイ腋臭の持ち主はいる。閉鎖空間で一緒にされたら堪らないかもしれない。
 しかし、それを欠落事項とまでするのは、如何なものかね。それとも戦前にも腋臭の手術があって、海軍生徒目指すヤツは事前に処置をしたのだろうか。

2005年07月30日 MIXI日記より
2010.10
08
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00:30
Category : オカルト
 『戦時下抵抗の研究』同志社大学人文科学研究所編(みすず書房)より。
 この本は戦時下にキリスト者が信仰を保持しようとした記録であるが、実際には日本の思想統制のお粗末が目立つ内容になっている。不謹慎だが「ギャグじゃね?」ってエピソードが一杯載っている。

 戦時下の日本では、思想統制のため、キリスト教徒に信者団体の結成(日本基督教団)を命じた。その是非はおいても、体制側の行動としては理解の範囲にあるだろう。
 しかし、法的な枠組みとなる宗教団体法制定の段階で、理解に苦しむような発言が出ている。衆議院での政府答弁に「教義上、神社参拝を拒み、人を参拝させないようにする宗教は、国家の安寧秩序を紊すもの」とある。制定前の段階で国家神道原理主義というか、神がかり右翼の片鱗が既にあきらかになっているのである。

 宗教団体法施行後、日本基督教団に対する国家の指示も、神がかりなお粗末さ。
 例えば、戦勝祈願で伊勢神宮参拝を指示している。日本基督教団は、痛くもない腹を探られたくないから、辛抱して出たらしい。
 また宗教統制のために神道「神ながら」講習をやるから、代表者を出せと指示を出している。日本基督教団もしぶしぶ代表者を出したが、毎日「大祓い、拍手、榊まわし」で1ヶ月の講習であった。そして講習終了時に神道免許を交付され「全国でキリスト教を伝道してよい」と言われたという。

 そして、戦争末期となると神がかりも過激になる。「キリスト教の教義について、天皇はキリストの上であると明言して欲しい。そもそも『キリストの復活』は非科学的である」(文部省教学部長から日本基督教団へ)
 さすがに、温厚なキリスト者も怒り心頭となった。
「天皇にしても、リアルで神様というわけではないだろう」と一喝。「我々も天皇は国家の統一者として尊敬している。それに疑念があるのか? こちらにも(殉教する)覚悟がある」(統理)と啖呵を切ったらしい。
 もちろん、文部省教学部長は腰砕け。この話は沙汰止みとなった。

 戦時下日本の宗教統制は、弾圧という悲劇を超えて喜劇的でさえあった。

 もちろん、悲惨な例も一杯ある。キリスト者の中には、隣組の月例護国神社参拝を断って、警察にしょっ引かれた人もいる。その挙句、おそらく発作的だろうけれども、ついに自決してしまった例は気の毒で仕方がない。日本基督教団も、戦時下の挙国体制に含むところはない。神社参拝は理不尽だけれども、痛くもない腹を探られたくもないので、儀式と割り切って我慢する方針だったらしい。

 日本の思想統制、その中でも宗教統制は失敗だったと言えるだろう。

 ちなみに内務省の出版警察・神祇院は、神道原理主義に染まった文部省とは対照的であった。神がかり的な言論に対して、内務省は「神道の教義上妥当性はない」とその跋扈を押さえる立場を取っていたという。これは内務省の良識だったと言えるだろう。
2010.10
04
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11:05
Category : ミリタリー
『マルベリー人造港と浮体桟橋』(JSF氏)ですけど。周辺国にできないことを並べても仕方がありません。大規模な仮設港湾なんて作るのも、運ぶのも、設置するのも無理です。上陸部隊の輸送力があまりにも貧弱なので、商船を使う方法を考えたのでしょう。5つほど列挙していますけど、2~4は無理です。1と5も能力上、現実味はない。
 日本には着上陸の危機はありません。日本の海軍力は周辺国の上陸部隊を寄せ付けません。日米同盟で考えれば、外洋での戦力は絶対的です。そもそも、なんで日本を攻めないといけないのかですね。中途半端な戦力を日本に揚げても全滅予定部隊です。日本の恨みを買うだけ。周辺国からすれば「下手に手を出すと日本人が復讐にやってくる」と思います。かつて日本は周辺国全部に暴風を吹かせた国ですからね。

 戦車教団のたわごとはともかく。今回の「周辺国!日本上陸!!」で気になったのは、周辺国は対機雷戦をどう考えているのかです。あんな少ない数でどうするのかと。『攻勢機雷戦という方法もある』で書いたのですけど、周辺国って対機雷戦の備えを全然していない。大国であっても、掃討ができそうな艦艇は極東ロシアで7隻、中国で5隻に過ぎない。

 具体的にね。被害妄想のシチュエーション。日本に攻めるというトンチンカンな話を考えても、絶望的に少ないことが分かるでしょう。日本の海空戦力をどうかいくぐるかはともかく、上陸海岸の近くで掃海する。あの程度の揚陸戦力ではまず無理だけれども、奇跡的に港湾をとって掃討する。それにしても7隻・5隻のうちどれだけ派遣できるのか。周辺国も日米側が攻勢機雷戦を仕掛けたときに備えて、掃海艇は自国港湾に張り付ける必要がある。これでは日本や日米同盟と戦争できません。

 日本侵攻のような妄想はこれまでとして。それ以前に中露って米国に攻勢機雷戦を仕掛けられたらどうするつもりなのかと。対機雷戦の主流となった掃討にしても、いきなりは出来ないみたいです。"Coastal Force"(Brassy's)によると、掃海艇であらかじめ"Route Survey"をしておかないと、機雷を見つけることが難しいらしい。機雷が落ちるまえの、航路の海底状況を把握しておかないといけないのでしょう。極東ロシアの7隻も少ないけど、さらに中国の5隻は、主要港湾の数よりも少ないのでは、どうしようもない。

 中露とも、機雷をばら撒くのは得意ですね。でも、対機雷戦には相当の無頓着です。対機雷戦も対潜戦も、一回、飢えてみないと分からないのでしょう。


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以下、追記です
某S氏さんへ

ピント外れながらも、ウチの記事を紹介してくれるのは嬉しいのですけど
http://bosc1945.seesaa.net/article/164690026.htmlで
ウチの記事、全文そのままコピーは非常識じゃないの?
しかも、言いたいのって「■まだ「攻勢機雷戦」とか言ってるわけですか・・・。」だけでしょう?
とうてい正当な引用とは言えませんね。

http://bosc1945.seesaa.net/article/161041495.htmlも同じですね。
無断転載ですよ、当該記事2件を消してくださいね。
愛国精神もけっこうですけど、法律も守りましょうね

2010年10月4日午後11時30分 文谷
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::more
2010.10
01
CM:4
TB:1
23:10
Category : ミリタリー
揚陸作戦で民間船を活用する中国海軍』(JSF氏)で、ゆとり上陸作戦理論の自己否定を見つけたので少々。

 まず、RORO船から海岸までポンツーンを伸ばすという方法について。
 JSF氏は写真があれば何でも可能だと信じてしまうのでしょう。そして、その写真に存在しないものを想像できない。それが氏の限界です。

 この方法では、風でRORO船が振れ回ったらオシマイです。それに気づいていない。また写真が示しているのは平穏な海面です。自信満々なJSF氏ですが、波がないことに気づいていない。このような海上作業は風が10m/sでも吹けば困難です。好天以外では使いものにならない不確実な方法に過ぎません。
 さらに、ポンツーンとRORO船の結合の手間にも気づかない。岸壁と係船柱がないのです。船にポンツーンを寄せるのか、ポンツーンを船に向けて伸ばすのか。1隻目はともかく2隻目以降の結合は容易ではない。どっちにしても搭載車両を送り出す時間の数倍はかかります。
 ポンツーン総延長も想像できないのでしょう。仮に吹上浜ならば-10mの等深線から海岸までは1マイルもある。10mのポンツーンならば200セットは必要です。それをどう運ぶのか。風潮流で流されないように押さえるタグボートが(まさか数日かけてアンカーで固定しないでしょう)どれだけ必要になるか。展開の人手はどうか。だいたい、これだけで船団一つ分です。どうやって護衛するのか。周辺国の海軍力では、同時に2船団の護衛は不可能です。
 そもそも敵前でこんな大作業を悠長にできるどうか。それを疑問に思わない。そこまで頭が廻らないのも、JSF氏の欠点です。氏とそのお仲間は、兵器の性能や戦術ばかりを有難がって、ロジスティクスを軽視しているのです。お話になりませんね。



 あとは、JSF氏はいつものとおり原典に当たりもせずに批評しています。
 JSF氏は『民間船舶を徴用する中国軍の上陸作戦』を根拠にしていますが、その大元である『台湾問題 中国と米国の軍事的確執』を読んでいないことは明らかです。元ネタである『台湾問題 中国と米国の軍事的確執』では、人民解放軍がこれをやるのは『台湾海峡の制空権と制海権を掌握した後の補給支援』(4頁)と明記されています。これで敵前上陸をするわけではない。ましてや制海権も制空権も掌握できていない外洋に出てくるわけでもない。
 読まずに伝聞だけで批評すると、こういう場違いで恥ずかしい発言に繋がるのです。



 いずれにせよ、JSF氏の「ゆとり上陸理論」はどんどん崩壊しています。
 今回の記事でも、JSF氏は自ら墓穴を掘っています。氏が提示したネット資料の中に、人民解放軍が何故このような面倒な手段を考えるに至ったが明記されています。『埠頭のない条件下での大量の戦車・装甲車・各種火砲を迅速に上陸させる重要な難題』です。港湾確保ができない。あるいは港湾破壊をされた結果、このような難題に行き当たるということです。
 今回の記事『揚陸作戦で民間船を活用する中国海軍』は、従来のJSF氏主張「港湾確保・利用は可能」「港湾破壊は不可能である」からの後退です。JSF氏の記事は、自己否定の連続なのです。

 まず最初の「ゆとり上陸理論」です。JSF氏は港湾直接侵攻や空港直接侵攻のような夢物語※を語っていました。ですが、中途からその誤り気づいたのでしょう。ダンマリを決めています。
http://obiekt.seesaa.net/article/160630871.html

 その後は、喫水の浅いRORO船を動員すれば、どんな港にも入れると方向転換しました。しかし、列挙したフネはことごとく東京湾フェリークラスの類※※です。これもなかった事にしています。
http://obiekt.seesaa.net/index-2.html

 そして、今回の仮設港湾です。従来の主張「港湾破壊は不可能である」が崩れたのです。港湾破壊が現実味を持っていることに気づいたのです。
 そもそも港湾が奪取できる。そしてそのまま利用できるという想定が非常識であること。無知を晒していることに気づいたのです。もう二度と「港湾破壊は不可能」と妄言を吐くことはないでしょう。

 JSF氏は上陸戦について発言するたびに、従来の主張を自己否定しているのです。毎回、喜び勇んで「新情報を掴んだ」と記事にします。しかし、それは「前に紹介した方法は駄目だった」と否定している。喜劇ですね。


 周辺国が日本の海空戦力を相手にして上陸戦を行うことは不可能です。その上、日本には米国との同盟関係があります。日米の外洋作戦能力は周辺国を圧倒しています。そもそも周辺国が日本に上陸戦を仕掛けること自体が無理なのです。
 この点を理解せず、10式可愛さに眼がくらんだのが「ゆとり上陸戦理論」です。繕えば繕うほど、JSF氏は無知を晒しているのです。




 『港湾への直接揚陸を仕掛けたドイツ軍のノルウェー侵攻作戦ヴェーゼル演習という例も過去の戦史にはあります。空挺軍で空港を奪取して空輸という、アフガン侵攻の例すらあります。』(JSF氏)
(http://obiekt.seesaa.net/article/160630871.html)

※※「プッシャーバージ船とは合体式の輸送船で、バージ(台船)とプッシャー(押し船)が結合した合体状態では通常船舶に近い航洋能力を有しています。』(JSF氏)
参考資料で提示したのは「内航フェリー」であり、平水用の船舶である。
(http://obiekt.seesaa.net/article/162482629.html)