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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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Author:文谷数重
 軍事ライターの文谷です
 コミケでは隅田金属ででています。評論情報です。

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2022.10
29
CM:2
TB:0
16:35
Category : 未分類
 FFMの記事を書かなければならないけどまともな先行記事がない、今週発売の『世界の艦船』しかない。だから3時起きで木更津の一般公開に行ってきた。ホントは前日夜の8時には寝たかったけど中国TVメディアの電話取材を受けたので夜10時就寝。

 行きは16号をただひたすら。うちの目の前というか一回曲がると16号なんで、そこから3時間半は一切左右に曲がらず木更津新港までついて、そこから23回曲がって駐車場待ちの最後尾についた。

 「もがみ」と「くまの」に割り振られる形で「くまの」を見学した。

 まだ秘密の保持が図られている印象で後甲板から左右舷の、ステルスカバー内の通路を経由して前部甲板に揚がって戻る経路になっている。艦橋とか機関操縦室の公開はなし、公開部も写真撮影は限定されていた。

 ついにサウンドパワーはなし、速力標識もなしとなっていた。あとはバカの振りして失礼なことまでを聞いたら結構教えてくれた。それはその記事で書くつもり。

 11時には帰りは大島田と呼塚を避けたいので東京湾を左手でなぞって新木場まで、そっからいつもの道で帰ってきたけど、5時間近くかかった。中途、「かつや」で飯食って聞いた内容を浄書した時間を除くと4時間半かね。途中に漁協あったら干物でも買おうと思ったけどなかった。

 合計8時間運転、まあ、高速乗っても行きで1時間チョイ、帰りで1時間半チョイと短くなるだけ、それに往復7000円とかかけてもねえ。2時間半で7000円もらえるバイトはないもんだしね。
2022.10
28
CM:3
TB:0
02:40
Category : 未分類
 トマホークを買うのは台湾有事が近いからとの主張があるのだけれども。

JSF@rockfish31
開発中の12式地対艦誘導弾能力向上型を配備前倒ししても間に合わない可能性があるので今直ぐトマホークが欲しいとなると、台湾有事が数年以内に発生する可能性が高いと日本政府が判断していることになってしまう。・・・事態は其処まで切迫を?
https://twitter.com/rockfish31/status/1585599132755894272


 それならなんで米海空軍が西太平洋に出張ってこないのだろうか。ホントに緊迫しているなら大西洋からCSGの一つでも持って来て抑止強化をはかろうとするはずである。

 だが、それはない。それからすれば結論の台湾有事が近いそのものが誤っているということである。


■ 当の台湾メディアの人も

 ちなみに、台湾有事は近いと思いこんでいるのは日本人だけらしい。

 先々週の15日に台湾・香港メディアの人と東京市内で会ったのだけれども。「『台湾有事は近い』とか美国軍部の予算欲しい発言に日本人は惑わされすぎ」とか言っていた。

 米中の口喧嘩もいつものことである。米国が台湾に関与介入するような威勢のいいことを言えば中国指導部も国民の対面から反駁する。台湾は中国の一部で外国勢力は文句つけるなとかいつでも回収できるとは言う。

 だが、どちらも従来の一線は超えていない。習総書記の発言も「平和的統一を目指す」といったあとである。米国が「一つの中国政策は変わらない」「台湾独立は支持しない」との前提を示した上で「必要があれば関与介入する」と言うのとおなじことである。

 つまりは、どちらも米中の台湾ルールを守った上で、口先だけで喧嘩しているだけなのである。

 それを本気で台湾有事が近いと思い込んでいまっている。

 実際に事情を承知していればそのような判断はしない。米中関係と両岸関係の構図からすれば、ない話でしかないからである。


■ 武器調達から政治変化を窺うのもね

 その上で、日本がトマホークを買うのは台湾有事が近いからとの判断も空中楼閣的な推測でしかない。

 まずは本末が転倒している。些末な要素でしかない通常武器の調達から政治情勢を判断する形だからだ。政治情勢から武器調達の変更は推測できるだろう。だが、その逆はまずはあやうい結果しか出ない。1970年代に入り航空自衛隊の戦闘機導入は軽戦闘機のF-104からF-4、F-15といった侵攻用に用いる大型戦闘機の導入に変化した。そこから「70年代80年代の日本政府が外征を企図していた」と判断するようなものだ。

 付け加えると、なんで台湾有事が近いから敵基地攻撃能力の強化を図るのかが不思議である。

 台湾有事は中国領域限りの問題でしかない。形式的には国内内戦である。また日本も「一つの中国」原則に配慮している。つまりは内戦には干渉しない立場にある。「平和的解決を望む」と言う程度の立場だ。

 そこで敵基地攻撃能力に何の関係があるかだ。あるいは「日本が敵基地攻撃能力を、トマホークを持てば中国はビビって台湾回収を諦める」と思っているのだろうかである。そうでもなければ台湾有事と敵基地攻撃能力は結びつかない。


■ まずはアショア代替艦用と、オマケじゃないの

 ニュースのトマホーク導入は台湾有事とは別の話でしかないということである。

 単純に敵基地攻撃用のミサイルを調達しようとしているだけである。理由はアショア代替艦用、付け加えても、それにかこつけて入手して潜水艦とFFMの空セルに詰めようとしているくらいである。

 アショア代替艦に積むならトマホークとなる。代替艦に敵基地攻撃能力をつける話は1年前からある。そして、一応はイージスであることからすればシステムからすれば一番親和性が高いのはトマホークである。*

 そして、そのトマホーク引き渡しの見込みがたった。おそらくは去年辺りから日本は米国にリリースを頼んでいた。そして売却が可能となった。先月くらいにあった「トマホークの日本向け売却は可能」の報道がそれである。

 だからトマホークを買う話が出た。12式の向上型云々とは全く別の話ということだ。


* ちなみに、来月売りの雑誌向けとして先々月に納品した原稿に本筋ではないもののそのあたりは書いた。「アショア代替艦に敵地攻撃能力をつける話があるけど、その場合はトマホークを積む。だから敵基地攻撃用ミサイルはスタンドオフ攻撃能力のミサイル6種類だけではなくもう一つトマホークも含まれる」といった内容である。前の記事で書いた26日にやったゲラの一つがそれである。本当に載るかは今でも不安だから書店に並んで自分の記事を確認するまでは誌名とかは言わないけどね。
2022.10
27
CM:0
TB:0
22:18
Category : 未分類
 基本は毎日サンデー状態なのだが先先週の末から小繁忙期で珍しくはたらいた。それが一段落したと思ったらそのゲラが一昨日の午後に3つ同時に来た。昨日は天手古舞となったよ。しかも、うち2つが似た内容となると混乱する。仮称「萬朝報」から来たゲラを他社の仮称「亜州週間」*に返しそうにもなった。

 で、一段落した今日は貯めといた雑誌記事を読んだ。

 中文記事の一つは夏代の存在・不存在論争の記事で、最近の『人民中国』で「禹の伝承に合致した遺跡がある」という記述が気になったもので、夏王朝関連を大学図書館で漁ってきたもの。二里頭文化とか仰韶文化のヤツね。中国の一般誌では夏の存在を肯定する前提なんだが歴史学とか考古学関係では「字証[文字の存在]がないからねえ」とか結構慎重であったよ。

 面白いのが不可知論とか一部可知論とかまである。夏があったかどうかは調べる術がないが前者で、状況次第ではありうるが後者ね。

 実際のところ、夏代に相当する時期の小邑規模の都市はいくつもある。まあ夏はあっても不思議はないし、伝承からすれば黄河沿いだよねとはね。

 もう一つは160km/貨物列車の件。25T系列高速列車の貨物列車化の検討では全側開棚車と塞拉門車があるけど、そこに集装箱つまりコンテナ輸送型はどうかねといったもの。

 どっちかというと160km/hの全側開棚車の写真かねえ。フルオープンで反対側までズッポ抜けている貨車で、こんなのが一帯一路で、できればゲージ変更なしで欧州まで連結すると上海からハンブルクまで3日で貨物が届くのではないかと。
(写真でググるとこんなやつね。https://i2.kknews.cc/pgmQ-BMYVykAQZ1_AEf0S26L9EOD09k/0.jpg)

 あとはアスファルト再生の日文、中文記事。別に仕事でもなんでも無いのだけれども、半年くらい前からアスファルト舗装って無限再生されるのではないかと思い立って調べ始めた内容。その流れで積んどいた日本の雑誌『舗装』とか中国のアスファルト再生材とか劣化関連記事を10個くらい読んだよ。

 ざっというと平成元年くらいからアスファルト舗装の再生は始まっている。今ではアスファルト舗装の75%が再生アスファルト舗装材で新品は25%だけ、剥ぎ取ったアスコンを加熱して新しいアスファルトを足すか芳香族系のアスファルト再生材混ぜればいくらでも行けるといった中身だった。

 で、その『舗装』でカーボンリサイクルコンクリートの記事も見つけた。カルシウムとCO2をくっつけて炭酸カルシウムCaCO3を作って、それをセメントとしてコンクリートを作るもの。要は回収CO2をコンクリートとして安定化させて大気から切り離すといった技術で、C02地中保管のCSSと同程度の保管密度を達成するというもの。

 まあ、カルシウムを作る時のCO2がどうなるか次第とは思うけど、面白いものです。多分、大成建設の技報あたりに詳細記事があると思う。


* ちなみに8月くらいにホンモノの『亜州週間』で筆者記事が引用されてご親切にゲラのPDFをもらったのだけれども、なんせ実物はサッと買えるわけでもないので、どっかの収蔵図書館で読もうと考え中です。

 
2022.10
14
CM:8
TB:0
10:35
Category : 未分類
 ゆうきまさみは別段に嫌うものではないのだが、ゆうき作品のファンはウットオしいものである。まあファンのほとんどは人畜無害なのだろうがその一部が嫌らしい。物語を現実を切り分けられない気持ち悪さがある。*


■ 宇宙開発のファンも同じ

 ロケットキッズも同じである。

 ロケットそのものはどうでもよい。日本の宇宙開発は将来性も経済性も実現可能性もないものである。まずは妥当ではなくやるだけ無駄だがそれはそれで終わりだ。事業はともかく実物そのものはどうでもよい。金をドブに捨てる無駄を嫌うだけである。

 その周りのロケットキッズは度し難いものであるよ。

 イプシロンロケットが失敗したという。日本の航空宇宙産業の実力からすればたまには失敗するのも頷ける。一流国のマネをしようとしている程度なのでそんなものだ。

 だがねえ「失敗の積み重ねがロケットを、宇宙産業を前進させる」みたいな世迷い言を言い出すあたりはね。


■ 日本ロケットは手仕舞いの時期にあるのにね

 失敗を積み重ねても日本ロケットや宇宙産業は別段前進していない状況を見ていそう言うのかとね。

 そもそも惰性で宇宙開発をしている。人工衛星打ち上げから五〇年が立つが、まともに前進していたのは最初の二〇年位である。この三〇年はまずは足踏み状態である。

 まずは三〇年金を突っ込んでも経済性は実現していない。一流国と並ぶ見込みも立たない。ロケット屋が米欧のモノマネをしているだけ。経済性無視の官需で産業のように装っているだけである。

 本来なら撤退するころである。ロケット敗北を糊塗したいなら欧州なり韓国なりと共同開発して精算するかどうかである。

 ロケットキッズはそれに気づけていない。いまでも月ロケットやら宇宙旅行の夢から盲目的に支持しているあたりで頭が悪い。

 その上で国損でしかないロケット事業の推進が必要だと言い出している。そのほとんどは自分の商売でもないのに宇宙産業創出詐欺や金の無駄遣いといった害悪に無自覚に手を貸している。

 その狂信の気味の悪さから嫌うものだよ。これは戦車や戦闘機の国内開発や大量配備をやるあたりとも同根なんだがねえ。


■ メカミリ全体もそう

 メカミリ全体もそうだけどね。

 まずは好きであるかどうかと妥当であるかどうかを切り分けられない頭の悪さがある。極端にいえばSLの汽車ポッポが大好きだから国交省は全国でSLを復活して走らせろみたいなスタンスがある。多少の現実味を足すならロータリエンジンが好きだからマツダはRE搭載車を作れみたいなものだ。

 そして、将来の見込みもなく事業に税金を費やす無駄遣いをさも有用であるように言い出すいやらしさである。

 コミケのメカミリ:ミリタリーを2年くらいでやめて評論情報に移ったのもそれである。国産兵器やロケットキッズが多くその頭の悪さといやらしさの故でもある。まあ最後の三三七拍子とかそれに付和雷同するサークルや参加者も気持ち悪かったのだけれども。


* そいや「大サトー」の連中もそうだねえ。戯作としての物語と、その外にある現実世界を切り分けられていないのが少なくない。物語に影響を受けるのは仕方がないとしても「現実社会かくあるべし」ではねえ。しかも、それが分別ざかりで世知に長けているはずの四十郎や五十郎ときた日にはねえ。
2022.10
05
CM:2
TB:0
14:01
Category : 未分類
 ミサイル発射で「カーマン・ラインが」とか言ってるのがいるのだけれども。

 それも話としてはどうもおかしい。そもそも物理的に支配できない高さの段階で領空ではないだろうとは思うものだよ。自国の力量が及ばず独占支配できない区域を領域としてもあまり意味はない。それはその国の軍事力が及ぶ範囲というだけれはない。技術的な限界もある。それからすれば、いまならざっと高度30kmはまずは領空とは言い難いのではないかね。

 だからカーマン・ラインがと言い出すあたりはねえ。単にものしりであるだけにしかみえない。そこから上は宇宙と単純に考えているだけのようにしか見えないものだ。

 もちろん、その程度の理解で困ることはない。実際に高度100kmはあきらかに領空の範囲を超えている。領域として独占使用や排他的に支配できない空間であることは間違いではないからだ。

 だが、それを軍事だの航空だのの連中が言い出しているのはねえ。領域とか支配とか占有とか独占的利用といった概念に基づいて言っているわけではないとは思うね。

 まあ、軍事ジャーナリストを自称する連中はだいたいそんなもんだけどね。中でも写真屋系がそうなんだが「防衛省が、自衛隊がそういっている」をコレクションしているだけ。それをまとめて、まあ解説する程度である。当然だけどそこに批評的なアウトプットはないし。そもそも批判的な視点もない。今回なら「カーマン・ラインから上は宇宙である」と教えられると、それをそのまま信じ込んでキンカギョクジョーとなるのだろうなとはねえ。

 本来のジャーナリストにはもっと新発見の探索や批判的読み解きや問題提起があるわけだ。己からすればジャーナリストといった語を聞くとそのジャーナルの部分から「朝日ジャーナル編集長 筑紫哲也」の名前が自然と出てくるわけで。方向性はともかく筑紫さんのような振る舞いがジャーナリストではないかと。あとは世代が違うから直接は読んでないけど名前は轟く大森実さんとかね。ただ同世代で同時期になくなった田英夫さんは少し違うけど。
2022.10
04
CM:4
TB:0
12:34
Category : 未分類
 AFP記事の写真なんだがねえ。己はロシア語どころかキリル文字の対応もよくわからないのだけれども、多分「撃ちてし止まむ」と書いてあると思う。

ロシア語のウチテシヤマム

 「ロシア極東の徴兵責任者、停職処分に 誤って数千人を招集」『AFPBB News』(2022年10月3日)https://www.afpbb.com/articles/-/3427057

 なんでそう読めるかというと80年前のポスターの類推から。 それについては佐藤イヌコさんの「有楽町「日劇」の外観で見る昭和【戦争から「来夢来人」まで】」が毎日新聞の『さよなら20世紀』の写真を引用して提示している。 画像のリンクはコレ https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/N/NARASIGE/20200419/20200419115158.jpg

 それからすれば、看板の建物なんだが、多分、サンクトペテルブルグでかつて大黒屋光太夫が住んでいたオーグロ街あたりにあるロシア劇場だと思うよ。

 もう一つの可能性は「ロシア国債を買おう」あたりかな。まあ、Googleレンズで見れば正解は分かるけど、それが分かっても面白くないので正解は探さない。

 戦争はどっちもやめ時もないし、ウクライナがクリミアに手を出すと今度はロシア愛国主義が持ち上がるのでズッと続くと思う。

 核使うと国連軍も出てくるカモね。そうなると「隊長殿、あの旗をうたせてください。兵隊が指を指したその先には国連旗、あの旗が」みたいなポスターも出てくる。平和のための結集で国連軍ができた日には「あの旗を撃って撃って撃ちまくるのだ」みたいな。