隅田金属日誌（墨田金属日誌）

　1時間半ほど、冷戦時代の『プラウダ』と格闘した。

　日本の新聞記事に「プラウダに三沢基地のF-16配備の論評があった」とかいてある。記事では月まではかいている。それを手がかりに探そうと考えた。

　露語なんかよめないけど、マイクロを流し読みすれば「MNCAWA」（Nは鏡文字のアレ）があるだろうていど気持ちでね。

　でも、でてきたのは合冊本でちょっと驚く。縮刷版でもなく、毎日の分を合本したもの。紙質も悪くはなく70-80kｇくらいの厚みがあるので操りやすい。なによりもマイクロと違って目に優しい。

　ただ、どうやってもみつからない。当該月は新聞休館日？を除いて20日分くらい、それぞれ毎日分で８ｐをめくったのだが見つからない。

　結局４往復した。「どこかで見落としているだろ」と当該月１日の各ページから眺めて、３０日の最終ページに到達すると逆に後ろからもどってを繰り返した発見した。格変化なのか形容詞化なのか知らないが「MNCABbI」になってた。読むとF16の語があるから、まずはコレだろう。

　もちろん内容なんかわからないあとはGoogleレンズなりOCRでDEEPL先生なりCHATGPTに教えてもらうしかない。

　なんにせよ、ラテン文字と似た形で音が違うあたりが却って癪、チェロキー文字ほどではないけど、眼が拒絶する。

　ただ、４往復を見ていると構造は見えてくる。

　１　マンガは反米、米国批判の風刺だけ
　２　写真はあまりない、下手すると見開き全部が文字でイラストすらもない
　３　テレビ・ラジオ欄はないし広告も健康食品もない、
　　　人生相談っぽいのはない、クロスワードもない、チェスもない、というか娯楽がない
　４　最終ページは芸術とスポーツ
　５　一面で出てくる普通のオッサンやオバちゃんは、勲章のイラストがあることからすれば労働英雄？の表彰なんだろう
　６　多分だけど、倅（兵隊７人の写真）を全部戦争で亡くしたお袋さん（すでにおばあちゃん）の記事があった
　７　写真のコラムで「фOTOфAKT」とあるけど、コレ英語のPHOTOFACTの直訳ではないか

　といったもの。

　肝心の三沢F-16記事は複写したのでスキャンしてOCRをかけてをいまからやるところ。

　東洋経済で不正喫食について書きました

https://toyokeizai.net/articles/-/830985
https://news.yahoo.co.jp/articles/ccbf7ff08b3f9fe87016bc56c8e95ee3fdf7e455

　まー、30年近く立つから言えるけど、己は逆方向の不正喫食だったんだよね。

　当時は施設班長で除雪隊が手許にあって給養班の除雪は最優先でやってたから。飛行場の除雪は手を抜いても食堂ほかの給養班の廻りは除雪した。グレーダや10t車のプラウのオーバーキルであまり精緻ではないが、大きく雪かきをすればあとは簡単に終わる。あと官舎地区から基地入り口まで、可能なら小学生の通学経路だから正門までの公道も勝手にやっていた。

　そうしてると、給養班からたまに飯缶が届く。特にカレーの時は事務所まで「今日は自信作」とか言って持ってきてくれる。ゲガニとかウニ、ホタテのときも「官舎で食え」と余りを持ってくる。

　実際に、ついでに色々と直してもいるしね。指揮下のボイラの隣が給養班で駐車場は共用、駐車場は本当の正規ではないので砂利敷で、轍ができる。その時は練習兼ねて掘り返してまた締め固めていた。前の道路もみんなが歩きやすいように凸凹は常温合剤で直して、やはり練習兼ねてオーバレイしていた。

　海警行動のときも、どの程度の本気なのかを確認した。己は、命令系統が別の航空隊の司令から前日に「明日（23日早朝）の滑走路除雪は事情があるのでスペシャルでやってくれ、他の誰にも内緒にしておいてくれ。」の電話があった。そのあとに給養班長が、やはりアイスをもって来た。

　どこまで食数が増えるかを掴みたかったらしい。「ウチ、急に食数が増えるから準備しろという話来たけど、除雪も来てる？」とのことで「スペシャル仕上げをする予定だけど、ホップ数が増えるかどうかはわからない」みたいに答えた覚えがある。すると「具体的な食数がわからないと困るのよ」とのことだった。「足りないと恥かくので、余らせるから食えたら食いに来て」と言われた。

　己が話したのは給養班長だけ。そのころには除雪隊の作業可能量は把握してたからどうとでもなった。朝の2時の除雪隊整列で「よくわからないけど、今日はなんらかの事情があるから本気で」「感謝されたいので格納庫前は見せつけるように過剰に念入りに除雪」「融氷剤は正規通りに、水で割らない、今までケチったのは今日のためだから」みたいな指示をした。

　で、翌日に海警活動が始まると「これだったのね」と。そして「本番だから、肝心の明日の除雪に備えて寝てればいいや」と思っていたら「施設班は捕虜収容所の設営に備えろ」や「管理隊は防空警衛隊の増強に使う」「明日に射撃訓練やる」「施設班長が連れて行け」という話になった。警衛班長のところいくと「ところで、指揮官は拳銃はシグとガバどっちがいい」と言われたので「ホントに使う可能性もあるのでトミーガンがいい」といったら「あんたも好きねえ」をそのままの口調で出すよとなった。

　そして、飯がどうなったかも覚えていない。昼から夕方まで、てんてこ舞いだったから。翌日は除雪をしたかどうかも覚えていない。射撃も中止になったが、いつ聞いたのかもおぼろげである。多分、夕刻に準備が終わったあたりではないかと思う。