部下を上手く叱れる上司になりたい?
叱り上手な上司になる3つのルール
新入社員を受け入れてしばらく経つと、例年、こうした話題が出ますね。
で、毎度のことなのですが、えてして、こうしたコラムには大きな欠陥…現場と乖離している所があります。
「叱り上手になりたい」企画は結構なのですが、そもそも「部下を叱れない上司」が少なくないという重大な事実を忘れています。その根拠は単純明快です。私は仕事柄、多くの社長さんと面談する機会がありますが、どの社長も異口同音に「ウチの管理職は部下を叱れない。だから私が叱っているんだよ」と不満を漏らすからです。
いや、その前に「部下を誉めることが出来ない上司」が少なくないのです。誉めるのと叱るのと、どちらの方が難しいかは言うまでもないことでしょう。部下を誉めることの出来ない上司がどうして部下を叱り得るでしょうか?
「叱る」というのも大雑把な表現です。大体、次のような段階があります。
1.部下を促す
2.諭す
3.注意指摘する
4.叱る
5.怒る
6.処罰する
くらいでしょうか。
管理職の人達が部下を叱れない心理的要因は明快です。つまり、部下との人間関係を悪くする。嫌われる。後の仕事に悪影響が出る。精神的に疲れる。不愉快だ…等の理由から、叱ることに抵抗があるからですね。
私も部下や後輩を叱った為に、不愉快というか怖くなったことがあります。プライドの高い部下(優秀な人によくある)ほど「何故叱られないといけないのですか!?」「私はちゃんと仕事しています!」「先輩だってミスしたことがあるじゃないですか!!」と、目を血走らせて食ってかかって来ますから(^。^;)
実は、叱ることも誉めることも、管理職としての責任感や高い意識だけに依存する問題ではなく、技術的側面もかなり影響を及ぼすことも事実です。どうやって上手く部下を叱ればいいのか。マネージメントも技能の一種と考えることも出来ます。ただ、これは企業秘密なので具体的にはここには書けません(苦笑)
叱るのが難しいもう一つの理由は上司に「判断・決断」を求められる行為だからです。例えば、朝の定刻に10分遅刻して来た部下がいるとします。
あなたならどうしますか?
何も言わず、黙って見過ごす。理由を聞く。そっと注意する。不愉快な顔して睨みつける。どやしつける。処分する…正解はどれか?
どれも正解です(笑)
人を指導するということは、その人の性格、仕事の能力、立場、事情、過去の実績等に応じて、時と場合に応じて行うことですから、答えが一つな訳がありません。
だからこそ、上司は難しい判断を求められる訳です。しかも、上司の行動を他の部下達は見ていますから、彼等にも納得される対応をしなくてはならないのです。
叱る目的は、部下の育成、仕事の損害を防ぐ、部門を統率する、秩序を保つ、それと、言葉は悪いですが、見せしめ、もあります。一罰百戒というわけです。
どうしても部下を叱れない人はどうするか?簡単です。管理職を辞すればいいだけ。それで楽になります。給料は減りますが。ただし、自分よりも若い後輩の下で働くことに平気でいられれば、ですが。
しかし、大切なことが一つあります。これもしばしば企業の経営者や管理者と話題にすることですが、実は、上司から叱れれたことを感謝している部下、遠慮無く叱って欲しいと願っている部下が意外と多いということです。
部下に妥協せず、阿ず、一歩も引かない姿勢で叱る上司は、部下に好かれなくても「管理職」として認められていることが多いのです。部下に遠慮して叱れない優しい上司?は部下に好かれることはあっても「尊敬」はされない、ということです。
理想的な上司はどれか?
1.自分に厳しく部下にも厳しい上司
2.自分に厳しく部下に甘い上司
3.自分に甘く部下に厳しい上司
4.自分に甘く部下にも甘い上司
「1」と答えた人は机上の空論を弄ぶ人です(笑)
こんな立派な上司になりたい、と思います?
私は思いません。何故なら、こういう上司はきっと早死にするでしょうから。
2012.04.30 | | コメント(14) | トラックバック(0) | 戯けたライフ