Category : ミリタリー
横須賀総監部に土嚢で掩体作ったことあるのだが、その土嚢は転用されてインド洋にまで持っていかれたよ。
2001年の9.11で、横須賀で土嚢で掩体を作った。前年に施設学校に行っていたという理由だけで己が担当になったのだがね。耐弾性その他で施校教官、課程主任の3陸佐に助けを求めた。だがその時に、危機感の差かね、まあ理論的なことから始めるのには参った。勝田の学校と米軍基地隣の横須賀では全然感覚が違うものだ。でもま、作業や調達の根拠となる小銃弾に対するストッピングパワー一覧をFAXでもらえたので助かった。
問題は、土嚢を組む作業員がいないこと。最初は、普通に土木用の土嚢にそこいらの土を詰めるつもりだった。しかし、総監部と通信隊、造補処は、そんな仕事に作業員は出せないという。そこで課長が決心してくれた。「土の詰まった土嚢を買う、それをフォークで下ろすから、積み上げるところだけ頼む」という話がまとまった。
土入り土嚢なんて調達したことはない。まあ、そのあたりは部内出の同僚がやってくれた。砕石屋だかコンクリ屋だかと、ゲラゲラ笑いながら見積もりを頼んでいたのを憶えている。土木用のナイロンザクザク編の汎用土嚢とそれに詰める砂よりも、人件費と積み込みと輸送費が数倍、ヘタすると数十倍するから平素はありえない話だ。
土嚢が届いた後が己の仕事。場所は決めてある。正門の警備に役立ち、外や米軍から見えやすい場所で、水がたまらない場所はここしかない。実際のドンパチに役立つなんてのは二の次の話で、とにかく外に警備体制が厳重になったことをアピールすることを優先した。だから見えるように総監部の真ん前。そして、水が溜まらないように下に排水口のある場所を選んだ。
大きな地図で見る
前日に縄張りをしておいた。すずらんテープと3寸の釘で、8尺四方(1間チョイだったと思う)で縄張り。ココにテープの通り並べればできることを示すための措置。円形に積むのは難しいので諦めて四角にした。
当日は、布積みの方法と示し、安全対策を達して作業開始。建物の外壁タイルを棒で指して「崩れるから、縦目を通すな、横目を通せ」、腰を痛めるので運ぶのは二人一組。体が弱いのは、平スコップで土嚢を傷つけないように締固め。それだけの指図だから3分もかからない。
作業開始以降は、己は現場で積み方の指示。普通は左右を長く、横にしてに積むのを、縦方向にして、しかも弾が通らないように厚く2ヶ積、なので最初の一段の指図は面倒だが、2段目は「間に積め、縦目を通すな」だから楽ちん。30分もかからず修了。
以降の自隊警備でそこに人員を配置したが、雨の日に天井がないのは困るという話も出てきた。まあ、陸空じゃ出ない話だろう。兵隊なんで傘させないので冷える。己は別にテント張っても構わないのだけれども、その前に、上がそれは贅沢だろうという話で終わった。雨で足許がぬかるむという話は、造補処あたりからの派出人員が木製パレットを敷いて解決していた。その頃には、ケブラーヘルメットやアーマーベストも貸しだしていたが、基本は腰に手ぬぐい、ズボンの裾を靴下に入れる海自戦闘服装なので、足許は短靴、背広の時に履くような普通の靴なので、結局は、パレットすのこが使われていた。
ちなみに、自隊警備といっても、あまりに人が足りないのでフネからも人を借りた。己等が作戦室に引っ張られて人が足りないようなときには、停泊中の護衛艦、通信当直艦から人を引っ張って警備に当てた。これは部長が旧部下艦長を頼っての、全くの横車だが、ありがたいことこの上なかった。
その土嚢掩体だが、後にリサイクルされた。翌年か、横須賀から最初にインド洋に出すときに、そのフネから土嚢を貸してくれという話があった。残念だが艦名を覚えていない、今調べると調べると「せとぎり」っぽいが、「あめ」か「なみ」だったような気もする。直ぐに「いいよ、あげる。好きに取りに来ていい」と返答したけどね。そのフネ、機関銃のM2も補給艦から借りたらしい。※ 機関銃ともなると責任問題があるので、帳簿上は自分のモノにしてしまうのだけど、いずれは返すという口約束なのだがね。まあ借りものだらけの海外派遣だなと思ったよ。
※ 新鋭艦に搭載している、「新型機関銃」62式はよほど信用がないらしい。知っている話ではM2を借りた話がこれ。海曹の話だと、わざわざM1919-A4を乗せて行って、ホニャララでホニャララしたこともあったとか言う。
2001年の9.11で、横須賀で土嚢で掩体を作った。前年に施設学校に行っていたという理由だけで己が担当になったのだがね。耐弾性その他で施校教官、課程主任の3陸佐に助けを求めた。だがその時に、危機感の差かね、まあ理論的なことから始めるのには参った。勝田の学校と米軍基地隣の横須賀では全然感覚が違うものだ。でもま、作業や調達の根拠となる小銃弾に対するストッピングパワー一覧をFAXでもらえたので助かった。
問題は、土嚢を組む作業員がいないこと。最初は、普通に土木用の土嚢にそこいらの土を詰めるつもりだった。しかし、総監部と通信隊、造補処は、そんな仕事に作業員は出せないという。そこで課長が決心してくれた。「土の詰まった土嚢を買う、それをフォークで下ろすから、積み上げるところだけ頼む」という話がまとまった。
土入り土嚢なんて調達したことはない。まあ、そのあたりは部内出の同僚がやってくれた。砕石屋だかコンクリ屋だかと、ゲラゲラ笑いながら見積もりを頼んでいたのを憶えている。土木用のナイロンザクザク編の汎用土嚢とそれに詰める砂よりも、人件費と積み込みと輸送費が数倍、ヘタすると数十倍するから平素はありえない話だ。
土嚢が届いた後が己の仕事。場所は決めてある。正門の警備に役立ち、外や米軍から見えやすい場所で、水がたまらない場所はここしかない。実際のドンパチに役立つなんてのは二の次の話で、とにかく外に警備体制が厳重になったことをアピールすることを優先した。だから見えるように総監部の真ん前。そして、水が溜まらないように下に排水口のある場所を選んだ。
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前日に縄張りをしておいた。すずらんテープと3寸の釘で、8尺四方(1間チョイだったと思う)で縄張り。ココにテープの通り並べればできることを示すための措置。円形に積むのは難しいので諦めて四角にした。
当日は、布積みの方法と示し、安全対策を達して作業開始。建物の外壁タイルを棒で指して「崩れるから、縦目を通すな、横目を通せ」、腰を痛めるので運ぶのは二人一組。体が弱いのは、平スコップで土嚢を傷つけないように締固め。それだけの指図だから3分もかからない。
作業開始以降は、己は現場で積み方の指示。普通は左右を長く、横にしてに積むのを、縦方向にして、しかも弾が通らないように厚く2ヶ積、なので最初の一段の指図は面倒だが、2段目は「間に積め、縦目を通すな」だから楽ちん。30分もかからず修了。
以降の自隊警備でそこに人員を配置したが、雨の日に天井がないのは困るという話も出てきた。まあ、陸空じゃ出ない話だろう。兵隊なんで傘させないので冷える。己は別にテント張っても構わないのだけれども、その前に、上がそれは贅沢だろうという話で終わった。雨で足許がぬかるむという話は、造補処あたりからの派出人員が木製パレットを敷いて解決していた。その頃には、ケブラーヘルメットやアーマーベストも貸しだしていたが、基本は腰に手ぬぐい、ズボンの裾を靴下に入れる海自戦闘服装なので、足許は短靴、背広の時に履くような普通の靴なので、結局は、パレットすのこが使われていた。
ちなみに、自隊警備といっても、あまりに人が足りないのでフネからも人を借りた。己等が作戦室に引っ張られて人が足りないようなときには、停泊中の護衛艦、通信当直艦から人を引っ張って警備に当てた。これは部長が旧部下艦長を頼っての、全くの横車だが、ありがたいことこの上なかった。
その土嚢掩体だが、後にリサイクルされた。翌年か、横須賀から最初にインド洋に出すときに、そのフネから土嚢を貸してくれという話があった。残念だが艦名を覚えていない、今調べると調べると「せとぎり」っぽいが、「あめ」か「なみ」だったような気もする。直ぐに「いいよ、あげる。好きに取りに来ていい」と返答したけどね。そのフネ、機関銃のM2も補給艦から借りたらしい。※ 機関銃ともなると責任問題があるので、帳簿上は自分のモノにしてしまうのだけど、いずれは返すという口約束なのだがね。まあ借りものだらけの海外派遣だなと思ったよ。
※ 新鋭艦に搭載している、「新型機関銃」62式はよほど信用がないらしい。知っている話ではM2を借りた話がこれ。海曹の話だと、わざわざM1919-A4を乗せて行って、ホニャララでホニャララしたこともあったとか言う。
Category : エネルギー
日本のプルトニウム保有量は、44.9tで世界第5位にある。ロシア(176.4±8t)、イギリス(94.4t)、アメリカ(92t)、フランス(62±1t)に次ぐ量を保有している。日本の次にもっているドイツは7.6tに過ぎない。日本に較べれば、6-9位のインド(4.96±0.14t)、中国(1.81±0.8t)、パキスタン(0.11±0.02t)北朝鮮(0.03t)は僅かな量に過ぎない。
ストックホルム平和研究所の"SIPRI Year Book 2012"を読んでいて見つけたのだが、2011年の各国プルトニウム保有量は既述のとおりである。
これは、世間体が悪すぎるのではないか? 日本人は、今のところ核を作る気はない。デメリットを考えず、核武装すべきと主張する人は少なく、その主張は夢想的だと考えられている。しかし、国際社会から見ると、何を考えているのかわからない量を保有している。
日本にとって、使うつもりもないプルトニウムを大量保有して非難されるのは割に合わない。イランがアレだけ非難されている現況である。そこで、雰囲気を読まずに、青森でプルトニウムの再処理まで始めようとする日本は、いずれ「空気を読め」と非難される。
問題は、処分する方法がないということだ。MOX燃料でコツコツ消費するにしても、原状で原発は止まっている。政権は原発再稼働をしたくてたまらないようだが、再稼働となると世論は相当に反発する。だいたい、MOXへの眼も厳しくなっているので、プルトニウムを大量に処理することはできない。お金を払えばイギリスが処分してくれるという話もある。だが、資産であると言いはる電力会社は、その銭ゲバ体質から、日本の世間体も考えずバランスシートの悪化を嫌ってやろうとしない。
さて、プルトニウムはどうしたものかね。今の政治状況では、盗人に追い銭だが、電力会社が損しない仕組みで、原発に鈍感などこかの発展途上国に、海外援助と称してMOX燃料で押し付けるくらいしかないのだろう。電力会社が栄えて国が困る構造だね。
仮に○○○を作るにしても、1tもあればいいのだけれどもね。
※ 朝日新聞の社説だけど「負の側面に目をつぶり、課題を先送りするような原発回帰は『政治の無責任』としかいいようがない。」は的を射ていると思うよ。http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201306280699.html?ref=reca
ストックホルム平和研究所の"SIPRI Year Book 2012"を読んでいて見つけたのだが、2011年の各国プルトニウム保有量は既述のとおりである。
これは、世間体が悪すぎるのではないか? 日本人は、今のところ核を作る気はない。デメリットを考えず、核武装すべきと主張する人は少なく、その主張は夢想的だと考えられている。しかし、国際社会から見ると、何を考えているのかわからない量を保有している。
日本にとって、使うつもりもないプルトニウムを大量保有して非難されるのは割に合わない。イランがアレだけ非難されている現況である。そこで、雰囲気を読まずに、青森でプルトニウムの再処理まで始めようとする日本は、いずれ「空気を読め」と非難される。
問題は、処分する方法がないということだ。MOX燃料でコツコツ消費するにしても、原状で原発は止まっている。政権は原発再稼働をしたくてたまらないようだが、再稼働となると世論は相当に反発する。だいたい、MOXへの眼も厳しくなっているので、プルトニウムを大量に処理することはできない。お金を払えばイギリスが処分してくれるという話もある。だが、資産であると言いはる電力会社は、その銭ゲバ体質から、日本の世間体も考えずバランスシートの悪化を嫌ってやろうとしない。
さて、プルトニウムはどうしたものかね。今の政治状況では、盗人に追い銭だが、電力会社が損しない仕組みで、原発に鈍感などこかの発展途上国に、海外援助と称してMOX燃料で押し付けるくらいしかないのだろう。電力会社が栄えて国が困る構造だね。
仮に○○○を作るにしても、1tもあればいいのだけれどもね。
※ 朝日新聞の社説だけど「負の側面に目をつぶり、課題を先送りするような原発回帰は『政治の無責任』としかいいようがない。」は的を射ていると思うよ。http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201306280699.html?ref=reca
Category : ミリタリー
話題の敵地攻撃能力なんだが、潜水艦にハープーンのBlock-2でも積んどけばとりあえずはいいのではないか。
ハープーンBlock-2を導入し、潜水艦から運用すれば、それなりの敵地攻撃能力を安価かつ短期間に導入できる。
ハープーンBlock-2は、対艦攻撃モードに加えて、限定的だが対地攻撃能力がある。ハープーンは巡航ミサイルでもあるので、目標には超低空で突入する。対地攻撃では、特に低空域での防空レーダ網を用意しない限りは、レーダではまず探知されない。陸上攻撃に使った場合には、特に音でバレるかも知れない。だが、ハープーンは音速近くで飛翔する。音が聞こえる頃には目視できる程度の至近距離で、すぐに何処かに行ってしまう。対空砲で捕まる可能性も低い。
このハープーンは、潜水艦から発射可能である。艦艇発射型ハープーンは、どのタイプでもカプセルに封入し、魚雷発射管から、それなりの深度からでも発射できる。実際に、Block-2を封入した潜水艦発射ミサイル、UGM-84Lは各国に導入されている。
潜水艦から発射可能である点は利点である、敵の近海から奇襲的に攻撃が可能になる。射程は長くないが、陸岸によればそれなりに奥まで叩くことができる。
もちろん航空機から発射もできるが、潜水艦に較べリスクもあり、奇襲性に劣る。ハープーンそのものはF-15でもF-16でも搭載できる。F-16のバリエーションのF-2でも搭載できる。哨戒機P-3でも搭載できるし、輸送機でも搭載できるだろう。しかし、敵沿岸近くに接近することは、それなりにリスクである。航空攻撃では、敵の防空網に近づかなければならない。また、基本的に丸見えの状態で接近するので、敵に攻撃の可能性や対応の暇を与えてしまう。
敵地攻撃能力について、当座に使う分は、ハープーンで充分である。既に日本潜水艦にはハープーン運用能力があり、潜水艦発射型ハープーンそのものも調達してある。Block-2には、既存ハープーン用の改修キットがあるので、それだけ買って改修すれば相当安上がりで済む。これは航空機搭載型ハープーンも同じで、既存品を改修できる。今のところP-3Cにしか適応しないが、空自機もハープーンを積めるようにしておけば、潜水艦には劣るかもしれないが、当座の敵地攻撃能力として活用できるのである。
ハープーンBlock-2を導入し、潜水艦から運用すれば、それなりの敵地攻撃能力を安価かつ短期間に導入できる。
ハープーンBlock-2は、対艦攻撃モードに加えて、限定的だが対地攻撃能力がある。ハープーンは巡航ミサイルでもあるので、目標には超低空で突入する。対地攻撃では、特に低空域での防空レーダ網を用意しない限りは、レーダではまず探知されない。陸上攻撃に使った場合には、特に音でバレるかも知れない。だが、ハープーンは音速近くで飛翔する。音が聞こえる頃には目視できる程度の至近距離で、すぐに何処かに行ってしまう。対空砲で捕まる可能性も低い。
このハープーンは、潜水艦から発射可能である。艦艇発射型ハープーンは、どのタイプでもカプセルに封入し、魚雷発射管から、それなりの深度からでも発射できる。実際に、Block-2を封入した潜水艦発射ミサイル、UGM-84Lは各国に導入されている。
潜水艦から発射可能である点は利点である、敵の近海から奇襲的に攻撃が可能になる。射程は長くないが、陸岸によればそれなりに奥まで叩くことができる。
もちろん航空機から発射もできるが、潜水艦に較べリスクもあり、奇襲性に劣る。ハープーンそのものはF-15でもF-16でも搭載できる。F-16のバリエーションのF-2でも搭載できる。哨戒機P-3でも搭載できるし、輸送機でも搭載できるだろう。しかし、敵沿岸近くに接近することは、それなりにリスクである。航空攻撃では、敵の防空網に近づかなければならない。また、基本的に丸見えの状態で接近するので、敵に攻撃の可能性や対応の暇を与えてしまう。
敵地攻撃能力について、当座に使う分は、ハープーンで充分である。既に日本潜水艦にはハープーン運用能力があり、潜水艦発射型ハープーンそのものも調達してある。Block-2には、既存ハープーン用の改修キットがあるので、それだけ買って改修すれば相当安上がりで済む。これは航空機搭載型ハープーンも同じで、既存品を改修できる。今のところP-3Cにしか適応しないが、空自機もハープーンを積めるようにしておけば、潜水艦には劣るかもしれないが、当座の敵地攻撃能力として活用できるのである。
Category : 未分類
昔の話をすると「九州の兵隊は強かった」「イヤイヤ兵隊は東北に限るね」ナンテ話になるンですが、ヤッパリ一番強いのは晴海の兵隊でしょう。
イヤ本統に晴海の兵隊は強かった。見た目はガリかデブの弱卒で、それでいて普段の軍隊生活は生活はだらしないクセに、本番だとまず我慢強い。
暑いの寒いのに文句は言わない。厳しい夏冬の時期に一晩整列しっ放しででも、不平不満一つ言わずにズッと一ツ処に整列している。それでいて一端吶喊するとマァ勇猛果敢で何でも真っ先に駈けて行ったものです。
昔は兵隊に取られても、東京だと言うと弱虫だの弱腰だのと云う色眼鏡で見られたものですが、晴海連隊区の兵隊だと知れれば、まあ見る眼が変わってきましたナ。同じ東京者のハズなのに、晴海の兵隊だけは違うのが七不思議。兵隊は晴海に限る、それも本統に生育ったものじゃなければいけない、普段居るのは余所者かもしれないっていうので、盆暮にいる奴を強制徴募したこともありました。
わざと、盆暮に軍旗祭(なぜか軍旗祭は年2回あったのです)をやって、観に来た奴を、「此奴は地付だ」と無理やり徴兵してしまうという無法をやって員数つけたこともありました。
この兵隊の員数つけるのは、だいたいが軍旗祭の茶番の時ですよ。「晴海聯隊編制成ルヲ告ク依テ今軍旗一旒ヲ授ク汝等協力同人シテ益々売上ヲ宣揚シ文化ヲ保護セヨ」 だったかな。東京衛戍司令官が、荘厳な声で読み上げるンです。
これに連隊長が 「謹テ明勅ヲ奉ス我等死力ヲ渇シ誓テ文化ヲ保護セン」 なンて、必死に「裂帛の気勢」をこさえて返すのです。
連隊長も、埋立モンで揃えていたもので、まあアアいう儀礼の兵隊染みたことは苦手だったンでしょう。そうそう。晴海の連隊は将校団から埋立モンでした。たいがいが大学や高専の学徒上がりで、志願して徴兵検査を晴海連隊区で受けた連中でした。それでいて、初年兵、甲種幹候から部隊勤務は晴海連隊で完結しましたから、晴海しか知らない偏頗な将校団が出来上がっていました。
話はそれました。本筋にもどりましょう。
軍旗祭の宣誓のときを狙って、ウットリしている軍隊好き、いまはミリオタっていうンですか、奴等を巧言令色で騙してしまうンですよ。「君は話の回りがいいから将校に向いている」とか、「ガタイがいいから無敵の下士官になれる」とか そういう子供だましで子。
で、ひっ捕まえて、被服着せて拇印押させちゃうんですヨ。それで本人もしばらくは気づかないンだから、非道いものでした。
マァ、晴海の兵隊は面構風体から違っていましたナ。 ウン、普段はそれほどじゃないんです。気性は常温和というか、多少気弱なくらいですが、仇を見つければモウ停まらない猛獣になる傾向がある。
それに引換、連隊が有明に移ってしまってからは腑抜けたみたいになってしまって、昔を識るものとしては、何かこう拍子抜けした気分にさせられるものです。
自衛隊なんかじゃ今も九州と東北の兵隊は強いって聞きますが、有明に連隊が移駐してからは、ドウモ精兵じゃないようですナ。
有明の兵隊はまず辛抱が足りない。寒暑に強くないし一晩中立っていることもできない。仕方ないから始発が動くような朝一番に切り替えたのだけど、その後も動作が鈍い。そもそも敢闘精神が晴海の兵隊に較べれば全然鈍い。昔は開場で血が上るっていうと邪魔する奴は憲兵でも張倒して前進するのが埋立地の兵隊という印象でしたが、最近は素直に言うことを聞いてしまうンだそうで。
もちろん昔の晴海の兵隊にもいいところ秤じゃない。晴海の兵隊は、まずハミダシもので、一風変わり者が多かった。いくさごとになると一味同心するンだけど、平世はマズ纏まったものではない。集団行動に全く向いていないっていう癖があった。
まずもって世間と全く付き合いができなかったもンです。たまに徒党を組んで上陸したところで(徒党を組むこと自体が珍しいンですが)、新宿でも渋谷でも自分たちの埋立根性で世間の顰蹙を買ったものです。
これが有明の兵隊さんになると違うようですナ。外に出ても昔のように群れて悪さをするじゃない。秋葉原あたりで上品にお茶でも飲む。御婦人も貪るじゃなく女給さん眺めて満足するような兵隊さんです。上陸服装容儀も、地方人と同じで区別がつかない…世間に後ろ指をさされないで、まぁお天道様の下でも恥ずかしくない。これは階級的な地位が上がったものだと褒めてもいいもんなんでしょう子。
これも時世時節で仕方がないことでしょうが、晴海で新兵教育を受けたモンからすると威勢も意気地も失くしてしまったようで残念です。まぁ御里が識れてしまった、自分の連隊自慢のようになってしまったので、このへんで失礼させて頂きますよ。
…まあ、05年の夏コミで作ったアジビラで、そのときは30分位でかけたんだよね。その後改修版で06夏コミのあとがきにしたものを、再度手を入れてまたMIXIとかサークルMSにアップしたのを再利用です。まあ篠田鉱造の読み過ぎです。
イヤ本統に晴海の兵隊は強かった。見た目はガリかデブの弱卒で、それでいて普段の軍隊生活は生活はだらしないクセに、本番だとまず我慢強い。
暑いの寒いのに文句は言わない。厳しい夏冬の時期に一晩整列しっ放しででも、不平不満一つ言わずにズッと一ツ処に整列している。それでいて一端吶喊するとマァ勇猛果敢で何でも真っ先に駈けて行ったものです。
昔は兵隊に取られても、東京だと言うと弱虫だの弱腰だのと云う色眼鏡で見られたものですが、晴海連隊区の兵隊だと知れれば、まあ見る眼が変わってきましたナ。同じ東京者のハズなのに、晴海の兵隊だけは違うのが七不思議。兵隊は晴海に限る、それも本統に生育ったものじゃなければいけない、普段居るのは余所者かもしれないっていうので、盆暮にいる奴を強制徴募したこともありました。
わざと、盆暮に軍旗祭(なぜか軍旗祭は年2回あったのです)をやって、観に来た奴を、「此奴は地付だ」と無理やり徴兵してしまうという無法をやって員数つけたこともありました。
この兵隊の員数つけるのは、だいたいが軍旗祭の茶番の時ですよ。「晴海聯隊編制成ルヲ告ク依テ今軍旗一旒ヲ授ク汝等協力同人シテ益々売上ヲ宣揚シ文化ヲ保護セヨ」 だったかな。東京衛戍司令官が、荘厳な声で読み上げるンです。
これに連隊長が 「謹テ明勅ヲ奉ス我等死力ヲ渇シ誓テ文化ヲ保護セン」 なンて、必死に「裂帛の気勢」をこさえて返すのです。
連隊長も、埋立モンで揃えていたもので、まあアアいう儀礼の兵隊染みたことは苦手だったンでしょう。そうそう。晴海の連隊は将校団から埋立モンでした。たいがいが大学や高専の学徒上がりで、志願して徴兵検査を晴海連隊区で受けた連中でした。それでいて、初年兵、甲種幹候から部隊勤務は晴海連隊で完結しましたから、晴海しか知らない偏頗な将校団が出来上がっていました。
話はそれました。本筋にもどりましょう。
軍旗祭の宣誓のときを狙って、ウットリしている軍隊好き、いまはミリオタっていうンですか、奴等を巧言令色で騙してしまうンですよ。「君は話の回りがいいから将校に向いている」とか、「ガタイがいいから無敵の下士官になれる」とか そういう子供だましで子。
で、ひっ捕まえて、被服着せて拇印押させちゃうんですヨ。それで本人もしばらくは気づかないンだから、非道いものでした。
マァ、晴海の兵隊は面構風体から違っていましたナ。 ウン、普段はそれほどじゃないんです。気性は常温和というか、多少気弱なくらいですが、仇を見つければモウ停まらない猛獣になる傾向がある。
それに引換、連隊が有明に移ってしまってからは腑抜けたみたいになってしまって、昔を識るものとしては、何かこう拍子抜けした気分にさせられるものです。
自衛隊なんかじゃ今も九州と東北の兵隊は強いって聞きますが、有明に連隊が移駐してからは、ドウモ精兵じゃないようですナ。
有明の兵隊はまず辛抱が足りない。寒暑に強くないし一晩中立っていることもできない。仕方ないから始発が動くような朝一番に切り替えたのだけど、その後も動作が鈍い。そもそも敢闘精神が晴海の兵隊に較べれば全然鈍い。昔は開場で血が上るっていうと邪魔する奴は憲兵でも張倒して前進するのが埋立地の兵隊という印象でしたが、最近は素直に言うことを聞いてしまうンだそうで。
もちろん昔の晴海の兵隊にもいいところ秤じゃない。晴海の兵隊は、まずハミダシもので、一風変わり者が多かった。いくさごとになると一味同心するンだけど、平世はマズ纏まったものではない。集団行動に全く向いていないっていう癖があった。
まずもって世間と全く付き合いができなかったもンです。たまに徒党を組んで上陸したところで(徒党を組むこと自体が珍しいンですが)、新宿でも渋谷でも自分たちの埋立根性で世間の顰蹙を買ったものです。
これが有明の兵隊さんになると違うようですナ。外に出ても昔のように群れて悪さをするじゃない。秋葉原あたりで上品にお茶でも飲む。御婦人も貪るじゃなく女給さん眺めて満足するような兵隊さんです。上陸服装容儀も、地方人と同じで区別がつかない…世間に後ろ指をさされないで、まぁお天道様の下でも恥ずかしくない。これは階級的な地位が上がったものだと褒めてもいいもんなんでしょう子。
これも時世時節で仕方がないことでしょうが、晴海で新兵教育を受けたモンからすると威勢も意気地も失くしてしまったようで残念です。まぁ御里が識れてしまった、自分の連隊自慢のようになってしまったので、このへんで失礼させて頂きますよ。
…まあ、05年の夏コミで作ったアジビラで、そのときは30分位でかけたんだよね。その後改修版で06夏コミのあとがきにしたものを、再度手を入れてまたMIXIとかサークルMSにアップしたのを再利用です。まあ篠田鉱造の読み過ぎです。
Category : ミリタリー
防衛白書の概要なのだが。毎年毎年同じように安全保障が悪くなったを繰り返すのは、「今年は当たり年」を毎年繰り返すボジョレ・ヌーボーと同じではないかね。
時事通信による※ と、2013年度版防衛白書では「日本を取り巻く安全保障環境は『一層厳しさを増している』と強調」されるとのこと。ただし、これは毎年同じような文言を繰り返すものである。なるほど、ここ10年は中国とのゲームが続いている。しかし、今年になって急激に厳しさを増しているわけではない。去年とも、一昨年とも、あまり大差はない。日本と中国は防衛分野で対峙しているものの、軍隊同士は極端に緊張しているわけでもなく、その緊張もここ三年で大差もない。このあたり、組織防衛のためという防衛白書のスタンスを理解しないで、その文言をそのまま真に受けるのは、ボジョレ・ヌーボーのコピーを真に受けるのと同じではないか。
防衛白書は、防衛省とその施策を肯定するために出される。防衛省に権限よこせ、防衛予算を増やせ、人を減らすなという内容になる。それは役所なので仕方がないとも言える。しかし、防衛省の組織防衛のため、国際情勢ほかで現実の情勢を無視する傾向があるのは頂けない。
実際に、防衛白書には、冷戦が終わった後になっても、消滅したロシアの脅威を強調しつづけた前科がある。当時、抜け殻状態であった極東部ロシア軍について、防衛白書は毎年「ロシアの脅威は無視できない」と言っていた。極東ロシアの陸海空軍が大幅に減少し、装備も放置され運用不可能な状態にあることを知りながら、そのことは見て見ぬふりをして、一切白書には書かなかった。北に重点配備された陸自13ヶ師団、18万人を維持する上で不利になるからである。
防衛白書での安全保障環境とやらは、自衛隊を減らさないような情報を記述するものだったというわけだ。現実の極東地域、東アジアを観察し、そのまま記述すると都合が悪ければ、それには一切触れない内容である。
だから、防衛白書は、毎年「より危険になった」と書く。ボジョレヌーボーが、毎年「10年に1度の出来」、「ここ数年で最高」、「50年に一度の傑作」を繰り返すように。防衛白書も、連続で出された昭和51年以降、ここ40年、毎年「安全保障は厳しさを増している」、「戦力拡大した周辺国に較べ、わが防衛体制は大きく遅れている」を繰り返すことになる。これをまともに信じると、毎年毎年劣勢になっていくわけなので、日本は自立も怪しいバナナ共和国並になるはずである。
つまり防衛白書は、組織防衛を目的とした役人による作文にすぎない。原状維持を目的としているから面白くない。情勢や判断については、資料としては批判的に読まなければならない部分も多い。逆に、予算関係の数字については、役人のやることなので間違いはない。また、施策についての掲載順といった細部を読むことによって、防衛省内での優先順位を見出すといったこともできる。※※ 役人はそういった事にこだわる。革命記念日にクレムリン前で並ぶ首脳陣の順番を観察するようなものだが、そう読むにも、やはり批判的に読むに限る。
本来なら、防衛白書は内閣の政策を発表するものではないか。新しい政策の必要性や、そこに至る経緯や、そのために必要なコスト、あるいはオプションとコストとベネフィットの比較とかを説明するのが本来ではないか。中国に海洋膨張主義の脅威が云々というなら、それに対して、膨張主義のおそれを封じ込めるために、日本も第1列島線でのプレゼンスを強化するとかね。そのためには、北にある戦力を大胆に整理して南西に回す。海洋でのプレゼンスにあまり意味のない戦力を削り、その分を艦隊建設に回す。その政策を訴えるのが本来である。※※※
※ 防衛白書、中国に強い懸念=尖閣「不測の事態も」『時事ドットコム』(時事通信,2013.6.25)http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013062500749
※※ ちなみに10式戦車は、防衛省による施策発表の順番では、毎年最下位である。
※※※ そのような政策転換ができないのが、日本の政治風土でもあるのだけれども。結果として防衛予算の中身は陸海空均等割で膠着したままになっている。
時事通信による※ と、2013年度版防衛白書では「日本を取り巻く安全保障環境は『一層厳しさを増している』と強調」されるとのこと。ただし、これは毎年同じような文言を繰り返すものである。なるほど、ここ10年は中国とのゲームが続いている。しかし、今年になって急激に厳しさを増しているわけではない。去年とも、一昨年とも、あまり大差はない。日本と中国は防衛分野で対峙しているものの、軍隊同士は極端に緊張しているわけでもなく、その緊張もここ三年で大差もない。このあたり、組織防衛のためという防衛白書のスタンスを理解しないで、その文言をそのまま真に受けるのは、ボジョレ・ヌーボーのコピーを真に受けるのと同じではないか。
防衛白書は、防衛省とその施策を肯定するために出される。防衛省に権限よこせ、防衛予算を増やせ、人を減らすなという内容になる。それは役所なので仕方がないとも言える。しかし、防衛省の組織防衛のため、国際情勢ほかで現実の情勢を無視する傾向があるのは頂けない。
実際に、防衛白書には、冷戦が終わった後になっても、消滅したロシアの脅威を強調しつづけた前科がある。当時、抜け殻状態であった極東部ロシア軍について、防衛白書は毎年「ロシアの脅威は無視できない」と言っていた。極東ロシアの陸海空軍が大幅に減少し、装備も放置され運用不可能な状態にあることを知りながら、そのことは見て見ぬふりをして、一切白書には書かなかった。北に重点配備された陸自13ヶ師団、18万人を維持する上で不利になるからである。
防衛白書での安全保障環境とやらは、自衛隊を減らさないような情報を記述するものだったというわけだ。現実の極東地域、東アジアを観察し、そのまま記述すると都合が悪ければ、それには一切触れない内容である。
だから、防衛白書は、毎年「より危険になった」と書く。ボジョレヌーボーが、毎年「10年に1度の出来」、「ここ数年で最高」、「50年に一度の傑作」を繰り返すように。防衛白書も、連続で出された昭和51年以降、ここ40年、毎年「安全保障は厳しさを増している」、「戦力拡大した周辺国に較べ、わが防衛体制は大きく遅れている」を繰り返すことになる。これをまともに信じると、毎年毎年劣勢になっていくわけなので、日本は自立も怪しいバナナ共和国並になるはずである。
つまり防衛白書は、組織防衛を目的とした役人による作文にすぎない。原状維持を目的としているから面白くない。情勢や判断については、資料としては批判的に読まなければならない部分も多い。逆に、予算関係の数字については、役人のやることなので間違いはない。また、施策についての掲載順といった細部を読むことによって、防衛省内での優先順位を見出すといったこともできる。※※ 役人はそういった事にこだわる。革命記念日にクレムリン前で並ぶ首脳陣の順番を観察するようなものだが、そう読むにも、やはり批判的に読むに限る。
本来なら、防衛白書は内閣の政策を発表するものではないか。新しい政策の必要性や、そこに至る経緯や、そのために必要なコスト、あるいはオプションとコストとベネフィットの比較とかを説明するのが本来ではないか。中国に海洋膨張主義の脅威が云々というなら、それに対して、膨張主義のおそれを封じ込めるために、日本も第1列島線でのプレゼンスを強化するとかね。そのためには、北にある戦力を大胆に整理して南西に回す。海洋でのプレゼンスにあまり意味のない戦力を削り、その分を艦隊建設に回す。その政策を訴えるのが本来である。※※※
※ 防衛白書、中国に強い懸念=尖閣「不測の事態も」『時事ドットコム』(時事通信,2013.6.25)http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013062500749
※※ ちなみに10式戦車は、防衛省による施策発表の順番では、毎年最下位である。
※※※ そのような政策転換ができないのが、日本の政治風土でもあるのだけれども。結果として防衛予算の中身は陸海空均等割で膠着したままになっている。
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弾薬庫が足りないので、艦船を使う発想は昔からある。
海自艦艇部隊には弾薬庫が足りない。既存弾薬庫で、保管上限に当たる換爆量が限界に近づいている。しかし、港湾地区であると、土地に余裕が無いため、新しい弾薬庫を作れる見込みはない。できるのは、吾妻島でやったような、旧海軍弾薬庫再生がいい所である。
陸上に土地がないなら、弾薬庫船を作ればいい。海的には、それほど違和感のない自然な発想である。なんせ艦船は陸上関連法規がほとんど通用しない。それは弾薬でも同じで、火薬類取締法、通称で火取法には、船舶への搭載・保管・輸送に関する規定はない。換爆量や保安距離といったせせこましい事は言われず、なにより経産省に伺いを立てる必要がないのが素晴らしい。
実際に、弾薬補給所が、予算要求や業務改善でよく上げていた。廃用する補給艦を転用するといったもの。別に商船規格の新造船でも、改装船でもいい。船体だけのハルクでもよいが、金が掛からないといったところで補給艦転用を出していたのだろう。
管理は容易である。セキュリティーは確保しやすい。艦船は海で隔てられており、鋼板でくるんだ構造であって、出入口も少ない。品質管理もやりやすい。弾薬庫は、高い乾燥度と一定の温度管理が求められるが、艦船は湿気の進入はなく、空調もやりやすい。計装もつけやすい。弾薬の出し入れも容易になる。船内にエレベータや天井走行レールをつけ、サイド・フォークリフトを走れるようにしておけばいい。ハッチに自前クレーンをつけることもできる。
ただし、実際に使えるかどうかは別の話である。そもそも人口密集地域である総監部近くに係留させることは、妥当とは思えない。家の目鼻の先に、弾薬庫船がいるのは、誰でもいい気持ちはしない。弾薬庫は見て分からないが、弾薬庫船は見ればわかる。なによりも、海の上にあるものは意外と近くに見えるものだ。安全性も万全ではない。覆土式や隧道式とは異なり、大規模な爆発を抑えこむ構造は作れない。やるとしても、コンクリート船にするとか、徹底的に水深を深くとって、横ではなく上に吹き抜けるようにする位がいいところだ。
実際に作って、ご近所から文句を言われるくらいなら、従来弾薬庫で工夫したほうがよい。近場にある弾薬庫の中身を見直す。どうでもいいようなMk44や対潜爆弾、触発式やアンテナ式機雷の類は、取っておくにしても遠くに保管して差支えはない。どこか遠くの山に、空自が東北町に作ったような大容量弾薬庫を作っても良い。あるいは、各総監部の金で舞鶴や大湊のような僻地に新弾薬庫を作っても良い。
米軍吾妻島弾薬庫や秋月弾薬庫のように、海自全体で持つ弾薬庫や、自衛隊全体で持つ弾薬庫を作っても良い。海に近い場所なら、呉・江田島に近い無人島の大黒神島あたり。山の中に作るなら適地は色々あるが、群馬の富岡あたりが一番よい。どちらも近くに火薬工場があるので、弾薬本体と炸薬が別々になっているような弾薬について、炸薬装填が容易にできるメリットがある。
海自艦艇部隊には弾薬庫が足りない。既存弾薬庫で、保管上限に当たる換爆量が限界に近づいている。しかし、港湾地区であると、土地に余裕が無いため、新しい弾薬庫を作れる見込みはない。できるのは、吾妻島でやったような、旧海軍弾薬庫再生がいい所である。
陸上に土地がないなら、弾薬庫船を作ればいい。海的には、それほど違和感のない自然な発想である。なんせ艦船は陸上関連法規がほとんど通用しない。それは弾薬でも同じで、火薬類取締法、通称で火取法には、船舶への搭載・保管・輸送に関する規定はない。換爆量や保安距離といったせせこましい事は言われず、なにより経産省に伺いを立てる必要がないのが素晴らしい。
実際に、弾薬補給所が、予算要求や業務改善でよく上げていた。廃用する補給艦を転用するといったもの。別に商船規格の新造船でも、改装船でもいい。船体だけのハルクでもよいが、金が掛からないといったところで補給艦転用を出していたのだろう。
管理は容易である。セキュリティーは確保しやすい。艦船は海で隔てられており、鋼板でくるんだ構造であって、出入口も少ない。品質管理もやりやすい。弾薬庫は、高い乾燥度と一定の温度管理が求められるが、艦船は湿気の進入はなく、空調もやりやすい。計装もつけやすい。弾薬の出し入れも容易になる。船内にエレベータや天井走行レールをつけ、サイド・フォークリフトを走れるようにしておけばいい。ハッチに自前クレーンをつけることもできる。
ただし、実際に使えるかどうかは別の話である。そもそも人口密集地域である総監部近くに係留させることは、妥当とは思えない。家の目鼻の先に、弾薬庫船がいるのは、誰でもいい気持ちはしない。弾薬庫は見て分からないが、弾薬庫船は見ればわかる。なによりも、海の上にあるものは意外と近くに見えるものだ。安全性も万全ではない。覆土式や隧道式とは異なり、大規模な爆発を抑えこむ構造は作れない。やるとしても、コンクリート船にするとか、徹底的に水深を深くとって、横ではなく上に吹き抜けるようにする位がいいところだ。
実際に作って、ご近所から文句を言われるくらいなら、従来弾薬庫で工夫したほうがよい。近場にある弾薬庫の中身を見直す。どうでもいいようなMk44や対潜爆弾、触発式やアンテナ式機雷の類は、取っておくにしても遠くに保管して差支えはない。どこか遠くの山に、空自が東北町に作ったような大容量弾薬庫を作っても良い。あるいは、各総監部の金で舞鶴や大湊のような僻地に新弾薬庫を作っても良い。
米軍吾妻島弾薬庫や秋月弾薬庫のように、海自全体で持つ弾薬庫や、自衛隊全体で持つ弾薬庫を作っても良い。海に近い場所なら、呉・江田島に近い無人島の大黒神島あたり。山の中に作るなら適地は色々あるが、群馬の富岡あたりが一番よい。どちらも近くに火薬工場があるので、弾薬本体と炸薬が別々になっているような弾薬について、炸薬装填が容易にできるメリットがある。
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陸自が陸上総隊を作るなら、従来に議論された通り、方面総監部は廃止すべきである。
陸自が陸上総隊を作るというニュースがある ※が、方面総監部は残置するという。
9ヶ師団、6ヶ旅団しかいないのに、5ヶも方面軍司令部は要らない。陸自師団も実態は旅団、陸自旅団は連隊に毛の生えたものにすぎない。
そもそも、陸上防衛上、日本を5ヶに分ける必要もない。今、戦争があっても、日本本土に上陸戦をかませる周辺国もない。無理に攻めこんでも本格的な上陸は1正面にとどまる。その正面は陸上総隊で面倒をみれば間にあう。別に方面総監部は残す必要もない。
結局は、ポストを維持したい、役人としての陸自の論理である。記事では
災害派遣で方面総監部は必須ではない。だいたい災害派遣関連で自衛隊が掴んでいる情報は、量的にも質的にも大したものではない。その情報や現地事情収集については、方面総監部と同じように師団・旅団でも準備している。方面総監部がなくとも、師団・旅団がやっているので問題はない。方面総監部を廃止して陸上総隊に移管しても、災害支援には大きな問題もない。
複数師団の現地調整も問題はない。事態が複数師団を跨ぐ場合も、協同関係で処理させれば良い。仮に災害区域や戦闘区域が、複数の師団をまたいだ場合でも、音頭をとる師団司令部を指示すれば済む。先任師団長に他の師団長を従わせてもいいし、面積的にメインとなる師団の司令部に、他師団は協力するようにさせてもよい。
実際に、協同による統制で問題はない。軍隊は命令関係云々であり、音頭とは何事かと言い出すかもしれない。だが、実際には命令関係ではない部隊同士についても、協同関係で上手くやっている。実際にも東日本大震災での陸自・海自・空自間の運用は、相互に協議させたり、片方に音頭を取らせたりする協同関係で行わせている。
もともと方面総監部は、必要性が怪しい。。
例えば、フランス陸軍と比較するとわかりやすい。陸自と同じ兵力のフランス陸軍には、師団級司令部よりも大きな司令部は2つしかない。1つは、参謀本部直下にある陸上総隊に相当する陸軍総司令部であり、もう1つは陸軍総司令部に従属する軍団司令部級の緊急展開軍司令部だけである。
陸自が陸上総隊を作るなら、従来に議論された通り、方面総監部は廃止すべきである。
※ 「防衛省『陸上総隊』創設検討 陸自の命令系統一元化狙う」『朝日新聞』(2013.6.22)http://digital.asahi.com/articles/TKY201306210515.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201306210515
※※ 前に書いたが、自衛隊は将官ポストがムダに多い。http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-627.html
陸自が陸上総隊を作るというニュースがある ※が、方面総監部は残置するという。
セットで検討してきた各地の『方面総監部』の廃止は見送られる見通し。とのことであるが、相当に甘い措置ではないか。
「防衛省『陸上総隊』創設検討 陸自の命令系統一元化狙う」『朝日新聞』(2013.6.22)http://digital.asahi.com/articles/TKY201306210515.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201306210515
9ヶ師団、6ヶ旅団しかいないのに、5ヶも方面軍司令部は要らない。陸自師団も実態は旅団、陸自旅団は連隊に毛の生えたものにすぎない。
そもそも、陸上防衛上、日本を5ヶに分ける必要もない。今、戦争があっても、日本本土に上陸戦をかませる周辺国もない。無理に攻めこんでも本格的な上陸は1正面にとどまる。その正面は陸上総隊で面倒をみれば間にあう。別に方面総監部は残す必要もない。
結局は、ポストを維持したい、役人としての陸自の論理である。記事では
五つの方面総監部の廃止がカギになるが、これには陸自制服組の反対が根強い。幹部ポストが減るうえ、東日本大震災を機に災害支援活動で現地の事情がよくわかる方面総監部の指揮が欠かせないという主張を強めている。としているが、災害支援活動云々はとってつけた理由に過ぎない。
「防衛省『陸上総隊』創設検討 陸自の命令系統一元化狙う」『朝日新聞』(2013.6.22)http://digital.asahi.com/articles/TKY201306210515.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201306210515
災害派遣で方面総監部は必須ではない。だいたい災害派遣関連で自衛隊が掴んでいる情報は、量的にも質的にも大したものではない。その情報や現地事情収集については、方面総監部と同じように師団・旅団でも準備している。方面総監部がなくとも、師団・旅団がやっているので問題はない。方面総監部を廃止して陸上総隊に移管しても、災害支援には大きな問題もない。
複数師団の現地調整も問題はない。事態が複数師団を跨ぐ場合も、協同関係で処理させれば良い。仮に災害区域や戦闘区域が、複数の師団をまたいだ場合でも、音頭をとる師団司令部を指示すれば済む。先任師団長に他の師団長を従わせてもいいし、面積的にメインとなる師団の司令部に、他師団は協力するようにさせてもよい。
実際に、協同による統制で問題はない。軍隊は命令関係云々であり、音頭とは何事かと言い出すかもしれない。だが、実際には命令関係ではない部隊同士についても、協同関係で上手くやっている。実際にも東日本大震災での陸自・海自・空自間の運用は、相互に協議させたり、片方に音頭を取らせたりする協同関係で行わせている。
もともと方面総監部は、必要性が怪しい。。
例えば、フランス陸軍と比較するとわかりやすい。陸自と同じ兵力のフランス陸軍には、師団級司令部よりも大きな司令部は2つしかない。1つは、参謀本部直下にある陸上総隊に相当する陸軍総司令部であり、もう1つは陸軍総司令部に従属する軍団司令部級の緊急展開軍司令部だけである。
陸自が陸上総隊を作るなら、従来に議論された通り、方面総監部は廃止すべきである。
※ 「防衛省『陸上総隊』創設検討 陸自の命令系統一元化狙う」『朝日新聞』(2013.6.22)http://digital.asahi.com/articles/TKY201306210515.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201306210515
※※ 前に書いたが、自衛隊は将官ポストがムダに多い。http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-627.html
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LCSではペリー級の代わりはできない。結局は、同じようなフリゲートが必要になる。
今月の米海軍協会"Proceedings"に、高名な軍事アナリスト、ノーマン・ポルマー(Polmar,Norman)さんの「フリゲートはどこにあるんだ」が掲載されている。要は、ペリー級が退役すると困るんじゃない?という内容である。
ポルマーさんが危惧しているのは、外洋で行動できる水上艦が足りなくなる点である。
ペリー級が退役すると、外洋で活動できる水上艦が足りなくなる。51隻建造されたペリー級も、すでに大量退役が進行し、残りは18隻しかない。この18隻も退役するが、その時には深刻な水上艦不足に陥る。イージスでは数を補えない。今でもフリゲートの代わりをしているが、手は足りない。ペリー級を代替するはずの、LCSは計画も問題を解決しない。LCSは計画が遅れている上、外洋では何もできない。ポルマーさんはそう述べている。
ポルマーさんは問題解決法として、ペリー級改装を主張している。ペリー級改装は、フリゲート新造よりも予算も時間も節約できる。ペリー級そのものも悪くない。生残性も、スタークやサミュエル・B・ロバーツで証明されている。実際に、オーストラリアが行った改装を参考にすれば良い。Mk13でスタンダートSM2を運用し、ESSMを追加する。船体延長やUAVを搭載しても良い。ペリー級改装は、コストもリスクもないのでいいことずくめだとも主張している。
実際、ペリー級を大規模改装するかどうかはともかく、単純な延命措置はあり得る話だ。今のままであっても、ペリー級は相当な戦力である。ヘリを2機運用できる点は強みといえる。ヘリを搭載しない初期型バーク級よりも優れている面はある。ペリー級は、特に最新兵装に性能向上をしなくとも、FRAMと小規模改装だけで当分使い続けることができる。運用経費も高くはない。実際に、延命される可能性も充分にある。
ただし、水上艦不足の原因は、ペリー級退役ではなく、LCS計画が筋が悪いことにある。沿岸戦闘艦LCSは、いくら揃えても外洋では既存水上艦の役割を果たせない点が問題である。
LCS計画は筋が悪い。基本的には20世紀初頭の水雷駆逐艦程度しか仕事ができない。固有武装は貧弱であまりに短射程である。対水上戦/対潜戦/対機雷戦を可能にするはずの、ミッション・パッケージは、いつできるかわからない上、その能力も極めて低く、更新するはずのペリー級やアべンジャー級には及ばない。※※
LCSについては、いつ打ち切るかを判断する時期にある。今後、LCS計画が順調に進展しても、米海軍にはコスト以上の利益が生まれることもない。もちろん、既存のLCSを廃止する必要はない。見栄えのするオモチャとしてペルシア湾や南シナ海、アデン湾で見せつけ続ければよい。しかし、これ以上、LCS建造を続けても、ポルマーさんの言うとおり、発生する水上艦不足は解決しないし、予算的に水上艦整備の足を引っ張るだけになるだろう。
LCSは、他に対機雷戦戦力整備でも悪影響を与えている。対機雷専用ミッション・パッケージは未完成であり、完成しても能力は低い。対機雷戦戦力をLCSで代替するという施策の背後には、ポルマーさんが主張した水上艦不足と同じ、対機雷戦での艦艇不足といった問題が隠れている。
米海軍は、LCS計画を止めて、従来型艦艇を整備すべきだろう。"Proceedings"誌だけでも、LCSについては支持する声よりも、懐疑の声※※※ が強い。将来戦についての長期見通しを立て、それに合わせた水上艦を建造するというスタイルは素晴らしいものである。だが、できたLCSが悪手過ぎた。米海軍にとっては、水上艦と対機雷戦用艦艇を整備するのが、現実的な解決策となるのである。
※ Polmar,Norman"Where Are the Frigates?""Proceedings"(USNI,Maryland,2013.6)pp.86-87.
※※ このあたりは、2012年冬に出したドジンhttp://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-469.htmlで散々書いている。在庫は幾らでもあるし、書泉グランデにも委託しているのでよければどーぞ。
※※※ たとえばhttp://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-278.htmlやhttp://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-552.htmlで紹介している。
今月の米海軍協会"Proceedings"に、高名な軍事アナリスト、ノーマン・ポルマー(Polmar,Norman)さんの「フリゲートはどこにあるんだ」が掲載されている。要は、ペリー級が退役すると困るんじゃない?という内容である。
ポルマーさんが危惧しているのは、外洋で行動できる水上艦が足りなくなる点である。
ペリー級が退役すると、外洋で活動できる水上艦が足りなくなる。51隻建造されたペリー級も、すでに大量退役が進行し、残りは18隻しかない。この18隻も退役するが、その時には深刻な水上艦不足に陥る。イージスでは数を補えない。今でもフリゲートの代わりをしているが、手は足りない。ペリー級を代替するはずの、LCSは計画も問題を解決しない。LCSは計画が遅れている上、外洋では何もできない。ポルマーさんはそう述べている。
ポルマーさんは問題解決法として、ペリー級改装を主張している。ペリー級改装は、フリゲート新造よりも予算も時間も節約できる。ペリー級そのものも悪くない。生残性も、スタークやサミュエル・B・ロバーツで証明されている。実際に、オーストラリアが行った改装を参考にすれば良い。Mk13でスタンダートSM2を運用し、ESSMを追加する。船体延長やUAVを搭載しても良い。ペリー級改装は、コストもリスクもないのでいいことずくめだとも主張している。
実際、ペリー級を大規模改装するかどうかはともかく、単純な延命措置はあり得る話だ。今のままであっても、ペリー級は相当な戦力である。ヘリを2機運用できる点は強みといえる。ヘリを搭載しない初期型バーク級よりも優れている面はある。ペリー級は、特に最新兵装に性能向上をしなくとも、FRAMと小規模改装だけで当分使い続けることができる。運用経費も高くはない。実際に、延命される可能性も充分にある。
ただし、水上艦不足の原因は、ペリー級退役ではなく、LCS計画が筋が悪いことにある。沿岸戦闘艦LCSは、いくら揃えても外洋では既存水上艦の役割を果たせない点が問題である。
LCS計画は筋が悪い。基本的には20世紀初頭の水雷駆逐艦程度しか仕事ができない。固有武装は貧弱であまりに短射程である。対水上戦/対潜戦/対機雷戦を可能にするはずの、ミッション・パッケージは、いつできるかわからない上、その能力も極めて低く、更新するはずのペリー級やアべンジャー級には及ばない。※※
LCSについては、いつ打ち切るかを判断する時期にある。今後、LCS計画が順調に進展しても、米海軍にはコスト以上の利益が生まれることもない。もちろん、既存のLCSを廃止する必要はない。見栄えのするオモチャとしてペルシア湾や南シナ海、アデン湾で見せつけ続ければよい。しかし、これ以上、LCS建造を続けても、ポルマーさんの言うとおり、発生する水上艦不足は解決しないし、予算的に水上艦整備の足を引っ張るだけになるだろう。
LCSは、他に対機雷戦戦力整備でも悪影響を与えている。対機雷専用ミッション・パッケージは未完成であり、完成しても能力は低い。対機雷戦戦力をLCSで代替するという施策の背後には、ポルマーさんが主張した水上艦不足と同じ、対機雷戦での艦艇不足といった問題が隠れている。
米海軍は、LCS計画を止めて、従来型艦艇を整備すべきだろう。"Proceedings"誌だけでも、LCSについては支持する声よりも、懐疑の声※※※ が強い。将来戦についての長期見通しを立て、それに合わせた水上艦を建造するというスタイルは素晴らしいものである。だが、できたLCSが悪手過ぎた。米海軍にとっては、水上艦と対機雷戦用艦艇を整備するのが、現実的な解決策となるのである。
※ Polmar,Norman"Where Are the Frigates?""Proceedings"(USNI,Maryland,2013.6)pp.86-87.
※※ このあたりは、2012年冬に出したドジンhttp://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-469.htmlで散々書いている。在庫は幾らでもあるし、書泉グランデにも委託しているのでよければどーぞ。
※※※ たとえばhttp://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-278.htmlやhttp://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-552.htmlで紹介している。
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子宮頸がんワクチンは副作用が多いので、様子見をしようという話になっているのだけれども。その接種を「性交奨励だからダメ」と言うのは、行き過ぎではないか。
山谷えり子さんの「中学生への子宮頸がんワクチンで『性交奨励』の懸念」※ という記事を見つけた。子宮頸がんワクチンについて、効果についての検討や、副作用についてはしっかりまとめられている記事である。
だが、記事に一貫する「ワクチンによって子宮頸がんのリスクが減るので、中学生が交尾してしまう」とする危惧には全く同感できない。
山谷さんは「子宮頸がんの罹患率の原因は性交渉の低年齢化にある」※※ とか、ワクチンがなくとも「モラル・道徳を守ればリスクは相当低くなる」と言っている。子宮頸がんを一種、性病視している。そして性病対策については、「青少年健全育成条例では18歳未満へのわいせつ行為を禁止している」から、18歳未満には必要ないとも言っている。
これは、単に、中学生、高校生が交尾することを憎んでいるようにしか見えない。交尾してはならないから、交尾しないように制度を組み立てようとしているのではないか。
山谷さんの主張は、お交尾をした中学生高校生に罰を与える発想なのだろう。そもそも、お交尾をかたく禁じたいので、お交尾の結果で不健康になったことを「悪い事をしたから」因果応報で救済しないように仕向けている。
交尾は衝動なので、そこに罰を持ち込んでも仕方がない話だ。山谷さんの主張は、お交尾をすると性病になるかもしれないよと脅すために、接種をするなといっているようにしか見えない。しかし、衛生博覧会的な性病の恐怖を植えつけても、その衝動には勝てず交尾はするだろう。それを責めても仕方はない。それで性病的な問題が生まれるにしても、ワクチンで済む病気であれば、接種しておけばいい。接種をやめさせようとするのは不思議な主張だ。
山谷さんは「[子宮頸がんで]『ほぼ100%死亡を防止する』のは定期健診だけでも可能」とも述べている。ただ、これは結核でも成り立つ話だろう。定期健診を受けていれば、結核ワクチンは必要ないと言えるのだろうか。
山谷さんは、不潔なエロを撲滅しようとする価値観だけで動いているのではないか。山谷さんはマンガ・アニメの表現規制でも急先鋒である。また、純潔教育にも熱心でいる。子供に教えるとお交尾してしまうと性教育にも反対している。その支持母体も、宗教団体が一杯ついている。宗教的な価値観で不潔なものを廃止し禁止しようとする、思想的な発想があるのだろう。
まあ、いずれは未成年の中絶もだめとかいいだすんじゃないかな。
※ 山谷えり子「中学生への子宮頸がんワクチンで『性交奨励』の懸念」『正論』(産経新聞,2013.6)pp.234-240
※※ 「いま二十〜三十代では子宮頸がんの罹患率が全てのがんの中で乳がんについで高くなっています。この主要な原因は性交渉開始時期の低年齢化なんです」
山谷えり子さんの「中学生への子宮頸がんワクチンで『性交奨励』の懸念」※ という記事を見つけた。子宮頸がんワクチンについて、効果についての検討や、副作用についてはしっかりまとめられている記事である。
だが、記事に一貫する「ワクチンによって子宮頸がんのリスクが減るので、中学生が交尾してしまう」とする危惧には全く同感できない。
山谷さんは「子宮頸がんの罹患率の原因は性交渉の低年齢化にある」※※ とか、ワクチンがなくとも「モラル・道徳を守ればリスクは相当低くなる」と言っている。子宮頸がんを一種、性病視している。そして性病対策については、「青少年健全育成条例では18歳未満へのわいせつ行為を禁止している」から、18歳未満には必要ないとも言っている。
これは、単に、中学生、高校生が交尾することを憎んでいるようにしか見えない。交尾してはならないから、交尾しないように制度を組み立てようとしているのではないか。
山谷さんの主張は、お交尾をした中学生高校生に罰を与える発想なのだろう。そもそも、お交尾をかたく禁じたいので、お交尾の結果で不健康になったことを「悪い事をしたから」因果応報で救済しないように仕向けている。
交尾は衝動なので、そこに罰を持ち込んでも仕方がない話だ。山谷さんの主張は、お交尾をすると性病になるかもしれないよと脅すために、接種をするなといっているようにしか見えない。しかし、衛生博覧会的な性病の恐怖を植えつけても、その衝動には勝てず交尾はするだろう。それを責めても仕方はない。それで性病的な問題が生まれるにしても、ワクチンで済む病気であれば、接種しておけばいい。接種をやめさせようとするのは不思議な主張だ。
山谷さんは「[子宮頸がんで]『ほぼ100%死亡を防止する』のは定期健診だけでも可能」とも述べている。ただ、これは結核でも成り立つ話だろう。定期健診を受けていれば、結核ワクチンは必要ないと言えるのだろうか。
山谷さんは、不潔なエロを撲滅しようとする価値観だけで動いているのではないか。山谷さんはマンガ・アニメの表現規制でも急先鋒である。また、純潔教育にも熱心でいる。子供に教えるとお交尾してしまうと性教育にも反対している。その支持母体も、宗教団体が一杯ついている。宗教的な価値観で不潔なものを廃止し禁止しようとする、思想的な発想があるのだろう。
まあ、いずれは未成年の中絶もだめとかいいだすんじゃないかな。
※ 山谷えり子「中学生への子宮頸がんワクチンで『性交奨励』の懸念」『正論』(産経新聞,2013.6)pp.234-240
※※ 「いま二十〜三十代では子宮頸がんの罹患率が全てのがんの中で乳がんについで高くなっています。この主要な原因は性交渉開始時期の低年齢化なんです」
Category : ミリタリー
高い開発費を突っ込んでC-2を作っているけど、何機作るのかね。
C-2はC-1を代替する機体となっている。C-1は25機あるが、同数は完全に更新できない。単価が高いこともあるが、必要もそれほどないからだ。
空自には25機もC-2は要らない。長距離・大量輸送には向いているかもしれない。だが、普段使い用には大きすぎて使い難い。内地での定期便等に使うにしても効率が悪すぎる。
C-2は、C-1がやっていた普段使い用には大きすぎる。雑用には燃料代が相当かさむ。機体空重量は、C-1は20tだったが、C-2は60tある。飛行距離と搭載量の組み合わせがあるのでなんとも言いがたいが、燃費が悪いことは間違いない。多少、エンジン効率は上がったとしても、3倍の重さの機体を動かすには、必要な燃料もそれなりに増加する。
内地での使い勝手も悪い。C-1をC-2にすると、短距離・軽量の輸送は相当に非効率になる。5tの貨物を運ぶのに60tの機体を使うこともない。内地にある自衛隊飛行場間での輸送需要は大したものではない。C-1にしても、満載で飛ぶこともない。ざっとだが、5tで500kmみたいな輸送がメインになる。それ以上の重さを、空輸でまとめて運ぶような需要もあまりない。
特にC-1がやっていた空挺訓練は、C-2には全く向いていない。入間のC-1を柏まで回して、空挺を乗っけて、習志野で荷物を落とし、入間にもどるような訓練をしている。そういう任務には向かない。仮にC-1で2機分をC-2では1機にできても、割は合わないだろう。
C-1がやっていた内地での雑用的な仕事は、C-2には回ってこない。定期便等や空挺の訓練は、C-1退役後はC-130でやる事になる。C-2にはその分、仕事もなくなる。
それ以外の仕事も、C-2になって搭載量が増えることもあるので、C-1よりもヨリ少ない機体数で可能になる。極端な話、C-1で5機分の仕事が1機で済むという話になれば、「C-1代替だけど、25機分はC-2を5機でヨクネ?」という話にもなる。
さて、C-2は何機つくるのだろうか。中期防では「10機作ってもいいかもね」といっていた。だが、肝腎の実物が遅れており、最終的に幾らになるのか分からない。同じ状況にあり、ヨリ金食い虫になるだろうF-35との兼ね合いもある。10機行かないで終わる可能性もあるのではないかね。
戦略輸送的な分にしても、10機はいらないんじゃないのかね。イラクやアフガンに手を出した英国も、C-17は8機で済ませている。日本はとりあえず手を出しているところはない。もちろん、国際貢献や、硫黄島への輸送、有事に空自がやる基地転換用に、C-2クラスの機体はまとまった数は必要かもしれない。とはいえ、英国のC-17よりも少なくて済むだろう。所要から行っても、5・6機で済んじゃうんじゃないかな。
※ まあ、量産機作って火傷する前に、今からでもC-17買ったほうがいいんじゃないのかねと思うよ。P-1・C-2とも、「国産したい病」の結果できたものであって、別にC-2である必要もなかった。どうせ数作るものでもない。P-8とC-17にしとけば、開発費もリスクも節約できたんじゃないのかね。
C-2はC-1を代替する機体となっている。C-1は25機あるが、同数は完全に更新できない。単価が高いこともあるが、必要もそれほどないからだ。
空自には25機もC-2は要らない。長距離・大量輸送には向いているかもしれない。だが、普段使い用には大きすぎて使い難い。内地での定期便等に使うにしても効率が悪すぎる。
C-2は、C-1がやっていた普段使い用には大きすぎる。雑用には燃料代が相当かさむ。機体空重量は、C-1は20tだったが、C-2は60tある。飛行距離と搭載量の組み合わせがあるのでなんとも言いがたいが、燃費が悪いことは間違いない。多少、エンジン効率は上がったとしても、3倍の重さの機体を動かすには、必要な燃料もそれなりに増加する。
内地での使い勝手も悪い。C-1をC-2にすると、短距離・軽量の輸送は相当に非効率になる。5tの貨物を運ぶのに60tの機体を使うこともない。内地にある自衛隊飛行場間での輸送需要は大したものではない。C-1にしても、満載で飛ぶこともない。ざっとだが、5tで500kmみたいな輸送がメインになる。それ以上の重さを、空輸でまとめて運ぶような需要もあまりない。
特にC-1がやっていた空挺訓練は、C-2には全く向いていない。入間のC-1を柏まで回して、空挺を乗っけて、習志野で荷物を落とし、入間にもどるような訓練をしている。そういう任務には向かない。仮にC-1で2機分をC-2では1機にできても、割は合わないだろう。
C-1がやっていた内地での雑用的な仕事は、C-2には回ってこない。定期便等や空挺の訓練は、C-1退役後はC-130でやる事になる。C-2にはその分、仕事もなくなる。
それ以外の仕事も、C-2になって搭載量が増えることもあるので、C-1よりもヨリ少ない機体数で可能になる。極端な話、C-1で5機分の仕事が1機で済むという話になれば、「C-1代替だけど、25機分はC-2を5機でヨクネ?」という話にもなる。
さて、C-2は何機つくるのだろうか。中期防では「10機作ってもいいかもね」といっていた。だが、肝腎の実物が遅れており、最終的に幾らになるのか分からない。同じ状況にあり、ヨリ金食い虫になるだろうF-35との兼ね合いもある。10機行かないで終わる可能性もあるのではないかね。
戦略輸送的な分にしても、10機はいらないんじゃないのかね。イラクやアフガンに手を出した英国も、C-17は8機で済ませている。日本はとりあえず手を出しているところはない。もちろん、国際貢献や、硫黄島への輸送、有事に空自がやる基地転換用に、C-2クラスの機体はまとまった数は必要かもしれない。とはいえ、英国のC-17よりも少なくて済むだろう。所要から行っても、5・6機で済んじゃうんじゃないかな。
※ まあ、量産機作って火傷する前に、今からでもC-17買ったほうがいいんじゃないのかねと思うよ。P-1・C-2とも、「国産したい病」の結果できたものであって、別にC-2である必要もなかった。どうせ数作るものでもない。P-8とC-17にしとけば、開発費もリスクも節約できたんじゃないのかね。
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ニュースによると、P-1の調子が悪いらしい。エンジンが腹痛を起こすらしいのだが、不慣れな国産エンジンが熟成しきってなかったことが原因なのだろう。読売新聞によると「高度約1万メートルから約2000メートル急降下した際、複数のエンジンの燃焼が不安定になって停止した」と報道されている。
哨戒機は結構無茶苦茶な行動をする。ソノブイで局限した目標潜水艦をMADで確実に捕まえるときや、不審船の類への襲撃的動作を行うときにに急降下もするし、しぶきがかかるほどの超低空でブンブン振り回したりする。子持ち200のチョンガー100という言葉があるように、決められた最低高度の200ft、60mを切るような行動をすることもある。
その時に「複数のエンジン」が「停止」するようでは困る。そりゃ、海自ではなかなかやらない飛行停止にもなるだろうという話だ。配備が進んでいたら、全機に特例検査がかかっただろう。厚木や海幕、空団では、朝の日例会報での特例検査以下がお通夜、それ以外の航空基地の日例会報は、人の将棋を脇からやいのやいの言う野次馬状態じゃなかったのかね。
これも、P-1のガラを無理に国産化した結果だ。もちろん、解決しない問題ではない。作った以上は解決させないと、金の無駄遣いということになる。
機体が悪いのか、エンジンが悪いのかは分からない。だが、仮にエンジンそのものに根本的な問題があるとなると、根本的な解決の見込みはない。原因探求と解決策模索で相当に時間を擁するだろう。機構がダメでも、ソフトあたりの改修で対応出来ればいいのだが、それでもヘタすると1年はかかる。エンジン機構そのものの原因なら、1年どころではない。
当座は、運用制限かね。「エンジン出力を大きく変化させなければ、問題ない」というとりあえずの結論が出れば、上昇率と下降率を制限して誤魔化す。とはいえ、運用制限での実運用開始も、ヘタすると半年近くかかるんじゃないのかね。試験飛行は早期にできるだろうが、どのあたりまで安全かを見極めるのに時間がかかる。なんにせよ、岩国のU-36の時みたいに短期間での運用再開はないだろう。
まあ、国産のリスクってことだね。哨戒機のドンガラなんて、別に新型機を作る必要もなかったのだが「国産したい病」で無理矢理国産した結果、面倒も背負い込んだということだ。解決しない問題でもないし、作ってしまったのだから、今ある実用機、2機分だけでも飛べるようにしないと国損なんだけれども。
昼に「ゆうゆうワイドが終わるまでは」と頑張って書いたので、ヘンテコなところがあってもご勘弁
※ 「最新鋭哨戒機「P1」飛行停止…深刻な不具合」『読売新聞』http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130619-OYT1T01478.htm
※※ 「「P1」2機配備延期、原因判明まで飛行停止」『読売新聞』http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130620-OYT1T00570.htm
20日午後7時50分追記
東京新聞だと「量産化に当たり、コスト削減と整備性向上のため、エンジンの一部を変更したことが原因とみられ、翌十四日から量産機の飛行を中止した。」※※※ とある。それなら、エンジンを戻せばいいだけの話にも見える。
でもねえ、本当にそれで間違いなのかなという気もする。ただ、原因の推測であって確認できたわけではないこと。また、変更前のエンジンに戻せば、本当にこのトラブルは解決するのかも確認できたわけでもないからねえ。試しに、変更前のエンジンを量産型の複数機につけてやってみないと、なんとも言えないんじゃないのかね。
なんせ、試作機が1機、量産機2機でしか飛んでいない。他にもトラブルに至る要素もあるだろうけど、機数も飛行時間も短いので、それも表面化していないだけではないかと。
まあ、新型機を作るというのは、そういうことだといえば、それまでだけどね。できた後でトライ・アンド・エラー(なんか、トライアル・アンド・エラーが正しいみたいね)をしないといけないし、そこで不具合が出てくるのは当たり前の話なんだけど。哨戒機のガワみたいに、既存品改良や輸入品で済ませてもいいものを「国産したい病」でわざわざ国産化した結果で招いた面倒なのが馬鹿馬鹿しいものだよ。
※※※ 「P1哨戒機が飛行停止 海自、試験中 エンジン不具合」『東京新聞』(東京新聞,2013.6.20夕刊)http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062002000246.html
哨戒機は結構無茶苦茶な行動をする。ソノブイで局限した目標潜水艦をMADで確実に捕まえるときや、不審船の類への襲撃的動作を行うときにに急降下もするし、しぶきがかかるほどの超低空でブンブン振り回したりする。子持ち200のチョンガー100という言葉があるように、決められた最低高度の200ft、60mを切るような行動をすることもある。
その時に「複数のエンジン」が「停止」するようでは困る。そりゃ、海自ではなかなかやらない飛行停止にもなるだろうという話だ。配備が進んでいたら、全機に特例検査がかかっただろう。厚木や海幕、空団では、朝の日例会報での特例検査以下がお通夜、それ以外の航空基地の日例会報は、人の将棋を脇からやいのやいの言う野次馬状態じゃなかったのかね。
これも、P-1のガラを無理に国産化した結果だ。もちろん、解決しない問題ではない。作った以上は解決させないと、金の無駄遣いということになる。
機体が悪いのか、エンジンが悪いのかは分からない。だが、仮にエンジンそのものに根本的な問題があるとなると、根本的な解決の見込みはない。原因探求と解決策模索で相当に時間を擁するだろう。機構がダメでも、ソフトあたりの改修で対応出来ればいいのだが、それでもヘタすると1年はかかる。エンジン機構そのものの原因なら、1年どころではない。
当座は、運用制限かね。「エンジン出力を大きく変化させなければ、問題ない」というとりあえずの結論が出れば、上昇率と下降率を制限して誤魔化す。とはいえ、運用制限での実運用開始も、ヘタすると半年近くかかるんじゃないのかね。試験飛行は早期にできるだろうが、どのあたりまで安全かを見極めるのに時間がかかる。なんにせよ、岩国のU-36の時みたいに短期間での運用再開はないだろう。
まあ、国産のリスクってことだね。哨戒機のドンガラなんて、別に新型機を作る必要もなかったのだが「国産したい病」で無理矢理国産した結果、面倒も背負い込んだということだ。解決しない問題でもないし、作ってしまったのだから、今ある実用機、2機分だけでも飛べるようにしないと国損なんだけれども。
昼に「ゆうゆうワイドが終わるまでは」と頑張って書いたので、ヘンテコなところがあってもご勘弁
※ 「最新鋭哨戒機「P1」飛行停止…深刻な不具合」『読売新聞』http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130619-OYT1T01478.htm
※※ 「「P1」2機配備延期、原因判明まで飛行停止」『読売新聞』http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130620-OYT1T00570.htm
20日午後7時50分追記
東京新聞だと「量産化に当たり、コスト削減と整備性向上のため、エンジンの一部を変更したことが原因とみられ、翌十四日から量産機の飛行を中止した。」※※※ とある。それなら、エンジンを戻せばいいだけの話にも見える。
でもねえ、本当にそれで間違いなのかなという気もする。ただ、原因の推測であって確認できたわけではないこと。また、変更前のエンジンに戻せば、本当にこのトラブルは解決するのかも確認できたわけでもないからねえ。試しに、変更前のエンジンを量産型の複数機につけてやってみないと、なんとも言えないんじゃないのかね。
なんせ、試作機が1機、量産機2機でしか飛んでいない。他にもトラブルに至る要素もあるだろうけど、機数も飛行時間も短いので、それも表面化していないだけではないかと。
まあ、新型機を作るというのは、そういうことだといえば、それまでだけどね。できた後でトライ・アンド・エラー(なんか、トライアル・アンド・エラーが正しいみたいね)をしないといけないし、そこで不具合が出てくるのは当たり前の話なんだけど。哨戒機のガワみたいに、既存品改良や輸入品で済ませてもいいものを「国産したい病」でわざわざ国産化した結果で招いた面倒なのが馬鹿馬鹿しいものだよ。
※※※ 「P1哨戒機が飛行停止 海自、試験中 エンジン不具合」『東京新聞』(東京新聞,2013.6.20夕刊)http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062002000246.html
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旧海軍にはトマト羊羹があった。10年くらいまえに『カゴメ100年史』で見つけたのだが、トマトを濃縮して羊羹状としたものである。正確には、トマトピューレを変質しないよう、風焙して濃縮したものらしい。
『カゴメ100年史』曰く、潜水艦には大人気だったとのこと。本来なら水で溶かしてケチャップにするものだが、それをしないで薄く切ってご飯の上に載せた話が出てくる。白くて味気ないご飯に、赤い彩りとトマトの酸味が楽しみだった。潜水艦では唯一の生鮮食料であったようなことが書いてある。
艦艇に乗っていると、青物に飢える。最近は野菜の調理済冷凍品があり、青物も真空凍結ものもある。昔に較べて相当に進歩している。だが、大抵は同じような野菜がチョイと出てきて終わってしまう。生野菜のサラダなんか、港で補給した時しか食えない。
その点を改善するために、艦艇に水耕栽培のユニットを組み込んでもいいのではないか。外なら、塩をかぶらないように高いところにアクリルでおおったユニットを作る。内側なら、光ファイバで採光かあるいはLEDで水耕栽培をやる。水上艦なら、煙突周りから、熱と二酸化炭素や微量の硫黄、硝化物を引っ張れば、成長も相当早くなる。
作るのはなんでも良い。紫蘇でも三つ葉でもパセリでも、キャベツやもやしに混ぜてあれば新鮮な感じはする。モロヘイヤとかオクラみたいな冷凍できないものを作っても良い。やる気になればタラの芽(冷凍品があるかどうかは知らない)もできる。
水耕栽培では大したものもできない、それなりに彩りになる。特に海外行動ほかになると、食い物も同じようなものが続いて飽きる。牛肉も朝から味噌汁に中に入っていたり、魚もいつも同じ赤魚、野菜もよく見ればミックスベジタブルと人参と玉ねぎだけとなると、嫌になる。
水耕栽培ユニットを作れば、乗員も給養員も助かるのではないか。多少でも生野菜が出れば、食べる乗員にも作る給養員にも救いになるのではないか。
これをマヌケな話というかもしれないが、旧海軍も似たようなことをやっていた。潜水艦の艦内でもやしを作っての、もやし祭りはあった様子である。兵器工業会の会報で瀬川俊雄さんが寄稿した内容に「第二次世界大戦中、潜水艦は2ヶ月程度の行動をしたが、その間、生野菜はもやしだけ」とある。まあ、生野菜のもやしと、乾燥野菜だと飽き飽きするからトマト羊羹が大歓迎されたわけだけれども。
※ 日本海軍や海自はまだマシで、海軍によっては、青物がないところもある。観艦式での艦長送りで、チリ海軍練習艦、帆船のエスメラルダを見学させてもらったことがあるのだが、野菜は玉ねぎとジャガイモだけとといっていた。玉ねぎ食っていれば壊血症は防げるだろうが、よく耐えられるものだと思ったよ。
『カゴメ100年史』曰く、潜水艦には大人気だったとのこと。本来なら水で溶かしてケチャップにするものだが、それをしないで薄く切ってご飯の上に載せた話が出てくる。白くて味気ないご飯に、赤い彩りとトマトの酸味が楽しみだった。潜水艦では唯一の生鮮食料であったようなことが書いてある。
艦艇に乗っていると、青物に飢える。最近は野菜の調理済冷凍品があり、青物も真空凍結ものもある。昔に較べて相当に進歩している。だが、大抵は同じような野菜がチョイと出てきて終わってしまう。生野菜のサラダなんか、港で補給した時しか食えない。
その点を改善するために、艦艇に水耕栽培のユニットを組み込んでもいいのではないか。外なら、塩をかぶらないように高いところにアクリルでおおったユニットを作る。内側なら、光ファイバで採光かあるいはLEDで水耕栽培をやる。水上艦なら、煙突周りから、熱と二酸化炭素や微量の硫黄、硝化物を引っ張れば、成長も相当早くなる。
作るのはなんでも良い。紫蘇でも三つ葉でもパセリでも、キャベツやもやしに混ぜてあれば新鮮な感じはする。モロヘイヤとかオクラみたいな冷凍できないものを作っても良い。やる気になればタラの芽(冷凍品があるかどうかは知らない)もできる。
水耕栽培では大したものもできない、それなりに彩りになる。特に海外行動ほかになると、食い物も同じようなものが続いて飽きる。牛肉も朝から味噌汁に中に入っていたり、魚もいつも同じ赤魚、野菜もよく見ればミックスベジタブルと人参と玉ねぎだけとなると、嫌になる。
水耕栽培ユニットを作れば、乗員も給養員も助かるのではないか。多少でも生野菜が出れば、食べる乗員にも作る給養員にも救いになるのではないか。
これをマヌケな話というかもしれないが、旧海軍も似たようなことをやっていた。潜水艦の艦内でもやしを作っての、もやし祭りはあった様子である。兵器工業会の会報で瀬川俊雄さんが寄稿した内容に「第二次世界大戦中、潜水艦は2ヶ月程度の行動をしたが、その間、生野菜はもやしだけ」とある。まあ、生野菜のもやしと、乾燥野菜だと飽き飽きするからトマト羊羹が大歓迎されたわけだけれども。
※ 日本海軍や海自はまだマシで、海軍によっては、青物がないところもある。観艦式での艦長送りで、チリ海軍練習艦、帆船のエスメラルダを見学させてもらったことがあるのだが、野菜は玉ねぎとジャガイモだけとといっていた。玉ねぎ食っていれば壊血症は防げるだろうが、よく耐えられるものだと思ったよ。
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WAVE、女性自衛官もやる気のある奴は始末に負えない。採用では高い競争率を突破してきた、競争には獰猛な連中である。しかも、男に負けてなるものかという、変な気負いがある。
同期のデキるタイプだと、とにかく八釜しい。「真面目にやっていられるか」と手を抜いていると怒る。メンドイからズルをしていると睨む。そういう関係にあったから、そのWAVEの手柄にしかならないことには「へー、そうなの、大変だね」とだけ言って、一切協力しないでいると、当たりだす。日米候補生交換行事がそれだった。Lose-Loseというのか、己が10点取れなくても、責任者のヤツが50点取れないほうが心地よいのでそのままにしてやった。
デキるタイプの雰囲気に釣られた薬剤WAVEは、自分がデキないタイプなのに、デキるタイプの真似をしていた。言っちゃ悪いが、薬剤候補生は、採用が甘いので、ややデキが悪い傾向にある。薬剤の男はその辺りを承知しているし、やる事の中身によっては「オマエの出来は悪いから」とこっちも言える。しかし、WAVEは別で、やる気ないカーストに属する己達を見下している。入校直後の5月だか薬剤師の試験に落ちたことが判明して、資格をとるまで任官できないことが決まった薬剤WAVEが、偉そうにしているのは滑稽でもあった。
見下すなら見下すで構わないのだが、実務で一緒になるとロクなこともない。練艦隊で実習員当直士官をしていた薬剤WAVE(試験通らなかったのとは別人)が、GPS位置を見て正確に間違えたことがあった。GPSの度と分を間違えたか、1/100度と1分の換算を間違えたか、コースが10マイルほどズレていると言い出した。
実習員副直士官の己がそれは間違だと言っても「オマエの言うことはアテにならない、私のほうが成績は上だ、だいたいオマエは副直だろう」とかどうでもいいことをいう。そして、間違った数字に応じた修正コースを取るように、本物の当直士官にリコメンドする。本人は信じきっていて、元気だけはやたらにあるので、モノホンの当直士官もそれを正しいと信じて任せてしまう。さあ針路がズレ始める。GPSで位置を取る場所だけあって、ズレてもなんということはないのだが、次の実習員当直士官の己が、修正するときに説明がし難いのがこまった。
仕方がないので、己が番変(ばんかえ)で実習員当直士官になる直前、ホンモノの副直士官である砲術士(2期上)にカクカクシカジカとその旨を伝えた。砲術士はGPSを確認し「やべえ」といった。確か既に相当に、たしか5-6マイルは横ずれしていたと思う。砲術士も、別の実習員教育に忙しく、それには全く気づいていなかったわけだ。とはいえ、副直士官としてそれを見逃した咎も生まれる。「当直士官に黙って修正しよう」ということになった。
当直士官に、己から修正が終わったので元のコースに戻しますと言いながら、再修正で変針点へのコースに何度(そのくらいズレていた)を足したコースをとった。外洋だったので、70マイルとか100マイルとか先が変針点で、2-3度ていどで誤魔化せたのではなかったか。WAVEが正確に間違えた修正量は覚えていない。だが、砲術士が「気づかないのはどうかしていた」と言っていたのは憶えているの。豪快に6度(10マイルで横ずれの1マイルを修正できる)とか使っていたのだろう。
本物の当直士官も、次のコースが何度だなんて覚えてなかったか、雰囲気で気づいて騙されてくれたか、そもそもコースに何の興味もなかったか、何も言わなかった。
部隊に言っても、WAVE幹部の鼻っ柱は強い。
己が出張するときに、出張先の総監部に宿と迎えの車を頼んだのだが。何期か下のWAVE2尉に「それは私の仕事ではありません」と言われたよ。まあ、こっちも別に自分でできる事なので、自分で予約して、歩いて行くだけの話だ。ただ、頼むことで「いつも世話になっている」と言えるのだが、それを自分で潰してどうするのかと思ったよ。千葉大に仮面浪人して、防大に入り直した才媛なんだがね。防大で1期上に、雑用は一切しないと言い放ったらしい。なかなか言えるものではない。※
部隊でも機関でも、WAVEが吠えるのを見たことは再三再四ある。4期上のWAVE3佐が、WAVE海曹を怒鳴りまくるところは圧巻だった。「お前たちみたいに『子供の面倒を見る』といってポカポカ休むからWAVEが甘く見られる」とかね。それはしょうが無いことだし、その3曹も限られた時間で頼んだ仕事をドンドンしている。生き方の押し付けにしか見えなかった。悔しさをにじませていたので、直接の指揮系統は関係ないけど、ウチの上司と一緒に「いつもありがとね」と缶ジュースと、やや高いお菓子を持っていったよ。
変わった所では、2クラス上の、下階級者にハッパを掛けられたことがある。「もっと真面目におやんなさい」と言う話だが「いや、頑張るのは貴方でしょうと」思った。でもまあ、あっちのほうがメシの数が多いし、なにかの苦労もあるのだろうから、御説御尤もで頭を下げていたけどね。
逆に、やる気のないWAVEは仕事をやりやすいものだった。同期同職域に、2つ年上のWAVEがいたのだが、これがいい学校を出ている割に、全くやる気が無い。「手を抜こう」といえば「イイね」という。仕事を振れば「アタシにゃできない、あんたらでやってくれ」と逃げる。それをマアマアとどうにかなだめたことも何回かあった。体型も、デキる感じではない。己よりも身長が高いのだが、お菓子ばっか食っていたので、多分、目方もデブの己より重い。まずは重MSで、ゴックのような体型というか、スカート制服を着ていると皆で「ドムが来る」「ホバー移動」と言っていたよ。よく見りゃ、うっすらヒゲが生えている。でも、学生隊舎の一人部屋で野良猫を室内飼いしているあたりは、まあWAVEの片鱗はあった。
とはいえ、言うことは言うもので、なんだかで一緒になって怒られた時「お前らそれでも○玉ついているのか」と言われた時「ついてるわけ無いだろ」と言い返していたよ。その時は己は笑ってしまったが、怒っている方も毒気が抜かれて「すまんかった」で腰抜けになった。
※ 自分から「ミスねぶた」に出るとか言い出したのだから、お面にも相当の自身があったのだろう。試しに「『ミスほたて』だったよねえ」というと、ホタテマンを連想したのか烈火のごとく怒った。「間違えた」といってもまだ怒っているのが面白かった。○○に総務だかで行っても、私は英語の仕事しかしないとかいろいろいったらしい。総務なんて雑用しかないのに。
同期のデキるタイプだと、とにかく八釜しい。「真面目にやっていられるか」と手を抜いていると怒る。メンドイからズルをしていると睨む。そういう関係にあったから、そのWAVEの手柄にしかならないことには「へー、そうなの、大変だね」とだけ言って、一切協力しないでいると、当たりだす。日米候補生交換行事がそれだった。Lose-Loseというのか、己が10点取れなくても、責任者のヤツが50点取れないほうが心地よいのでそのままにしてやった。
デキるタイプの雰囲気に釣られた薬剤WAVEは、自分がデキないタイプなのに、デキるタイプの真似をしていた。言っちゃ悪いが、薬剤候補生は、採用が甘いので、ややデキが悪い傾向にある。薬剤の男はその辺りを承知しているし、やる事の中身によっては「オマエの出来は悪いから」とこっちも言える。しかし、WAVEは別で、やる気ないカーストに属する己達を見下している。入校直後の5月だか薬剤師の試験に落ちたことが判明して、資格をとるまで任官できないことが決まった薬剤WAVEが、偉そうにしているのは滑稽でもあった。
見下すなら見下すで構わないのだが、実務で一緒になるとロクなこともない。練艦隊で実習員当直士官をしていた薬剤WAVE(試験通らなかったのとは別人)が、GPS位置を見て正確に間違えたことがあった。GPSの度と分を間違えたか、1/100度と1分の換算を間違えたか、コースが10マイルほどズレていると言い出した。
実習員副直士官の己がそれは間違だと言っても「オマエの言うことはアテにならない、私のほうが成績は上だ、だいたいオマエは副直だろう」とかどうでもいいことをいう。そして、間違った数字に応じた修正コースを取るように、本物の当直士官にリコメンドする。本人は信じきっていて、元気だけはやたらにあるので、モノホンの当直士官もそれを正しいと信じて任せてしまう。さあ針路がズレ始める。GPSで位置を取る場所だけあって、ズレてもなんということはないのだが、次の実習員当直士官の己が、修正するときに説明がし難いのがこまった。
仕方がないので、己が番変(ばんかえ)で実習員当直士官になる直前、ホンモノの副直士官である砲術士(2期上)にカクカクシカジカとその旨を伝えた。砲術士はGPSを確認し「やべえ」といった。確か既に相当に、たしか5-6マイルは横ずれしていたと思う。砲術士も、別の実習員教育に忙しく、それには全く気づいていなかったわけだ。とはいえ、副直士官としてそれを見逃した咎も生まれる。「当直士官に黙って修正しよう」ということになった。
当直士官に、己から修正が終わったので元のコースに戻しますと言いながら、再修正で変針点へのコースに何度(そのくらいズレていた)を足したコースをとった。外洋だったので、70マイルとか100マイルとか先が変針点で、2-3度ていどで誤魔化せたのではなかったか。WAVEが正確に間違えた修正量は覚えていない。だが、砲術士が「気づかないのはどうかしていた」と言っていたのは憶えているの。豪快に6度(10マイルで横ずれの1マイルを修正できる)とか使っていたのだろう。
本物の当直士官も、次のコースが何度だなんて覚えてなかったか、雰囲気で気づいて騙されてくれたか、そもそもコースに何の興味もなかったか、何も言わなかった。
部隊に言っても、WAVE幹部の鼻っ柱は強い。
己が出張するときに、出張先の総監部に宿と迎えの車を頼んだのだが。何期か下のWAVE2尉に「それは私の仕事ではありません」と言われたよ。まあ、こっちも別に自分でできる事なので、自分で予約して、歩いて行くだけの話だ。ただ、頼むことで「いつも世話になっている」と言えるのだが、それを自分で潰してどうするのかと思ったよ。千葉大に仮面浪人して、防大に入り直した才媛なんだがね。防大で1期上に、雑用は一切しないと言い放ったらしい。なかなか言えるものではない。※
部隊でも機関でも、WAVEが吠えるのを見たことは再三再四ある。4期上のWAVE3佐が、WAVE海曹を怒鳴りまくるところは圧巻だった。「お前たちみたいに『子供の面倒を見る』といってポカポカ休むからWAVEが甘く見られる」とかね。それはしょうが無いことだし、その3曹も限られた時間で頼んだ仕事をドンドンしている。生き方の押し付けにしか見えなかった。悔しさをにじませていたので、直接の指揮系統は関係ないけど、ウチの上司と一緒に「いつもありがとね」と缶ジュースと、やや高いお菓子を持っていったよ。
変わった所では、2クラス上の、下階級者にハッパを掛けられたことがある。「もっと真面目におやんなさい」と言う話だが「いや、頑張るのは貴方でしょうと」思った。でもまあ、あっちのほうがメシの数が多いし、なにかの苦労もあるのだろうから、御説御尤もで頭を下げていたけどね。
逆に、やる気のないWAVEは仕事をやりやすいものだった。同期同職域に、2つ年上のWAVEがいたのだが、これがいい学校を出ている割に、全くやる気が無い。「手を抜こう」といえば「イイね」という。仕事を振れば「アタシにゃできない、あんたらでやってくれ」と逃げる。それをマアマアとどうにかなだめたことも何回かあった。体型も、デキる感じではない。己よりも身長が高いのだが、お菓子ばっか食っていたので、多分、目方もデブの己より重い。まずは重MSで、ゴックのような体型というか、スカート制服を着ていると皆で「ドムが来る」「ホバー移動」と言っていたよ。よく見りゃ、うっすらヒゲが生えている。でも、学生隊舎の一人部屋で野良猫を室内飼いしているあたりは、まあWAVEの片鱗はあった。
とはいえ、言うことは言うもので、なんだかで一緒になって怒られた時「お前らそれでも○玉ついているのか」と言われた時「ついてるわけ無いだろ」と言い返していたよ。その時は己は笑ってしまったが、怒っている方も毒気が抜かれて「すまんかった」で腰抜けになった。
※ 自分から「ミスねぶた」に出るとか言い出したのだから、お面にも相当の自身があったのだろう。試しに「『ミスほたて』だったよねえ」というと、ホタテマンを連想したのか烈火のごとく怒った。「間違えた」といってもまだ怒っているのが面白かった。○○に総務だかで行っても、私は英語の仕事しかしないとかいろいろいったらしい。総務なんて雑用しかないのに。
Category : ミリタリー
東北方面隊は、まとめて1ヶ師団としたほうがよいのではないか。
東北方面隊には、1ヶ師団分の戦力しかない。正面戦闘部隊である普特機は、歩兵6ヶ大隊、砲兵1ヶ連隊、戦車1ヶ大隊でしかなく、規模でみれば、師団が妥当な規模である。そこに方面総監部と師団司令部2ヶを置くのは無駄が過ぎる。
まず、東北方面隊にある歩兵部隊は1ヶ師団分、正味6ヶ大隊しかない。東北地方を管轄する東北方面隊は、主として第6師団と第9師団で構成される。師団はそれぞれ普通科(歩兵)連隊×3を基幹とする。東北方は、普通科連隊×6が主力となる。だが、普通科連隊は、世界標準では歩兵大隊に過ぎない。東北方は、歩兵大隊×6が主力と言って間違いはない。歩兵大隊×6は、下手な師団よりも少なく、やもすると旅団級である
東北方面隊隷下にある特科連隊、戦車大隊も1ヶ師団分しかない。第6師団、第9師団の2ヶ師団分を足して、ようやく1ヶ師団分にしかならない。
特科連隊は、師団砲兵でありながら、編制上30門しかない。※ 世界標準では、編制通りの師団砲兵は50門以上もっているものだが、その半分程度にとどまっている。両師団の第6特科連隊,第9特科連隊を足して、ようやく標準的な砲兵連隊である。
戦車大隊も、それぞれ2ヶ中隊編制になっている。砲兵ならまだしも、戦車大隊で2ヶ中隊とする編制はあまり考えられない。2ヶ中隊であれば、先任中隊長が指揮を取れば充分にも見えるが、それはさておく。これも、第6戦車大隊と第9戦車大隊を合わせて4ヶ中隊であり、それで1ヶ大隊とするほうが普通だろう。
施設大隊・通信大隊は、逆に多い。支援すべき正面戦闘部隊の所要を超えている。第6師団、第9師団ともに、師団ナンバー大隊に相応な戦力を保有している。しかし、両師団の内実が、歩兵3個大隊基幹の旅団クラスであることを考慮すれば、支援部隊として施設大隊、通信大隊がそれぞれ1ヶづつ必要なのかどうかは疑問である。
東北に配置された戦力からずえば、軍司令部である東北方の必要性は疑わしい。東北には1ヶ師団分の戦力しかないのに、師団司令部より高級な方面総監部を置く必要はない。さらに、その隷下に2ヶ師団を置き、2つの師団司令部を置く必要もない。
配備戦力で見れば、東北師団とするのが相応に見える。方面隊を師団に落とすことで、人員や予算、庁舎敷地は相当に節約できる。
方面総監部は、司令部だけで300人以上、付属する通信部隊他を含めれば、間違いなく1000人以上を保有している。仙台市街地にある方面の敷地や、霞の目飛行場も、それぞれ1平方キロ以上の地積を占めている。方面を廃止し、師団司令部とすれば、これらの相当部分を節約できる。
また、東北方を師団に変えれば、隷下の第6師団司令部、第9師団司令部も省略できる。師団司令部と通信関係を整理すれば、やはり300人以上づつを整理できる。
方面と師団司令部を整理すれば、少なくとも1000人は浮く。1000人あれば、歩兵大隊規模である普通科連隊1ヶ分に宛てられる。この普通科連隊も、普通科大隊に落とせば、連隊本部から大隊本部に減量した人員で各中隊を強化できるのだか、それは置いておく。
いずれにせよ、数だけやたらと多い高級司令部を減らすことで、予算を節減するだけではなく、現場部隊を強化できることになる。一例として説明しやすい東北方面隊を挙げたが、多方面も同様である。北方も東方も中方も西方も、正味はとうてい軍ではなく、隷下に無駄に師団・旅団司令部を抱えている。
陸自は、人がいない、足りない、減らせないといいながらも、高級司令部を無駄に作っている。ポストを作り、維持したいのが官僚組織なので、放っておけば現場を減らしてでも将官以下のポストを維持するだろう。金もない当節、この手の病的構造に手をいれるのが政治である。だが、支持者を慮り、漫然と予算を増額したようでは、無駄遣いを減らすこともできないだろう。
※ 編制を見ると、特科中隊(バッテリー)の数と大砲を減らしている。特科連隊は、砲3個大隊で編成されている。ここは世界標準通りである。しかし、1ヶ大隊は2ヶ中隊編制であり、しかも1ヶ中隊は5門でしかない。通常は、1ヶ大隊は3-4ヶ中隊、中隊は6-8門である。(英軍は8門バッテリー)
東北方面隊には、1ヶ師団分の戦力しかない。正面戦闘部隊である普特機は、歩兵6ヶ大隊、砲兵1ヶ連隊、戦車1ヶ大隊でしかなく、規模でみれば、師団が妥当な規模である。そこに方面総監部と師団司令部2ヶを置くのは無駄が過ぎる。
まず、東北方面隊にある歩兵部隊は1ヶ師団分、正味6ヶ大隊しかない。東北地方を管轄する東北方面隊は、主として第6師団と第9師団で構成される。師団はそれぞれ普通科(歩兵)連隊×3を基幹とする。東北方は、普通科連隊×6が主力となる。だが、普通科連隊は、世界標準では歩兵大隊に過ぎない。東北方は、歩兵大隊×6が主力と言って間違いはない。歩兵大隊×6は、下手な師団よりも少なく、やもすると旅団級である
東北方面隊隷下にある特科連隊、戦車大隊も1ヶ師団分しかない。第6師団、第9師団の2ヶ師団分を足して、ようやく1ヶ師団分にしかならない。
特科連隊は、師団砲兵でありながら、編制上30門しかない。※ 世界標準では、編制通りの師団砲兵は50門以上もっているものだが、その半分程度にとどまっている。両師団の第6特科連隊,第9特科連隊を足して、ようやく標準的な砲兵連隊である。
戦車大隊も、それぞれ2ヶ中隊編制になっている。砲兵ならまだしも、戦車大隊で2ヶ中隊とする編制はあまり考えられない。2ヶ中隊であれば、先任中隊長が指揮を取れば充分にも見えるが、それはさておく。これも、第6戦車大隊と第9戦車大隊を合わせて4ヶ中隊であり、それで1ヶ大隊とするほうが普通だろう。
施設大隊・通信大隊は、逆に多い。支援すべき正面戦闘部隊の所要を超えている。第6師団、第9師団ともに、師団ナンバー大隊に相応な戦力を保有している。しかし、両師団の内実が、歩兵3個大隊基幹の旅団クラスであることを考慮すれば、支援部隊として施設大隊、通信大隊がそれぞれ1ヶづつ必要なのかどうかは疑問である。
東北に配置された戦力からずえば、軍司令部である東北方の必要性は疑わしい。東北には1ヶ師団分の戦力しかないのに、師団司令部より高級な方面総監部を置く必要はない。さらに、その隷下に2ヶ師団を置き、2つの師団司令部を置く必要もない。
配備戦力で見れば、東北師団とするのが相応に見える。方面隊を師団に落とすことで、人員や予算、庁舎敷地は相当に節約できる。
方面総監部は、司令部だけで300人以上、付属する通信部隊他を含めれば、間違いなく1000人以上を保有している。仙台市街地にある方面の敷地や、霞の目飛行場も、それぞれ1平方キロ以上の地積を占めている。方面を廃止し、師団司令部とすれば、これらの相当部分を節約できる。
また、東北方を師団に変えれば、隷下の第6師団司令部、第9師団司令部も省略できる。師団司令部と通信関係を整理すれば、やはり300人以上づつを整理できる。
方面と師団司令部を整理すれば、少なくとも1000人は浮く。1000人あれば、歩兵大隊規模である普通科連隊1ヶ分に宛てられる。この普通科連隊も、普通科大隊に落とせば、連隊本部から大隊本部に減量した人員で各中隊を強化できるのだか、それは置いておく。
いずれにせよ、数だけやたらと多い高級司令部を減らすことで、予算を節減するだけではなく、現場部隊を強化できることになる。一例として説明しやすい東北方面隊を挙げたが、多方面も同様である。北方も東方も中方も西方も、正味はとうてい軍ではなく、隷下に無駄に師団・旅団司令部を抱えている。
陸自は、人がいない、足りない、減らせないといいながらも、高級司令部を無駄に作っている。ポストを作り、維持したいのが官僚組織なので、放っておけば現場を減らしてでも将官以下のポストを維持するだろう。金もない当節、この手の病的構造に手をいれるのが政治である。だが、支持者を慮り、漫然と予算を増額したようでは、無駄遣いを減らすこともできないだろう。
※ 編制を見ると、特科中隊(バッテリー)の数と大砲を減らしている。特科連隊は、砲3個大隊で編成されている。ここは世界標準通りである。しかし、1ヶ大隊は2ヶ中隊編制であり、しかも1ヶ中隊は5門でしかない。通常は、1ヶ大隊は3-4ヶ中隊、中隊は6-8門である。(英軍は8門バッテリー)
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ビーチングできる輸送艦は必要なのではないか。
海自輸送艦は「おおすみ」だけになっている。約9000t、22ktと大型で高速だが、ビーチングができない。ビーチングとは、砂浜に乗り上げ、艦首部を開放して船倉から直接上陸する方法である。離島で使う小さなフェリーを想像すればよい。「おおすみ」は、このビーチングができない。輸送手段はLCAC、ヘリでの輸送、あるいは岸壁につけての揚陸搭載使用に限定されている。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:LST-742,1950;1016074201.jpgから。オリジナルUS National Archives photo # 80-G-421526の米海軍写真であり、利用可能であるため転載した
ビーチングができないと、生地への大量輸送に苦労する。生地への大量輸送では、ビーチングが一番世話はない。荷物を載せ替える手間がないからだ。対して、LCACやヘリは高速であるものの、荷物の積み下ろしで時間を取られてしまう。LCACやヘリは、荷物が少量であれば沖合から一気に運べて便利だが、大量輸送となるとビーチングに負ける。
実際に、硫黄島輸送ではビーチングの方が便利だった。旧式輸送艦によるビーチングでは半日かからず揚陸できた物資量が、「おおすみ」型ではもてあました。積み込み・積み下ろしを繰り返すLCACでの輸送は量がさばけない。1日で終わらず残業をしてどうにかまで伸びてしまった。
今、海自でビーチングできるのは、500tに満たない輸送艇1号と輸送艇2号しかない。去年までは約600tの「ゆら」「のと」、8年前までは1500tの「ねむろ」があった。それ以前は、1500-2000t級のLSTがあった。しかし「おおすみ」以降には、ビーチングできる艦艇は建造されていない。残るのは、天候を見ながら伊豆諸島あたりをまでしか出られない輸送艇1号型だけとなっている。この1号型も、5年10年のうちには退役する。
災害派遣を考慮すると、ビーチングできる輸送艦も整備しておいたほうがよいのではないか。今のところ、生地輸送は硫黄島程度しかない。しかし、津波で港湾が使えなくなるような災害派遣を考慮すれば、生地への大量輸送手段は持っておいたほうが良い。東日本大震災では、岸壁復旧をまって、官民艦船で輸送した。だが、ビーチング輸送できる輸送艦があれば、岸壁復旧前、あるいは岸壁のないところへの輸送に活躍しただろう。あるいは、問題となったガソリン輸送も可能だったかもしれない。
海自も、10年ほど前には1900tタイプを計画していた。「輸送艦(1900トン型LSU)」http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/13/jizen/youshi/05.pdfがそれだ。しかし、予算化できないままに終わっている。それ以降、ビーチングできる輸送艦への予算要求の話は聞かない。潜水艦や護衛艦、哨戒ヘリや哨戒機も重要かもしれない。だが、支援艦艇としてビーチングできる輸送艦も、安いもので十分※ なので、作っておいたほうが良い。
※ 高度な艦艇でもないので、別に日本の造船所で作る必要もない。日本の建造所で値段ケチると、水中処分母船の上構のように、今時、水漏れとか、とんでもないことになるので、極端な話、中国や韓国で建造したほうがいいだろう。エンジンや舵機、艤装品を支給して、通信設備や武装(機関砲程度だけど)日本で後付すれば、中国で建造してもなんの問題もない。
海自輸送艦は「おおすみ」だけになっている。約9000t、22ktと大型で高速だが、ビーチングができない。ビーチングとは、砂浜に乗り上げ、艦首部を開放して船倉から直接上陸する方法である。離島で使う小さなフェリーを想像すればよい。「おおすみ」は、このビーチングができない。輸送手段はLCAC、ヘリでの輸送、あるいは岸壁につけての揚陸搭載使用に限定されている。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:LST-742,1950;1016074201.jpgから。オリジナルUS National Archives photo # 80-G-421526の米海軍写真であり、利用可能であるため転載した
ビーチングができないと、生地への大量輸送に苦労する。生地への大量輸送では、ビーチングが一番世話はない。荷物を載せ替える手間がないからだ。対して、LCACやヘリは高速であるものの、荷物の積み下ろしで時間を取られてしまう。LCACやヘリは、荷物が少量であれば沖合から一気に運べて便利だが、大量輸送となるとビーチングに負ける。
実際に、硫黄島輸送ではビーチングの方が便利だった。旧式輸送艦によるビーチングでは半日かからず揚陸できた物資量が、「おおすみ」型ではもてあました。積み込み・積み下ろしを繰り返すLCACでの輸送は量がさばけない。1日で終わらず残業をしてどうにかまで伸びてしまった。
今、海自でビーチングできるのは、500tに満たない輸送艇1号と輸送艇2号しかない。去年までは約600tの「ゆら」「のと」、8年前までは1500tの「ねむろ」があった。それ以前は、1500-2000t級のLSTがあった。しかし「おおすみ」以降には、ビーチングできる艦艇は建造されていない。残るのは、天候を見ながら伊豆諸島あたりをまでしか出られない輸送艇1号型だけとなっている。この1号型も、5年10年のうちには退役する。
災害派遣を考慮すると、ビーチングできる輸送艦も整備しておいたほうがよいのではないか。今のところ、生地輸送は硫黄島程度しかない。しかし、津波で港湾が使えなくなるような災害派遣を考慮すれば、生地への大量輸送手段は持っておいたほうが良い。東日本大震災では、岸壁復旧をまって、官民艦船で輸送した。だが、ビーチング輸送できる輸送艦があれば、岸壁復旧前、あるいは岸壁のないところへの輸送に活躍しただろう。あるいは、問題となったガソリン輸送も可能だったかもしれない。
海自も、10年ほど前には1900tタイプを計画していた。「輸送艦(1900トン型LSU)」http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/13/jizen/youshi/05.pdfがそれだ。しかし、予算化できないままに終わっている。それ以降、ビーチングできる輸送艦への予算要求の話は聞かない。潜水艦や護衛艦、哨戒ヘリや哨戒機も重要かもしれない。だが、支援艦艇としてビーチングできる輸送艦も、安いもので十分※ なので、作っておいたほうが良い。
※ 高度な艦艇でもないので、別に日本の造船所で作る必要もない。日本の建造所で値段ケチると、水中処分母船の上構のように、今時、水漏れとか、とんでもないことになるので、極端な話、中国や韓国で建造したほうがいいだろう。エンジンや舵機、艤装品を支給して、通信設備や武装(機関砲程度だけど)日本で後付すれば、中国で建造してもなんの問題もない。
Category : ミリタリー
教官課程の教官やってた時の話なんだが、教場(教室をそう呼ぶ)での並び方はクジ引きにさせた。
一般的に教場では、先任順で逆に並ぶ。イメージとしては、まず階級順、同じ階級なら先任順に全員を並べる。そして、序列が低いものから順番に前から座らせる。教官課程なら前は20代の3曹、後ろが曹長、その後ろが同時に教務(授業をそう呼ぶ)する幹部課程という順番になる。
しかし、これは塩梅が悪かった。最初の課程で気づいたことだが、相互にサポートできなくなってしまう。まず、パソコンを使わないオトッツァンが後ろに纏まる。隣のやつに聞いてもわからない。標準偏差と信頼性区間にせよ、レタッチによる写真偽造のやり方にせよ、アイソメつかった製図法にしろ、前の若衆は悉皆分かっているが、後ろのオトッツァンが困っている。これが規則の類になると逆で、後ろはわかっていて前が分からない。だから、できれば、若い奴の近くにオトッツァンを置いて、互いにサポートできるようにしたかった。
2回目と3回目の課程は、じゃんけんで買った順に、好きなところに座らせてみた。2回目は比較的に旨く言ったが、3回目は3曹同期3人が並んで、あんまし良くない結果になった。授業でダレるのは構わないのだが、3人が同時にいつもピーチクパーチクで、全体の課題作成の水準を下げてしまった。普通は、学生長ほかの先任クラスがどうにかするのだが。学生長と副学生長が、教官になることに危機感を抱いていて、自分の面倒しか見れなかった(毎晩深夜12時位まで課題作成していた)ことが裏目にでた。
ちなみに、こういう時には幹部課程は海曹学生に直接はモノを言うことはできない。基本的には、海曹課程の学生長にいうことしかできない。曹士への指示で先任(学生長)を飛ばすことは、先任をないがしろにする行為だからだ。
これがマズイということで、4回目はクジ引きにした。とにかくランダムにしようと、最初にじゃんけんをさせて、その順にクジを引かせた。同じところに同じ席のクジがあると困ると思ったためだ。もちろん、2・3回目同様に幹部課程もまぜこぜにしている。
これは非常に好結果を得た。普段の授業から、互いにカバーをしあうようになった。混ぜた結果が良かったのか、分散した先任クラスが周囲を見て、自分を含めて分からないヤツのカバーを調整するようになった。
もちろん、こっちも教官なので、頭から?を出している奴の見分けはつくが、授業時間には限界がある。その後のフォローにしても、教官は一人しかいない上に、秘密保全やネットワーク管理、安全みたいな雑用、当直士官もやっていたので、肝腎の教務には時間を割けない事情があったので助かった。
例えば、たまにいる筑波大院卒みたいなのが、どうしても納得出来ない海曹に、時間外に統計の概念を噛んで含んで教えるようなこともやってくれた。どちらも航空整備なので「信頼性区間って○○システムの☓☓と同じ操作だったのですか」と納得するのだが、そもそも、☓☓が信頼性区間を利用しているのだから、納得の方向が逆の話だ。他にも、写真員がフォトショの使い方を教えたり、施設員が図版作成を教えたり、たしか経理員がマクロの組み方まで教えていた。
幹部と海曹の混交にも役に立った。じゃんけん式では、幹部も幹部でまとまる傾向があったが、それも分散された。とにかくランダムなので、3佐学生や准尉学生の隣が3曹学生となる。帳面上は2つの課程なのだが、完全に混和する。水金土日しか外出できない海曹が、買い物ほかで困っているのを見つけると、外出制限のない幹部が外に買い物を代行する。あるいは、曹長や幹部の実習課題作成に、2曹3曹が自然と手伝うようなことが起きた。
毎回水曜は一緒に宴会に行ったクラスもあった。お誕生日会もあった。自衛隊に限らないが、大人でも学校的なところに押し込められると、ある意味、子供化する。学生の誕生日に、教場で外からケーキ、オードブル、ジュースを大人経済力でしこたま購入して、お誕生会をやったクラスもあった。お呼ばれしたけど、仕事が限界だったので挨拶程度、あとは10時の消灯まで散々やっていた。
クジはもともと、何回もある発表で活用していた。米海軍手法が元なので、発表を相互に観察し、批評する仕組みになっている。しかし、並んだ順にやらせると、次や、次の次の番が自分のことに手一杯で他人を観察する余裕もない。だから、じゃんけんで一番負けたヤツを一番手にし、それからは教卓の上にあるクジを引かせて次の番を決めさせた。
学校長視察や幹部学校視察でもそれをやった。将官対応だと、普通は出来レースなのだが、それは面白く無い。スピーチ法の発表中に将官が入ってきて、その発表が終わると次の番を決めるクジを将官に引かせた。学校長指名により、○番学生とやると、なんといっても、本人の顔面蒼白になっている。3曹からみれば雲の上である。それを見た将官も出来レースでないことに喜んだし、本人もスピーチ発表でのプレッシャーを掛けられて自身がついた。その御仁の発表は、学生間批評と、良い事3つ、悪い点を「強いて改善するとすれば」1つを挙げる己の講評で終わる。だが、学校長も慣れてくると、最後に校長が己の講評を肯定する一言をくれる。それで、己の株もあがった。
将官によし、学生によし、己によしで誰も損をしない、良いやり方だったと思っているよ。
一般的に教場では、先任順で逆に並ぶ。イメージとしては、まず階級順、同じ階級なら先任順に全員を並べる。そして、序列が低いものから順番に前から座らせる。教官課程なら前は20代の3曹、後ろが曹長、その後ろが同時に教務(授業をそう呼ぶ)する幹部課程という順番になる。
しかし、これは塩梅が悪かった。最初の課程で気づいたことだが、相互にサポートできなくなってしまう。まず、パソコンを使わないオトッツァンが後ろに纏まる。隣のやつに聞いてもわからない。標準偏差と信頼性区間にせよ、レタッチによる写真偽造のやり方にせよ、アイソメつかった製図法にしろ、前の若衆は悉皆分かっているが、後ろのオトッツァンが困っている。これが規則の類になると逆で、後ろはわかっていて前が分からない。だから、できれば、若い奴の近くにオトッツァンを置いて、互いにサポートできるようにしたかった。
2回目と3回目の課程は、じゃんけんで買った順に、好きなところに座らせてみた。2回目は比較的に旨く言ったが、3回目は3曹同期3人が並んで、あんまし良くない結果になった。授業でダレるのは構わないのだが、3人が同時にいつもピーチクパーチクで、全体の課題作成の水準を下げてしまった。普通は、学生長ほかの先任クラスがどうにかするのだが。学生長と副学生長が、教官になることに危機感を抱いていて、自分の面倒しか見れなかった(毎晩深夜12時位まで課題作成していた)ことが裏目にでた。
ちなみに、こういう時には幹部課程は海曹学生に直接はモノを言うことはできない。基本的には、海曹課程の学生長にいうことしかできない。曹士への指示で先任(学生長)を飛ばすことは、先任をないがしろにする行為だからだ。
これがマズイということで、4回目はクジ引きにした。とにかくランダムにしようと、最初にじゃんけんをさせて、その順にクジを引かせた。同じところに同じ席のクジがあると困ると思ったためだ。もちろん、2・3回目同様に幹部課程もまぜこぜにしている。
これは非常に好結果を得た。普段の授業から、互いにカバーをしあうようになった。混ぜた結果が良かったのか、分散した先任クラスが周囲を見て、自分を含めて分からないヤツのカバーを調整するようになった。
もちろん、こっちも教官なので、頭から?を出している奴の見分けはつくが、授業時間には限界がある。その後のフォローにしても、教官は一人しかいない上に、秘密保全やネットワーク管理、安全みたいな雑用、当直士官もやっていたので、肝腎の教務には時間を割けない事情があったので助かった。
例えば、たまにいる筑波大院卒みたいなのが、どうしても納得出来ない海曹に、時間外に統計の概念を噛んで含んで教えるようなこともやってくれた。どちらも航空整備なので「信頼性区間って○○システムの☓☓と同じ操作だったのですか」と納得するのだが、そもそも、☓☓が信頼性区間を利用しているのだから、納得の方向が逆の話だ。他にも、写真員がフォトショの使い方を教えたり、施設員が図版作成を教えたり、たしか経理員がマクロの組み方まで教えていた。
幹部と海曹の混交にも役に立った。じゃんけん式では、幹部も幹部でまとまる傾向があったが、それも分散された。とにかくランダムなので、3佐学生や准尉学生の隣が3曹学生となる。帳面上は2つの課程なのだが、完全に混和する。水金土日しか外出できない海曹が、買い物ほかで困っているのを見つけると、外出制限のない幹部が外に買い物を代行する。あるいは、曹長や幹部の実習課題作成に、2曹3曹が自然と手伝うようなことが起きた。
毎回水曜は一緒に宴会に行ったクラスもあった。お誕生日会もあった。自衛隊に限らないが、大人でも学校的なところに押し込められると、ある意味、子供化する。学生の誕生日に、教場で外からケーキ、オードブル、ジュースを大人経済力でしこたま購入して、お誕生会をやったクラスもあった。お呼ばれしたけど、仕事が限界だったので挨拶程度、あとは10時の消灯まで散々やっていた。
クジはもともと、何回もある発表で活用していた。米海軍手法が元なので、発表を相互に観察し、批評する仕組みになっている。しかし、並んだ順にやらせると、次や、次の次の番が自分のことに手一杯で他人を観察する余裕もない。だから、じゃんけんで一番負けたヤツを一番手にし、それからは教卓の上にあるクジを引かせて次の番を決めさせた。
学校長視察や幹部学校視察でもそれをやった。将官対応だと、普通は出来レースなのだが、それは面白く無い。スピーチ法の発表中に将官が入ってきて、その発表が終わると次の番を決めるクジを将官に引かせた。学校長指名により、○番学生とやると、なんといっても、本人の顔面蒼白になっている。3曹からみれば雲の上である。それを見た将官も出来レースでないことに喜んだし、本人もスピーチ発表でのプレッシャーを掛けられて自身がついた。その御仁の発表は、学生間批評と、良い事3つ、悪い点を「強いて改善するとすれば」1つを挙げる己の講評で終わる。だが、学校長も慣れてくると、最後に校長が己の講評を肯定する一言をくれる。それで、己の株もあがった。
将官によし、学生によし、己によしで誰も損をしない、良いやり方だったと思っているよ。
Category : 中国
中国艦艇がアメリカのEEZを行ったり来たりしているらしい。
FTの記事"Chinese navy begins US economic zone patrols"※ は、次のように伝えている。
この中国によるリプロケーティングは、世界にとって喜ばしいことではないか?
もちろん、このニュースに脅威を感じる人がいるかもしれない。中国海軍による活動範囲が沖合に広がった。ついに米国(多分、グアムあたり)遊弋するようになった。これは、中国海軍の拡大であり、中国海洋進出の成果である。キツイ言い方をする人だと、中国膨張主義の現れであるというかもしれない。
しかし、中国が世界の海洋秩序に倣った点で、喜ばしい事件である。
前々から中国はEEZについて、国際秩序と異なった珍奇な主張をしていた。EEZでは軍事的行動が制約されるというものである。去年の日経の記事にもこのようなものがある。※※
だが、今回中国が取った行動は、従来、自国による主張を引っ込めるものだ。そもそも、米海軍が対象国沿岸を往復するレシプロケーティングは、海洋での国際法上権利の確認と、その行使といった面もある。昔の米海軍によるオホーツク海公海部への進入や、たまにやる台湾海峡通過と同じ性格ももっている。アメリカのEEZで艦隊行動を行うということは、自国EEZでの行動にも文句を言うことはできない。海洋での国際法秩序に中国が収まる傾向であるとも言える。その意味では、世界にとって好ましいことであるとも言えるわけだ。
※ Hille,Kathrin"Chinese navy begins US economic zone patrols""The Financial Times"(THE FINANCIAL TIMES,London,2013.6.2)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/02ce257e-cb4a-11e2-8ff3-00144feab7de.html#axzz2WCS7kJqg
どこの国も、EEZと領海を混同する人はいると見えて"Under international law, each country has the exclusive right to the economic resources inside a 200-nautical-mile zone off its coast, a zone different from coastal states’ 12-mile national waters."と断っている。
英語圏の読者にも、EEZを領海侵犯と言い出す連中はいるのだろう。日本の例を見たければ、試しに「EEZを領海侵犯」と入れてググればよい。意味が矛盾しているワードを振り回して、右曲がりのダンディ達が発火しているのを散見できる。
※※ 中山真「米司令官『中国は海洋権益を過剰に主張』」『日本経済新聞WEB版』 (日本経済新聞,2012.6.16)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1600K_W2A610C1NNE000/
そうとう昔に読んだ話だが。中国の独特なEEZ解釈に、日本が抗議をした。すると「日本発着商船の行動を阻害しないからいいだろ」と回答をしたという。「海洋の自由への挑戦である」ことに抗議をしたことを「中国が邪魔するかもしれない」から抗議したと認識するズレ具合にあると言う話だ。まず、中国の海洋秩序への認識は、他国とズレていたわけだ。
FTの記事"Chinese navy begins US economic zone patrols"※ は、次のように伝えている。
Admiral Samuel Locklear, commander of US forces in the Pacific, on Sunday confirmed the revelation from a Chinese military delegate at the Shangri-La Dialogue, a high-level defence forum in Singapore, that the People’s Liberation Army navy had started “reciprocating” the US navy’s habit of sending ships and aircraft into the 200-nautical-mile zone off China’s coast.今まで、米海軍は中国沿岸200マイル以内で、艦隊を往復、まず遊弋させるレシプロケーティング(reciprocating)をやっていた。今度は、それを中国がアメリカ沿岸で始めたという。中国が「尖閣棚上げしない?」と言い出した、例のシンガポールのシンポジウムで、これまた中国が言ったということだ。
Hille,Kathrin"Chinese navy begins US economic zone patrols""The Financial Times"(THE FINANCIAL TIMES,London,2013.6.2)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/02ce257e-cb4a-11e2-8ff3-00144feab7de.html#axzz2WCS7kJqg
この中国によるリプロケーティングは、世界にとって喜ばしいことではないか?
もちろん、このニュースに脅威を感じる人がいるかもしれない。中国海軍による活動範囲が沖合に広がった。ついに米国(多分、グアムあたり)遊弋するようになった。これは、中国海軍の拡大であり、中国海洋進出の成果である。キツイ言い方をする人だと、中国膨張主義の現れであるというかもしれない。
しかし、中国が世界の海洋秩序に倣った点で、喜ばしい事件である。
前々から中国はEEZについて、国際秩序と異なった珍奇な主張をしていた。EEZでは軍事的行動が制約されるというものである。去年の日経の記事にもこのようなものがある。※※
海洋法は領海や大陸棚などとともに、沿岸から200カイリ以内で経済的な主権が及ぶEEZを定める。中国はこの規定を根拠に、EEZやその上空での外国の軍事活動を認めず、米軍を自らの近海に近づけない「接近阻止戦略」の論拠としている。10年ほど前、海南島近くでEP-3と中国機が空中衝突したことがある。当時、中国はEP-3が中国EEZ上で軍事行動をすることに対してイチャモンつけていたことを憶えている人も多いだろう。
中山真「米司令官『中国は海洋権益を過剰に主張』」『日本経済新聞WEB版』 (日本経済新聞,2012.6.16)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1600K_W2A610C1NNE000/
だが、今回中国が取った行動は、従来、自国による主張を引っ込めるものだ。そもそも、米海軍が対象国沿岸を往復するレシプロケーティングは、海洋での国際法上権利の確認と、その行使といった面もある。昔の米海軍によるオホーツク海公海部への進入や、たまにやる台湾海峡通過と同じ性格ももっている。アメリカのEEZで艦隊行動を行うということは、自国EEZでの行動にも文句を言うことはできない。海洋での国際法秩序に中国が収まる傾向であるとも言える。その意味では、世界にとって好ましいことであるとも言えるわけだ。
※ Hille,Kathrin"Chinese navy begins US economic zone patrols""The Financial Times"(THE FINANCIAL TIMES,London,2013.6.2)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/02ce257e-cb4a-11e2-8ff3-00144feab7de.html#axzz2WCS7kJqg
どこの国も、EEZと領海を混同する人はいると見えて"Under international law, each country has the exclusive right to the economic resources inside a 200-nautical-mile zone off its coast, a zone different from coastal states’ 12-mile national waters."と断っている。
英語圏の読者にも、EEZを領海侵犯と言い出す連中はいるのだろう。日本の例を見たければ、試しに「EEZを領海侵犯」と入れてググればよい。意味が矛盾しているワードを振り回して、右曲がりのダンディ達が発火しているのを散見できる。
※※ 中山真「米司令官『中国は海洋権益を過剰に主張』」『日本経済新聞WEB版』 (日本経済新聞,2012.6.16)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1600K_W2A610C1NNE000/
そうとう昔に読んだ話だが。中国の独特なEEZ解釈に、日本が抗議をした。すると「日本発着商船の行動を阻害しないからいいだろ」と回答をしたという。「海洋の自由への挑戦である」ことに抗議をしたことを「中国が邪魔するかもしれない」から抗議したと認識するズレ具合にあると言う話だ。まず、中国の海洋秩序への認識は、他国とズレていたわけだ。
Category : ミリタリー
陸自は無駄に将官ポストを保有しているのではないか?
陸自は実数14万人弱でありながら、野戦部隊として師団と旅団を合計15個持っている。これは、13万5000人と、ほぼ同じ規模であるフランス陸軍が8.5ヶ旅団であることと較べると、相当に多い。
陸自は、野戦を担当する部隊として、師団と旅団を15個、師団×9、旅団×6を保有している。別に旅団級の野戦部隊を2個もっている。内訳は空挺団と富士学校教導団である。支援部隊として、旅団と連隊の中間程度の団を14個もっている。14個の内訳は、混成団×5、通団×1、施設団×4、高射特科×2、特科団×1、ヘリ団×1になっている。
フランス陸軍は、野戦部隊を旅団8.5個保有している。内訳は、特殊戦旅団×1、機甲旅団×2、軽装甲旅団×2、機械化歩兵×2、山岳旅団×1、空挺旅団×1、加えてドイツと折半の仏独共同旅団を、フランス持分0.5個とみると、9.5個旅団になる。ほかに、独立連隊(相当)8個を持っている。内訳は空挺×1、外人部隊×3、陸戦隊×3、アフリカ連隊×1。旅団級支援部隊は4個、砲兵旅団×1、施設旅団×1、通信旅団×1、電子戦/情報旅団×1に過ぎない。
日本はフランス、旅団級以上の部隊数をフランスの2倍持っている。比較すると、日本は、日本が17(師団×9、旅団×6、旅団級×2+)、フランスは9.5に過ぎない。フランスは独立連隊を8個持っているといっても、比率はあまり変わらない。旅団換算にすると、独立連隊8個は、旅団換算でだいたい5-3個旅団相当になる。しかし、日本は師団を9個含んでいる。これを旅団換算すれば、だいたい20-15個旅団相当になる。乱暴に、師団を2個旅団、旅団を2個連隊で換算すると、日本は26個旅団相当、フランスは13.5個旅団相当になる。日本はフランスの2倍という数字は変わらない。
もちろん、軍隊をどう分割するかは、それほど意味のある話ではない。その単位を師団と呼ぶか旅団と呼ぶか連隊と呼ぶかは、その国の勝手だ。
しかし、日本がフランスに対し、矢鱈と高級ポストを作り出し、維持していることは判然とする。部隊将官ポストでみると、日本とフランスの比率は、40対13.5と、3倍野さがある。師団は師団長(陸将)・副師団長(陸将補)と二人の将官を含む。旅団は旅団長(少将、陸将補、准将、代将※)が一人いる。将官ポストで見ると、日本は野戦部隊で26、フランスは9.5と3倍の差が出る。旅団級支援部隊では、日本が14、フランスが4である。
司令部・学校でも、将官ポストには差がある。陸自は司令部として中即・5方面総監部を持ち、学校を14個もっている。フランス陸軍は、タイプ司令部2個、タスク司令部3個、学校は7個に過ぎない。将官ポストで見ると26である。内訳は陸自が司令部で12(2人づつ)、学校で14。フランスが17、司令部が10(2人づつ)、学校で7となっている。
指揮官等の将官ポストは、日本が66、フランスが20.5と3倍の差がある。この他にも将官ポストには、省庁ポストや統幕・陸幕・参謀本部、開発・研究機関もある。その辺りは調べていないが、司令部、師団、旅団、学校長といった指揮官等ポストだけを見ても、陸自将官ポストはフランス陸軍に比較して相当に多い。
陸自の将官ポストの数には、削減の余地があるのではないか。日本は、ほぼ同じ陸軍兵力を持ち、しかも陸軍国であるフランスよりも、指揮官等での将官ポストが多くする必要性はない。将官ポストを増やしても何もいいことはない。極端な話、将官指揮官には、佐官指揮官に較べて高コストである。給料や官舎、自動車といった待遇だけではない、多くの幕僚や、高級な副官、大規模な付隊を消費する。
師団以下の部隊を見ても、内実に較べて相当に飾っている。世界標準で見ると、人数的に陸自9ヶ師団は9個旅団が妥当である。6ヶ旅団は混成旅団、空挺団は空挺大隊に過ぎない。支援部隊である団も、内実は連隊-大隊である。方面司令部も、ムダに多い。陸幕の下にタスク司令部を2個も作っておけば充分だろう。学校も、14個もいらない。武器、需品、輸送あたりは1個でもいい。あるいは、少数職域は、訓練隊の形にして1佐で十分である。
現場に人が足りないというなら、余っているところから足りないところに持って行くべきだろう。将官ポストや、その司令部で人数を取られると、現場に誰もいなくなる。そのあたりは、将官を適正な数に削減するだけで相当に改善する。※※
※ 方面混成団長は、実質准将である、団長である一等陸佐が宛てられており、代将にあたる。
※※ 普通科各連隊を、中隊数を維持したまま大隊にすれば、相当に人員は節減できる。陸自は今の連隊は外国の大隊規模というなら、連隊の看板を大隊と変えても問題は起きないだろう。あとは、謎の編制特科隊も、人数と大砲の数をそのままに、大隊・中隊に落としてでいいのではないかな。
※※※ 海空自も、相当に将官ポストはインフレして減らすとこは一杯あるけどね。
陸自は実数14万人弱でありながら、野戦部隊として師団と旅団を合計15個持っている。これは、13万5000人と、ほぼ同じ規模であるフランス陸軍が8.5ヶ旅団であることと較べると、相当に多い。
陸自は、野戦を担当する部隊として、師団と旅団を15個、師団×9、旅団×6を保有している。別に旅団級の野戦部隊を2個もっている。内訳は空挺団と富士学校教導団である。支援部隊として、旅団と連隊の中間程度の団を14個もっている。14個の内訳は、混成団×5、通団×1、施設団×4、高射特科×2、特科団×1、ヘリ団×1になっている。
フランス陸軍は、野戦部隊を旅団8.5個保有している。内訳は、特殊戦旅団×1、機甲旅団×2、軽装甲旅団×2、機械化歩兵×2、山岳旅団×1、空挺旅団×1、加えてドイツと折半の仏独共同旅団を、フランス持分0.5個とみると、9.5個旅団になる。ほかに、独立連隊(相当)8個を持っている。内訳は空挺×1、外人部隊×3、陸戦隊×3、アフリカ連隊×1。旅団級支援部隊は4個、砲兵旅団×1、施設旅団×1、通信旅団×1、電子戦/情報旅団×1に過ぎない。
日本はフランス、旅団級以上の部隊数をフランスの2倍持っている。比較すると、日本は、日本が17(師団×9、旅団×6、旅団級×2+)、フランスは9.5に過ぎない。フランスは独立連隊を8個持っているといっても、比率はあまり変わらない。旅団換算にすると、独立連隊8個は、旅団換算でだいたい5-3個旅団相当になる。しかし、日本は師団を9個含んでいる。これを旅団換算すれば、だいたい20-15個旅団相当になる。乱暴に、師団を2個旅団、旅団を2個連隊で換算すると、日本は26個旅団相当、フランスは13.5個旅団相当になる。日本はフランスの2倍という数字は変わらない。
もちろん、軍隊をどう分割するかは、それほど意味のある話ではない。その単位を師団と呼ぶか旅団と呼ぶか連隊と呼ぶかは、その国の勝手だ。
しかし、日本がフランスに対し、矢鱈と高級ポストを作り出し、維持していることは判然とする。部隊将官ポストでみると、日本とフランスの比率は、40対13.5と、3倍野さがある。師団は師団長(陸将)・副師団長(陸将補)と二人の将官を含む。旅団は旅団長(少将、陸将補、准将、代将※)が一人いる。将官ポストで見ると、日本は野戦部隊で26、フランスは9.5と3倍の差が出る。旅団級支援部隊では、日本が14、フランスが4である。
司令部・学校でも、将官ポストには差がある。陸自は司令部として中即・5方面総監部を持ち、学校を14個もっている。フランス陸軍は、タイプ司令部2個、タスク司令部3個、学校は7個に過ぎない。将官ポストで見ると26である。内訳は陸自が司令部で12(2人づつ)、学校で14。フランスが17、司令部が10(2人づつ)、学校で7となっている。
指揮官等の将官ポストは、日本が66、フランスが20.5と3倍の差がある。この他にも将官ポストには、省庁ポストや統幕・陸幕・参謀本部、開発・研究機関もある。その辺りは調べていないが、司令部、師団、旅団、学校長といった指揮官等ポストだけを見ても、陸自将官ポストはフランス陸軍に比較して相当に多い。
陸自の将官ポストの数には、削減の余地があるのではないか。日本は、ほぼ同じ陸軍兵力を持ち、しかも陸軍国であるフランスよりも、指揮官等での将官ポストが多くする必要性はない。将官ポストを増やしても何もいいことはない。極端な話、将官指揮官には、佐官指揮官に較べて高コストである。給料や官舎、自動車といった待遇だけではない、多くの幕僚や、高級な副官、大規模な付隊を消費する。
師団以下の部隊を見ても、内実に較べて相当に飾っている。世界標準で見ると、人数的に陸自9ヶ師団は9個旅団が妥当である。6ヶ旅団は混成旅団、空挺団は空挺大隊に過ぎない。支援部隊である団も、内実は連隊-大隊である。方面司令部も、ムダに多い。陸幕の下にタスク司令部を2個も作っておけば充分だろう。学校も、14個もいらない。武器、需品、輸送あたりは1個でもいい。あるいは、少数職域は、訓練隊の形にして1佐で十分である。
現場に人が足りないというなら、余っているところから足りないところに持って行くべきだろう。将官ポストや、その司令部で人数を取られると、現場に誰もいなくなる。そのあたりは、将官を適正な数に削減するだけで相当に改善する。※※
※ 方面混成団長は、実質准将である、団長である一等陸佐が宛てられており、代将にあたる。
※※ 普通科各連隊を、中隊数を維持したまま大隊にすれば、相当に人員は節減できる。陸自は今の連隊は外国の大隊規模というなら、連隊の看板を大隊と変えても問題は起きないだろう。あとは、謎の編制特科隊も、人数と大砲の数をそのままに、大隊・中隊に落としてでいいのではないかな。
※※※ 海空自も、相当に将官ポストはインフレして減らすとこは一杯あるけどね。
Category : ミリタリー
公文書を作るにはエディッタで充分だ。フォーマットが昔のタイプライターそのもの。26字×23行に規定されているわけだから、エディッタで問題はない。
無理して使いにくいワープロを使うこともない。特にWordが酷い。使いにくいにのは一太郎も大差ないのだが、Wordは勝手に改行されたりするので余計に困る。まず、改行を勝手にするように余計なことをする。行間は3種類しかない。字間は一切、変えられない。天地左右のスペースも一定範囲しかない。挿入できるファイルはjpgの写真程度で、しかも位置は自由に変えられない。
だから、凝った資料を作るときのため、昔は仕事用私物パソコンにDTPソフトを入れていた。私物パソコン、私物ソフトがOKの時には、ページメーカーをいれ、2002年に2.0が出た後は、インデザインを勝手に使っていた。データやりとりの問題も、出力はpdfでやった。文句を言われても政府推奨だで済ませていた。生データが欲しければ、txtとリッチテキストで渡していた。
しかし、情報保全がうるさくなってから、私物パソコンも私物ソフトもだめになった。エロデータと一緒にイージス艦情報が漏洩したせいで、情報保全がうるさくなった。全員で調書を取られた時には、その時には馬鹿馬鹿しかったので、「私物PCを使ったことがあるか?」「ない」「私物ソフトをインストールしたことがあるか」「ない」と答えておいた。
とはいえ、抜け道はあった。情報セキュリティーとやらで配られた、デルは使えない代物だったので、メモ帳だけを使っていた。しかし、予め別名目でアドビが入れたパソコンを買わせていた。当時、私物PCや私物ソフトを使うのも嫌気がさしていた。だから官品で買わせたパソコンにアドビのCSをブチ込んだ端末だった。デルのメモ帳で作ったtxtを、予め調達しておいた資料作成端末にブチ込んで作業ができたわけだ。ただし、インデザインは買ってもらえなかったので、イラストレータで文書を作っていた。それでもwordよりは快適なことこの上ない。
しかし、次に回された先は統幕だったので、その手の器材がない。というよりも、その手のセキュリティーも担当する部署だったので、気づかないでいいところに気づく。仕方がないので、公文書は全部メモ帳で作っていた。Wordを使ってイライラするよりは、精神的によほど良い。写真や図面は全部、別にした紙を添付した。自分事ながらクラクラしたが、公文書規則上は全く問題がないので、それで問題になることはなかった。
実際に、大臣報告(ただし、どうでもいい内容)でJ-1に上げた文書もそれで作った。図版を入れたが、CADも操作が独特で、しかもプアなJWだったので、いつものとおり手書きで製図した。しかし、忙しいところで急な内容だったので、何の問題になることもなかった。
その大臣報告に文句をつけるのは、直接は何もしようとしない連中だった。逃げまくった上司とその上が、できた後で中身を見せろ、この文書は汚い、一太郎(防衛本省は一太郎)のファイルでないと文書管理や修正が難しいとか五月蝿い。逃げまくったくせに、見せてやると文句をつけて、間に合わなくなってしまう。どうにかしてくれとJ-1に電話すると、「直接大臣に報告するオレがいいといっているから、それでいい」といって、通してくれたよ。
まあ、文書処理で一番マヌケなのは、メールにWord、一太郎、EXCELのファイルだけを貼っつけてくる奴だね。しかも、議事録本文や単純連絡みたいな、txtベタ打ちみたいな中身を添付するのは、ソフトを起動する時間とファイルサイズの無駄でしかない。だいたいそういうヤツは、メール本文に概要を書かないので、内容がよくわからないと来ているよ。
※ レイアウトを作った文書にしても、Word、一太郎、EXCELは環境で字組がズレるのでPDFじゃないと困る。印刷するときに愕然とする。それを家のパソコンに、個人に送りつける業者とか役所があるけど、みんながソフトを持っていると思ったら大間違いだよ。
無理して使いにくいワープロを使うこともない。特にWordが酷い。使いにくいにのは一太郎も大差ないのだが、Wordは勝手に改行されたりするので余計に困る。まず、改行を勝手にするように余計なことをする。行間は3種類しかない。字間は一切、変えられない。天地左右のスペースも一定範囲しかない。挿入できるファイルはjpgの写真程度で、しかも位置は自由に変えられない。
だから、凝った資料を作るときのため、昔は仕事用私物パソコンにDTPソフトを入れていた。私物パソコン、私物ソフトがOKの時には、ページメーカーをいれ、2002年に2.0が出た後は、インデザインを勝手に使っていた。データやりとりの問題も、出力はpdfでやった。文句を言われても政府推奨だで済ませていた。生データが欲しければ、txtとリッチテキストで渡していた。
しかし、情報保全がうるさくなってから、私物パソコンも私物ソフトもだめになった。エロデータと一緒にイージス艦情報が漏洩したせいで、情報保全がうるさくなった。全員で調書を取られた時には、その時には馬鹿馬鹿しかったので、「私物PCを使ったことがあるか?」「ない」「私物ソフトをインストールしたことがあるか」「ない」と答えておいた。
とはいえ、抜け道はあった。情報セキュリティーとやらで配られた、デルは使えない代物だったので、メモ帳だけを使っていた。しかし、予め別名目でアドビが入れたパソコンを買わせていた。当時、私物PCや私物ソフトを使うのも嫌気がさしていた。だから官品で買わせたパソコンにアドビのCSをブチ込んだ端末だった。デルのメモ帳で作ったtxtを、予め調達しておいた資料作成端末にブチ込んで作業ができたわけだ。ただし、インデザインは買ってもらえなかったので、イラストレータで文書を作っていた。それでもwordよりは快適なことこの上ない。
しかし、次に回された先は統幕だったので、その手の器材がない。というよりも、その手のセキュリティーも担当する部署だったので、気づかないでいいところに気づく。仕方がないので、公文書は全部メモ帳で作っていた。Wordを使ってイライラするよりは、精神的によほど良い。写真や図面は全部、別にした紙を添付した。自分事ながらクラクラしたが、公文書規則上は全く問題がないので、それで問題になることはなかった。
実際に、大臣報告(ただし、どうでもいい内容)でJ-1に上げた文書もそれで作った。図版を入れたが、CADも操作が独特で、しかもプアなJWだったので、いつものとおり手書きで製図した。しかし、忙しいところで急な内容だったので、何の問題になることもなかった。
その大臣報告に文句をつけるのは、直接は何もしようとしない連中だった。逃げまくった上司とその上が、できた後で中身を見せろ、この文書は汚い、一太郎(防衛本省は一太郎)のファイルでないと文書管理や修正が難しいとか五月蝿い。逃げまくったくせに、見せてやると文句をつけて、間に合わなくなってしまう。どうにかしてくれとJ-1に電話すると、「直接大臣に報告するオレがいいといっているから、それでいい」といって、通してくれたよ。
まあ、文書処理で一番マヌケなのは、メールにWord、一太郎、EXCELのファイルだけを貼っつけてくる奴だね。しかも、議事録本文や単純連絡みたいな、txtベタ打ちみたいな中身を添付するのは、ソフトを起動する時間とファイルサイズの無駄でしかない。だいたいそういうヤツは、メール本文に概要を書かないので、内容がよくわからないと来ているよ。
※ レイアウトを作った文書にしても、Word、一太郎、EXCELは環境で字組がズレるのでPDFじゃないと困る。印刷するときに愕然とする。それを家のパソコンに、個人に送りつける業者とか役所があるけど、みんながソフトを持っていると思ったら大間違いだよ。
Category : 中国
土地の境界争いに、他人が助けてくれると考えることは甘い考えではないか?
尖閣での争いで「アメリカは本当に味方なのか?」と言い出すのは、みっともないことだ。「私は甘い見通しに浸っていました」と示す証拠であるからだ。「日本政府、オバマ政権の尖閣対応に募る不安」※ では
尖閣問題は、解決してもアメリカには何の利益を産まない。下手に関与すれば、恨みを買うだけである。そもそも、アメリカにとって尖閣問題はどうでもいい話である。関与しないに限る。
アメリカは、日中での土地争いには関与しない。あれほど、どうでもいい島はない。片方に味方すれば、残り片方に恨まれる。日本に味方すれば中国が怒る。中国が味方すれば日本が怒る。下手をすれば両方から恨まれる。親切心で島を等分にしろと言ったり、そうなるように周旋すれば、日中両国は反発する。関与しないに越したことはない。まず、日中両国で喧嘩されるのも困るので、よく話しあえしか言えない。
関与しない方針の下、アメリカができるのはリップサービスだけだ。実際には、日中領土問題に引き込まれないように注意しながら、旨いことをいって両国から歓心を買う程度である。日本との会談があれば「一般的に、尖閣諸島は安保条約の適用範囲にある」と言う。中国との会談があれば「アメリカは他国同士の領土問題に介入しない」と言う。その位である。
そのリップサービスを真に受けると「オバマ政権への不安を募らせる」ことになる。実際には、オバマ政権でなくとも、どの政権でも尖閣に関与するはずはないが、それが見えていない。
米中会談前にされた報道も、同じように不関与が見えていないものだ。
官房長官は、そう発言することで「政府は仕事をしているよ」と見せ、あるいは支持者を惹きつけようとしただけの話であるに過ぎない。その発言をそのまま受け取るほうがどうかしているだろう。
なんにしても、日本保守政権による強硬政策は、アメリカが無条件に支持するという思い込みがあるのだろう。日本が保守政権であればアメリカとうまくいく。日本が中国に強硬に出れば、中国と対立しているアメリカが喜び、支持するという無邪気な判断である。戦後、冷戦期での対ソ強硬政策や自衛隊増強といった政策はそうだったかもしれない。
しかし、アメリカと中国は冷戦状態ではない。日本が無駄に中国に強硬政策をとっても、アメリカは日本を支持するところか、考えなおせ、仲良くしろという時節になっている。政権やその支持者は、その辺りは見えていない。政権では気づいているのかもしれないが、支持者の手前、強硬政策しかできないのだろう。
※ 「日本政府、オバマ政権の尖閣対応に募る不安」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2013.6.10)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130610/plc13061023590013-n1.htm
※※ 「菅長官『米側は日本の考え主張』」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2013.6.10)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130610/plc13061023590013-n1.htm
尖閣での争いで「アメリカは本当に味方なのか?」と言い出すのは、みっともないことだ。「私は甘い見通しに浸っていました」と示す証拠であるからだ。「日本政府、オバマ政権の尖閣対応に募る不安」※ では
尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐり、オバマ米大統領が領有権で中立姿勢を取り、習近平中国国家主席に対し対話による解決を図るよう求めたことは、日本政府にオバマ政権への不安を募らせることにもなった。と述べている。「日本政府」がどのレベルを指すか分からない。また、記者が政府を観察した結果かもしれない。だが、日本政府の中で、また日本政府を観察して「オバマ政権への不安を募らせる」人は、状況を見抜けていないといってよいだろう。
「日本政府、オバマ政権の尖閣対応に募る不安」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2013.6.10)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130610/plc13061023590013-n1.htm
尖閣問題は、解決してもアメリカには何の利益を産まない。下手に関与すれば、恨みを買うだけである。そもそも、アメリカにとって尖閣問題はどうでもいい話である。関与しないに限る。
アメリカは、日中での土地争いには関与しない。あれほど、どうでもいい島はない。片方に味方すれば、残り片方に恨まれる。日本に味方すれば中国が怒る。中国が味方すれば日本が怒る。下手をすれば両方から恨まれる。親切心で島を等分にしろと言ったり、そうなるように周旋すれば、日中両国は反発する。関与しないに越したことはない。まず、日中両国で喧嘩されるのも困るので、よく話しあえしか言えない。
関与しない方針の下、アメリカができるのはリップサービスだけだ。実際には、日中領土問題に引き込まれないように注意しながら、旨いことをいって両国から歓心を買う程度である。日本との会談があれば「一般的に、尖閣諸島は安保条約の適用範囲にある」と言う。中国との会談があれば「アメリカは他国同士の領土問題に介入しない」と言う。その位である。
そのリップサービスを真に受けると「オバマ政権への不安を募らせる」ことになる。実際には、オバマ政権でなくとも、どの政権でも尖閣に関与するはずはないが、それが見えていない。
米中会談前にされた報道も、同じように不関与が見えていないものだ。
菅氏は尖閣諸島(沖縄県石垣市)問題などを念頭に「日本側の考え方を米国に伝えており、そこは(首脳会談で)しっかり主張してもらえる」と述べた。官房長官が本気でそう考えているとも思えない。アメリカは領土問題に介入しないことは分かっている。アメリカにとって、尖閣はどうでもいい無人島にすぎない。折角の米中会談で「日本側の考え方」を開陳して、無駄に習近平さんを「立場として怒らなければならない状況」に追い詰めることはない。
「菅長官『米側は日本の考え主張』」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2013.6.10)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130610/plc13061023590013-n1.htm
官房長官は、そう発言することで「政府は仕事をしているよ」と見せ、あるいは支持者を惹きつけようとしただけの話であるに過ぎない。その発言をそのまま受け取るほうがどうかしているだろう。
なんにしても、日本保守政権による強硬政策は、アメリカが無条件に支持するという思い込みがあるのだろう。日本が保守政権であればアメリカとうまくいく。日本が中国に強硬に出れば、中国と対立しているアメリカが喜び、支持するという無邪気な判断である。戦後、冷戦期での対ソ強硬政策や自衛隊増強といった政策はそうだったかもしれない。
しかし、アメリカと中国は冷戦状態ではない。日本が無駄に中国に強硬政策をとっても、アメリカは日本を支持するところか、考えなおせ、仲良くしろという時節になっている。政権やその支持者は、その辺りは見えていない。政権では気づいているのかもしれないが、支持者の手前、強硬政策しかできないのだろう。
※ 「日本政府、オバマ政権の尖閣対応に募る不安」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2013.6.10)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130610/plc13061023590013-n1.htm
※※ 「菅長官『米側は日本の考え主張』」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2013.6.10)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130610/plc13061023590013-n1.htm
Category : 有職故実
水素吸蔵合金への期待は、燃料電池への機体によく似ていた。まだ多少の望みがあるように見える燃料電池も、水素吸蔵合金の後を追うのではないか?
昔、水素吸蔵合金が脚光を浴びたことがある。15年ほど前のインテリア雑誌『室内』にあった。設備関係で水素吸蔵合金の紹介記事がある。最近は全然聞かないが、当時は「未来を救う技術」でエラク羽振りが良かった。アグネから『水素吸蔵合金』という本も出た。
70年代から、次世代エネルギーは水素みたいな一般認識はあった。オイルショックがあり、化石燃料に変わる次世代エネルギーをどうするかの話なのだがね。当節はバイオ燃料もあるが、当時はバイオ燃料はそれほどでもない。非化石燃料で思いつかないものだから、水素という話になったのだろう。
問題は、その水素を運ぶ方法である。だいたいは、工場みたいな所で水素を作る。そこから市中にある水素スタンドみたいなところまでは、パイプラインで運べばいい。だが、土地に定着しないエンジン、例えば車で使うときにどうするかが面倒である。
タンクに水素を圧縮しても多寡が知れている。だいたい、200気圧タンク云々といっても、水素は容積あたりのカロリーが低いのでどうしようもない。他にも、リークの問題、水素による容器の脆化、圧縮・膨張に伴う熱といった問題が生まれる。
液化も面倒に過ぎる。なんといっても水素は-250度、絶対零度まで肉薄しないと液化できない。その超低温を維持しないと、気化が始まる。気化したガスを逃せば引火の可能性がある。逃さないと容器が破裂する可能性がある。
そこで救世主として現れたのが、水素吸蔵合金だった。砂みたいな合金が、膨大な量の水素を必要に応じで吸着し、放出するというものだ。一時は将来の自動車はコレになるような話があった。
しかし、今日全く話題にもならない。少し調べると、効率が悪いとか、コスト的にペイしないといった原因がある。そのあたりを云々するつもりはないので、必要あれば検索してもらえばよいだろう。
15年前にあった水素吸蔵合金への期待は、燃料電池への期待に良く似ている。それによって一気に社会が変わるというような、過剰にも見える期待はソックリである。5年ほど前には、燃料電池による動力革命がすぐそこまで来ているような雰囲気だった。小規模電力、自動車、パソコン、携帯電話に直ぐに応用される見込みであるような話もあった。東芝やNECは直にパソコンを市販するよというような話もあった。しかし、実際に市販されたのは、電池だけを売る東芝Dynarioのみで、しかも直ぐに生産中止している。このあたりのポシャリ様は、かつての水素吸蔵合金への期待に極めて類似している。
水素吸蔵合金・燃料電池以前であれば、ロータリー・エンジンへの期待とも同じである。前にも書いたが、ロータリーエンジンは耐久性に劣り、確実性を欠き、燃費も怪しい。ロータリーは結局、実用化は成らず、市販車もなくなった。「将来、普及するであろう水素燃料との相性が良い」といった負け惜しみもあるが、その時には、わざわざロータリー・エンジンは使わない。燃料電池だろう。
おそらく、水素燃料そのものもハズレなのだろう。ロータリー、水素急増合金、燃料電池とも、水素燃料との関連が強かった。基本的に、水素は電気を使って生産される見込みにある。それなら、送電網の範囲であれば、電気を電気のままで使ったほうが効率は良い。車そのほかへの燃料として使うにしても、重質油やバイオ粗製油への水素付加によってガソリンや軽油とすればよい。極端な話、油が尽きても、石炭が残っていれば、水素と石炭で石油を作ることができる。気体の水素のままよりも使いやすい上、今のシステムを流用できるし、危険性も低い。
昔、水素吸蔵合金が脚光を浴びたことがある。15年ほど前のインテリア雑誌『室内』にあった。設備関係で水素吸蔵合金の紹介記事がある。最近は全然聞かないが、当時は「未来を救う技術」でエラク羽振りが良かった。アグネから『水素吸蔵合金』という本も出た。
70年代から、次世代エネルギーは水素みたいな一般認識はあった。オイルショックがあり、化石燃料に変わる次世代エネルギーをどうするかの話なのだがね。当節はバイオ燃料もあるが、当時はバイオ燃料はそれほどでもない。非化石燃料で思いつかないものだから、水素という話になったのだろう。
問題は、その水素を運ぶ方法である。だいたいは、工場みたいな所で水素を作る。そこから市中にある水素スタンドみたいなところまでは、パイプラインで運べばいい。だが、土地に定着しないエンジン、例えば車で使うときにどうするかが面倒である。
タンクに水素を圧縮しても多寡が知れている。だいたい、200気圧タンク云々といっても、水素は容積あたりのカロリーが低いのでどうしようもない。他にも、リークの問題、水素による容器の脆化、圧縮・膨張に伴う熱といった問題が生まれる。
液化も面倒に過ぎる。なんといっても水素は-250度、絶対零度まで肉薄しないと液化できない。その超低温を維持しないと、気化が始まる。気化したガスを逃せば引火の可能性がある。逃さないと容器が破裂する可能性がある。
そこで救世主として現れたのが、水素吸蔵合金だった。砂みたいな合金が、膨大な量の水素を必要に応じで吸着し、放出するというものだ。一時は将来の自動車はコレになるような話があった。
しかし、今日全く話題にもならない。少し調べると、効率が悪いとか、コスト的にペイしないといった原因がある。そのあたりを云々するつもりはないので、必要あれば検索してもらえばよいだろう。
15年前にあった水素吸蔵合金への期待は、燃料電池への期待に良く似ている。それによって一気に社会が変わるというような、過剰にも見える期待はソックリである。5年ほど前には、燃料電池による動力革命がすぐそこまで来ているような雰囲気だった。小規模電力、自動車、パソコン、携帯電話に直ぐに応用される見込みであるような話もあった。東芝やNECは直にパソコンを市販するよというような話もあった。しかし、実際に市販されたのは、電池だけを売る東芝Dynarioのみで、しかも直ぐに生産中止している。このあたりのポシャリ様は、かつての水素吸蔵合金への期待に極めて類似している。
水素吸蔵合金・燃料電池以前であれば、ロータリー・エンジンへの期待とも同じである。前にも書いたが、ロータリーエンジンは耐久性に劣り、確実性を欠き、燃費も怪しい。ロータリーは結局、実用化は成らず、市販車もなくなった。「将来、普及するであろう水素燃料との相性が良い」といった負け惜しみもあるが、その時には、わざわざロータリー・エンジンは使わない。燃料電池だろう。
おそらく、水素燃料そのものもハズレなのだろう。ロータリー、水素急増合金、燃料電池とも、水素燃料との関連が強かった。基本的に、水素は電気を使って生産される見込みにある。それなら、送電網の範囲であれば、電気を電気のままで使ったほうが効率は良い。車そのほかへの燃料として使うにしても、重質油やバイオ粗製油への水素付加によってガソリンや軽油とすればよい。極端な話、油が尽きても、石炭が残っていれば、水素と石炭で石油を作ることができる。気体の水素のままよりも使いやすい上、今のシステムを流用できるし、危険性も低い。
Category : ミリタリー
Category : ミリタリー
陸自は高級なSAMを諦めたほうがいいのではないか? 本土や、野戦での地域防空は空自に投げて、地点防空も空対空ミサイルの転用で間に合わせればいいのではないか。
陸自は地対空ミサイル、SAMを更新できる見込みがない。冷戦当時に多数を配備した、比較的安価な対空兵器を、価格が向上した新型で全て置き換えることに無理がある。
実際に、地域防空用である03式中SAMは、旧式であるホークを更新できていない。値段が高い上に、更新すべき数が多すぎる。その上、陸自そのものの優先順位が低いためだ。その状況で、さらに高価になる新型を作ろうとしている。安い03式ですら更新できなかったのに、無駄に開発費をかけて高価な新型にしたのでは、更新が進む見込みもない。
また狭い範囲、地点を防空するための11式短SAMも、従来の81式短SAMを更新できる見込みもない。理由は03式と同じである。そもそも、ミサイルだけを更新すればいいのに、発射システムを全取替するようになっている。11式は、やたらに高級なアクティブ・フェーズド・アレー方式のレーダを組み込んでいる。短射程にも関わらず、価格は1セット50億円にも及ぶ。陸自が保有している60基分、30セットはいつ更新できるか分かったものではない。
陸自には高級なSAMを調達する力がない。今やっていることは、旧式なSAMのごく一部を、高級品に新型化しているに過ぎない。
それなら、陸自SAMについての方針を、転換したほうがよい。
例えば、防空は基本的に空自に任せればいいのではないか。本土での防空は、空自に任せる。野戦での地域防空も、空自に任せる。陸自は、野戦での地点だけを担当するという考え方である。
空自は、本土防空と野戦での地域防空をする能力がある。実際に、本土での一般的な防空は空自が担当している。陸自は、下請けとしてその一部を担当しているに過ぎない。SAMによる本土防空を、すべてペトリオットを使った空自とすることは、突飛な話でもない。能力に劣るホークや中SAMは、別に本土防空に必須のミサイルでもない。また、空自には野戦での地域防空をする能力もある。ペトリオットは、もともと野戦での師団防空用として作られたシステムである。
空自も、特に野戦防空用部隊を新しく作る必要もない。既に本土決戦という状況ではない。陸自を野戦展開するにしても、全部が全部出るわけではない。1-2正面、出して合計1ヶ師団分といったところである。その分であれば、既存の高射群6個態勢から、0.5~1ヶ群を抽出すれば対応できる。
また、短SAM以下についても、専用高級品をわざわざ新造するのもやめた方が良い。
短SAM以下を使った野戦での地点防空は、強いて高級品を使う必要もない。所詮は短SAMによる防空である。期待できるのは、損害を減らすことにある。確実に敵機を落とすことができなくとも、その邪魔が出来ればよい。空自が飛行場を死守しようとするものとは違う。それならば、無理に高級品を使う必要はない。
短SAMについては、従来使っている81式で、特段に困ることもないということだ。
ただ、どうしても81式だと困るというのであっても、ミサイル本体だけを新しくすればいいだけの話だ。そのミサイル本体にしても、AAMをそのまま転用すればよい。
短SAMについて性能向上をしたいなら、ミサイルを短射程AAMにすればよい。高性能な高級品が欲しいといっても、何もわざわざ新型短SAMをを作る必要はない。すでに完成しているサイドワインダーの新型を買うなり、AAM3を分けて貰えば済んだ話である。
極端な話、短SAMは、AAMと変わるものではない。中身も赤外線で誘導され、短射程であって、両者に大差はない。実際にも、サイドワインダーAAMをSAMに転用した例もある。1960年代、西ドイツはサイドワインダーを防空用に使っている。その後も、米軍は、サイドワインダーから、姿勢制御に使っているローレロンを抜いただけのチャパレルを対空用につかっている。両者と、日本が作った81式短SAMの間には、大差もない。煙が出るか出ないかといった程度の差である。
発射機については、従来使っていた81式発射機を転用で問題になることもない。「ミサイルがくっつかない」といったような些細な問題であれば、飛行機につける発射用のレールを発射機に介して取り付ければ済む。
発射システムにも高度なものは求められない。11式にあるような高級な発射システムは、地点防空用でしか使わない短SAMに必要ではない。所詮はIR誘導される短射程のSAMに、アクティブ方式のフェーズド・アレイ・レーダは必要ではない。既に81式があるのでそれを使えばいいが、81式で使っているようなフェーズド・アレイ・レーダも、ミサイル性能に対して過剰性能が過ぎる。くるくる回る最大感度方式のレーダで概略方位。距離をつかめば、後は光学照準で済む程度のシステムにすぎない。
陸自は地対空ミサイル、SAMを更新できる見込みがない。冷戦当時に多数を配備した、比較的安価な対空兵器を、価格が向上した新型で全て置き換えることに無理がある。
実際に、地域防空用である03式中SAMは、旧式であるホークを更新できていない。値段が高い上に、更新すべき数が多すぎる。その上、陸自そのものの優先順位が低いためだ。その状況で、さらに高価になる新型を作ろうとしている。安い03式ですら更新できなかったのに、無駄に開発費をかけて高価な新型にしたのでは、更新が進む見込みもない。
また狭い範囲、地点を防空するための11式短SAMも、従来の81式短SAMを更新できる見込みもない。理由は03式と同じである。そもそも、ミサイルだけを更新すればいいのに、発射システムを全取替するようになっている。11式は、やたらに高級なアクティブ・フェーズド・アレー方式のレーダを組み込んでいる。短射程にも関わらず、価格は1セット50億円にも及ぶ。陸自が保有している60基分、30セットはいつ更新できるか分かったものではない。
陸自には高級なSAMを調達する力がない。今やっていることは、旧式なSAMのごく一部を、高級品に新型化しているに過ぎない。
それなら、陸自SAMについての方針を、転換したほうがよい。
例えば、防空は基本的に空自に任せればいいのではないか。本土での防空は、空自に任せる。野戦での地域防空も、空自に任せる。陸自は、野戦での地点だけを担当するという考え方である。
空自は、本土防空と野戦での地域防空をする能力がある。実際に、本土での一般的な防空は空自が担当している。陸自は、下請けとしてその一部を担当しているに過ぎない。SAMによる本土防空を、すべてペトリオットを使った空自とすることは、突飛な話でもない。能力に劣るホークや中SAMは、別に本土防空に必須のミサイルでもない。また、空自には野戦での地域防空をする能力もある。ペトリオットは、もともと野戦での師団防空用として作られたシステムである。
空自も、特に野戦防空用部隊を新しく作る必要もない。既に本土決戦という状況ではない。陸自を野戦展開するにしても、全部が全部出るわけではない。1-2正面、出して合計1ヶ師団分といったところである。その分であれば、既存の高射群6個態勢から、0.5~1ヶ群を抽出すれば対応できる。
また、短SAM以下についても、専用高級品をわざわざ新造するのもやめた方が良い。
短SAM以下を使った野戦での地点防空は、強いて高級品を使う必要もない。所詮は短SAMによる防空である。期待できるのは、損害を減らすことにある。確実に敵機を落とすことができなくとも、その邪魔が出来ればよい。空自が飛行場を死守しようとするものとは違う。それならば、無理に高級品を使う必要はない。
短SAMについては、従来使っている81式で、特段に困ることもないということだ。
ただ、どうしても81式だと困るというのであっても、ミサイル本体だけを新しくすればいいだけの話だ。そのミサイル本体にしても、AAMをそのまま転用すればよい。
短SAMについて性能向上をしたいなら、ミサイルを短射程AAMにすればよい。高性能な高級品が欲しいといっても、何もわざわざ新型短SAMをを作る必要はない。すでに完成しているサイドワインダーの新型を買うなり、AAM3を分けて貰えば済んだ話である。
極端な話、短SAMは、AAMと変わるものではない。中身も赤外線で誘導され、短射程であって、両者に大差はない。実際にも、サイドワインダーAAMをSAMに転用した例もある。1960年代、西ドイツはサイドワインダーを防空用に使っている。その後も、米軍は、サイドワインダーから、姿勢制御に使っているローレロンを抜いただけのチャパレルを対空用につかっている。両者と、日本が作った81式短SAMの間には、大差もない。煙が出るか出ないかといった程度の差である。
発射機については、従来使っていた81式発射機を転用で問題になることもない。「ミサイルがくっつかない」といったような些細な問題であれば、飛行機につける発射用のレールを発射機に介して取り付ければ済む。
発射システムにも高度なものは求められない。11式にあるような高級な発射システムは、地点防空用でしか使わない短SAMに必要ではない。所詮はIR誘導される短射程のSAMに、アクティブ方式のフェーズド・アレイ・レーダは必要ではない。既に81式があるのでそれを使えばいいが、81式で使っているようなフェーズド・アレイ・レーダも、ミサイル性能に対して過剰性能が過ぎる。くるくる回る最大感度方式のレーダで概略方位。距離をつかめば、後は光学照準で済む程度のシステムにすぎない。
Category : 中国
台湾が不自由であることは、米国にとって経済的利益を生んでいるといえるのではないか?
台湾は好きに武器を買えない。台湾と中国には、圧倒的な経済力と外交力の差がある。経済力を背景として、中国が文句をつければ、台湾に武器を売る国はない。それを無視出来るのは米国だけだが、攻撃的な武器となると、中国による抗議にあわせてバランスを取っているのは実情である。
これは、台湾自身にとっては悪い話である。欲しい兵器があっても、それが米国製でなければ望み薄である。米国製であっても、概ね旧式のお古か、意図して性能を落としたものになっている。それでも言い値で買わないとならない。米国以外から買うことができないからである。
しかし、これは米国にとっては、都合が良い話でもある。台湾が不自由であることは、米国にとってもメリットを生む。唯一武器を売ってくれる国として、武器輸出を独り占めできる。また、唯一の同盟的な国家として、台湾にとって特別な地位を占める事もできる。これにより、武器以外でも、米国は台湾市場で優位な立場を占めることができる。
実際に、台湾は米国なしでは、防衛も外交も危うい。一応、台湾は中国と内戦中である。いつ中国に攻めこまれても、仕方がない状態である。仮に中国が台湾を、本気で回収しようとすれば、台湾単独で守り切ることは難しい。平時の政治的なゲームでも、軍事力に差があるため、台湾単独で中国の圧力に抗することも難しい。国防という面でも、外交という面でも、米国の後ろ盾がなければ、不安になってしまう。
台湾に対して、優位的立場が確保できることは、米国にとっては都合のよい話である。既述のとおり、兵器市場を独占し、言い値で売却できるといった点は、米国にとって都合の良い点である。同じように国防分野以外でも、台湾にはアメリカ製品を売りつけやすいというメリットがある。WTOによって、貿易での露骨な特恵的な関係は認められない。だが、例えば、アメリカ製品を購入しやすいように制度を整えさせることはできる。
実際に最近の話を挙げると、米国産牛肉がある。台湾は「なに使っているかわかったもんじゃない」と民意でも議会レベルでも、輸入緩和は規制したかった。しかし、政治的立場から受け入れなければならない結果になっている。おそらく政府調達でもそうで、米国製に負けやすい構造になってのだろう。
もちろん、米国にとって台湾のもつ最大の価値は、対中カードである。
しかし、台湾の価値はそれだけではない。たしかに、米国は台湾を経済的植民地云々とも考えてない。だが、政治的な優位性から、市場としても優位に立てる重要な地区であり、米国にとって台湾が経済的に美味しいことは間違いない。
台湾が不自由であることは、米国にとってはメリットである面もあるということだ。
※ GATT/WTOがなければ、台湾の政府調達や政府関連機関の調達は、アメリカ一辺倒になっていただろう。たとえば、中華航空はすべてボーイングのみといった具合である。(実際には、GATT以来の民間航空機貿易に関する協定がるので、露骨にできなかったわけだが)
台湾は好きに武器を買えない。台湾と中国には、圧倒的な経済力と外交力の差がある。経済力を背景として、中国が文句をつければ、台湾に武器を売る国はない。それを無視出来るのは米国だけだが、攻撃的な武器となると、中国による抗議にあわせてバランスを取っているのは実情である。
これは、台湾自身にとっては悪い話である。欲しい兵器があっても、それが米国製でなければ望み薄である。米国製であっても、概ね旧式のお古か、意図して性能を落としたものになっている。それでも言い値で買わないとならない。米国以外から買うことができないからである。
しかし、これは米国にとっては、都合が良い話でもある。台湾が不自由であることは、米国にとってもメリットを生む。唯一武器を売ってくれる国として、武器輸出を独り占めできる。また、唯一の同盟的な国家として、台湾にとって特別な地位を占める事もできる。これにより、武器以外でも、米国は台湾市場で優位な立場を占めることができる。
実際に、台湾は米国なしでは、防衛も外交も危うい。一応、台湾は中国と内戦中である。いつ中国に攻めこまれても、仕方がない状態である。仮に中国が台湾を、本気で回収しようとすれば、台湾単独で守り切ることは難しい。平時の政治的なゲームでも、軍事力に差があるため、台湾単独で中国の圧力に抗することも難しい。国防という面でも、外交という面でも、米国の後ろ盾がなければ、不安になってしまう。
台湾に対して、優位的立場が確保できることは、米国にとっては都合のよい話である。既述のとおり、兵器市場を独占し、言い値で売却できるといった点は、米国にとって都合の良い点である。同じように国防分野以外でも、台湾にはアメリカ製品を売りつけやすいというメリットがある。WTOによって、貿易での露骨な特恵的な関係は認められない。だが、例えば、アメリカ製品を購入しやすいように制度を整えさせることはできる。
実際に最近の話を挙げると、米国産牛肉がある。台湾は「なに使っているかわかったもんじゃない」と民意でも議会レベルでも、輸入緩和は規制したかった。しかし、政治的立場から受け入れなければならない結果になっている。おそらく政府調達でもそうで、米国製に負けやすい構造になってのだろう。
もちろん、米国にとって台湾のもつ最大の価値は、対中カードである。
しかし、台湾の価値はそれだけではない。たしかに、米国は台湾を経済的植民地云々とも考えてない。だが、政治的な優位性から、市場としても優位に立てる重要な地区であり、米国にとって台湾が経済的に美味しいことは間違いない。
台湾が不自由であることは、米国にとってはメリットである面もあるということだ。
※ GATT/WTOがなければ、台湾の政府調達や政府関連機関の調達は、アメリカ一辺倒になっていただろう。たとえば、中華航空はすべてボーイングのみといった具合である。(実際には、GATT以来の民間航空機貿易に関する協定がるので、露骨にできなかったわけだが)
Category : ミリタリー
2005年位の一術校での話。立入検査課程だかが、夜の9時45分あたりに軍人勅諭を馬鹿みたいに大声で唱和していた。その時は一術校への付発令だったので、学生隊舎に入れず、敷地内にある官舎扱いの古鷹寮に住んでいたのだがね。夜に戻る中途によく聞いたよ。時間的には候補生学校で、これまたマヌケに五省をガナる時間と同じなんだがねえ。アレ、みんなで怒鳴らなければならないという、指導、あるはヤル気見せの結果だろう。
だいたい、決別したはずの旧軍の悪いとこを強調する結果になると思わなかったのかね。普通は、まともな奴が「外にバレたら面倒なことになる」とか抑えるものだが。
立検は、行った本人はその気になるが、見ている方は「なんだかな」という印象だった。幹部課程にいったヤツの言動を見ると、一種の精神教育なのか、やたらとやる気に溢れ、朝鮮語だかで「手を挙げろ」みたいな言葉を覚えたと連発するんだがねえ。詳しく話を聞くと…という感じだった。
特警とはぜんぜん違う印象がある。まず、特警行ったヤツはあまり誇らない。幹部と海曹両方をみたが、体力の誇示はともかく、精神性や仕事の中身については、そのあたりは大人しいもんだった。殺人事件の前だからブイブイ言っていた時期だがね。まあ、海曹の給料をみると、手当は潜水艦並み、ボーナスは常にS判定。だから、大事にされていることは自分たちでもよく分かっている。無理に仕事の価値を見せつける必要もないのかもしれない。
いつも思うのは、暇なところが精神主義に走る。忙しい職域・職場は、仕事に追いまくられてそんなことはしない。それが暇な職域・職場は、アレ幹部やアレ先任が精神主義を始める。だが、もともとモノを考えないものだから、右派の本あたりを丸パクリしたようなことを強要するのを見てゲンナリする。まあ、幹部候補生学校の五省もその伝だろう。あんなの唱和してどうするのかと思うよ。空虚な文言を怒鳴るなら、大声で法令だの公式だの怒鳴って覚えたほうがよほど役に足つ。
一番どうしようもない精神主義は、残業強要かね。いや、幹部が仕事に追われて残業するなら仕方がない。しかし、どうでもいい○○安全週間だの、だれも興味を持たない報告でアピールしようと職場がらみで年間連日無駄残業しているとこを見たことがある。その残業のために、3曹なりたてをお茶くみ・コピー係で夜10時まで拘束しているのを見た時には、暇な職場はどうしようもないと思ったよ。
だいたい、決別したはずの旧軍の悪いとこを強調する結果になると思わなかったのかね。普通は、まともな奴が「外にバレたら面倒なことになる」とか抑えるものだが。
立検は、行った本人はその気になるが、見ている方は「なんだかな」という印象だった。幹部課程にいったヤツの言動を見ると、一種の精神教育なのか、やたらとやる気に溢れ、朝鮮語だかで「手を挙げろ」みたいな言葉を覚えたと連発するんだがねえ。詳しく話を聞くと…という感じだった。
特警とはぜんぜん違う印象がある。まず、特警行ったヤツはあまり誇らない。幹部と海曹両方をみたが、体力の誇示はともかく、精神性や仕事の中身については、そのあたりは大人しいもんだった。殺人事件の前だからブイブイ言っていた時期だがね。まあ、海曹の給料をみると、手当は潜水艦並み、ボーナスは常にS判定。だから、大事にされていることは自分たちでもよく分かっている。無理に仕事の価値を見せつける必要もないのかもしれない。
いつも思うのは、暇なところが精神主義に走る。忙しい職域・職場は、仕事に追いまくられてそんなことはしない。それが暇な職域・職場は、アレ幹部やアレ先任が精神主義を始める。だが、もともとモノを考えないものだから、右派の本あたりを丸パクリしたようなことを強要するのを見てゲンナリする。まあ、幹部候補生学校の五省もその伝だろう。あんなの唱和してどうするのかと思うよ。空虚な文言を怒鳴るなら、大声で法令だの公式だの怒鳴って覚えたほうがよほど役に足つ。
一番どうしようもない精神主義は、残業強要かね。いや、幹部が仕事に追われて残業するなら仕方がない。しかし、どうでもいい○○安全週間だの、だれも興味を持たない報告でアピールしようと職場がらみで年間連日無駄残業しているとこを見たことがある。その残業のために、3曹なりたてをお茶くみ・コピー係で夜10時まで拘束しているのを見た時には、暇な職場はどうしようもないと思ったよ。
Category : ミリタリー
中国との対峙で沖縄が使えることと、あくまでも輸送機にすぎないオスプレイと、どちらが重要なのか?
沖縄にある基地を安定して利用する上で、地元との協調関係は重要なものではないか。すでに沖縄には膨大な基地群がある。駐留軍の基地は広大な土地を占めており、地元が発展する足枷になっている。しかも、迷惑施設であって、地元にとって望ましいことはほとんどない。しかし、軍事的に中国との対峙を企る日米にとっては、基地を置かなければなくてはならない島でもある。地元沖縄をどうにかなだめ、迷惑をかけていることを謝りつつも、どうにか基地を維持しなければならない。しかし、原状は、地元を無視すること甚だしいものがある。
特にオスプレイの配備は、基地問題で大きなマイナスであった。オスプレイの性能やらの話はどうでもよい。まず、目に慣れない飛行機を見て、現地は不安に思って、即時配備を止めてくれといった。対して、東京は「安全だから」と、その現地の意向を無視したことは、大きなマイナスになった。おかげで、沖縄問題はさらにこじれる結果を生んでいる。
輸送機ごときで地元の大反発を被ったことは、間尺に合わない。これが、戦闘機ならばまだ理解できないこともない。新戦闘機配備は、日米と中国のゲームにおいて、バランスを維持するためには必須であるという理屈は成り立つ。しかし、海兵隊が使う輸送機で、沖縄の東京不信を深めたことは、まったく割に合わない話だ。
オスプレイ配備の必要性は、海兵隊の都合に過ぎない。現に配備されているオスプレイについては、海兵隊は是非とも必要というかもしれない。しかし、日本にとっては、輸送機がなんであろうと、どうでもいい話である。米国にとっても同じようなものだ。海兵隊が何の輸送機をつかうというのは、米国の国家単位での施策を左右する要素ではない。
しかし、沖縄基地問題は、日米両国の防衛・外交政策に影響を与えている。いまのところは各基地は存続できる見込みであるが、将来的にはどうなるかわからない。本土が沖縄にだけ負担を押し付けが続いている構図は、沖縄の不満を掻き立てる。これを沖縄人だけが負担を強いられる差別であるとする主張は、すでに存在している。その不満が高まり、なんらかの切っ掛けで爆発するとどうなるだろうか。
基地への不満が爆発した後になっては、沖縄の基地を維持することは難しくなる。1970年のコザ暴動のような事件に、民主主義政体を取る日米両政府は耐えられない。仮に沖縄で基地問題に端を発した暴動が起きたとすれば、それ以降は従前どおりに基地群を維持できなくなる。沖縄独立となった場合には、自衛隊基地の維持までもが難しくなる。
そうなる前に妥協をするべきではないのか。オスプレイの配備については、とりあえず延期するという方法はあった。見込みも立たない普天間の辺野古沖移設についても、沖縄を怒らせるだけの埋立免許申請以前にやることはあったのではないか。
妥協ではなく根治を狙うとなると、現実的に最善の選択肢は海兵隊に日本国外に出て行ってもらうことだ。駐留米軍で一番抵抗感があるのは、海兵隊である。事故や問題を引き起こすというイメージが固まっている。実際には在日米海空軍の兵隊も悪さをしているが、印象が悪いのは海兵隊である。海兵隊駐留に較べれば、海空軍駐留は問題が少ない。また、陸軍のほうがマシという判断もあるだろう。
海兵隊については国外に出て行ってもらい、その分は海空軍、あるいは陸軍で補う形で増派する。そうすれば、中国とのゲームでのバランスを重視する日米両政府も特に困ることもない。また、沖縄も政治的な打開を得られたと考えるだろう。その上で、普天間にしろ辺野古にしろ、自衛隊管理とし、駐留軍の使用を有事のみに留めれば、まだ納得も得られる話になるだろう。
沖縄にある基地を安定して利用する上で、地元との協調関係は重要なものではないか。すでに沖縄には膨大な基地群がある。駐留軍の基地は広大な土地を占めており、地元が発展する足枷になっている。しかも、迷惑施設であって、地元にとって望ましいことはほとんどない。しかし、軍事的に中国との対峙を企る日米にとっては、基地を置かなければなくてはならない島でもある。地元沖縄をどうにかなだめ、迷惑をかけていることを謝りつつも、どうにか基地を維持しなければならない。しかし、原状は、地元を無視すること甚だしいものがある。
特にオスプレイの配備は、基地問題で大きなマイナスであった。オスプレイの性能やらの話はどうでもよい。まず、目に慣れない飛行機を見て、現地は不安に思って、即時配備を止めてくれといった。対して、東京は「安全だから」と、その現地の意向を無視したことは、大きなマイナスになった。おかげで、沖縄問題はさらにこじれる結果を生んでいる。
輸送機ごときで地元の大反発を被ったことは、間尺に合わない。これが、戦闘機ならばまだ理解できないこともない。新戦闘機配備は、日米と中国のゲームにおいて、バランスを維持するためには必須であるという理屈は成り立つ。しかし、海兵隊が使う輸送機で、沖縄の東京不信を深めたことは、まったく割に合わない話だ。
オスプレイ配備の必要性は、海兵隊の都合に過ぎない。現に配備されているオスプレイについては、海兵隊は是非とも必要というかもしれない。しかし、日本にとっては、輸送機がなんであろうと、どうでもいい話である。米国にとっても同じようなものだ。海兵隊が何の輸送機をつかうというのは、米国の国家単位での施策を左右する要素ではない。
しかし、沖縄基地問題は、日米両国の防衛・外交政策に影響を与えている。いまのところは各基地は存続できる見込みであるが、将来的にはどうなるかわからない。本土が沖縄にだけ負担を押し付けが続いている構図は、沖縄の不満を掻き立てる。これを沖縄人だけが負担を強いられる差別であるとする主張は、すでに存在している。その不満が高まり、なんらかの切っ掛けで爆発するとどうなるだろうか。
基地への不満が爆発した後になっては、沖縄の基地を維持することは難しくなる。1970年のコザ暴動のような事件に、民主主義政体を取る日米両政府は耐えられない。仮に沖縄で基地問題に端を発した暴動が起きたとすれば、それ以降は従前どおりに基地群を維持できなくなる。沖縄独立となった場合には、自衛隊基地の維持までもが難しくなる。
そうなる前に妥協をするべきではないのか。オスプレイの配備については、とりあえず延期するという方法はあった。見込みも立たない普天間の辺野古沖移設についても、沖縄を怒らせるだけの埋立免許申請以前にやることはあったのではないか。
妥協ではなく根治を狙うとなると、現実的に最善の選択肢は海兵隊に日本国外に出て行ってもらうことだ。駐留米軍で一番抵抗感があるのは、海兵隊である。事故や問題を引き起こすというイメージが固まっている。実際には在日米海空軍の兵隊も悪さをしているが、印象が悪いのは海兵隊である。海兵隊駐留に較べれば、海空軍駐留は問題が少ない。また、陸軍のほうがマシという判断もあるだろう。
海兵隊については国外に出て行ってもらい、その分は海空軍、あるいは陸軍で補う形で増派する。そうすれば、中国とのゲームでのバランスを重視する日米両政府も特に困ることもない。また、沖縄も政治的な打開を得られたと考えるだろう。その上で、普天間にしろ辺野古にしろ、自衛隊管理とし、駐留軍の使用を有事のみに留めれば、まだ納得も得られる話になるだろう。
Category : 未分類
果たして、個人がここまでの情報を入手できるのだろうか?
加賀孝英さんは「中国、米に“土下座” 尖閣上陸『3時間でいい』と懇願」で、「外務省関係者」、「複数の米国防総省関係者」、「旧知の中国人民解放軍幹部」から情報を仕入れたとある。
記事での主張は、現政権ヨイショだ。「安倍首相が毅然たる態度で進めてきた独自外交戦略が[習政権の権力基盤を崩壊させるほど]効いているのだ。その安倍外交の成果を中国の工作で潰され」るほどであるという。そうとも思えないのだが、それはさておく。
加賀さんは、その結論を得るため、外務省、米国防総省、人民解放軍の関係者談話を引っ張って来ている。
加賀さんは、普段は国内事情を追いかけている。国立国会図書館の記事検索を見ると、小沢一郎さん、鈴木宗男さん、尾崎豊さんを追いかけ、それ以前は道路公団、土地買い上げのスキャンダルを記事にしている。また、ZAKZAKの著者紹介でも「月刊『文藝春秋』で『尾崎豊の遺書・全文公開』を発表し、大きな話題となった。」としている。
これまで、加賀さんは海外事情を追いかけていない。その加賀さんが、外務省や国防総省、人民解放軍から個人的なつながりから情報を集めたとしている。事実とすれば素晴らしい取材力であるが、果たして真実だろうかと眉に唾をつけたくなってしまう。せめて、どの部署の、どの水準の地位にあるのか程度はないと、どうも信じがたい。
接点を持っていると思えない人が、関係筋によるととする記事には、どうしても胡乱なものを感じる。本来、その手の活動をしていない人が、いきなり関係筋・消息筋といった言い方は怪訝なのである。
国防総省の友人や人民解放軍の旧友からの情報といった書きぶりには、昔のクロレラ広告でのやり方を連想してしまう。昔、クロレラの広告があったのはご存知だろう。そこに「心の病が治った」「引きこもりが家から出るようになった」といった誇大広告があった。本当か?という追求に対して、「実際に手紙が来ていて、それを転載しただけ」と答えた企業があった。国防総省や人民解放軍の話を聞くと、同じように「オレ、実際にそう聞いたから」ではないかという疑念をいだいてしまうのである。
信頼性を出すには、人名はともかく、それらしい部署や役職名をつけるべきだろう。また、どの状況でその情報に接したかも付け加えないことには真実味は醸成されないのではないか。
※ 加賀孝英「中国、米に“土下座” 尖閣上陸『3時間でいい』と懇願」『ZAKZAK』(産経新聞,2013.6.5)http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130605/plt1306050709000-n1.htm
この記事について信頼性に疑問を持たないツイートも興味ふかい。https://twitter.com/search?q=http%3A%2F%2Fwww.zakzak.co.jp%2Fsociety%2Fpolitics%2Fnews%2F20130605%2Fplt1306050709000-n1.htm 読者層が要求している、読みたい内容なのだろう。
※※ 加賀さんが5月9日に書いた「中韓タッグで「安倍政権潰し」を画策情報 国内の“反日勢力”も呼応」では、「旧知の米国防総省関係者」(pp.1-2)が語った内容について「これらを、日本の情報当局や外務省は把握しているのか。」(p.2)と、述べており、両者は別々のソースであることを主張している。http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130509/plt1305090708001-n1.htm
加賀孝英さんは「中国、米に“土下座” 尖閣上陸『3時間でいい』と懇願」で、「外務省関係者」、「複数の米国防総省関係者」、「旧知の中国人民解放軍幹部」から情報を仕入れたとある。
記事での主張は、現政権ヨイショだ。「安倍首相が毅然たる態度で進めてきた独自外交戦略が[習政権の権力基盤を崩壊させるほど]効いているのだ。その安倍外交の成果を中国の工作で潰され」るほどであるという。そうとも思えないのだが、それはさておく。
加賀さんは、その結論を得るため、外務省、米国防総省、人民解放軍の関係者談話を引っ張って来ている。
外務省関係者は会談の行方をこう語る。どう読んでも外務省、国防総省、人民解放軍と全ての関係者に直接聴取した形になっている。この記事を読んでも、また以前の記事※※ を読んでもそうである。外務省で聞いてきた話を「外務省関係者によると『国防総省、人民解放軍によると』」としているわけではない。
「[中略]」
以下、複数の米国防総省関係者から入手した情報だ。
「[中略]」
米国防総省関係者は続ける。
「[中略]」
今回の米中首脳会談について、旧知の中国人民解放軍幹部は「習主席が仕掛けた大バクチだ」といい、こう続ける。
「[以下略]」
加賀さんは、普段は国内事情を追いかけている。国立国会図書館の記事検索を見ると、小沢一郎さん、鈴木宗男さん、尾崎豊さんを追いかけ、それ以前は道路公団、土地買い上げのスキャンダルを記事にしている。また、ZAKZAKの著者紹介でも「月刊『文藝春秋』で『尾崎豊の遺書・全文公開』を発表し、大きな話題となった。」としている。
これまで、加賀さんは海外事情を追いかけていない。その加賀さんが、外務省や国防総省、人民解放軍から個人的なつながりから情報を集めたとしている。事実とすれば素晴らしい取材力であるが、果たして真実だろうかと眉に唾をつけたくなってしまう。せめて、どの部署の、どの水準の地位にあるのか程度はないと、どうも信じがたい。
接点を持っていると思えない人が、関係筋によるととする記事には、どうしても胡乱なものを感じる。本来、その手の活動をしていない人が、いきなり関係筋・消息筋といった言い方は怪訝なのである。
国防総省の友人や人民解放軍の旧友からの情報といった書きぶりには、昔のクロレラ広告でのやり方を連想してしまう。昔、クロレラの広告があったのはご存知だろう。そこに「心の病が治った」「引きこもりが家から出るようになった」といった誇大広告があった。本当か?という追求に対して、「実際に手紙が来ていて、それを転載しただけ」と答えた企業があった。国防総省や人民解放軍の話を聞くと、同じように「オレ、実際にそう聞いたから」ではないかという疑念をいだいてしまうのである。
信頼性を出すには、人名はともかく、それらしい部署や役職名をつけるべきだろう。また、どの状況でその情報に接したかも付け加えないことには真実味は醸成されないのではないか。
※ 加賀孝英「中国、米に“土下座” 尖閣上陸『3時間でいい』と懇願」『ZAKZAK』(産経新聞,2013.6.5)http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130605/plt1306050709000-n1.htm
この記事について信頼性に疑問を持たないツイートも興味ふかい。https://twitter.com/search?q=http%3A%2F%2Fwww.zakzak.co.jp%2Fsociety%2Fpolitics%2Fnews%2F20130605%2Fplt1306050709000-n1.htm 読者層が要求している、読みたい内容なのだろう。
※※ 加賀さんが5月9日に書いた「中韓タッグで「安倍政権潰し」を画策情報 国内の“反日勢力”も呼応」では、「旧知の米国防総省関係者」(pp.1-2)が語った内容について「これらを、日本の情報当局や外務省は把握しているのか。」(p.2)と、述べており、両者は別々のソースであることを主張している。http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130509/plt1305090708001-n1.htm
Category : 雑誌読み
前にも書いたけどさ。いざという時を考えても、日本に兵器級プルトニウムは1t、2tあればいいよ。30tも持っているといろいろ言われて不愉快だから、9割方は処分してもいいんじゃないの?
また、香港誌『鏡報』の記事なのだが。
鍾健さんの「国際伝媒看天下」に紹介された外報に「日本密謀擁核令美国警惕」がある。「日本時報によると」となっているで『THE JAPAN TIMES』あたりに掲載された記事らしいのだが、残念ながらググっても出てこない。
鍾さんは、日本は核兵器を作る可能性があることに焦点があてている。
・ 日本は核兵器級プルトニウム(武器級钚)を年間9トン生産している
・ 日本外務省は核兵器開発を外交上の切り札であると見ている
・ 日本の政治家には核武装を主張する人が多い
鍾さんは日本は核兵器を作る可能性があるという方向で外報を紹介しているわけだ。
外務省云々の話は、突飛な話に聞こえるが、根拠のないことではない。日本政府は非核三原則を国是であるとしているが、将来的に拘束されるものとはしていない。国会での政府答弁をみても、憲法上は核を禁止していないとか、情勢変化によっては変わるかもしれないと言っている。核兵器は作らない。だが、核兵器を作ることができる。それは日本にとっての切り札と言う話だ。
そもそも、日本は「核兵器開発はしない」で一貫していたわけではない。核兵器開発論議もあった。佐藤内閣になるまでは、核兵器開発については右往左往していた。左右双方で「核兵器はまず作る必要はない」というコンセンサスができたのは1980年代から後の話である。それでも、将来を縛るものではないよという発言は常に繰り返され、政府もまた、将来の核開発を否定するものではない、と留保している。そもそも、60年代以降に原子力発電を推進したのは、いざというときにという発想が含まれている。
このあたりを見ると、周辺国も、日本は核兵器開発から遠いとは考えない。日本は状況次第では核兵器開発をする。だいたい核兵器級プルトニウム生産能力をもっているので、やる気になれば直ぐなんじゃないといったところだろう。
だいたい、日本人にしても、作る気になれば直ぐだと考える。日本は原発とロケットと潜水艦を持っている。核実験場はないけどどうにかなる。実際に、本当にヤバくなったときには、世論なんか直ぐにひっくり返るだろう。
まあ、周辺国と日本の認識は一致しているわけだ。周辺国は、前々から日本は持つ可能性はあるよなと思っている。日本も、持つ気になれば持てると思っている。
現時点は、外人も日本人も、日本政府の言う「今のところは作っていない」ことを信じているといった程度の話だ。日本は作らないよと名言して、作る素振りもみせず、必要に応じでIAEAの査察も受け、国内でも作るというと国内世論が大変なことになりますよという情勢も外国に見せている。
もちろん、日本は核兵器を作らないと主張すると同時に、核兵器を製造する基盤的技術を延々と積み上げている。その辺りは、平和利用開発といった理屈もあったので、周辺国も今までは見て見ぬフリをしてもらえた。
ただし、北朝鮮の核開発が問題になってからは、国内技術集積も厳しい眼でみられるようになった。『日本時報』の元記事にアクセス出来ないのでなんだが、鍾さんによると「オバマ大統領が安倍晋三に『核兵器を作ってくれるなよ』と再三再四、重く申し入れた」とのこと。日米中韓で北朝鮮を非難するから、日本も今以上に身奇麗にしておけといったものだろう。
いざという時に核を製造するにしても、プルトニウムはチョビっとあればいいよ。日本は兵器級プルトニウムを30t、5000発分も保有している※※ という。そこでも書いたけど、必要になっても、直ぐに100発も作る必要はない。それなら、1-2トンも手許においておけば間にあう。現政権も、仲が悪いままで放置している周辺国に非難されたり、大旦那様のアメリカにチクチク文句言われる前に、余剰プルトニウムの量を一気に削減したほうがいい。
※ 鍾健「日本密謀擁核令美国警惕」『鏡報』431(鏡報文化企業有限公司,香港,2013.6)p.104
※※ 「何かあっても5000発分は要らないだろう」http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-564.html
また、香港誌『鏡報』の記事なのだが。
鍾健さんの「国際伝媒看天下」に紹介された外報に「日本密謀擁核令美国警惕」がある。「日本時報によると」となっているで『THE JAPAN TIMES』あたりに掲載された記事らしいのだが、残念ながらググっても出てこない。
鍾さんは、日本は核兵器を作る可能性があることに焦点があてている。
・ 日本は核兵器級プルトニウム(武器級钚)を年間9トン生産している
・ 日本外務省は核兵器開発を外交上の切り札であると見ている
・ 日本の政治家には核武装を主張する人が多い
鍾さんは日本は核兵器を作る可能性があるという方向で外報を紹介しているわけだ。
外務省云々の話は、突飛な話に聞こえるが、根拠のないことではない。日本政府は非核三原則を国是であるとしているが、将来的に拘束されるものとはしていない。国会での政府答弁をみても、憲法上は核を禁止していないとか、情勢変化によっては変わるかもしれないと言っている。核兵器は作らない。だが、核兵器を作ることができる。それは日本にとっての切り札と言う話だ。
そもそも、日本は「核兵器開発はしない」で一貫していたわけではない。核兵器開発論議もあった。佐藤内閣になるまでは、核兵器開発については右往左往していた。左右双方で「核兵器はまず作る必要はない」というコンセンサスができたのは1980年代から後の話である。それでも、将来を縛るものではないよという発言は常に繰り返され、政府もまた、将来の核開発を否定するものではない、と留保している。そもそも、60年代以降に原子力発電を推進したのは、いざというときにという発想が含まれている。
このあたりを見ると、周辺国も、日本は核兵器開発から遠いとは考えない。日本は状況次第では核兵器開発をする。だいたい核兵器級プルトニウム生産能力をもっているので、やる気になれば直ぐなんじゃないといったところだろう。
だいたい、日本人にしても、作る気になれば直ぐだと考える。日本は原発とロケットと潜水艦を持っている。核実験場はないけどどうにかなる。実際に、本当にヤバくなったときには、世論なんか直ぐにひっくり返るだろう。
まあ、周辺国と日本の認識は一致しているわけだ。周辺国は、前々から日本は持つ可能性はあるよなと思っている。日本も、持つ気になれば持てると思っている。
現時点は、外人も日本人も、日本政府の言う「今のところは作っていない」ことを信じているといった程度の話だ。日本は作らないよと名言して、作る素振りもみせず、必要に応じでIAEAの査察も受け、国内でも作るというと国内世論が大変なことになりますよという情勢も外国に見せている。
もちろん、日本は核兵器を作らないと主張すると同時に、核兵器を製造する基盤的技術を延々と積み上げている。その辺りは、平和利用開発といった理屈もあったので、周辺国も今までは見て見ぬフリをしてもらえた。
ただし、北朝鮮の核開発が問題になってからは、国内技術集積も厳しい眼でみられるようになった。『日本時報』の元記事にアクセス出来ないのでなんだが、鍾さんによると「オバマ大統領が安倍晋三に『核兵器を作ってくれるなよ』と再三再四、重く申し入れた」とのこと。日米中韓で北朝鮮を非難するから、日本も今以上に身奇麗にしておけといったものだろう。
いざという時に核を製造するにしても、プルトニウムはチョビっとあればいいよ。日本は兵器級プルトニウムを30t、5000発分も保有している※※ という。そこでも書いたけど、必要になっても、直ぐに100発も作る必要はない。それなら、1-2トンも手許においておけば間にあう。現政権も、仲が悪いままで放置している周辺国に非難されたり、大旦那様のアメリカにチクチク文句言われる前に、余剰プルトニウムの量を一気に削減したほうがいい。
※ 鍾健「日本密謀擁核令美国警惕」『鏡報』431(鏡報文化企業有限公司,香港,2013.6)p.104
※※ 「何かあっても5000発分は要らないだろう」http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-564.html
Category : ミリタリー
中国人には「中国空軍は強い、空自に完勝することは容易である」という話がウケるのだろう。
『鏡報』今月号に、梁天仞さんが「中国完勝日空軍没難」※ と題した記事を載せている。「中国空軍事力全面超逾日本」と、中国空軍の実力は全ての面で中国を超えたと述べている。概略は、戦闘機の性能で優る、ステルス機の存在で優る、ミサイルの性能で優る、AWACSの類で優るとしている。
梁さんは、中国は戦闘機の性能で優ると述べている。中国が保有するSu-27/30とJ-11は、F-15を凌駕するとしている。趣旨は、90年代に導入された中国のSu-27系は、80年代に導入されたF-15に優るという理屈である。
ステルス機の存在も、中国の優位としている。J-20が存在し、J-31を開発中の中国が優位にあるとするものだ。F-22が生産停止し、F-35が順調に遅れている中では、日本はステルス機を当座入手できないとしている。
ミサイルのスペックでも中国優位としている。梁さんは、中国側空対空ミサイルのR-77、PL-12は、日本側AMRAAMやAAM-4に優ると述べている。R-77やPL-12の射程がAMRAAM、AAM-4よりも長いので強いといったものだ。
最後に、AWACSの類でも中国優位であるとしている。「預警機の父」王小謨さんの「KJ-2000はE-3Cの一歩先にある」を引いて、優位の証拠にしている。梁さんは、電子戦の能力も、高新5号があるので優れているとも主張している。
しかし、中国空軍が空自に完勝できるのだろうか?
中国空軍について、梁さんの主張は、自己称賛的に過ぎるように見える。
戦闘機の性能にしても、F-15とSu-27系には隔絶した差はない。格闘戦をするような状況ではSu-27系がやや優位かもしれない。しかし、パリティな状態での格闘戦は実際には、まず起きない。状況や乗員練度、AWACS等支援の厚さを考慮しなければならない。
中国がステルス機を持っていることは、確かに優位である。J-20やJ-35は、能力そのものが不明だが、保有していることは有利とはいえるだろう。しかし、何ができるのかが判然としない。ステルス性が高く、足が長ければ対日航空撃滅戦に投入できるかもしれないが、何分、いつ実戦配備されるかわからない。その間にも、日本がF-35を取得すれば、ステルス技術では、中国はどうにかしてパリティ、下手をすれば劣勢になってしまう。
ミサイルについても、中国が保有するR-77、PL-12はスペックでは優位であるが、西側機にスペック通りの性能で通用するかはわからない。AAM-4もそうだが、実戦に使われているAMRAAMほどの信頼性があるか分からない。特にR-77、PL-12は、西側の電子戦に耐えられるのかどうかもある。そもそも、ミサイルの性能が優れていても、射程が長かったとしても、相手に先制攻撃できなければ意味もない。その点は、戦闘機、特にレーダの性能、乗員練度、AWACS等による支援による。
AWACSの類については、40年にも及ぶE-3の米軍運用実績を無視している点は問題だろう。KJ-2000やKJ-200は、ハード的に完成したばかりである。仮にレーダとしての能力、たとえば出力がE-3Cよりも強かったとしても、解析や評価にでE-3やE-767に敵うものではない。その辺りに必要なのはノウハウであり、中国は容易に獲得できるものではない。
もっとも気にかかる点は、どのような戦争をするかである。仮に、空自が中国国内に攻め込む状況では、空自は中国に相当苦戦する。下手をすると完敗するだろう。しかし、日中の中間地点付近で戦うとなると、AWACSを含むJADGEや、空中給油や整備態勢といった後方支援が手厚く、パイロットの練度が高い日本側が相当に有利になる。日本沿岸となると、中国は日本に相当に苦戦し、日本に完敗する可能性も出てくる。
『鏡報』は、親大陸的な香港誌である。商業的には、香港人を含む中国人の歓心を得る記事が必要とされることもあるだろう。しかし、中国人相手でも、中国マンセーでは足許を見透かされることもあるのではないか。書いている本人も、読者のうちのインテリもそのあたりは承知しているはずだ。
大学院時代に、一緒だった中国人留学生も、中国マンセーの怪しさは口にしていた。中国の留学生さんは、自国軍※※ への信頼や敬意はある。だが、兵器の性能で日米に敵うものではないと見ている。
空軍についても、中国製は米国製器材に敵うとも思っていない。ある男性留学生曰く、「中国はエンジン技術がアレだから直ぐに飛ばなくなる」と言っていた。女性の留学生(アップルが大好きな党員さん)も「iPhoneでもパクリしかできないのに、アメリカより優れた戦闘機ができるわけがない」とも言っていた。人文系の交換研究者も「米国に対抗できればいいのであって、それよりも優れたものでなくてもよい」といっていた。まあ、こっちの商売がソレだったので、ヨイショがあるのかもしれないが、インテリ層は冷静に見ているといったところだろう。
※ 梁天仞「中国完勝日空軍没難」『鏡報』431(鏡報文化企業有限公司,香港,2013.6)pp.66-69.
※※ 日本での対中強硬派は人民解放軍を党の私兵というが、実際には国軍である。憲法改正派が国軍としての敬意を受けていないという自衛隊が、実際には国軍で敬意を受けているのと同じ話だ
『鏡報』今月号に、梁天仞さんが「中国完勝日空軍没難」※ と題した記事を載せている。「中国空軍事力全面超逾日本」と、中国空軍の実力は全ての面で中国を超えたと述べている。概略は、戦闘機の性能で優る、ステルス機の存在で優る、ミサイルの性能で優る、AWACSの類で優るとしている。
梁さんは、中国は戦闘機の性能で優ると述べている。中国が保有するSu-27/30とJ-11は、F-15を凌駕するとしている。趣旨は、90年代に導入された中国のSu-27系は、80年代に導入されたF-15に優るという理屈である。
ステルス機の存在も、中国の優位としている。J-20が存在し、J-31を開発中の中国が優位にあるとするものだ。F-22が生産停止し、F-35が順調に遅れている中では、日本はステルス機を当座入手できないとしている。
ミサイルのスペックでも中国優位としている。梁さんは、中国側空対空ミサイルのR-77、PL-12は、日本側AMRAAMやAAM-4に優ると述べている。R-77やPL-12の射程がAMRAAM、AAM-4よりも長いので強いといったものだ。
最後に、AWACSの類でも中国優位であるとしている。「預警機の父」王小謨さんの「KJ-2000はE-3Cの一歩先にある」を引いて、優位の証拠にしている。梁さんは、電子戦の能力も、高新5号があるので優れているとも主張している。
しかし、中国空軍が空自に完勝できるのだろうか?
中国空軍について、梁さんの主張は、自己称賛的に過ぎるように見える。
戦闘機の性能にしても、F-15とSu-27系には隔絶した差はない。格闘戦をするような状況ではSu-27系がやや優位かもしれない。しかし、パリティな状態での格闘戦は実際には、まず起きない。状況や乗員練度、AWACS等支援の厚さを考慮しなければならない。
中国がステルス機を持っていることは、確かに優位である。J-20やJ-35は、能力そのものが不明だが、保有していることは有利とはいえるだろう。しかし、何ができるのかが判然としない。ステルス性が高く、足が長ければ対日航空撃滅戦に投入できるかもしれないが、何分、いつ実戦配備されるかわからない。その間にも、日本がF-35を取得すれば、ステルス技術では、中国はどうにかしてパリティ、下手をすれば劣勢になってしまう。
ミサイルについても、中国が保有するR-77、PL-12はスペックでは優位であるが、西側機にスペック通りの性能で通用するかはわからない。AAM-4もそうだが、実戦に使われているAMRAAMほどの信頼性があるか分からない。特にR-77、PL-12は、西側の電子戦に耐えられるのかどうかもある。そもそも、ミサイルの性能が優れていても、射程が長かったとしても、相手に先制攻撃できなければ意味もない。その点は、戦闘機、特にレーダの性能、乗員練度、AWACS等による支援による。
AWACSの類については、40年にも及ぶE-3の米軍運用実績を無視している点は問題だろう。KJ-2000やKJ-200は、ハード的に完成したばかりである。仮にレーダとしての能力、たとえば出力がE-3Cよりも強かったとしても、解析や評価にでE-3やE-767に敵うものではない。その辺りに必要なのはノウハウであり、中国は容易に獲得できるものではない。
もっとも気にかかる点は、どのような戦争をするかである。仮に、空自が中国国内に攻め込む状況では、空自は中国に相当苦戦する。下手をすると完敗するだろう。しかし、日中の中間地点付近で戦うとなると、AWACSを含むJADGEや、空中給油や整備態勢といった後方支援が手厚く、パイロットの練度が高い日本側が相当に有利になる。日本沿岸となると、中国は日本に相当に苦戦し、日本に完敗する可能性も出てくる。
『鏡報』は、親大陸的な香港誌である。商業的には、香港人を含む中国人の歓心を得る記事が必要とされることもあるだろう。しかし、中国人相手でも、中国マンセーでは足許を見透かされることもあるのではないか。書いている本人も、読者のうちのインテリもそのあたりは承知しているはずだ。
大学院時代に、一緒だった中国人留学生も、中国マンセーの怪しさは口にしていた。中国の留学生さんは、自国軍※※ への信頼や敬意はある。だが、兵器の性能で日米に敵うものではないと見ている。
空軍についても、中国製は米国製器材に敵うとも思っていない。ある男性留学生曰く、「中国はエンジン技術がアレだから直ぐに飛ばなくなる」と言っていた。女性の留学生(アップルが大好きな党員さん)も「iPhoneでもパクリしかできないのに、アメリカより優れた戦闘機ができるわけがない」とも言っていた。人文系の交換研究者も「米国に対抗できればいいのであって、それよりも優れたものでなくてもよい」といっていた。まあ、こっちの商売がソレだったので、ヨイショがあるのかもしれないが、インテリ層は冷静に見ているといったところだろう。
※ 梁天仞「中国完勝日空軍没難」『鏡報』431(鏡報文化企業有限公司,香港,2013.6)pp.66-69.
※※ 日本での対中強硬派は人民解放軍を党の私兵というが、実際には国軍である。憲法改正派が国軍としての敬意を受けていないという自衛隊が、実際には国軍で敬意を受けているのと同じ話だ
Category : 有職故実
もし、ソ連が西側に雪崩れ込んだとしても、四面楚歌になるだけではないかな、
実際のところ、ソ連が西側に雪崩れ込むのも難しく、その気もなかったのだが。仮にソ連が1980年代に西側侵攻をするする。Times,LONDONの1982年9月27日の特集どおりがあったとしても、勝算はまずない。軍事力はそれなりにあるが、東欧を含めてヨーロッパが対ソで大同し、味方をする国もいない。外交的孤立は絶望的ではないか。
まあ、ソ連による軍事力はそれなりだと思うよ。TIMESのスッパ抜きといわれる数字なんだが、150万人で押し寄せる計画とされていた
ただ、ソ連崩壊以降に、この手の計画が出てこないところを見ると、西側侵攻なんてホントに考えていたの?という気もする。この数字も試案・私案とかじゃないのと思うのだけどね。
でもねえ、威勢がいいのは、軍事力だけ。しかも質はともかくでその数の多さを頼むだけ。軍事力以外の、外交的環境は全然ダメじゃないかね。
外交的環境はソ連の絶対的孤立。ぼちぼち考えると次のようなものじゃないかな。
● ヨーロッパ正面では、ソ連に味方をする国が出てこない。ソ連軍が、まあ正当性のないような侵略をした時には、中立国は中立を放棄して、東側でも離反する国も出てくる。
■ 次の国は即座に行動する
・ スウェーデン 中立破棄、NATO側として参戦
・ ユーゴスラビア 中立宣言、WTO側国境に国軍集結
・ ルーマニア 派兵規模を義理立て程度に収める
・ フランス NATO軍事機構への復帰
・ アルバニア 殻に閉じこもる
■ 戦闘の状況次第では、墺、芬、瑞も西側による。
・ オーストリア 侵攻を受ければ中立破棄、NATO側として参戦
・ フィンランド ソ連との関係の距離を起き、水面下でスウェーデン・ノルウェーと協調
・ スイス 中立は維持するものの、義勇兵あたりは送り込む可能性
スイスは反ソ感情が強いこともあるし、利に敏い部分もあるので、何をやるか怪しい。
■ 戦場近くの東側諸国も、ソ連の旗色悪化で西に寝返る可能性もある
・ ポーランド' 協力停止、反抗もある
・ チェコスロバキア 国内事情を理由に協力を減らす
・ ハンガリー 国内事情を理由に協力を減らす
ポーランドなんか、まともなソ連軍(T-55装備くらいかね)の、最期の部隊が国内通過したあとでは蜂起すら起きかねないんじゃないのかね。
■ 親ソに傾く「ソ連についていきます」は、新スラブ感情が強いブルガリアだけではないか。あとはWTOということでは、モンゴル位に限定されるんじゃないかと思うよ。
まあ、ソ連に占領されたい国もないし、勢力下になりたい国もないので、大同団結して本気で抵抗するわけだ。
ヨーロッパ以外でも、親ソ的な行動は期待できない。これもぼちぼち考えると
● 中東は、寧ろイスラエルが何するかわからない。
・ イスラエル 親ソ派諸国にソ連援助がなくなるとみて
余計なことをする可能性大。
シリア・ヨルダン・レバノン侵攻あたり
・ 親ソ派諸国 ソ連が勝つまで日和見。あるいはイスラエルよけに米側に接近
・ エジプト・サウジ 体制を危うくする「反シオニズム運動の爆発」を警戒する
国内でコントロール出来なくなるとどうしようもない
そのため米国と協調してイスラエルの
シリア・ヨルダン・レバノン侵攻を止めようとする。
・ イラン ソ連に革命を輸出するチャンスとみてアレコレ
赤い悪魔と資本主義の悪魔が喧嘩してラッキー
・ トルコ NATOとして、ソ連の下腹狙いでコーカサス方面に攻勢
問題は、イスラエルへのビンのふたがないことかね。場合によれば米軍やトルコ軍がヨルダン防衛とかいった本末転倒もあるかもしれないけど、レバノンとシリア侵攻を絶対的に止められる方法もない。
● 東アジアは、米軍が積極的攻勢に出なければ安定方向かな
・中国 反ソ連で基本米国に軸足だけど、米ソを両天秤にかける
モンゴルとソ連国境で圧力をかける
経済発展のため、アメリカに恩を売りつつ
弱気にのソ連に沿海州領土交渉をかける
・日本 NATOに少なくとも衛生部隊、兵站部隊を提供する
米海軍-海兵隊による、政治的制限のない柔らかい下腹
オホーツク方面侵攻があれば
侵攻に乗っかって未回収の領土を回収
朝鮮半島は、却って平穏になるのではないか
・北朝鮮 動けない
ヨーロッパに力を吸い取られたソ連が影響力を失い、
中国の影響力が相対的に増加する。
中国は、アメリカに恩を売るために、
南進とか考えるなよと北朝鮮に釘を刺す
中国から「中華援朝軍」をビンのふたとして派出されると詰
いざとなれば、指導者の首をすげ替えられてしまう。
・韓国 動けない
仮に北進を言い出しても、アメリカは作戦統制権で封られる
アメリカは、対ソ戦をしているのに、
中国との関係が悪くなる北進はできない
アメリカも、韓国のやる気を削ぐための
中国軍の北朝鮮進駐は望ましい
韓国へのガス抜きで、猛虎師団だか白馬師団だかを
ヨーロッパに出さね?ってことになる可能性大。
● 東南アジアも平穏
・ベトナム 突っ張るものの、ソ連のプレゼンスがなくなるので地域で弱気になる
自ら望んでASEANに包摂されようとする可能性大
・タイ NATOに派兵
・マレーシア 英連邦としてNATOに派兵
● オセアニアは、全面NATO支持というか、アメリカに恩を売るチャンス
・オーストラリア・ニュージーランド 英連邦としてNATO派兵
フィジーやトンガ王国みたいな国のNATO派遣軍がでると、その面倒は全部ANZAC軍で見ることになるんじゃないか
● 南アジアは、基本、印パ対立で動かない。パキスタン空軍がNATOに行くくらいかね
● 中南米は、まずは中立志向
・ABC3国 ABCの足並み次第で、もしかしたらそれぞれ3国がNATO軍事援助?
・キューバ 無名の師には賛同しない。
ただし、経済的理由ほかで、アフリカへの派兵はあるかもしれない
それ以外の国は、当てにならないソ連よりも、アテになる上、心情的にも米国・NATO側につくのではないか。ただし、朝鮮戦争の時には結構出せたけど、反米感情も邪魔をして派兵する程でもないと考えるかもしれない。反米感情の下でフリーでNATOに援助できるのはメキシコ位か。
異論もあるだろうけど、こんなものになるんじゃないかと思うよ。まあ、ぼんやりと考えたものだけど、熱が入ったので多少まとめてアップということです
戦闘? そんなのどうなるかわからんけど、ソ連が勝てるとも思えない。OMGの勢いが止まるとオシマイ
破滅的な陸上戦闘は東西両ドイツにとどまるんじゃないですか。ドイツがペンペン草が生えなくなるかもしれないけど、それはそれで関係国にとって歓迎すべきイイコトではないかと。西側の米英仏蘭、ベルギー、ノルウェー、デンマークもドイツがエライ目にあってラッキー、東側のソ連もポーランドもドイツがエライ目にあってラッキー。でも、東西とも、将来的に統一されたドイツが生まれるのは困るから、東西ドイツの構造は残してもいいよねってあたりで
実際のところ、ソ連が西側に雪崩れ込むのも難しく、その気もなかったのだが。仮にソ連が1980年代に西側侵攻をするする。Times,LONDONの1982年9月27日の特集どおりがあったとしても、勝算はまずない。軍事力はそれなりにあるが、東欧を含めてヨーロッパが対ソで大同し、味方をする国もいない。外交的孤立は絶望的ではないか。
まあ、ソ連による軍事力はそれなりだと思うよ。TIMESのスッパ抜きといわれる数字なんだが、150万人で押し寄せる計画とされていた
1 核攻撃(410発)
2 航空撃滅戦(3000機)
3 第二次核攻撃(430発)
4 OMGの突破
(第1波 90万人 戦車13500両 航空機786機)
(第2波 30万人 戦車7500両 航空機786機)
5 予備隊投入 32万8000人 戦車7330両
Times(London)1982年9月27日より
ただ、ソ連崩壊以降に、この手の計画が出てこないところを見ると、西側侵攻なんてホントに考えていたの?という気もする。この数字も試案・私案とかじゃないのと思うのだけどね。
でもねえ、威勢がいいのは、軍事力だけ。しかも質はともかくでその数の多さを頼むだけ。軍事力以外の、外交的環境は全然ダメじゃないかね。
外交的環境はソ連の絶対的孤立。ぼちぼち考えると次のようなものじゃないかな。
● ヨーロッパ正面では、ソ連に味方をする国が出てこない。ソ連軍が、まあ正当性のないような侵略をした時には、中立国は中立を放棄して、東側でも離反する国も出てくる。
■ 次の国は即座に行動する
・ スウェーデン 中立破棄、NATO側として参戦
・ ユーゴスラビア 中立宣言、WTO側国境に国軍集結
・ ルーマニア 派兵規模を義理立て程度に収める
・ フランス NATO軍事機構への復帰
・ アルバニア 殻に閉じこもる
■ 戦闘の状況次第では、墺、芬、瑞も西側による。
・ オーストリア 侵攻を受ければ中立破棄、NATO側として参戦
・ フィンランド ソ連との関係の距離を起き、水面下でスウェーデン・ノルウェーと協調
・ スイス 中立は維持するものの、義勇兵あたりは送り込む可能性
スイスは反ソ感情が強いこともあるし、利に敏い部分もあるので、何をやるか怪しい。
■ 戦場近くの東側諸国も、ソ連の旗色悪化で西に寝返る可能性もある
・ ポーランド' 協力停止、反抗もある
・ チェコスロバキア 国内事情を理由に協力を減らす
・ ハンガリー 国内事情を理由に協力を減らす
ポーランドなんか、まともなソ連軍(T-55装備くらいかね)の、最期の部隊が国内通過したあとでは蜂起すら起きかねないんじゃないのかね。
■ 親ソに傾く「ソ連についていきます」は、新スラブ感情が強いブルガリアだけではないか。あとはWTOということでは、モンゴル位に限定されるんじゃないかと思うよ。
まあ、ソ連に占領されたい国もないし、勢力下になりたい国もないので、大同団結して本気で抵抗するわけだ。
ヨーロッパ以外でも、親ソ的な行動は期待できない。これもぼちぼち考えると
● 中東は、寧ろイスラエルが何するかわからない。
・ イスラエル 親ソ派諸国にソ連援助がなくなるとみて
余計なことをする可能性大。
シリア・ヨルダン・レバノン侵攻あたり
・ 親ソ派諸国 ソ連が勝つまで日和見。あるいはイスラエルよけに米側に接近
・ エジプト・サウジ 体制を危うくする「反シオニズム運動の爆発」を警戒する
国内でコントロール出来なくなるとどうしようもない
そのため米国と協調してイスラエルの
シリア・ヨルダン・レバノン侵攻を止めようとする。
・ イラン ソ連に革命を輸出するチャンスとみてアレコレ
赤い悪魔と資本主義の悪魔が喧嘩してラッキー
・ トルコ NATOとして、ソ連の下腹狙いでコーカサス方面に攻勢
問題は、イスラエルへのビンのふたがないことかね。場合によれば米軍やトルコ軍がヨルダン防衛とかいった本末転倒もあるかもしれないけど、レバノンとシリア侵攻を絶対的に止められる方法もない。
● 東アジアは、米軍が積極的攻勢に出なければ安定方向かな
・中国 反ソ連で基本米国に軸足だけど、米ソを両天秤にかける
モンゴルとソ連国境で圧力をかける
経済発展のため、アメリカに恩を売りつつ
弱気にのソ連に沿海州領土交渉をかける
・日本 NATOに少なくとも衛生部隊、兵站部隊を提供する
米海軍-海兵隊による、政治的制限のない柔らかい下腹
オホーツク方面侵攻があれば
侵攻に乗っかって未回収の領土を回収
朝鮮半島は、却って平穏になるのではないか
・北朝鮮 動けない
ヨーロッパに力を吸い取られたソ連が影響力を失い、
中国の影響力が相対的に増加する。
中国は、アメリカに恩を売るために、
南進とか考えるなよと北朝鮮に釘を刺す
中国から「中華援朝軍」をビンのふたとして派出されると詰
いざとなれば、指導者の首をすげ替えられてしまう。
・韓国 動けない
仮に北進を言い出しても、アメリカは作戦統制権で封られる
アメリカは、対ソ戦をしているのに、
中国との関係が悪くなる北進はできない
アメリカも、韓国のやる気を削ぐための
中国軍の北朝鮮進駐は望ましい
韓国へのガス抜きで、猛虎師団だか白馬師団だかを
ヨーロッパに出さね?ってことになる可能性大。
● 東南アジアも平穏
・ベトナム 突っ張るものの、ソ連のプレゼンスがなくなるので地域で弱気になる
自ら望んでASEANに包摂されようとする可能性大
・タイ NATOに派兵
・マレーシア 英連邦としてNATOに派兵
● オセアニアは、全面NATO支持というか、アメリカに恩を売るチャンス
・オーストラリア・ニュージーランド 英連邦としてNATO派兵
フィジーやトンガ王国みたいな国のNATO派遣軍がでると、その面倒は全部ANZAC軍で見ることになるんじゃないか
● 南アジアは、基本、印パ対立で動かない。パキスタン空軍がNATOに行くくらいかね
● 中南米は、まずは中立志向
・ABC3国 ABCの足並み次第で、もしかしたらそれぞれ3国がNATO軍事援助?
・キューバ 無名の師には賛同しない。
ただし、経済的理由ほかで、アフリカへの派兵はあるかもしれない
それ以外の国は、当てにならないソ連よりも、アテになる上、心情的にも米国・NATO側につくのではないか。ただし、朝鮮戦争の時には結構出せたけど、反米感情も邪魔をして派兵する程でもないと考えるかもしれない。反米感情の下でフリーでNATOに援助できるのはメキシコ位か。
異論もあるだろうけど、こんなものになるんじゃないかと思うよ。まあ、ぼんやりと考えたものだけど、熱が入ったので多少まとめてアップということです
戦闘? そんなのどうなるかわからんけど、ソ連が勝てるとも思えない。OMGの勢いが止まるとオシマイ
破滅的な陸上戦闘は東西両ドイツにとどまるんじゃないですか。ドイツがペンペン草が生えなくなるかもしれないけど、それはそれで関係国にとって歓迎すべきイイコトではないかと。西側の米英仏蘭、ベルギー、ノルウェー、デンマークもドイツがエライ目にあってラッキー、東側のソ連もポーランドもドイツがエライ目にあってラッキー。でも、東西とも、将来的に統一されたドイツが生まれるのは困るから、東西ドイツの構造は残してもいいよねってあたりで