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橋本聖子スケート連盟会長の行為に見るスポーツ界の旧態依然とした体質





スピードスケート選手時代の橋本聖子氏は実に素晴らしく、私も非常に感動しました。最後まで全力で滑り、ゴール後は氷上にうつぶせになり、しばらくは立ち上がれないほどでした。全身全霊で戦う貴い姿に涙も出ました。また、アルベールビル五輪で日本女子スピードスケート選手として初となる銅メダル(1500mでしたか)を獲ったことも忘れられません。

しかし、過去のスピードスケート選手としての橋本氏の素晴らしさやその輝かしい実績と、現在の日本スケート連盟会長及び自民党政権下における自民党参議院議員としての橋本氏の問題とは別の次元の事柄です。

「橋本聖子スケート連盟会長が高橋大輔選手にセクハラ・パワハラ!?」
ソースはここです

なお、橋本会長は以前に以下のような発言をして、日本女子柔道界におけるセクハラ・パワハラへの告発に対し圧力をかけようとした人です。
ソースはここです

私はアルベール五輪のスピードスケートのビデオ映像を持っています。その中に、男子1000mで銅メダルを獲った宮部行範選手に橋本聖子選手が思い切りハグして祝福しているシーンがあります。すると、宮部選手が「ああ、ちょっと、ヤバイ!」と照れます。きっと、橋本選手はこういう明るいキャラクターなのでしょう。

それゆえ、例の高橋大輔選手とのシーンについては、あの橋本氏なら有り得ることかなあと思いました。しかし、今回の場合はアウトですよ。何故か?

幸い、高橋選手のコメントにより、橋本会長の法的問題は消滅したと言えましょう。それでも橋本会長の行為は問題であり、セクハラ・パワハラと言われても仕方無いと思います。軽率でした、で済まされる問題であろうか?

①橋本会長は権力・権限を持つ強い立場の人間である。
②高橋大輔選手はスケート連盟に所属する一人の選手にすぎない。つまり、弱い立場にある。イヤ、とは言えない。
③橋本会長は参議院当選4回の中堅議員であり、副外務大臣をも務めた人間である。
④強い立場にある人間が「強制では無い」と言っても全く弁解にはならない。
⑤「相手は(キスを)受け入れた」との言い分は、レイプ犯容疑者によくある、「女性は抵抗しなかった(つまりは強制ではない)」との言い分と通じるのではあるまいか?

⑥「スケート界では(ハグもキスも)普通によくあること」との言い分は、むしろ、問題の闇を感じさせる。つまり、高橋選手と同じ被害にあった選手が他にも(普通に)いるのだとすれば、問題の深刻さを疑わせる。
⑦このことに橋本会長が鈍感であり、問題意識が希薄なようだ。
⑧日本は「酒に酔っての言動」に非常に甘い文化があったが、この「悪習」は変わりつつある。酒の席だから、は弁解にならないのである。むしろ、酒の助けを借りて、強い立場の人間が弱い立場の人間に対し、卑しい又は傍若無人な振る舞いをすることを許さない方向に変わりつつある。※。もしも、これがアメリカやフランスだったら、どうであろうか?
⑨パワハラを告発した女子柔道選手たちに「名前を名乗れ」と主張した橋本氏は、強者の論理を振りかざす人間であり、弱者の論理を解さない人間のようだ。
⑩慰労パーティーの費用。そのお金はどこが出しているの?まさか、橋本氏のポケットマネーではないでしょう。JOCにしろスケート連盟にせよ、そのお金には国民の税金も含まれる。そのお金で行われた公的なパーティーなのだ。 

⑪高橋大輔選手は被害者です。問題はありません。

※会社組織におけるケース。やれ忘年会だの打ち上げだのと、こうした酒の席(費用は会社から出ている)で、どさくさに紛れて上司が部下である女性社員の身体を触る例は少なくなかった(膝を撫でるなどという軽い程度では無い)。以前に私が務めた会社でも酒の席で女性の身体に触りたがる上司がいました。しかし、複数の女子社員が上級上司に訴えたことで、この上司は配置転換になりました。最近は企業でもこういう良い傾向になりつつあるようです。

私は橋本会長は辞任に値すると思います。こうならないのは日本スポーツ界の体質の甘さ、保守性、後進性、閉鎖性を如実に示すものだと思います。

このことは、週刊文春の取材に対して日本スケート連盟副会長の鈴木恵一氏がコメントした内容にもよく表れています。

…鈴木惠一氏は、「橋本氏の行為は「(セクハラには)当たらない。(相手は)男だから」とコメントし、また例えば浅田真央が同じようにキスをされたとしても「度胸あんじゃねぇか、お前はと、言っちゃうね(笑)」と同誌にコメント…。

この程度の低認識しかないのです。これで副会長です。

橋本会長の問題はまだあります。橋本氏が高橋選手だけではなく、他の選手たち、少なくとも他の男子選手たちにも同様にハグ&キスをしたというのであれば、まだ会長として一貫性があります。行為自体は問題ではあっても、上に立つ者は配下の者に対し、公平に扱うのが鉄則です。リーダーの要諦でもある。そうでないとすれば、極めて不公平であり、橋本会長と高橋選手との関係について「下衆の勘繰り」を招いたとしても言い訳が出来ないのです。

相撲、柔道、高校野球、バレーボール…スポーツ界におけるパワハラ・セクハラ、度を超えた体罰、イジメと、昔から問題が絶えません。ある種の閉鎖的な組織にありがちな問題と言えましょう。1年前にはフィギュアスケート界における体罰が問題にされたこともあります。フィギュア界よ、お前もか。

今回の橋本会長のケースで、本人が記者会見するわけでもなく、謝罪コメントの一言で済まされてしまう甘さ。上に立つ者に対する責任追及の甘さがこうしたスポーツ界の歪んだ体質を温存する理由の一つと言えましょう。

それゆれ、女子柔道のように選手たちが選手生命を賭けて告発する覚悟がないと問題は放置されてしまうのでしょう。

それと、スポーツ選手として一流であることと、マネージメント能力やリーダーシップという人間力が優れていることとは別次元の問題です。あえて私の独断と偏見で申し上げれば、一流のスポーツ選手にはこうした方面では無能な人が少なくないと思っています。子供の頃から「その道一筋」で、他を犠牲にして競技に打ち込んで来たのですから、他の方面の能力が落ちるのは不思議ではありません。もちろん、例外はあります。

しかし、なべてスポーツ界ではどうしても元一流選手が組織のトップになるんですね。

今回、私が高橋大輔選手については何も言うつもりはありません。彼は被害者、弱者の立場だからです。

イジメ問題やセクハラ問題が起きると、いじめた側やセクハラをした側だけではなく、された側をも問題にする人がいます。「される側にもそれだけの理由があった」と言うわけだ。「レイプされたのは油断したオマエが悪い」と。なるほど。

しかし、私はそういう考え方は一切いたしません。いじめられた側、ハラスメントを受けた側を100%擁護します。99%ではありません。100%です。

ただし、いじめられた子供に親が「言われっぱなしにしないで、言い返す強さも必要だよ」と指導するのは良いと思う。



2014.08.28 | | コメント(11) | トラックバック(0) | フィギュアスケート・ネタ関連



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片割月

Author:片割月
和歌を愛し、音楽を愛し、花を愛し、神仏を尊び、フィギュアスケートが大好きで、歴史・社会・文学が大好きで、ジョン・レノン、八代亜紀、ちあきなおみが大好きで、クリント・イーストウッドと映画も好きで、皮肉とユーモアも好きな変わり者熟女(四十路半ばを過ぎた)ですが、よろしくお願いします。

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