・強過ぎるアスリートは得てして不人気になる場合がある。それはライバルに人気アスリートがいる場合だ。世界フィギュアスケート選手権で3連覇していた時のパトリック・チャン選手がそうだった。不幸?なことに、ライバルが人気絶大の高橋大輔選手だった。2010年の世界選手権を最後に高橋選手はチャン選手に勝てなくなってしまった。表現技術・スケート技術を評価する演技構成点でもチャン選手が上回るようになり、一部のファンから嫌われた。
不思議なことに強いアスリートは「ふてぶてしく」「傲岸」に思われることが珍しくない。大相撲ではかつて、横綱北の湖がそう見られていたそうだ。不幸?なことは、当時、絶大な人気を博していた大関貴ノ花がいたことだ。判官びいきもあって、貴乃花ファンからは嫌われたらしい。
・世界選手権で3連覇を成し遂げたネイサン・チェン選手はどうなのだろうか?ライバルは羽生選手だ。しかし、チャンvs大輔のような感じは無いように見える。ファンの質も変わったからか?
・ところが、強過ぎるアスリートが世界のトップから少し下がり、年齢を重ねベテランと言われるようになると、何故か急に人気が上がって来る。ソチ五輪で金メダルを逃した頃からチャン選手の人気が上がった。ライバルの高橋選手が引退したことだけが人気上昇の理由ではなかった。
・女子のトゥクタミシェワ選手の人気が上昇している。彼女はソチ五輪で金メダルを獲ったソトニコワ選手と同期だ。浅田真央さんのファンだと公言していたソトニコワ選手の日本での人気は高かったが、トゥクタミシェワ選手の方はあまり人気はなかった。特に愛嬌を振りまくタイプではなく、クールな印象もあいまって不人気だった。
2014~2015年度はグランプリファイナルや世界選手権で優勝し、非常に強かった。トリプルアクセルも跳べるようになった。で、人気は高く無かった。よせばいいのに、コーチのミーシンさんが、「浅田真央のジャンプは回転不足」と言ったものだから、もう、ダメでした。
それが、同じロシアの若手の後塵を拝するようになり勝てなくなると、あら不思議、彼女の人気が上がり始めた。十代の選手達が世界を席巻する時代、20歳を過ぎたスケーターにはファンは暖かい目を向ける。
そこへ、トゥクタミシェワ選手が「日本が好き」と言ったものだから人気は急上昇。海外の選手達の中には、「日本で演技するのが好きだ。日本のファンは暖かい」と、異口同音に語る例が少なくない。
その点、必ずしも愛想が良いとは見えないトゥタミシェワ選手からはそれまでそうした発言はあまり聞かなかった。それが最近、何故か言うようになった。
日本人特有の、判官びいきの変形なんだろうか?
私ももちろん、トゥクタミシェワ選手びいきである。
彼女のトリプルアクセルの特長は、力みが無く軽くスッと跳ぶんですよね。女子は脚力で劣るので、トリプルアクセルを跳ぶには、「ヨイショッ」ってな感じになる所、彼女にはそれが無い。紀平選手のトリプルアクセルのような大きさや流れは無いけど、自然体でスッと跳ぶので評価は高いでしょう。
シェルバコワ選手。やはり、滑りや演技がメドベージェワ選手に似ている。
それにしても、女子では欧米の選手達と比べて日本人選手のスピン技術がイマイチということが明瞭だ。同じノーミスでも坂本選手のスピンはシェルバコワ選手やアメリカのテネル選手等と比べると落ちる。しかし、坂本選手だって日本人選手のレベルではスピンは上手い方なんですよね。
やはり、スピン技術というのは手足が長い方が得だね。見栄えが違う。
・紀平選手、腰痛がヒドイみたい。無理しないでフリーは棄権するのもありかな。
・羽生選手。ウウ。。。最初の二つの4回転ジャンプは素晴らしく決まったのに、まさか、得意のトリプルアクセルでバランスを崩すとは。。。しかし、それ以外は素晴らしかった。
・フランスのエイモズ君とアメリカのブラウン君。もう、表現力が素晴らし過ぎて、スポーツをやっているんだか、踊っているのか、分からなくなって来たぞ(^o^)
この二人の男子選手の表現で、上半身や腕の使い方、顔の表情を見ると、日本人選手には無いものなんだよね。やはり、文化の違い、民族の違いのようなものを感じる。
・解説の荒川静香さん。
つまらん。年々、退屈な解説をする傾向にある。こういう「無難」な解説者が関係者の間では重宝がられるんでしょうかね。特に、日本人女子選手の場合、「誉める」ことだけ言って、「ミスや課題の指摘」は言わない。この見え透いたやり方、私は嫌いだな。まあ、彼女の立場からすれば、下手に「指摘」をして、該当選手かコーチからクレームが入ったり、一部のファンからクレームが入るのを避けたい、との防衛策の意味もあるかもしれませんが。
いかにも「日本的」で、退屈だ。
安藤美姫さんなら聞き応えのある解説をすると思うが。本人も言っていたようですが、「お呼びがかからない」そうだ。安藤さん自身は解説したい気持ちはあるようですね。
・三浦璃来/木原龍一ペアは素敵だ!!
今回、テレビでじっくり見ることが出来ました。良かった!
木原選手はシングルからペアに転じて8年ですか。高橋成美選手と組んでいた頃と比べ、何という逞しい前進!技術の進歩!表現力の向上!
一人の選手の成長を見ることもスポーツを見る醍醐味の一つですね。
演技冒頭のトリプルツイストの高さ!リフトにおける難度の高さとスムーズさ!ステップシークエンスでのターンのエグさ!どれを取っても8年前とは別人のよう。
時折見せる木原選手の笑顔が素敵です。
三浦選手ですが、なかなか「気の強そう?」な風貌。スケート技術の方はなかなかのレベルなんではないでしょうか?ステップを見ているとそう思いました。
二人の相性もきっと良いのでしょう。このまま二人で長く続けて欲しいです。
世界選手権や五輪で入賞圏内に入る力が十分にありそうです。
これから先が楽しみです。
ショート・フリーの合計点が196点台!
国別対抗戦は概して点数が高めに出る傾向があるにせよ、ミスが複数あっての点数であれば、200点越えは射程圏内ですね。世界選手権では200点越えしたペアは5組でしたので、世界のトップクラスの仲間入りは近いぞ。
点数が上がれば、二人のモチベーションもどんどん上がる。私の血圧も上がる。
・坂本選手の素晴らしい演技を再び見る事が出来て嬉しかった!
トリプルアクセルや4回転ジャンプの練習をしているそうですが、どうでしょうか?北京五輪にはちょっと間に合わないのではないでしょうか。実戦で試す機会も少ないでしょうし。
それよりも、ノーミスを目指す、フリーではコンビネーションジャンプは全て演技後半に入れる等の作戦が良いのではないでしょうか。もちろん、本人とコーチが考え決めるることですが。
・宇野選手。
うーん。。。以前にも書きましたが、悪戦苦闘していますね。この数年ずっと。ジャンプがなかなか揃わない。高さが足りないのか、あの変な癖?のあるランディングが問題なのか分かりませんが。
五輪ではやらないであろう3A-4Tなんか跳んでる場合ですか?案の定、失敗しました。
フリーで4回転ジャンプを4本入れてどうせ2本はミスるんなら、3本にして確実性をアップさせる方がベターじゃないかなあ。宇野選手ならこれでも表彰台に上がれるだけの地力があると思うのですが。。。
☆ところで、北京五輪ですが…日本はボイコットするのかな?
ま、全てはご主君のアメリカ様のご意向次第ってところでしょうか。
2021.04.16 |
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●女子シングル
・順位予想(敬称略)
1位:シェルバコワ
2位:紀平
3位:トゥルソワ
4位:トゥクタミシェワ
5位:テネル
6位:宮原
このところ、私は日本人選手に勝って欲しい、という気持ちよりも、良い演技が見たい、という気持ちの方が強くなっているのを感じます。カップル競技については以前からそうでした。
私の好きな樋口選手がいないのと、以前ほど、やれ安藤美姫選手だ、浅田真央選手だ、という熱烈ファンになるような選手がいない為でもあると思います。
そして、私なりのフィギュアスケートというある意味特殊なスポーツに対する観賞の仕方が変化したこともあると思います。点数やら判定やらの細かいことにこだわらず、じっくりと演技を楽しみたいです。選手毎のそれぞれ個性ある演技を楽しみたいです。ハッとさせられるような技も楽しみたいです。
もちろん、ルールや技術への関心は今もあります。
日本人選手が素晴らしい演技をして優勝し、表彰台に上ってくれる方が嬉しいことに変わりはありませんが。これは男子についても同様です。
女子ショート結果
1 Anna SHCHERBAKOVA(ロシア)81.00
2 Rika KIHIRA(日本)79.08
3 Elizaveta TUKTAMYSHEVA(ロシア)78.86
4 Karen CHEN(アメリカ)74.40
5 Yelim KIM(韓国)73.63 PB
6 Kaori SAKAMOTO(日本)70.38
7 Bradie TENNELL(アメリカ)69.87
8 Haein LEE(韓国)68.94
9 Madeline SCHIZAS(カナダ)68.77
10 Loena HENDRICKX(ベルギー)67.28
11 Olga MIKUTINA(オーストリア)67.18
12 Alexandra TRUSOVA(ロシア)64.82
13 Ekaterina RYABOVA(アゼルバイジャン)64.11
14 Jenni SAARINEN(フィンランド)63.54
15 Josefin TALJEGARD(スウェーデン)61.58
16 Satoko MIYAHARA(日本)59.99
3人の日本女子選手については、私が密かに懸念していたことが全て出てしまったという感じです。まず、紀平選手ですが、彼女のジャンプは3Aを別としてそれほど高さが無いんですね。よって、着氷で時々回転不足を取られています。今回は3Aと3F-3Tの3Tに、四分の一回転不足の「q」マークがつき、本来なら+2点以上加点されるところ、わずかの加点に終わりました。ノーミスであれば83~84点は出ていたでしょう。
しかしながら、演技全体としては素晴らしいものだったと思います。特に、ステップシークエンスの出来は秀逸。レベル4をしっかりゲット。加点も+1.60。かなりの練習を積み重ねて来た成果が出ていると思います。
坂本選手は元々不安要素であるルッツのエッジエラーと、しばしば見受けする緊張によるものか気負いからか、3F-3Tでミスが出てしまいました。彼女の良い時のノリノリの演技ではなく、少し萎縮していた印象です。残念です。技術的なことよりも、メンタルの影響が大きかったように見えました。
宮原選手はジャンプが(/_;)。壊滅的なミスでしたが、ステップ・スピン・音楽表現で頑張りました。やはり、彼女の音楽表現は一流ですよね。彼女以上の存在は今のところ考えられません。
シェルバコワ選手。ロシア選手権3連覇はダテではありませんでした。16才とは思えない表現技術。ジャンプばかり目が行きがちですが、彼女の演技はメドベージェワ選手を思わせます。繋ぎの濃い振り付け。何となく滑っている箇所が無い!休みが無い。ジャンプが音楽表現の中に自然に組み込まれている。凄いです。
トゥルソワ選手。ジャンプが不安定との前評判の通りでした。彼女は4回転ジャンプに入れ込み過ぎているのでしょうか、音楽表現や他の技術がややお留守になっているように見えます。とは言っても、あくまで世界選手権レベルでのお話ですが。フリーでは男子並の鬼構成で大逆転を狙うでしょう。ある意味、開き直れる位置なのでフリーでは凄い演技を見せるかもしれません。期待しましょう。
韓国女子もクオリティーが高いですね。以前はキム・ヨナさん一人だったのが、ハイレベルの選手が次々と登場するようになりました。しかも、ルックスの方も上クラス!
5位のYelim KIM(キム・イェリム)選手は手足が長く、この美点を生かしたプログラム「愛の夢」。時分の花だ。8位のHaein LEE(イ・ヘイン)選手もそうですが、お二人とも膝を上手く使った伸びやかな滑りが印象的です。
トゥクタミシェワ選手、24才。若年化の著しい女子フィギュアにあって、年齢と共に静かに着実に進化して行くスケーターの姿は、単に演技の出来以上の感銘を人に与えるものですね。 アスリートにしては 肉付きの良い体型なのに、このようなジャンプが跳べるということは、よほど脚力や柔らかな膝のバネに恵まれているのでしょう。
●男子シングル
・順位予想(敬称略)
1位:チェン
2位:羽生
3位:宇野
4位からは混沌。が、メッシング君やエイモズ君をはじめとした個性派ぞろいの男子。ワクワクします。近年、壁にぶつかっている感のあるボーヤン君の進化も見たいですね。ジェイソン・ブラウン君の名演も楽しみ。
男子ショート結果
1 Yuzuru HANYU(日本)106.98
2 Yuma KAGIYAMA(日本)100.96
3 Nathan CHEN(アメリカ)98.85
4 Mikhail KOLYADA(ロシア)93.52
5 Keegan MESSING(カナダ)93.51
6 Shoma UNO(日本)92.62
7 Jason BROWN(アメリカ)91.25
8 Junhwan CHA(韓国)91.15
9 Kevin AYMOZ(フランス)88.24
羽生選手はさすが、と言ったところでしょうか。4Sのランディングが少し乱れ、私は思わず「アッ!」と声がでましたが、上手いこと持ちこたえました。それと、ステップシークエンスでレベル4を取り損ねた分だけ、110点台に届かなかったということでしょうか。さりとて、4Sと4Tの構成で110点を超えるのは羽生選手とて、ちょっと難しいように思えます。ショートから4Loを持って来ること、出来ませんでしょうか?
チェン選手、緊張していましたか?世界選手権3連覇の期待がかかっているという重圧でしょうか。チェン選手がジャンプでコケるの、久し振りに見ました。
チェン選手が8点差で羽生選手を追う展開の方がワクワクします。優勝の行方はまだ分かりません。
鍵山選手17才。スゲエ!昔風の無表情でただ滑っているだけの日本男子選手って感じを残しつつも、そんなことは大した問題じゃない、と言わせるだけの美しいスケーティングに美しいジャンプに美しいスピンでございました。音楽といい振り付けといい、亡くなったデニス・テン選手の演技を彷彿とさせるものがありました。
宇野選手。動きは良かったと思うんだけどね。ステップシークエンスのダイナミックな演技は素晴らしかったです。宇野選手の3Aは中国のハン・ヤン選手のように飛距離が出る方なので、その分だけタイミングを取るのが難しそうです。決まれば加点はがっぽり稼げるのですが。。。
ブラウン選手。彼も26才になったのか。。。私もトシをとるワケだ(・・;)。彼のステップやどこまでも流れるイーグルやバレエジャンプも好きだけど、特に、足変えのキャメルスピンは何度見ても惚れ惚れとします。
エイモズ選手。芸風はブラウン選手と似ています。ブラウン選手のスケーティング美に対し、こちらは器用で工夫に満ちていて楽しませてくれますね。役者やのう。
メッシング選手。29才!若い。衰えを感じません。かれのヌメヌメとした滑りは魅力的です。表情もヌメヌメとしています。見ていて何となく幸せな気分になる演技。
●終わってみれば。。。
まずは、男女シングルそれぞれ、五輪出場枠3を獲得したことは良かったですよね。まさしく選手達の奮闘の賜物です。2枠と3枠とではエライ違いですからね。ありがとうございました。
女子ではロシアの圧倒的な強さ、男子ではチェン選手の圧倒的な強さが際立った大会でした。
「安倍1強」じゃないけど、この先10年くらいは「ロシア女子1強」の時代が続くと思います。次のトップスケーターの予備軍としてのジュニアにも有力選手が目白押しです。
これよりレベルが落ちて、日本とアメリカ、そして韓国が続くといったところでしょうか。
残念ながら紀平選手は調整に失敗したとのことですが、それも含めて実力の内なのでしょう。ピーキングや調整の難しさは誰でも同じと思うからです。
日本女子3選手とも、それぞれの課題が明確になったことは収穫ではないでしょうか。
男子はパトリック・チャンさんの3連覇時代の強さとチェン選手の3連覇が重なります。パトリックの時は高橋大輔選手が、チェン選手の今は羽生選手がいて。
パトリック時代の時、「大輔さんよりPCR、じゃなかったPCSが高いのはおかしい!」「盛られ過ぎ」「大輔選手の良さが正当に評価されていない」とか言われたことが、そのまんまチェン選手と羽生選手のスコアに対しても言われています。ああ、また始まったな、という感じです。
いずれにせよ、一部のファンによる「贔屓の引き倒し」が繰り返されるのは、スポーツに限らず、どのジャンルでも付きもののようです。
そうした中で鍵山選手の銀メダルは快挙ですね。タイプとしてはかつての小塚選手やデニス・テン選手に近い方でしょうか。教科書になるような技にエネルギッシュな動きで魅了する。いや、もう既に2人の先輩を凌駕しているかもしれません。羽生選手の次は「鍵山時代」となるのでしょうか。
エイモズ君やブラウン君の表現力豊かな演技も素敵だったけど、メッシング君の演技は特に痛快だったなあ。彼がアメリカ国籍で出ていた時からその「特異性」に注目していたけど、実に小気味の良い滑りをしてくれます。4回転ジャンプがトゥループ1種ではなかなか表彰台に立てない時代ですが、得点とか順位とか関係無くフィギュアスケートの醍醐味に酔わせてくれるスケーターと思います。
トゥクタミシェワ選手の銀メダル、おめでとうございます!
ジュにニアの頃からずっと見て来たベテラン選手の活躍は感動的です。おまけに日本贔屓と来ているから日本のファンはたまりませんね。
北米の男子選手には日本贔屓の方が何人もいますが、ロシアの女子シングル選手には日本贔屓が多いですね。ソトニコワさんもそうだったし、メドベージェワ選手もザギトワ選手もそうです。引退したポゴリラヤ選手も日本で滑るのが楽しい、と言っていました。日本のファンは国に関係無く平等に応援するからか?しかも、日本で開催される大会はどれも満員御礼だから選手達には張り合いもあるのかもしれませんね。
ペアでは久し振りに三浦・木原組のフリー演技を見ましたが、驚きました。木原選手が非常に上手くなっていると思いました!リフト、スピン、ツイスト等、ひつつ一つの技から技への移行がスムーズに流れて行くようになっていませんか?ジャンプで2つのミスがあっての10位はなかなかのもの。お二人の相性は良さそうですね。
☆ジャンプの回転不足判定については、回転不足の多い順に、
①180度以上の不足:ダウングレード(DG)
②90度以上180度未満:回転不足(UR:アンダーローテーション)
とあって、ジャンプの基礎点が減ぜられ、加点もマイナス評価となります。
これに新ルールとして②の下の、
③90度の回転不足:「q」マークがつき、基礎点はそのままだけど加点は減ぜられる
が設けられました。
つまり、②ほどではないが90度回転が足りないのもチェックされるということです。
これについてはファンの間では賛否両論があります。
「細か過ぎて分かりずらい」「技術役員はちゃんと判定出来るの?」という批判や、「前向きに考えれば選手救済のシステムだよ。基礎点が減ることがない。これまでだったら「アンダーローテ」で減らされたのだから」とか。
どうなんでしょうね。
選手やコーチにとってはどうなのか、知りたいところです。
2021.03.24 |
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NHK杯の特設サイトがあって、便利になりましたね。採点結果も演技構成も動画も見られます。
→サイトはこちら
●女子
①坂本花織選手。
今や坂本選手は、完璧な演技をした時のキム・ヨナさん、メドベージェワ選手、ザギトワ選手のレベルに匹敵する境地に達したのではないでしょうか?
ジャンプ、スピン、ステップ、滑りの上手さ、パワー、音楽表現等、どれを取っても彼女等に勝るとも劣らぬ出来映え。4回転ジャンプやトリプルアクセルが無くてもここまでの高得点を叩きだせる日本人女子選手は彼女が初めてでしょう。
4人がそれぞれ完璧な演技を終えた時、私は、「ふう~ッ」とため息が出ました。あまりの見事さに、何かを語ろう、書こうとしても、意気阻喪して立ち向かえなくなる…そんな感じです。
私は正直、他は文句無くても、こと音楽表現という点では坂本選手はどうなんだろう?とずっと思っていました。彼女は優雅さ、妖艶さ、華やかさ…俗な言い方をすれば、「女性の色気」を表現して行くタイプにどうしても見えません。これって、フィギュアスケートでは不利に働くのかなあと。
しかし、今回の演技を見て私は完全に間違っていたと思いました。女性らしさとか関係無く、坂本選手は音楽を立派に表現していると思いました。明るく元気一杯な彼女に合った選曲にもなっている。
ここしばらくは、少なくとも北京五輪までこの調子は持続し、さらなる進歩も期待出来そうです。
②樋口新葉選手
フリーでやっとトリプルアクセルを降りましたね。少しだけ回転不足があったようですが回転には不安は無いようです。ランディングのコツさえ掴めれば大丈夫そうです。
私はやはり、高難度ジャンプに挑戦する選手が好きです。
ただ、前から気になっていたのですが樋口選手はジャンプ前の助走がちょっと長い感じがします。その分だけ「繋ぎ」の演技が薄くなるわけで、ここがもっと改善されればもっと高い演技構成点が出ると思うのに。ステップシークエンスでは最高の評価を得ているのに、演技全体としては少し表現面がお留守になっているように見えます。
それにしても、樋口選手のステップシークエンスは見応えがあります。これも私は正直、彼女のジュニア時代の演技からは今の表現力を予想出来ませんでした。樋口選手には日本人女子選手には珍しい「強さ」と「濃さ」があります。
③松生理乃選手。
全日本ジュニア選手権の演技で既に感じましたが、松生選手にはスケートのセンスの良さがあるように思います。滑りの柔らかさ、上半身の柔らかな使い方、そして、ジャンプもステップもスピンもバランス良く上手いですね。
今後に予想される体型変化を如何に乗り越えて進歩して行けるか。
④河辺愛菜選手
河辺選手もトリプルアクセルを跳べる選手。今回は上手く行きませんでしたが成功した時は綺麗に決まっているので心配はしていません。
私の当らない予想ですが…河辺選手は表現力豊かなタイプに育つように思います。彼女の意欲的なステップシークエンスを見て、ふと、そんな予感がしました。
河辺選手の顔立ち、若い頃の石田ひかりさんに少し似ている。
⑤三原舞衣選手。
あの細い脚を見て胸が痛みました。これでよく4分間のフリーをしっかりと素晴らしく演じられるものだと驚きました。どれだけ練習と努力を積み重ねたのでしょうか。人として尊敬します。
⑥本田真凜選手。
う~ん。。。
右肩脱臼であまり練習が出来なかったことは別としても、本田選手は一部で言われているように本当に練習嫌いなのでしょうか?良く言われることですが、スポーツはやたら練習すれば良いというものでもなさそうです。練習漬けになってむしろ調子を落としたり、故障の原因を作ったりする例もあるくらいです。
また、世には「練習嫌いの名選手」の例は少なくありません。
単に練習の量がどうかより、むしろ、計画的な練習が出来ているどうかにあるようです。
本田選手はどうなのでしょうか。
●アイスダンス
他の2組の選手には申し訳無いけど、やはり、村元哉中/髙橋大輔組に尽きます。
そりゃ、まだ、これからだ、くらい素人の私でも感じます。しかし、そんなことファンなら誰でも分かっていること。34才の高橋選手の熱意に私は感銘を受けるのです。
7つ年下の村元選手が、「カカア天下」、いや失礼、「姉さん女房」に見えます。
●男子シングル
出て来る選手がいずれもミスが多くて…。
逆に、女子の坂本花織選手の凄さを感じたりして。
もちろん、鍵山優真選手は異次元の滑りでしたね。
宇野昌磨選手のシニアデビュー当時と比較したくなります。
表現技術では宇野選手、ジャンプ技術では鍵山選手かしら。
2020.11.29 |
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宇野昌磨選手が新たな取り組みとして、3A-4Tや、4T&3Aを練習しているそうですね。
何だか、心配だなあ。。。大丈夫か?
ううむ。。。また、モノ申したくなって来たわ。
そりゃあ、宇野選手がどんな取り組みをするも宇野選手とコーチの自由選択よ。
わたし如きがアレコレ言う筋合いは無いことは百も承知です。
ひたすら見守り、応援していればいいのでしょうけども。
しかし、何だかなあ。。。
そもそも、宇野選手は4回転ジャンプが昨シーズンからずっと安定していませんよね?
そんな状況の中で、新たな取り組みでしょうか?
優先順位が少し違うような気がする。
羽生選手は全ての4回転ジャンプを跳べるよう猛練習するとか。
宇野選手も羽生選手も、4回転ジャンプの鬼とでも言うべきネイサン・チェン選手の凄さに当てられちゃった??
チェン選手の4回転ジャンプ…あれは、彼の特殊能力ですよ。
4回転ジャンプ合戦になったら、チェン選手には誰も敵わないと思います。
宇野選手は一つひとつのジャンプの質を高める方向で取り組むのが最優先ではないかと。
スピンやステップも音楽表現も同様に。まだ伸びしろがありそうだし。
怪我も多いようだし、何か、怖い方向に彷徨い始めたのかと心配になって来ました。
失礼な言い方ですが、いくら大風呂敷を広げても、内実が伴わなければ。。。
☆実は、私は世界フィギュアを見ることが出来ませんでした。理由はテレビアンテナと配線の故障の為だったのと、これを私がしばらく放置していたからです。テレビを見なくても意外と痛痒を感じなかったわ。
☆国別対抗戦は採点が甘くなる傾向(加点や演技構成点)があるので、パーソナルベストとか世界最高得点とかは「参考」程度にしておく方が無難です。コーチや選手もたぶん、分かっていると思います。
●選手について、一人のファンの身勝手な「イチャモン?」も書かせて頂きますm(__)m
■ショートプログラム
●紀平選手、3Aを決めましたね。良かった!彼女が定位置でポーズをとった時の笑顔を見て、「あ、これはイケル!」と感じたファンは多かったのではないでしょうか?表情がソフトだったのです。
【紀平選手の課題:準備能力に弱点か】
スケート靴がユルユルになって調整に苦労しているとか、ブレードについて非常に細かく手を入れているとか、筋肉の細部の調子について非常に気にしているとか、これらについてメディアは好意的に報道しています。「さすが、一流の選手はこういう細部にまで目を配っている」とか、「完璧主義」とかですね。
なるほど、それらは美点かもしれません。
が、視点を変えれば弱点にも繋がるかもしれません。弱点とは、事前の用意や準備に何かが欠けているのではないか?そして、過剰なまでの完璧主義というのは、むしろ、精神的な弱さの現れではないか。3Aですっぽ抜けという最悪のミスを繰り返す原因には色々あるにせよ、その背景にかかる弱点が深く関わっているのではないかと思います。メンタル、あるいは、心構えの問題かもしれません。
もちろん、紀平選手はまだ16才です。
しかし、過去の一流選手達の16才の頃に、紀平選手のように細部に対する過剰に神経質なまでの反応を示したり、試合直前まで、ああでもないこうでもないとバタバタしていただろうか?
年齢から来る弱点もあるにせよ、紀平選手特有の弱点ではないでしょうか?
「彼女の演技には弱点が無い」とは、ロシアフィギュア界も認めています。が、演技以外の所に弱点がありそうです。もちろん、紀平選手は克服してくれるものと期待しています。
紀平選手は来季からは4回転ジャンプを取り入れる予定ですし、たぶん、本番で決めると思います。私には非常な楽しみになりますし、それと同時に、彼女の弱点との戦いにもなるかもしれません。
●トゥクタミシェワ選手、素晴らしかった!女子選手は3Aを跳ぶ際、どうしても「ヨイショッ」って感じがありますが、トゥクタミシェワ選手はサクッと跳んでしまいます。あまり腕を振り上げたりしないで、長い助走のカーブからのタイミングと足腰のバネで高さを出している感じです。その代り、助走が長いのが弱点にはなりますが。
坂本選手とトゥクタミシェワ選手は足腰のバネが凄い。まさに、ゴム毬のようにピョーンと跳びますね。
☆松岡修造さん。私は松岡さんを特に好きでも嫌いでもありません。が、坂本選手に対し、「自信になりましたか!?」と強く迫り、坂本選手に無理矢理っぽく「自信になりました」と言わせ、「ご本人から『自信になった』との言葉がありました!」なんて…もうそろそろ、この手のインタビューは止めましょうよ。
●ブレイディ・テネル選手。この選手は技術系の職人みたい。スピンが上手いですよね。日本人女子選手で全てのスピンが見せ場になる例は、あんまりいないなあ。中野友加里さんのドーナッツスピンくらいか。もちろん、宮原選手のレイバック~ビールマンも素敵ですけども。
ただ、テネル選手は惜しい事に、エモーショナルな雰囲気に乏しいわね。妖艶さ、セクシーさ、可憐さ、華麗さ、どれもが乏しいというかほとんど無いくらい。無色透明ではなく、無色中性。なまじエレメンツ系が非常に優れているだけに余計それが目立ちます。
●宇野選手。やはり、私が懸念した通りの展開でした。フリーもこのような感じであれば、事態はちょっと深刻かもしれません。何かが行き詰まっているように思います。
宇野選手は4回転ジャンプのランディングに変なクセみたいなものがあり、これが3回転ジャンプとのコンビネーションを難しくしていますね。セカンドジャンプが3回転に出来ず、2回転になる場合がしばしばあります。やはり、ジャンプ一つひとつの質を磨くことが先決ではないでしょうか。4回転ジャンプはサルコウを封印し、フリップとトゥループの二つに絞り、場合によっては、今回のネイサン・チェン選手のようにショートでは4回転は1本にする手もあると思います。
●ネイサン・チェン選手。ショートで4回転トゥループ1本とは、「余裕をかまして」くれたわ(^o^)。
また、今回の演技を見て、彼が決してジャンプだけのスケーターではないこと、踊れるスケーターであることを証明しました。ステップで見せる軽快な足さばきとフリーレッグの使い方の美しさったら!!
●ヴィンセント・ゾウ選手※。4回転ルッツで両手を上げるタノをやるって、君ィ~、あのなあ(^_^;)。3回転ルッツでも両手のタノはメチャクチャ難しいんだゾウ。いったい、ゾウなっちゃってるの?
●アイスダンス:パパダキス/シゼロン組。凄過ぎ。。。
もう、冒頭の滑り出しからセット・オブ・ツイズルを見るだけで私は酩酊状態。美し過ぎる!特に男性のシゼロン選手は上手いわねえ~。あのスケートの名手、パトリック・チャンさんも真っ青ってレベルでは?
解説者が、「音楽を聴きながらツイズルが出来る…」とか言っていました。いや、そう思えるような素晴らし出来でした。男性が少しだけバランスを乱したようにも見えましたが。スピンで高速回転している時も選手は音楽を聴きながら、それに合わせてポジションを変えたり、上手く終えたりしているのかしら?
アイスダンスでは、しばらくはパパダキス/シゼロン組の時代が続くでしょうね。
※名前の発音はゾウなのか、ジョーなのか。今のところ、ゾウとしておきます。
※Lai様から頂戴した情報より、
…平凡社がメディア向けのガイドラインを発表していますが、これによると「Zhou」は「ジョウ」となっています。
とのことです。また、「ジョウ」の方が原音に近いそうです。
■フリースケーティング
テレビ観戦が出来ませんでした(;O;)。動画で宇野選手の演技を見ただけです。
●宇野選手。
演技後半の3A-4Tは「ナイスチャレンジ」なのでしょうか?そういうことにしておきましょう。
羽生選手の4T&3Aのシークエンスジャンプへの対抗意欲を示したかのな?
確かに、決まれば巨大な得点源にはなります。
4F-3T、単独の4Fを決めたのは、さすが!、と思います。
しかし、他がいけない。乱れたジャンプがいくつもありましたし、ステップではレベル2(たぶん、転倒等で体力を消耗していたのでしょう)でした。
動画ではハッキリとはしませんが、ベートーヴェンの「月光」の情感にも乏しかったように見えました。ジャンプに気が行って、しかも、余裕が無いので音楽表現の方がやや「御留守」になったのでしょうか?
本来ならもっと情熱的な演技が出来ると思うのに。
ネイサン・チェン選手がジャンプの難度を下げて演技し、その分の余裕を音楽表現に注いで成功していました。これは宇野選手にも参考になるのではないでしょうか。
気になることがあります。演技構成点の評価がゾウ選手やメッシング選手の評価とほとんど差が無くなっていることです。ジャンプでミスが複数あり評価が伸びなかったのでしょうが、理由はそれだけでしょうか?
5回転トゥループに挑戦する?
本気で言っているのでしょうか?
羽生選手、チェン選手、ゾウ選手に負けられない、何としても!との強い意欲の現れでしょうか。
競技用プログラムの振り付けですが、今は樋口美穂子さんの振り付けオンリーですね。ショートプログラムだけでも他の振り付け師に頼む手はないでしょうか? ジャンプだけがチャンレジではありませんし。何か突破口を見出すきっかけになればいいかなあと。もちろん、音楽表現の更なる進化の為にも。
●ブレイディ・テネル選手。いや、凄かった!恐れ入りましたm(__)m。やはり、スピンが上手いというのは良いですね。演技の最後に2本のスピンを連ねて盛り上げてエンディングをばっちり決める!お見事!手足が長いとスピンの見栄えも良くて、やはり得だなあと思います。
●トゥクタミシェワ選手も素晴らしかったです。少し、体重が落ちスラリとしましたか。顔も少しほっそりした感じ。身体が絞れていますね。これも好調の原因ではないでしょうか。この調子が持続出来ればフリーにトリプルアクセル2本入れることも可能じゃないかしら?これなれば、ロシア女子のトップスリーに入れるよ。
お二人のように二十歳を超えたスケーター達が頑張ると嬉しくなります。
●坂本選手。頑張りましたね。ほんと、頑張ったって感じです。スケーティングが良く伸びること伸びること!見ていてこちらまで爽快な気持ちになります。
●紀平選手も頑張りましたよ。かなり緊張していましたか?出だしの動きがどこかギクシャクしている感じがして、「大丈夫かな?」と気になっていましたが…冒頭のトリプルアクセルで派手な転倒がありましたが、すっぽ抜けるより遥かに良いと思います。もちろん、転倒は身体に衝撃があり疲労の原因になるので避けたいでしょうけど。
「身体がガチガチで動かなかった」とはどういう意味?。筋肉疲労?いや、他の選手達より若いのですから、意味合いが違うのではないかと想像します。疲れ、という点では他の選手達も条件は同じですから。ショートプログラムで気合いが入り過ぎるとフリーに響く、というのは他の選手からも聞いた記憶があるので、それかな。
☆フィギュアスケートを取材している3人の対談記事が連載されており、興味深いです。
→記事はこちら
トリプルアクセルの伝統のことは私がずっと以前から強調して来たこと<(`^´)>。
この3人の方々、中野友加里さんに触れていないのが残念です。成功率は低かったかもしれませんが、中野さんだってトリプルアクセルを何度も跳んでいたのに。
それと、忘れてはいけないことがあります。安藤美姫さんが4回転サルコウを跳んだことは?この後の連載で触れるのかどうか。わずか一度成功しただけ?だったかもしれませんが、今から10年以上も前に日本の女子選手で一人だけ4回転ジャンプに挑んでいたこと自体、破天荒なことでした。
紀平選手がその後継者にもなったら凄いことですね。紀平選手なら出来る!!
●今季の採点ルール改正の問題について。
今季は大幅なルール改正がありました。3Aや4回転ジャンプの基礎点がグッと下げられ、GOEの加点・減点の幅が7段階→11段階に広がり、演技後半で基礎点が1.1倍されるジャンプの数が制限される、転倒による減点が大きくなる等です。これらは、演技がジャンプ競争気味でジャンプに偏りがちだったものを抑制し、歯止めをかけるする狙いがあったと思います。しかし、今季を見る限りルール改正の効果が出たのか疑問です。
たぶん、少なからぬファンが感じているのは、GOEの加点が「甘くなったのではないか?」という疑問です。ジャンプがほぼ綺麗に決まれば、旧ルールの時よりも加点が多く出るようになりました。もちろん、ミスをすれば減点も大きくはなりましたが。それゆえ、男女共、昨シーズン以上に高得点が続出する結果になっています。
高難度ジャンプ偏重の流れに歯止めをかけるどころか、むしろ、掉さす結果になっています。4T&3Aや3A-4T、さらには5回転ジャンプも目指すという選手が出て来る等、エスカレートするばかり。
男子は4回転ジャンプは3種で計4回跳ばなくては勝負にならず、女子でも3Aを跳ぶ選手が増えだし、4回転ジャンプを跳ぶ選手が複数で始めました。この流れは止まらないでしょう。
私はGOEの加点が甘くなったことも改善点と思いますが、もう一つ大事なのは、演技構成点も甘くなっていることです。甘いと言うよりも、差別化が不十分なのではないかと思います。
つまり、ノーミス演技をすると、表現技術やスケーティング能力が非常に傑出しているとは思えない選手でも非常に高い演技構成点が出るのです。これで良いのでしょうか?
ジャッジも今季の結果を踏まえ、採点傾向の見直しが検討されるものと思います。それなくば、採点のインフレ傾向と、トップ選手の年齢の下降傾向に歯止めがかからなくなる恐れがあると思います。
国際スケート連盟は演技構成点のルール改正についてはほとんど手を触れません。基準の見直しが急務と思うのですが、何故かなかなか改正をしませんね。
フィギュアスケートが女子体操のように最盛期が15才~19才くらいになり、演技のアクロバット化が進みます。いや、既になりつつあると言えましょう。体操競技はまだそれも有りかもしれませんが、フィギュアスケートでは「スポーツと芸術性」を謳っている以上、女子体操のようになるのは疑問です。
2019.04.11 |
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■手抜きですが、フランス大会では主に本田真凜選手について記します。
●本田真凜選手の音楽表現は素敵だ。
→演技動画はここです
今大会で一番印象に残った演技でした。本田選手の音楽表現は猛練習の積み上げによる成果というよりも、何より本人の個性・資質に根ざしたものと感じます。
それゆえ、音楽表現が本田選手の天分の発露のまま自然に流れます。水の流れるごとく。快い。借り物の衣装を着たような趣きは一切無く、生まれた時から自家製の衣装を纏っている…そんな印象です。
●「本田選手は練習熱心でない」、との指摘があるようですが。だからと言って。。。
それとは対照的に、「宮原選手は誰よりも練習熱心」と称賛されますね。このこと自体は良いのです。しかし、メディアが練習熱心とされるアスリートをつかまえては、「誰よりも長時間練習をしている」「やめろ、と言われるまで練習を続けている」のような称賛がやたら繰り返されると、私は少々反発したくなって来ます。
少なからぬ日本人特有の、「スパルタ教育好き」「地獄の猛特訓好き」の匂いがプンプンしてくるからです。正月休みも夏休みも返上して、予備校でねじり鉢巻きを締めて朝から晩まで猛勉強している小中学生の姿を思い出す。もちろん、このこと自体を批判するつもりはありません。それぞれの家族や本人の自由だ。
そうではなくて、
「長時間の練習」こそがアスリートの鏡みたいに、葵の印籠のごとく振りかざされるのはどうかな?と思うのです。21世紀の時代、大事なのは量よりも質ではないだろうか?
企業でもそうだ。
朝は誰よりも早出をし夜は誰よりも遅くまで残業する社員が、「ビジネスマンの鏡」みたいに言われて来たことを連想してしまいます。「二十四時間、働けますか?」なんて猛烈なテレビCMもありましたっけ。
しかし、私が尊敬していた上司はこう言っていたものだ。
「残業する社員も、それをさせる上司も、能力が無い証拠」「その日にやるべき仕事は規定時間内終わらせるよう社員を教育し、効率的な仕事の進め方をすることが大事だ」とね。
要は、ダラダラと残業するな!残業時間の多少と仕事の熱意とは関係無い、ということでしょう。
ネイサン・チェン選手が名門イェール大学に入り、学問とフィギュアスケートとの両立で頑張っています。当然、練習時間は少なくなるでしょう。
すると、チェン選手は「練習不熱心」ということになるのだろうか?
問題は、本田真凜選手がどんな練習をしているか、その中味や密度が如何?ということであろう。
そこでクイズです。
数学の練習問題を解いている時、あるいは、少し難解な論文を読んでいる時、何かの習い事でレッスンを受けている時、お仕事で何かの企画書なり報告書を書いている時、あなたは何分、集中力を持続出来ますか?
2時間?1時間?30分?15分?
私は15分が限界です。もちろん、休まずに続けるのですが、明らかに集中力は低下しています。それゆえ、珈琲を入れたり、窓から外をぼんやり眺めてみたり、ちょっと音楽を流したりしたくなります。再び、取り組ますが15分を過ぎるとやはり低下して来ます。この繰り返しですね。
私が通っていた高校では「100分授業」、「90分授業」なるものが行われていましてね、確かに、「猛勉強している感」はありましても、果たして本当に効率的であるか、かなり疑問でした。私は苦痛でした。
もちろん、人ぞれぞれです。長時間練習なり長時間勉強なり、長時間労働で成果を上げる人もいるでしょう。だからと言って、それを万能であるかのように持ち上げるのはどうでしょうか?
それと、三度の飯より、美談作りが大好物なメディアらしいお話でもありますね。
●アイスダンス:パパダキス&シゼロン組の芸術的な名演技!!
→演技動画はここです
演技が始まった瞬間から、滑りや表現に、タダならぬ気配を感じます。
下手な説明など不要。ただひたすら魅了されるだけです。
点数や順位を競う、という点ではあまりワクワクさせられることの少ないアイスダンスですが、日本舞踊やバレエを観賞するように楽しむのがアイスダンスだ。
民放テレビは男女シングルオンリーではなく、せめて、彼等の演技くらい流して欲しいわ。
■グランプリファイナル(開催地:カナダ・バンクーバー)の男女シングル進出選手。
●男子シングル
宇野昌磨(日本)
ネイサン・チェン(アメリカ)
セルゲイ・ヴォロノフ(ロシア)
チャ・ジュンファン(韓国)
ミハル・ブレジナ(チェコ)
キーガン・メッシング(カナダ)
良いですねえ。羽生選手の欠場は残念ですが、メッシング選手が繰り上がり選出となり、これが結果的に各国からそれぞれ一名づつの進出となりました。これぞ国際大会に相応しい。
大ベテランのブレジナ選手とヴォロノフ選手の活躍がとりわけ私には嬉しい。
●女子シングル
宮原知子(日本)
アリーナ・ザギトワ(ロシア)
紀平梨花(日本)
エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)
坂本花織(日本)
ソフィア・サモドゥロワ(ロシア)
男子とは対照的に、こちらは、「第二次日露戦争」だな(^_^;)。
ところで、男女それぞれ6名づつを列記しましたが、これはダテに並べたのではありません。
はい。私の予想した順位です(^_^)/
2018.11.30 |
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