小保方氏の学位取り消しは無し:早稲田大学の終わりの始まりか
噴飯ものだ。
学位取り消しは必定と思っていたが、一方では「もしかすると…」の嫌な予感もあったが、後者になってしまった。
7月17日付けで、小保方晴子氏の「早稲田大学の博士学位論文に関する調査委員会」の報告が発表された。何故か今のところ、大雑把な説明しか無い。その上、5人による調査委員会の委員長は小林英明弁護士で、他の委員4名は匿名になっているという異常さである。委員会の結論は、不正はあったが学位取り消しには該当しない、というのだ。
何故4人は匿名なのか?一般企業においても従業員の不正行為等に関して「査問委員会」「懲罰委員会」というのがあり、もちろん、議事録には委員会全員(私も委員の一人に任命された経験がる)の名前が記録される。これが責任ある大人の常識である。
考えられる理由は、①4人は茶番劇のような調査委員会などアホらしくて責任が持てないので匿名を要求した。②単に、4人が怯懦で各方面の批判から逃げたかったから。くらいか。いずれにせよ、こんな非常識が通るのが早稲田なのか?
小保方論文については、「…『最終的な完成版の博士論文を製本すべきところ、誤って公聴会時前の段階の博士論文草稿(下書き)を製本し、大学へ提出した』と認定した…。」「…著作権侵害行為等にあたるとされたのは、製本・提出すべき論文のとりちがえという小保方氏の過失によると認定した…。」という。
バカバカしいにも程がある。大学の卒業論文であっても、下書きと真正の最終版を取り違えて提出する学生など聞いたことがない。まして博士論文においてや。仮にだ、百歩譲って間違えて提出したのが事実だったとしてもだ、真正の論文が手元にあるのだからすぐ気付くはずだ。数日以内には小保方氏から大学当局へ論文差し替えの提出がされるはずだ。
要するに、小保方氏は「不正」ではなく、「過失」だったというのだ。いや、不正はあったが、不正の方法による学位の授与を受けるには、本人に「不正行為を行う意思が必要であり、過失による不正行為は不正の方法には該当せず」というのが、調査委員会の判断らしい。この辺は記事の文章を何度読んでも読解が難しく、論理的に落とし込めないのだ。
調査委員会の報告には、論文には序章の著作権侵害行為&創作者誤認惹起行為など、6箇所に「不正の方法」による不正、と認定しているのだが、それでも、「それらは学位授与へ一定の影響を与えているものの、重要な影響を与えたとはいないため、因果関係は無い。学位取り消しを定めた学位規則第23条の規定に該当しないと判断した」というのだ。
何と言うか、論理もヘチマもない。むちゃくちゃだ。弁護士流の三百代言&小理屈をこねくり回し、何としても小保方学位論文の不正は「不問」にしようとの意図が透けて見える。そして、早稲田大学側の保身的姿勢も。
そもそも、審査体制がしっかりしていれば、小保方の提出論文は学位論文としては通らなかったであろうと言っているんだからね。それを強引な屁理屈で通ったことにしてしまう。呆れる。
今回の結論を受けて、各方面から批判が噴出しているが、まとめると、
①小保方氏以外にも「不正」が指摘されている学位論文が複数あり、これらへの広がりを止めたかったからだろう。小保方氏の学位取り消しがなされると、他の「不正論文著者」への波及効果は早稲田にとっては死活問題。学位論文について杜撰な審査した大学側の責任問題も甚大になる。よって、臭いものにはフタをしたのだろう。
②委員長の小林英明弁護士は安倍首相とも深い関係があり、「圧力」があった(安倍首相と下村博文文科相は小保方擁護)」のではないか?安倍首相はメディアコントロールに余念が無いが、教育もコントロールしたがる政治家である。
③学位取り消しとなると、現在、小保方氏もメンバーに加え、理研で進められているSTAP細胞の検証実験(これも噴飯ものだが、後日、記事にします)に齟齬をきたすので、取り消しの判定はとても下せなかった。
④早稲田大学の信頼は失墜した。
⑤早稲田大学の鎌田総長は教育再生実行委員会の座長である。ワロタ。トンデモ座長だ。
⑥早稲田大学の近くにバカ田大学があり、早大はバカ大に吸収合併されたらしい(親父ギャクか)。
⑦早稲田の博士と他の大学の博士とは別にしてくれ。博士の名誉に関わる。
くらいか。
理研も早稲田も、良いお大人達が30歳の小娘一人に右往左往、キリキリ舞いされられているな。
私の高校時代の先輩が、早稲田大学の「在野精神などとっくに死滅している。」と言っていたけど、そうみたいだね。
それよりもヒドイと思うのは…学位論文に関する調査など、三ヶ月も四ヶ月も時間を要する程の問題では無い。グズでノロマな集団が甘い査定をする…厳しいサバイバルゲームに晒されているビジネスの世界ではこれを「愚鈍な集団」と呼び、物笑いのタネになる。しかし、大学というところは(早稲田というところは)、甘い環境があるようで、それでも通るんですね。
甘い環境は人間をダメにする、というのは一面の真実である。
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2014.07.18 | | コメント(17) | トラックバック(0) | 政治・社会