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- » 2010 . 11
Category : ミリタリー
『揚陸作戦で民間船を活用する中国海軍』(JSF氏)で、ゆとり上陸作戦理論の自己否定を見つけたので少々。
まず、RORO船から海岸までポンツーンを伸ばすという方法について。
JSF氏は写真があれば何でも可能だと信じてしまうのでしょう。そして、その写真に存在しないものを想像できない。それが氏の限界です。
この方法では、風でRORO船が振れ回ったらオシマイです。それに気づいていない。また写真が示しているのは平穏な海面です。自信満々なJSF氏ですが、波がないことに気づいていない。このような海上作業は風が10m/sでも吹けば困難です。好天以外では使いものにならない不確実な方法に過ぎません。
さらに、ポンツーンとRORO船の結合の手間にも気づかない。岸壁と係船柱がないのです。船にポンツーンを寄せるのか、ポンツーンを船に向けて伸ばすのか。1隻目はともかく2隻目以降の結合は容易ではない。どっちにしても搭載車両を送り出す時間の数倍はかかります。
ポンツーン総延長も想像できないのでしょう。仮に吹上浜ならば-10mの等深線から海岸までは1マイルもある。10mのポンツーンならば200セットは必要です。それをどう運ぶのか。風潮流で流されないように押さえるタグボートが(まさか数日かけてアンカーで固定しないでしょう)どれだけ必要になるか。展開の人手はどうか。だいたい、これだけで船団一つ分です。どうやって護衛するのか。周辺国の海軍力では、同時に2船団の護衛は不可能です。
そもそも敵前でこんな大作業を悠長にできるどうか。それを疑問に思わない。そこまで頭が廻らないのも、JSF氏の欠点です。氏とそのお仲間は、兵器の性能や戦術ばかりを有難がって、ロジスティクスを軽視しているのです。お話になりませんね。
あとは、JSF氏はいつものとおり原典に当たりもせずに批評しています。
JSF氏は『民間船舶を徴用する中国軍の上陸作戦』を根拠にしていますが、その大元である『台湾問題 中国と米国の軍事的確執』を読んでいないことは明らかです。元ネタである『台湾問題 中国と米国の軍事的確執』では、人民解放軍がこれをやるのは『台湾海峡の制空権と制海権を掌握した後の補給支援』(4頁)と明記されています。これで敵前上陸をするわけではない。ましてや制海権も制空権も掌握できていない外洋に出てくるわけでもない。
読まずに伝聞だけで批評すると、こういう場違いで恥ずかしい発言に繋がるのです。
いずれにせよ、JSF氏の「ゆとり上陸理論」はどんどん崩壊しています。
今回の記事でも、JSF氏は自ら墓穴を掘っています。氏が提示したネット資料の中に、人民解放軍が何故このような面倒な手段を考えるに至ったが明記されています。『埠頭のない条件下での大量の戦車・装甲車・各種火砲を迅速に上陸させる重要な難題』です。港湾確保ができない。あるいは港湾破壊をされた結果、このような難題に行き当たるということです。
今回の記事『揚陸作戦で民間船を活用する中国海軍』は、従来のJSF氏主張「港湾確保・利用は可能」「港湾破壊は不可能である」からの後退です。JSF氏の記事は、自己否定の連続なのです。
まず最初の「ゆとり上陸理論」です。JSF氏は港湾直接侵攻や空港直接侵攻のような夢物語※を語っていました。ですが、中途からその誤り気づいたのでしょう。ダンマリを決めています。
http://obiekt.seesaa.net/article/160630871.html
その後は、喫水の浅いRORO船を動員すれば、どんな港にも入れると方向転換しました。しかし、列挙したフネはことごとく東京湾フェリークラスの類※※です。これもなかった事にしています。
http://obiekt.seesaa.net/index-2.html
そして、今回の仮設港湾です。従来の主張「港湾破壊は不可能である」が崩れたのです。港湾破壊が現実味を持っていることに気づいたのです。
そもそも港湾が奪取できる。そしてそのまま利用できるという想定が非常識であること。無知を晒していることに気づいたのです。もう二度と「港湾破壊は不可能」と妄言を吐くことはないでしょう。
JSF氏は上陸戦について発言するたびに、従来の主張を自己否定しているのです。毎回、喜び勇んで「新情報を掴んだ」と記事にします。しかし、それは「前に紹介した方法は駄目だった」と否定している。喜劇ですね。
周辺国が日本の海空戦力を相手にして上陸戦を行うことは不可能です。その上、日本には米国との同盟関係があります。日米の外洋作戦能力は周辺国を圧倒しています。そもそも周辺国が日本に上陸戦を仕掛けること自体が無理なのです。
この点を理解せず、10式可愛さに眼がくらんだのが「ゆとり上陸戦理論」です。繕えば繕うほど、JSF氏は無知を晒しているのです。
※ 『港湾への直接揚陸を仕掛けたドイツ軍のノルウェー侵攻作戦ヴェーゼル演習という例も過去の戦史にはあります。空挺軍で空港を奪取して空輸という、アフガン侵攻の例すらあります。』(JSF氏)
(http://obiekt.seesaa.net/article/160630871.html)
※※「プッシャーバージ船とは合体式の輸送船で、バージ(台船)とプッシャー(押し船)が結合した合体状態では通常船舶に近い航洋能力を有しています。』(JSF氏)
参考資料で提示したのは「内航フェリー」であり、平水用の船舶である。
(http://obiekt.seesaa.net/article/162482629.html)
まず、RORO船から海岸までポンツーンを伸ばすという方法について。
JSF氏は写真があれば何でも可能だと信じてしまうのでしょう。そして、その写真に存在しないものを想像できない。それが氏の限界です。
この方法では、風でRORO船が振れ回ったらオシマイです。それに気づいていない。また写真が示しているのは平穏な海面です。自信満々なJSF氏ですが、波がないことに気づいていない。このような海上作業は風が10m/sでも吹けば困難です。好天以外では使いものにならない不確実な方法に過ぎません。
さらに、ポンツーンとRORO船の結合の手間にも気づかない。岸壁と係船柱がないのです。船にポンツーンを寄せるのか、ポンツーンを船に向けて伸ばすのか。1隻目はともかく2隻目以降の結合は容易ではない。どっちにしても搭載車両を送り出す時間の数倍はかかります。
ポンツーン総延長も想像できないのでしょう。仮に吹上浜ならば-10mの等深線から海岸までは1マイルもある。10mのポンツーンならば200セットは必要です。それをどう運ぶのか。風潮流で流されないように押さえるタグボートが(まさか数日かけてアンカーで固定しないでしょう)どれだけ必要になるか。展開の人手はどうか。だいたい、これだけで船団一つ分です。どうやって護衛するのか。周辺国の海軍力では、同時に2船団の護衛は不可能です。
そもそも敵前でこんな大作業を悠長にできるどうか。それを疑問に思わない。そこまで頭が廻らないのも、JSF氏の欠点です。氏とそのお仲間は、兵器の性能や戦術ばかりを有難がって、ロジスティクスを軽視しているのです。お話になりませんね。
あとは、JSF氏はいつものとおり原典に当たりもせずに批評しています。
JSF氏は『民間船舶を徴用する中国軍の上陸作戦』を根拠にしていますが、その大元である『台湾問題 中国と米国の軍事的確執』を読んでいないことは明らかです。元ネタである『台湾問題 中国と米国の軍事的確執』では、人民解放軍がこれをやるのは『台湾海峡の制空権と制海権を掌握した後の補給支援』(4頁)と明記されています。これで敵前上陸をするわけではない。ましてや制海権も制空権も掌握できていない外洋に出てくるわけでもない。
読まずに伝聞だけで批評すると、こういう場違いで恥ずかしい発言に繋がるのです。
いずれにせよ、JSF氏の「ゆとり上陸理論」はどんどん崩壊しています。
今回の記事でも、JSF氏は自ら墓穴を掘っています。氏が提示したネット資料の中に、人民解放軍が何故このような面倒な手段を考えるに至ったが明記されています。『埠頭のない条件下での大量の戦車・装甲車・各種火砲を迅速に上陸させる重要な難題』です。港湾確保ができない。あるいは港湾破壊をされた結果、このような難題に行き当たるということです。
今回の記事『揚陸作戦で民間船を活用する中国海軍』は、従来のJSF氏主張「港湾確保・利用は可能」「港湾破壊は不可能である」からの後退です。JSF氏の記事は、自己否定の連続なのです。
まず最初の「ゆとり上陸理論」です。JSF氏は港湾直接侵攻や空港直接侵攻のような夢物語※を語っていました。ですが、中途からその誤り気づいたのでしょう。ダンマリを決めています。
http://obiekt.seesaa.net/article/160630871.html
その後は、喫水の浅いRORO船を動員すれば、どんな港にも入れると方向転換しました。しかし、列挙したフネはことごとく東京湾フェリークラスの類※※です。これもなかった事にしています。
http://obiekt.seesaa.net/index-2.html
そして、今回の仮設港湾です。従来の主張「港湾破壊は不可能である」が崩れたのです。港湾破壊が現実味を持っていることに気づいたのです。
そもそも港湾が奪取できる。そしてそのまま利用できるという想定が非常識であること。無知を晒していることに気づいたのです。もう二度と「港湾破壊は不可能」と妄言を吐くことはないでしょう。
JSF氏は上陸戦について発言するたびに、従来の主張を自己否定しているのです。毎回、喜び勇んで「新情報を掴んだ」と記事にします。しかし、それは「前に紹介した方法は駄目だった」と否定している。喜劇ですね。
周辺国が日本の海空戦力を相手にして上陸戦を行うことは不可能です。その上、日本には米国との同盟関係があります。日米の外洋作戦能力は周辺国を圧倒しています。そもそも周辺国が日本に上陸戦を仕掛けること自体が無理なのです。
この点を理解せず、10式可愛さに眼がくらんだのが「ゆとり上陸戦理論」です。繕えば繕うほど、JSF氏は無知を晒しているのです。
※ 『港湾への直接揚陸を仕掛けたドイツ軍のノルウェー侵攻作戦ヴェーゼル演習という例も過去の戦史にはあります。空挺軍で空港を奪取して空輸という、アフガン侵攻の例すらあります。』(JSF氏)
(http://obiekt.seesaa.net/article/160630871.html)
※※「プッシャーバージ船とは合体式の輸送船で、バージ(台船)とプッシャー(押し船)が結合した合体状態では通常船舶に近い航洋能力を有しています。』(JSF氏)
参考資料で提示したのは「内航フェリー」であり、平水用の船舶である。
(http://obiekt.seesaa.net/article/162482629.html)