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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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2010.07
06
CM:0
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02:52
Category : 古い本
 60年代~70年代のベトナムルポ。今、読み返すと、また別の味わい。
『泥と炎のインドシナ 毎日新聞特派員団の現地報告』(大森実 1965年 毎日新聞社)
『ハノイの微笑 戦う北ベトナムの素顔』(田英夫 1968年 三省堂)
を某図書館で読んだのだけれども。貸し出し履歴(表3のスタンプ欄)「なし」と「昭和43年」というのはいつものこと。まあ、この2冊については、「そういう本は読みたくない」という心の現われなんだろう。保守・右翼色が濃いところだから。

 でもねえ。面白いのよ。最初は北ベトナムのプロパガンダに乗った本かと思ったのだけれども。それっぽいイヤらしさがない、あるいは巧く処理されている。だから見聞記としても読める。

 さらに大森実には独自の視点で判断している。文中で「こりゃ、北のプロパガンダ」と言い切ったりしているとこなんか中々。
例えば(大意)
「米軍機は、学校や病院を爆撃している」(北ベトナム)
「兵舎に見えるのだろうし、転用しているのかもしれないと判断したのかも」(大森)

「米軍は、化学兵器で大量殺戮をしている」
「これは、枯葉剤の影響だろうけど、大量殺戮兵器としての化学兵器とはいえない」
って感じ。
 さらに、「ベトナム民族は、アメリカの脅威とは別に、中国にも脅威を感じているはず。だから、中国軍を引き入れることは絶対にない」(大意)みたいな鋭い知見がある。

 たいして、田英夫の方は…チョットね。そういう鋭さがない。
とはいえ、読み物としては悪くない。また、プロパガンダの中にも、事実が入っていて、それもまた味わい深い。
・ ハノイに入る民航機は、北京-武漢-ハノイの中国機だけ
 ・ ソ連人も中国機を利用している
  ・ ソ連人と中国人は機内で険悪である
とかさ。
・ チェコスロバキアの援助で病院はできた
 ・ スタッフはサッサと引き返した
みたいなところね。

 あの図書館には、この手の本が開架されているのだけれども、誰もひも解いていないのだよね。神がかり右翼の本とかはよく借りられているのだけれどもね。

2009年11月04日 MIXI日記より