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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 軍事ライターの文谷です
 コミケでは隅田金属ででています。評論情報です。

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2016.01
26
CM:27
TB:0
01:36
Category : 未分類
 注目する必要のない雑誌というものもある。新刊JP「創刊9周年を迎える自衛隊専門誌『MAMOR』に注目!」で取り上げられた『MAMOR』がそれだ。

 まず、新しい発見も新知識もない。基本的に自衛隊が買い上げる前提の雑誌なので、何の努力もない。毒にも薬にもならないことばかりであって、大したことも書いていない。この辺りは外で全然売れていないことをみてもわかるだろう。本屋の店頭には『MAMOR』があるが、買われるところは見たこともない。そもそも異質なオーラがでており誰も手にとり立ち読みもしない。

 その内容も相当に時代遅れのグラフ誌に過ぎない。特に巻頭の数ページは紙資源の無駄。適当なモデルが兵隊服着て兵器の前で敬礼している写真を載せているが、そんな写真だれが見るかといったもの。作るのが簡単でページが埋まるのでそれでいいのだろう。請けているのが産経/扶桑社で、雑誌は何出しても2流のなのでそんなものである。新刊JPは
 規律の厳しい自衛隊だが、『MAMOR(マモル)』の内容は決して「おカタい」ものではなく、かなりエンタメ寄りだ。
http://www.sinkan.jp/news/index_6472.html

と紹介しているが、実際は「『おカタい』もの」を取り上げる能力も機力も必要もないというものだ。

 だから兵隊も読まない。国の図書購入費で各部隊に配られるが、一瞥して終わりであとは資源ごみ。そりゃ、兵隊が自腹きって買ってくるアサ芸大衆現代やジャンプサンデーマガジンに敵うはずもない。アレならまだ東方が刷ってる『あずま』とかのほうが読みがいがある。

 その『MAMOR』が敬礼特集をするというのだが、まずは頭のわるい話だ。そんなものを誰が読むと思っているのだろうか。新刊JPによると
創刊9周年となる2016年3月号では、「2015年の表紙を飾った女神たちから選ぶ 発表! マモル敬礼大賞」と銘打って、自衛隊の象徴ともいえる「敬礼」を特集。グラビアアイドルの山地まりさんやタレントの久松郁実さん、女優の宮崎香蓮さんなど、昨年同誌の表紙を飾った美女たちの中から、もっとも「正しい敬礼」をしている人物を審査。フィギュアスケーターの浅田舞さんを大賞に選出している。浅田さんをはじめ、自衛隊の制服を着た美女たちの敬礼ポーズはある意味衝撃的だ。
http://www.sinkan.jp/news/index_6472.html

とのことだ。何の衝撃性もないし、そんなの隊員も読まない。

 本人たちはおちゃらけたつもりでいて、全然ダメな例というものだ。「俺たち面白い事やっている」と言っている奴に限って、ああそうですかといったことしかしていないのに似ている。同じやるにしても、アサ芸大衆現代ならクビになったAV自衛官大集合、まな板ショーくらいはできるものだがね。
2016.01
19
CM:12
TB:0
00:01
Category : 未分類
 関東で珍しく積雪があった。

 春先のような重たい雪だったが、この時期の雪はなかなか溶けない。日中でも気温が低く、陽も低い。あまり日射が差しにくい場所の雪はのちのちまで溶けない。

 そこで、雪に墨汁を振りまくのはどうだろうか。

 雪が溶けにくいのは、反射率が高いといった理由もある。そこで雪に墨汁なり、泥をかけるなりをして着色し、反射率を下げてやれば早々にとけるのではないか。

 これは例年の積雪を観れば明らかである。畑にあるような泥や砂をかぶり汚くなった雪は相当早く溶けるし、葉っぱが落ちた下の雪も先に溶ける。

 軒下に積もった雪でも、ジョウロなりに墨汁を溶かしふりかけておけば手間なく消えると思うが、如何か?


 まあ、思いつくだけでやらないけどね。締め切りがあるのだが、何時ものグズの大忙しで構造をずーっと考え続けた結果、本文着手が遅れて仕事が忙しくて首が閉まりそうな状況にあるので無理。

 でも、たいていそういう時には下らないことを思いつくので、即興でこんな文章かいている。本当は実験的にやりたいと思っているのだと思うよ。墨汁と土と寒冷紗(黒)で覆った奴の比較実験ね
2016.01
18
CM:2
TB:0
13:44
Category : 未分類
 防災はボロい商売なのだろう。士商法そのものの防災士の成功をみて二匹目のドジョウを狙っている。先頭を立っている防災士そのものが何の役にも立つものでもない。模倣する二匹目狙いはそれ以下である。

 二匹目団体の中でも、ジュニア防災検定は「実務なんかどうでもいい」といった点で士商法の亀鑑である。「役員名簿」をみると、理事長以下43人いるが、その中に消防、警察、建設・土木・設備、自衛隊といった実務者が1人(消防)しかいないためだ。

 役員は小中高大の先生と報道関係ばかりである。ざっと数えて先生関係が14人、報道関係が12人と全体の半分以上を占める。果たして火事でガソリンポンプを機動できるか、倒壊建物を前にしてチェーンソーを使えるかは怪しい。

 さらにアレ右派の有象無象も紛れ込んでいる。アパホテル社長、日本青年会議所会頭、キャリアコンサルティング社長(靖国神社で「國護り演説大会」とかやっているアレな会社)がそれだ。産経新聞から二人入っているのもアレ枠でよいだろう。この辺り、そのうち「防災軽視は日本を滅ぼすためのコミンテルンの工作」とかいいだすのではないかと見ている。

 実務者なしであり、そのうえ何もご存じない教育とマスコミ、アレ右派な連中が進める「防災」とやらにどれほどの価値があるのだろう?

 面子やその実務能力の無さは「新しい歴史教科書をつくる会」なみだ。「『つくる会』に史料調査、読解、翻刻、校注をさせるとどうなるだろう?」を考えればわかるだろう。

 結局できることは「防災は大事だよ」を繰り返すことだけであり、具体的な問題点も優先事項も示すことはできない。

 そして、実際にできることも子供だましに留まる。やっているのは「お金を出すと防災バッジを上げるよ」でしかない。

 その子供だましにもうまくいかないあたりで、商売としての才覚もない。何の役にも立たない資格を出して満足感を与える点では大人向けの防災士も変わるものでもない。だが、ジュニア防災検定はそれにも失敗しており子供にソッポを向かれている。教育関係とマスコミ関係とアレ右派はことごとく世間知らずである。その能力はない。一般参加者は全然揃わず会場もスッカラカンである。

 できることは教育関係のコネにより、学校で強制受験させるだけだ。学校の先生は世間知らずでありいくらでも騙せる。金を出すのもその先生ではない。最近では堺市に切り込むことができたようだが、屁の役にも立たない士商法に付き合わされる子供が気の毒なものだ。
2016.01
15
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06:49
Category : 未分類
 旧軍兵器博物館の話を最近は聞かない。戦闘機、戦車、水上艦の博物館を云々という話があったが、いずれも去年の半ばあたりから音信不通になっている。

 もちろん、それだけならどうでもいい。実現しようがしまいが、世間には別段のこともない。旧日本軍隊の戦闘機が空を飛ぼうが落ちようが、戦車が発掘されようがされまいが、駆逐艦が日本に戻ろうが戻るまいがそれで社会がどう変わるわけでもない。

 だが広げた大風呂敷はうまく収めないといけない。広く大衆から寄付金を求めた事業であるためだ。その点で、金目の処理がどうなるかは他人ながら心配である。よほど上手にやらないと尖閣募金詐欺の二の舞いとなってしまうためだ。

■ 戦闘機
 まず、戦闘機の話は相当に厳しそうである。一昨年12月の発表をみるとすでに3000万円を費消したとあり、さらに4000万円が必要としている。そしてそのあとには去年7月で発表が中断している。

 ただし、すでに事業に話題性はなく集金の見込みは厳しい。その後の盛り上がりのなさからすれば、4000万円集まらないでお蔵入りとなり、保管費用や維持費用から売却するしかなくなる可能性もある。その場合、それまでの寄付者にどう説明するのかでは困ることになる。

■ 戦車
 戦車も同様である。見つけられなければ事業は立ち行かない。だが、見つけられるか前に、そもそも存在していたのかが疑問だ。金へん景気で回収した可能性があるためだ。

 やはりそのあたりで停滞しているのだろう。HPをみても2013年1月の水中探査以降、戦車の捜索についての発表はない。「沿革」をみても2013年の3月でおわり、新着情報も15年の8月で止まっている。

 さらにハコモノ、博物館本体の見通しもない。仮に国内外から戦車を寄付受け、あるいは購入したとしても保管・展示は難しい。あの手の大型装備を収容するためには、体育館のような無柱、スーパーのような大スパンの建物が必要になり、大荷重が掛かる部分は飛行場のエプロン並みに分厚い土間コンを打たなければならない。

 そして「ハコモノを維持する収益あるいは寄付金、基金が作れるか」といった問題もある。戦車は建物の維持費だけではない。学芸員だけではなくモギリや清掃員も準備しなければならない。仮に戦車が入手できても、博物館を維持できるかは難しい。

 これも中途活動停止となったばあい、寄付者への説明には苦労する。小口なので清算行為をしても返金する方法はないためだ。武器学校にある旧軍戦車の維持管理として、その清算金で役務を寄付するくらいしかない。

■ 水上艦
 水上艦は最初から非現実的である。当時の駆逐艦はティン・カンであり、放置した戦隊も腐っている。サルベージしたらバラバラになるし、その鉄屑を日本に運ぶコストは膨大なものだ。感覚的に言えばそれだけでまずは100億は掛かる。さらに日本に持ってきたあとで事実上のフルスクラッチをすれば別に100億近くは掛かる。

 その後の繋留岸壁の確保、保管状態とする場合の漁業権の滅失交渉と保障、維持管理にも膨大な額を要する。笹川良一の力を注いだ船の科学館でも宗谷や羊蹄丸の維持はできなくなっている。

 それでいながら、いまなお法人化や寄付受けを進めている。他人事ながら、拠出者に対し、見通しが立たないのに事業を進めた点について、中止判断やその後の説明に窮するのではないかと心配でならない。

■ 当事者能力
 そして、なによりも心配しているのが当事者能力だ。

 これらのうちのあるプロジェクトについて、その広報担当者の問い合わせを受けたことがある。「あなたのブログを見ました、事業のためにその◯◯について教えてください」といったものだ。だが、その問い合わせの内容は全部ブログに書いてある内容だった。

 怪訝に思い、その団体の役員経歴の項目をみると当事者能力での不安を掻き立てられるものであった。いずれも書くべきでないことに溢れていたためだ。たとえば「医者いじめ村に遠隔医療を導入する医学者の会」(仮)の役員経歴に「実績:小学生の頃『ブラック・ジャック』を読破しました」といった内容だったら驚くというものだ。

 もちろん『ブラック・ジャック』が好きなら好きでもいい。だが、それは経歴に書くことではないし、書こうとしたらやめさせるべき内容である。それがそのままになっているあたり、人を得ていない。主催者や当初メンバーの理念が高邁でも、それの実現は難しい。

 特に募金を集めているあたりで、これらの計画は中止の判断と始末が難しい。あの尖閣詐欺のような結果にならないようにするには、相当に慎重な舵取りが要求される。

 だが、主催者やコアメンバーはともかく、実務サイドがそれをうまく汲めるのかなといった疑問が浮かぶ

 1円も寄付していないし問い合わせの回答も含めて全く協力もしていないが、他人事ながら心配なものだ。
2016.01
13
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18:48
Category : 未分類
 F117がピョンヤンで、相手に見えるように急降下で擬襲をしたそうだ。

 ZAKZAKの加賀孝英の記事ではそのように述べている。「米軍、北朝鮮への“極秘作戦”準備 B52急派に続き決断か」には次の記述がある。
以下、複数の米軍関係者から得た極秘情報だ。[中略] 「米軍は05年に、北朝鮮で極秘作戦を決行している。それはF117ステルス戦闘機を、平壌(ピョンヤン)上空から、正恩氏の父、金正日(キム・ジョンイル)総書記の豪邸に向けて急降下させ、急上昇させる作戦だ。見えない戦闘機に北朝鮮は手も足も出なかった。その時の、血が凍る恐怖を忘れていないはずだ」
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160113/frn1601131140001-n2.htm


 もちろん、いつものとおり「私は宇宙人に誘拐された」http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-1528.htmlである。加賀さんは世界の情報機関から秘密の情報を聞いたといった内容である。今回のソースは少なくしており、
1 複数の米軍関係者
2 日本の情報当局者
となっている。だが、その中身はいつもの通り練り込みが足りない。

 まずはB52ごときで北がビビっているといった判断である。
「核実験直後、北朝鮮は『全世界が、わが国にひれ伏す偉業だ』といった声明を出した。ところが、B52急派後、北朝鮮メディアは、正恩氏の『核実験は、朝鮮半島の平和と地域の安全を守るための自衛的措置』という発言を伝えた。お笑いだ。正恩氏は震え上がっている。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160113/frn1601131140001-n2.htm

北にとって「核実験成功は偉業である」ことと「核開発は自衛的措置である」ことは矛盾しない。それをトーンダウンであると強調するあたりで話の持って行き方が甘い。さらにその間に「B52が飛んだ」ことを示し、トーンダウンはその成果であるというのは臨戦態勢国家を舐めたものだ。まずは「親子で巨人阪神戦の中継を見ていた、阪神がピンチのときに浮かれる巨人ファンの息子を殴った、だから流れ変わって阪神勝ったぜ」というようなものだ。

 また、ウィキリークスを持ち出しながら、その中身にあたっていない。このあたり、こじつける努力もしていない。
 さらに、興味深い情報がある。
 CIA(米中央情報局)元職員のエドワード・スノーデン容疑者や、内部告発サイト「ウィキリークス」が、米政府の機密文書を暴露している。この中に注目すべき記述があるというのだ。
 「米韓政府高官が話し合ったという『北朝鮮攻撃による朝鮮半島統一計画』が存在する。正恩氏は、ロシア経由で詳細を知って驚がくしたらしい。側近が裏切っていたうえ、自分の暗殺計画まで準備され、中国も計画に一部賛成していた。正恩氏が100人以上の部下を殺し、中国を信用せずに暴走している理由の一端がここにある」(日本の情報当局者)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160113/frn1601131140001-n3.htm

この文章は「日本の情報当局者」が「ウィキリークスにそう書いてある」と言った形になっている。だが「ウィキリークスにそうかいてある」なら、その部分を出ずだけで済む。また「日本の情報当局者」から聞いたとしても、中身が「ウィキリークスにそうかいてある」なら独自の情報というわけではない。

 そして「F117の急降下擬襲を見て腰を抜かした」である。高高度からの精密誘導爆撃をするF117の使い方ではないし、そもそも急降下爆撃をする機体ではない。そもそもF117が活動する夜ならば急降下の状況は見えないしF117であるかどうかもわからない。

 「私は宇宙人に誘拐された」も、もう少し丁寧につくるものだろう。

 まあ、媒体の水準には合致しているけどね。適当に宇宙人の記事を書くジャーナリストと、政治の記事としてそれを載せる夕刊フジ/ZAKZAK、それを信じる読者の水準は合致しているといえば合致している。

 ZAKZAKもPV稼げりゃなんでもいいのだろう。それなら動画にキャプション程度の説明をつけて「記事を書きました」「好評です」というのと大差もない情けなさということだ。
2016.01
09
CM:6
TB:0
02:42
Category : 未分類
 JSFさんは、自分の発言の中身を理解できていない。

 いつものとおり、他者に論難を仕掛けている。今回であれば「スウェーデンは平和愛好的である」といった意見に対して「コンゴに派兵していたじゃないか」(JSF)と息巻いている。

コンゴ国連軍
JSF@obiekt_JP この山井先生って民主党は山井和則議員の事か。少し前に「私が留学した事のあるスウェーデンは平和を愛する国家で…」とツイートしてたあの先生ね。スウェーデン軍がコンゴ動乱に派兵していた事はみんなの内緒だぞ。6:02 - 2016年1月8日
https://twitter.com/obiekt_JP/status/685461674766151680


JSF@obiekt_JP 山井先生は「スウェーデンは100年以上戦争してない」って言ってたんだっけか。実際にはスウェーデン軍はトゥナン戦闘機をコンゴに出して空爆してたし、最近でもリビア空爆にグリペン戦闘機を参加させてたんだよなぁ。リビアでは制空と偵察が任務だったけど。6:10 - 2016年1月8日
https://twitter.com/obiekt_JP/status/685463490396487680


 しかし、自分の主張を全く理解できていない。国連軍としての参加をもって「スウェーデンは平和愛好的ではない」と言っているためだ。

 スウェーデンのコンゴ派兵は、むしろ平和的なものとしか言えない。独立コンゴは、旧宗主国ベルギーやそれに使嗾された旧植民者勢力による侵略を受けていた。それを国際社会が不正義と断じ、安全保障理事会で国連軍の編成が反対なしで決まった。

 とうてい侵略的なものではなく、自国の権益を賭けるものでもない。理想に燃えたきらいはあるものの純粋に義勇に応じたものに過ぎない。

 だが、JSFさんはそれを以って「スウェーデンは戦闘をした」「だから、平和愛好的ではない」「『平和を愛する国家』というのは誤り」と主張をしている。

 自衛戦争であっても戦闘をすれば「平和的ではない」ので「好戦的である」国家ではないというのだろう。それがJSFロジックというわけだ

 まずは「リアリズム」とやらに目覚めた中高生なのだろう。「平和」という言葉に機械的に反射的に反発する。その相手を勝手にサヨク認定し、揚げ足をとってでもその主張を「お花畑」と論じて「論破」と夢見心地になる。

 なによりの悲劇は、そのまま大人になったことだ。JSFさんやそのお仲間は、たいてい同じような「僕の考えたリアリズム」を振り回している。そして、そのサークルにどっぷり漬かっている。だから、自分たちの奇矯な姿勢には気付かない。このままインナーサークルでしか通用しない理屈や言動を繰り返し、「論破」と喜んで老人になっていくのだろう。
 


 まあ、JSFとそのお仲間さんとは相互主義だし、前に散々言われているから、ボクも散々言うことにしますよ。
2016.01
05
CM:7
TB:0
23:58
Category : 未分類
 桜井よしこさんは、インドは本気で原発を欲しがっていると思っているのだろうか?

 「日印、安倍外交で重要拠点を確立」で桜井さんは「インドの原爆はよい原爆」「インド人は核実験しない約束を守る」だから「日本はインドに原発を輸出しろ」と述べている。

 桜井さんは「インドの原爆はよい原爆である」と述べている。
突然、侵略してくる中国が核大国の特権を手にし、その脅威に晒されるインドは核を保有できない。インドが74年に核実験に踏み切ったのは、大国のエゴの理不尽さに負けないためだった
http://yoshiko-sakurai.jp/2015/12/24/6231


 そして「インドは核実験はしないと約束しているから信頼しろ」とも述べている。
ただインドは、核実験の自粛(モラトリアム)を08年9月に約束しており、米国をはじめフランス、ロシア、カナダ、韓国などはインドを信頼して原子力協定に合意済みだ。日本もインドの年来の核不拡散の行動を信頼し、早期に原子力協定を結ぶことが日印の力を強め、アジアの安定と繁栄に貢献すると私は考える。
http://yoshiko-sakurai.jp/2015/12/24/6231


 その結果、冒頭の結論に達する。なんでインドと原子力協定を結ぶことで「アジアの安定に資する」かどうかは説明していないが、とにかくインドに原発を輸出するとそうなると説明している。
安倍晋三首相のインド訪問は日印双方のみならず、アジアの安定に資する大きな果実をもたらした。[中略]日本の原子力技術をインドに提供する原子力協定で、原則合意に達したことも意義深い。
http://yoshiko-sakurai.jp/2015/12/24/6231


 だが、インドが約束を守ると真顔で述べるあたり、桜井さんは相当に素朴、あるいは厚顔ではないか?

 そもそも「インドが日本の原発を欲しがっている」と考えているあたりも、無邪気にしかみえない。自分たちが原発大好きだからといって、世界も原発が大好きであるといった確信があるのだろう。


■ インドとの約束はアテにならない

 インドとの約束は信用できるものではない。そのあたりを信用している段階で、桜井さんの見通しはお汁粉並みに甘い。

 まず、インドとの同盟も噴飯物だ。桜井さんほかの、神がかり保守層だけが信じているようにしか見えない。

 インドの外交は節操が無い。ゴーリズムといえば聞こえがいいが、実際にここ50年間だけでもインドは第三世界寄り・ソ連寄り・米国寄りと三回も掌を返して友好国を変えている。そしてその時期でも友好国の敵陣営にも擦り寄っている。

 日印で互いに利用する関係ならまだしも、同盟を結べる相手ではない。日本は同盟を結んだとはしゃいでも、反対側ではインドは中国と仲良くしている。そのうち裏切られたと感じるのがオチだ。

 また、核実験しないといった約束も怪しい。あの国の約束と履行は全く別問題である。既に述べたようにゴーリズムなので自分の利益しか考えない。信義則もないし、信頼関係を構築できると考えるとエライ目に遭う。

 自国の都合で核実験が必要となれば、適当なことを言い出すのがインドだ。もちろんいまでも核兵器を持っているので、いまさら核実験しようがしまいが別段構わない。だが、その時になればインドは適当なことをいうだろう。「未臨界実験が失敗して事故を起こしただけ」とでもいうのではないか

 そのインドを桜井さんは信用しきっている。「日本もインドの年来の核不拡散の行動を信頼し、早期に原子力協定を結ぶことが日印の力を強め、アジアの安定と繁栄に貢献する」(桜井)と言い出すあたりは相当に夢見心地である。

 その眼は節穴なのだろう。前にも『日本とインド いま結ばれる民主主義国家―中国『封じ込め』は可能か』といったどうしようもない本を出している。中国封じ込めなんて言い出し、それができると思っているあたりも証拠である。


■ インドは原発を求めていない

 そしてなにより興味深いのは原発愛だ。桜井さんが「インドが本気で原発を求めている」「インドも原発大好き」と信じきっている。自分が原発が大好きなあまり「世界も原発が大好だ」だと信じている構図がある。

 だが、インドは原発開発に熱意はない。電力不足もあり、前々から作る作ると言っているが、結局はできていない。このあたりでやる気の無さが窺える。

 むしろ彼らの興味は石炭の活用にある。インドは石炭大国であり、自国消費量の100年以上の資源を持っている。だが、国内経済体制の非効率から外国炭も輸入している状況にある。この点で、彼らは石炭採掘と発電を結びつけようとしている。

 これはいまのモディ政権でも同じである。モディは石炭採掘とそれによる電力問題解決を重視しており。だが、原発にはそれほどの熱意はない。「原発市場があるよ」と各国に見せつけているだけの話である。

 今回の日本との原子力協定も、原発を売り込もうとするアレ政権に合わせているだけの話だ。それでインドは日本に貸しをつくれる。実際に原発を作ろうという熱意はない。

 それだけの話を、アレ宰相のインド外交の勝利と持ち上げる。このあたり桜井さんは相当に無邪気なものだ。
2016.01
04
CM:3
TB:0
23:00
Category : 未分類
 アイスランド農業は羊モノカルチャーなんでしょう。『ひつじ村の兄弟』ですが、牧羊以外に農業はない。そして牧羊家の主食はやはり羊です。見ていてもシチューにするか焼くかが日常食となっている。毎日が「ひつじ祭り」といったものです。

 年末の仕事とコミケ準備があり、今日まで遅れましたが武蔵野館で観てきました。


 つまらない映画ではありません。アイスランド映画でゲラゲラ笑える内容ではないですが、チャンとできている。お上品な映画というわけでもなく、眠気を催す内容ではない。結構みられる映画です。

 仲が悪く、隣に住みながら40年間口も効かない兄弟、楽しみは羊の飼育と品評会で勝つことくらい。そこに羊版の狂牛病、スクレイピーの発症があるといった話です。あとは勝手に転がっていく。それは観れば分かる話ですのでここで述べることではないでしょう。

 ただ、どちらかといえばアイスランドの風景や社会のほうが見どころでした。森林もなし。風景は日本でいえば高山の森林限界の先のような植生。なだらかですが土砂の侵食は止まらない。家も窓はハメ殺し。言語(調べるとアイスランド語とのこと)はゲルマン語なので、基本的語彙の部分はたまに拾えるといったものです。ドイツ語と英語をやっていたことがあれば「ああ」といった感じですな。

 なによりも食事です。基本はひつじ、水産業は発達しているはずですが、見る限り魚はなし。蔬菜もなし。アレで日本に並ぶ長寿命なのですから、魚や野菜の摂取量と寿命は関係ないのでしょう。

 ちなみに、面白いというほどのものでもないですが、エンドロールも興味深いものです。名前にバリエーションがないものだからエクストラはみんな同じような名前。さらにアクターとして犬と羊も上がってもいる。役者として兄弟の次に出てくるのが犬で、その次が雄羊ですからねえ。あと、エロについてはその雄羊のお交尾シーンだけでした。
2016.01
01
CM:19
TB:0
23:22
Category : 未分類
 ガルパン映画で「リアル」とは何事か?

 「女の子とメカと鉄砲」嗜好に媚びた現実味のない世界である。そこで戦車描写の細かさを「リアル」と褒めるのは滑稽なものだ。

 ガルパンのどこにリアルがあるのか。男は一人も出てこない。ヒロイン達への萌えを阻害するので出さない。戦車を動かすにも下積みや面倒もない。互いに大砲を撃ち合っても怪我をしない。その作画音響がリアルと称賛されるが、「危険性がない」とする理屈付けのリアリティ欠如には何も言わない。

 離乳食のアニメである。テーマ、小道具は全て視聴者層の嗜好にあわせている。そして不快なものは全て抜く。男の影を抜くだけではない。挫折も軋轢も残酷もないし乗り越える課程もない。すり潰した乳児食でしかない。

 客は侮られている。「ドラマの咀嚼力が弱い」と見ぬかれ、それに合わせた見応えのない物語を与えられたのがガルパンだ。そして、その侮られた観客が「描写が素晴らしい」云々と褒める。離乳食を賞賛する客もいるものだ。

 もちろん現実離れのアニメはいくらでもある。アイマスもデレマスも非現実である。男は出てこないし、イメージだけを膨らませた想像されたアイドル世界である。

 だがキャラには人間の造形がある。文字通り戯画化され味付けも極端になっている。だが、そこには人間関係があり対立も衝突も存在する。そして失敗や挫折といった残酷な障害もある。なによりも乗り越える過程がある。互いを不倶戴天とした梨衣菜とみくは互いに相手を受容し、智絵里とかな子は超えることができない障害を乗り越えた。成長後の梨衣菜みく智絵里かな子は以前の小娘ではない。

 ガルパンにそれはない。人間関係で決して衝突はしない。心を砕く障害も登場しない。敵としてヨリ高性能の戦車が出てきても強さのインフレでしかない。乗り越えられない障害ではなく、勝っても何の成長もない。登場人物は戦車の運転が上手になったのかもしれない。だが、人間関係はなにも成長しない。

 それをリアルと賞賛する観客は、現実世間にも不見識ではないか。ファンを広言するミリオタは職場や趣味分野、そして社会でも人間要素に気づけるかも怪しい。

 実際に、ミリオタとかぶる自称理系やSFファンが全くそれだ。自分たちが信奉する工学知識を全てと考え「原発は、オスプレイは危険ではない」と繰り返した。「なぜ抗議者が反対しているか」「工学的に危険でないにも関わらず社会が拒絶するのは何故か」に思いが至らない。ガルパンでの「リアル」激賞もその程度のものだ。

 そもそもが囲い込んだファン向けでしかない。テレビ版を焼直し、そのファンだけを相手にするものだ。そこに新しい客を呼ぼうといった挑戦はない。安牌策でしかない。

 いっそ『ガールズアンドパンツァー 戦国戦車道』までやれば面白くなるのだが。タイムスリップさせればドラマも作りやすい。予告編は「歴史は私達に何をさせようとしているの」でいい、戦車戦のピンチも「軍勢に這い上がられ主砲に刀を入れられる」でいける。

 ラストはどうにもなる。歴史復元力で修正される、長尾景虎に始末される、クレしん戦国大合戦式に現代に帰還する。どれでもよい。

 「女の子とメカと鉄砲」でも工夫すれば面白くはできる。だが、それをせず囲い込んだミリオタ向けの「心地よさ」だけを追求した。これは作品として挑戦心を欠くものである。



ソンム戦にタイムスリップとかね
/著者兼編集兼発行人//文谷数重




2015年冬コミ、本誌の「まえがき」だが、ナマモノなので公開